いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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私的な財津和夫論。(第25回) private essay about k. zaitsu

2011-08-13 20:08:00 | 日記
 「私的な財津和夫論」の第25回は、「歴史的評価」です。
 25 歴史的評価
 ビートルズは1962年プロ活動スタートで、来年には50周年を迎える。ビートルズのような時代と音楽を変革したエポック・メーキングな音楽革命的なバンドとなると、70年までの8年間、200曲余りの音楽活動の中ですでに「歴史的評価」が幾度となくなされて確立してきているから、50周年となっても今更、歴史的評価もない。
 ただし、その来年夏にはアスリート・レジェンド、ロンドン・オリンピックが開催されるので、あわせてミュージック・レジェンドの「ビートルズ」の50周年も話題となることは間違いないだろう。

 ビートルズから10年遅れて1972年に5人編成のメンバーでプロ活動を開始した「チューリップ」は、その来年(レコード発売で言うと6月)に40周年を迎える。
 「チューリップ」の日本ポップス音楽に与えた歴史的評価がなされてもいい時、年を迎えることになる。
 最近、音楽評論家が書いた「70年ノート」からは「チューリップ」のアイテムがすっかり抜けていて、その時代のポップス「いっしょくた」にするのにはあまりにインパクト、存在、印象が破格なのか、「70年ノート」の内容ももうひとつであった。
 当時からオンタイムでかかわった人の抜きんでた「チューリップ」の日本ポップスに与えた歴史的評価にも期待したいものだ。本格的、専門的、学究的な「チューリップ音楽の世界」の分析、検証、評価の歴史的評価が待たれる。

 1000回をはるかに超えるライブコンサートのチューリップ、800曲余りの多作で多様な詞曲のコンポーザーでミュージシャンの財津和夫さんの音楽活動歴を振り返ると、あらためて自ら時代と音楽をきりひらいてきた「すごさ」に驚かされる。
 チューリップ、財津和夫さんの音楽活動の歴史は、そのまま日本ポップス音楽に「初めて」が並ぶフロンティア(frontier musical history)な歴史だ。

 ①72年6月のデビュー曲「魔法の黄色い靴」(詞曲:財津和夫)は、当時、時代を先取り「すぎ」た楽曲として、日本語をポップス音楽に何の違和感もなく取り入れた先駆的楽曲(メロディ)と言われた。

 ②76年に札幌、福岡の大規模ホール(アリーナ・体育館)で各7000人を集めたビッグライブコンサート開催。

 ③78年、鈴蘭高原に8000人、田園コロセイムに6000人を集めた野外ビッグイベントコンサート開催。鈴蘭高原コンサートでは、野外大規模ステージング、音響効果、照明設備の技術効果を先駆的に開発する。

 ④79年、8大都市コンサートで日本とあわせてホノルル公演を開催する。

 ⑤80年、2回目の鈴蘭高原コンサート開催。「雨の鈴蘭」として、東海ラジオのライブ放送(ちょっといわく付き:同ブログ解説参照)もオンエアする。
 財津さんは「このコンサートでライブ観が変わった。それまではいい音、いい演奏、いい歌を聞かせるのがライブだと思っていたが、激しい雨で楽器も満足な音がでない中、ある意味でステージと客席が一体となった一番盛り上がったコンサートになった。
 お客さんが盛り上げてくれるんです。ライブコンサートとはこういうものなんだと思えるようになった。」と言っている。

 ⑥81年に当時不可能と言われていた名古屋城内コンサート開催(これもちょっといわく付き:同ブログ解説参照)。これをきっかけに国宝、名古屋城内でのコンサートが事実上解禁される。

 ⑦82年、11年目で1000回ライブコンサート開催。この日、東京よみうりランドを1日貸し切っての記念イベントコンサートに21000人を集める。

 ⑧84年、箱根芦ノ湖畔にて1日限りのパゴダ(pagoda)を建てて、野外イベントコンサートに25000人を集める。

 いづれも当時としては破格のスケール、企画の音楽活動を展開してきた「チューリップ」、財津和夫さんだ。
 ビートルズ同様に音楽の独自性、独創性にこだわり、自らの音楽と時代をきりひらいてきた財津和夫さん、音楽性の高さにもこだわりつづけて、メロディ、リズム、ハーモニーの音楽性の高い「チューリップ」サウンドをつくりあげた。

 財津和夫さんの天性のメロウなハイトーン・ボイス、歌唱力にライブバンドとしての演奏力、男性バンドとしては完成度の高いハーモニーとコーラスワークも特徴のチューリップサウンドだ。

 支えるスタッフも音響効果、照明設備、ステージングと日本ポップス音楽の先駆的な役割を果たしてきた。
 
 あらためて、チューリップ、財津和夫さんの「すごさ」を実感できる音楽歴だ。多角的、歴史的検証、評価がなされていい。     
                     参照:チューリップbiography(年表)
                          〔転載禁止です〕

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