ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第119回」

2011-06-20 |   ビタペクト配布活動
 6月20日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第119回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクトTを9個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2は合計1829個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1580部となりました。
  
 今回で通算129回目のビタペクト2(ビタペクトT)の配布となりました。延べ人数ですが、1829人の子どもにビタペクト2(ビタペクトT)を、1580家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト2配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(ビタペクトTを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所のサイトはこちらです。)

http://www.belrad.nsys.by


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a



(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


 今回はゴメリ市(チェルノブイリ原発から約140キロ)に住む2家族がSOS子ども村に保養滞在していました。それぞれの家族に話を伺いました。
 2家族と分けていますが、どちらもゴメリ市にある多子家庭と障害児を支援する会の会員の子どもたちです。 

 
(家族A)

 お母さんが2人の娘、2人の姪、1人の子どもを引率していました。この家族には4個のビタペクトTを渡しました。 
 この家族はちょうど1年前にSOS子ども村に滞在したことがあります。そのときのようすは、こちらをご覧ください。
チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第104回」(家族A)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/4996cd66afa6da48c0351b85ebdb0909


 また次女と三女は2009年9月に、祖母に引率されてSOS子ども村に保養滞在していました。そのときの様子はこちらの記事をご覧ください。チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第96回」(家族A)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/f09ebd298248eb3f7f5c1299bdf04770


 それぞれの体内放射能測定結果はこのとおりです。次女と三女は2009年9月測定分も示してありますが、それ以外は2010年6月の結果と2011年6月の結果を表示してあります。○印の子どもにビタペクトTを渡しました。

母親(事故発生時14歳)9ベクレル → 10ベクレル
次女(15歳)29ベクレル ○ →(2010年は保養滞在していません。)28ベクレル ○ 
三女(13歳) 23ベクレル ○ → 22ベクレル ○ → 34ベクレル ○
姪 (11歳) 15ベクレル → 0ベクレル
姪  (5歳) 23ベクレル ○ → 30ベクレル ○
女子(11歳) 11ベクレル → 43ベクレル ○
 
 ビタペクト2を去年飲んでも結局、数値が上がっています。
「ちゃんとビタペクト2を飲んだんですか?」
ときくと去年SOS子ども村滞在中はちゃんと欠かさず飲んでいた、しかし家に帰ったとたん、残りを飲むのを忘れた。特に夏休み中は遊びに忙しく忘れがち。その後学校が始まり、思い出して残りを飲むようになった。
 ・・・という返事が返ってきました。

 確かに3週間の保養期間では全部最後まで飲みきれなくて、残りは家に持って帰って飲み続けないといけないのですが、そこで摂取が中断してしまうことも多いです。
 特に自分のお母さんといっしょにSOS子ども村に滞在した子どもはまだいいのですが、親戚だとか、ただ引率されてきた場合、帰宅後、その親がビタペクトを子どもから見せられても何なのかよく分からず、さらに引率した母親が、ちゃんと説明しなかった場合、飲むのを忘れてしまうケースが多いようです。
 もちろん私から引率したお母さんに、
「よそのお子さんのお母さんにもビタペクトが何なのか話しておいてほしい。」
と言っているのですが、忘れてしまっている場合もあるでしょう。
 やはり親の監視の下、最後まで飲みきらないと効果が出ないと思います。
 今回は比較的年齢が高い子が多く、特に女の子が多かったので、リリヤ先生からも
「将来、みなさんは母親になって、子どもを生むのですから、健康な子どもが生まれるようにちゃんとビタペクト飲みなさい。」
と言われていました。
 小さい子どもの場合は、親がしっかりしてないと、お話にならないのですが、あるていど大きくなったら自分で自己管理できるようにうながすのも大切です。

 11歳の女の子は測定したとき
「なんで私だけ40ベクレル越えているの?」
とショックを受け、SOS子ども村に帰ってきてから、1人泣いていたらしいです。あーあ。
 この子は両親がおらず、おばあちゃんに育てられているそうですが、自分の家の畑でとれたものばかり食べているそうで、また近くの森のキノコを集めては食べているそうです。
 
 お母さんは
「でもビタペクト2のおかげで、うちの子は今年の冬、全く風邪をひきませんでした。こんなことは初めてです。」
と感謝していました。ビタペクト2を飲んだため、放射能が減り免疫力が高まったのだと思います。
 しかし、その後春には風邪をひいてしまったそうです。そして結局6月にはまた放射能が蓄積されています。
 1年に2回ぐらいビタペクト2を飲むほうがいいのだとは思うのですが、難しいところです。
 お母さんに
「どうしてまたこんなに放射能が増えてしまったのでしょうか?」
と尋ねましたが、
「2月に娘2人は黒海沿岸に保養へ行った。そこで被爆したのかも。」
という答え。リリヤ先生は
「そんなことはありませんよ。そこは汚染地域じゃないんですから。ゴメリで食べたもののせいです。」
と話していました。

 お母さんの話によると、次女は背骨が湾曲しており、常に痛みを感じているので、マッサージを受けたり、矯正体操をしているそうです。さらに去年矯正のためのコルセットをはめたのですが、今度はかえって骨盤のほうにゆがみが出てきたので、コルセットを外してしまったそうです。
 じゃあ、どうしたらいいのか、というと手術して背骨の歪みを治すよう医者に言われていますが、決心が親子ともついていないようでした。 
 三女は心臓が弱く、さらに慢性胃炎を患っています。1年前と状況は変わっていないそうです。胃炎なのにビタペクト2(食物繊維が多い。)を飲んで大丈夫だったか、尋ねましたが、ビタペクト2による痛みなどは全くなかったそうです。
 姪2人は免疫力が異常に低く、風邪をひいていないときのほうが時間で言うと少ないそうです。4歳の姪は慢性中耳炎で、夏でもちょっと風が当たると、すぐ中耳炎になるので、外出しているときは、耳を覆う帽子をかぶらないといけません。
 こちらも1年経って、症状は変化ないそうです。
 

(家族B)
 おばあちゃんが孫、8人の子どもを引率していました。この家族には5個のビタペクトTを渡しました。 
 それぞれの体内放射能測定結果はこのとおりです。

祖母(事故発生時28歳)14ベクレル
孫  (3歳) 0ベクレル
女子(15歳)24ベクレル ○
女子(14歳)0ベクレル 
女子(12歳)27ベクレル ○
男子(11歳)0ベクレル
女子(11歳)25ベクレル ○
女子(11歳)16ベクレル ○
女子 (7歳) 0ベクレル
男子 (6歳)19ベクレル ○ 

 このうち女子(14歳)0ベクレルと男子(11歳)0ベクレルは姉弟です。それ以外はみんな別々の家族の子どもです。
 このおばあちゃんは多子家庭と障害児を支援する会の会長さんです。家族Aのお母さんは
「私の秘書よ。」
と笑っていました。
 子どもたちの健康状態についてですが、まず女の子で(11歳)25ベクレルの子は、学校の体育の時間にろくぼくから背中から落ちて、腎臓が破裂したそうです。こういうことがあるんですね。治療はしましたが、機能障害が残っています。
 14歳の女の子も生まれつき腎臓に機能障害があるそうです。
 6才の男の子はよく風邪をひいています。この子だけ、ゴメリ市在住ではなく、ブダ・コシェリョフの近くの町(チェルノブイリ原発から約150キロ)エレネツに住んでいます。
 ブダ・コシェリョフは移住者の町になっています。もちろん以前から住んでいる人もたくさんいますが、そこにたくさんの移住者用の住居がたくさん建築され、汚染地域から多くの人が移り住んできたそうです。

 会長さんのお話によると、この会は2年前に設立され、現在約180家族が会員として所属しています。最近は経済危機で、以前は会員に配っていた古着なども支援も来なくなり、大変苦労している、というお話でした。 

 写真は記念撮影のようすです。(保養とは関係ない子が1人写っています。)
 今回もみんなに折り紙、折鶴、絵葉書などをプレゼントしました。
 昆布は去年もあげたのですが、「おやつ昆布」を見て去年来ていた子どもたちは
「これ、おいしいんだよね!」
と喜んで食べていました。初めて見た子どももつられて食べたい、食べたいと取り合いでした。
 他にも去年、サラダに入れたりしてたくさん食べたそうです。よかったです!(^^)

 最後になりましたが、ビタペクトTの購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や昆布など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。

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