♪ 一つ山越え、も一つ山越え、あの山越えて、わたしゃあんたに惚れとるばい、惚れとるばってん言われんたい。♪
熊本県民謡「おてもやん」2番の歌詞より。
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日本の民謡が好きだ。どの地方にもそれぞれ特有の民謡が残っている。YouTubeでよく聞いている。入浴中に、真似て歌ったりもしている。男と女の仲の歌が多い。好いた好かれた、惚れたふられたが歌になっている。あたたまってふんわりする。ほのぼのする。
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一つ山越え、も一つ山越え、あの山越えて、意中の人に会いに行ったのだろう。女のか弱い足で越えて越えて行ったのに、告白が出来ずに帰って来たのだろう。男も女のこころを読み取ってやれなかったのだろう。それを思うと切ない。
この世は山ばかりだ。越えて行かねばならない山ばかりだ。でも、恋の情熱の滾る熱があれば、越えて行ける。
いいじゃないか、恋が成就しなくったって。泣けた涙のあたたかさがいついつまでも残るじゃないか。