明日は鹿児島に行って来ようか。ふうらりふらり。鹿児島でなくともいいのだが。内之浦のロケット反射場を見てこようか。ここには国民宿舎もあるようだ。さぶろうは、ふうらりふらりが好き。予約は取らない。断られたらそれまで。縁がなかったということになる。さぶろうはいつもふうらりふらり。
さみしい。とにかくさみしい。じゃ、どうしていたら、さみしくなんかないようになるのか。知らない。さみしいときにはさみしさに身をゆだねておく。無能力者にはこれしかない。さみしい。我が身の置き所がない。行乞の種田山頭火の句集を読んでみる。しばらくこの潮騒で遊ぶが、これでどうにかなるわけではない。どうにもならない。
どうにもならないことなんて、しかし、ざらにあるものだ。驚くことじゃない。慌てふためくことじゃない。鹿児島に行って見なくともいい。知らない海へ行けばいい。海の白い砂浜の砂でいい。それを手にとってみればいい。さみしさは女のようだ。触れていればいい。触れる肌がないのなら、どうするのだ。砂を女の人にして触れていればいい。