わたしが間違っている。わたしが不平を持つときがある。ときどきある。周期的にある。不平の波が砂浜に打ち寄せる。それに濡れる。
でも、わたしが間違っている。不平を持つときに、それに気付く。不平を抱いてはならないということはないと思うが、それに縛られてしまうのはよくないことなのだ。束縛を受ける前に、わたしの間違いを考えて、呪縛を解く。
間違いの原因はわたしにある。わたしが間違っているから、間違ったところに漂着してしまうのだ。不平の浜辺に乗り上げてしまうのだ。
3月26日、火曜日。午前10時10分。風が強い。雨は降ったり止んだりしている。風の音が高い。ゴーゴーと鳴っている。高く伸びた菜の花が一斉に地に平(ひれ)伏している。