ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第136回」

2012-07-12 |   ビタペクト配布活動
 7月9日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第136回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。

 今回はビタペクト3を14個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は1927個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1750部となりました。
 今回で通算147回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、1927人の子どもにビタペクトを、1750家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a



(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a



 今回はゴメリ市(チェルノブイリ原発から約140キロ)に住む2家族がSOS子ども村に保養滞在していました。どちらもゴメリ市にある多子家庭と障害児を支援する会の会員の子どもたちです。
 そしてこの2家族は同時に去年SOS子ども村に保養滞在していました。家族Bのおばあちゃんがこの会の会長さんです。
 そのときのようすはチロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第119回」をご覧ください。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/be91b4b095d42e0057e927e3050576ee



(家族A)

 お母さんが2人の娘や親戚の子どもなど7人の子どもを引率していました。この家族には7個のビタペクト3を渡しました。 
 この家族は2010年にもSOS子ども村に滞在したことがあります。そのときのようすは、こちらをご覧ください。
チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第104回」(家族A)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/4996cd66afa6da48c0351b85ebdb0909


 また次女と三女は2009年9月にも、祖母に引率されてSOS子ども村に保養滞在していました。そのときの様子はこちらの記事をご覧ください。チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第96回」(家族A)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/f09ebd298248eb3f7f5c1299bdf04770


 それぞれの体内放射能測定結果はこのとおりです。特別に表記がない場合は2010年6月の結果、と2011年6月、2012年7月の結果を表示してあります。○印の子どもにビタペクト3を渡しました。

母親(事故発生時14歳)9ベクレル → 10ベクレル → 16ベクレル
次女(16歳)29ベクレル(2009年)○ → 27ベクレル(2011年)○ → 32ベクレル ○ 
三女(14歳)23ベクレル(2009年)○ → 22ベクレル(2010年)○ → 34ベクレル(2011年)○ → 35ベクレル ○
姪  (6歳)23ベクレル ○ → 30ベクレル ○ → 37ベクレル ○
甥  (7歳)36ベクレル(今回初測定)○
姪  (5歳)32ベクレル(今回初測定)○
男子 (8歳)22ベクレル(今回初測定)○
男子 (8歳)36ベクレル(今回初測定)○

 このうち7歳の甥と5歳の姪は兄妹で、住んでいるところはジロビン(チェルノブイリ原発から約170キロ)です。
 甥はよく風邪をひき、また足にあざがあります。姪も体が弱く、頭にあざがありますが、そこからは毛が生えてこないので、髪型でごまかしているそうです。(私は全く気がつきませんでした。)

 次女も三女も心臓が弱く、三女は慢性胃炎も患っています。次女は背骨の湾曲が直らず身体障害者認定を受けたそうです。
 22ベクレルの8歳の男の子も親戚ですが、風邪をよくひきます。
 36ベクレルの8歳の男の子はよく発熱するため、しょっちゅう病院に行っているそうです。

 毎年のようにビタペクトを飲んでいる子どももいますが、体内放射能値に変化はなく、増加している子どももいます。残念な結果でした。
 ゴメリは汚染地域なので、住み続けている場合はやはり1年に2、3回ビタペクトを飲むほうがいいのではないかと思いました。しかしビタペクトは現在薬局では販売されていないので、入手は難しいです。ビタペクト3はチェコからの輸入になったので、値段も高く
「とても子どもたち全員に買えない値段です。」
とお母さんたちは話していました。

 こういう結果が出ると決まって
「子どもたちに何を食べさせたんですか?」
という話になるのですが
「店で買ってきたもの。」「森の中のビルベリー食べちゃった・・・。」
という返事が返ってきます。そして
「食べる物すべて測定できない。」「店で売っている物は信用する、しないに関係なく、買って来て食べるしかない。」
といった話になります。
 
 お母さんは以前会った時目の端に水泡ができているのに気がついていたのですが、今回その数が増えて、大きさももっと膨らんでいたので、びっくりしました。
「病院に行ったほうがいいですよ。」
と言ったのですが
「子どもの病気のほうが先で、いつも自分のことは後回しにしているので、まだ病院で診てもらったことはありません。」
と言うことで、病名も分からないそうです。
 痛くはないそうですが、もしかしてこれも被曝のせい? と心配になりました。 
 

(家族B)
 おばあちゃんが孫など、7人の子どもを引率していました。この家族には7個のビタペクトTを渡しました。 
 それぞれの体内放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト3を渡しました。

祖母(事故発生時28歳)14ベクレル → 15ベクレル
孫  (4歳) 0ベクレル → 25ベクレル ○
女子(12歳)16ベクレル ○ → 15ベクレル
男子 (7歳)19ベクレル ○ → 37ベクレル ○
女子(12歳)33ベクレル ○
女子(12歳)28ベクレル ○
男子(12歳)22ベクレル ○
女子(10歳)29ベクレル ○
女子(10歳)27ベクレル ○


 このうち7歳の男の子はブダ・コシェリョフの近くの町(チェルノブイリ原発から約150キロ)エレネツに住んでいます。
 12歳の女の子で今回初測定の2人はいとこ同士です。
 33ベクレルの12歳の女の子と12歳の男の子は風邪をよくひきます。
 28ベクレルの12歳の女の子は慢性胃炎。(最近弟が亡くなったそうで、心身ともの保養のため選ばれたそうです。)
 29ベクレルの10歳の女の子は膵臓に異常があります。
 27ベクレルの10歳の女の子はレチッツァ(チェルノブイリ原発から約110キロ)に住んでいます。血液に異常が見つかり、秋に再検査するそうです。
 15ベクレルの12歳の女の子は静脈に異常があるそうです。

 持病を抱えている子どもが多いのですが、海外への保養や国内でのサナトリウムなどには行っていないのですか? と質問すると
「海外へはコネがないと行けない。国内の療養所や保養所は経済危機のせいで、食事の内容など質が低下したので、効果があるとは思えない。」
という会長さん(おばあちゃん)のお話でした。
 そんななかでSOS子ども村へ行けて私たちは運がいい、と話していました。

 会長さんは放射能値の高さに心配していました。私が
「ゴメリ市の第1診療所にもWBCがあるから、再測定に行ってみたらどうでしょうか?」
と話したら、家族Aのお母さんは
「私はその診療所の近くに住んでいますが、WBCで測定したいと言うときまって『故障中』とか『調整中』とか言われて、測定を受けたことがありません。」
と言っていました。(どうなっているんでしょう・・・。)
 医者によっては
「体内の被曝量など知らないほうがいい。」
と言う人もいるそうです。困ったものです。せっかく測定できる環境の中にいるのに・・・。

 画像は記念撮影の様子です。(保養とは関係のない子も1人写っています。)
 女の子で1人、お母さんがミンスクに用事でやってきたので、ついでに娘の顔を見に来た、ということで、この画像を撮影したときにはもし水入らずで、別の場所に行っており、写っていない子どももいます。
 
 子どもたちとお母さんには折り紙用の紙、折鶴、アクリルたわしなどをプレゼントしました。
 また今回は日本から届いた「ペコちゃんぺろぺろキャンディー」もプレゼントされました。(これに一番喜んでいました。)(^^;)日本のお菓子なんて食べたことないですからねえ。
 また日本についてのお話や、浴衣で踊りの披露など、日本の紹介もしました。(漢字にはびっくりしていました。)
 
 最後になりましたが、ビタペクト3の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や手作りのアクリルたわし、キャンディーなどプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。

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