ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

新型インフルエンザとベラルーシ

2020-02-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
2020年2月3日の書き込みです。

 現在新型コロナウイルスの感染が拡大しています。
 ベラルーシでは現時点において患者や感染者はいません。
 ちなみにベラルーシは親中国です。
 したがって現時点では、中国からの入国禁止措置や禁止は行われていません。
 すでに121人の感染疑いのある人(人種の割合はベラルーシ人のほうが中国人より多い。)を検査しましたが、全員陰性でした。念のため、数日後再検査もするそうです。
 入国者は機内で検査を受け、またミンスク国際空港内の検疫所でも検査をしています。
 4時間から12時間で検査の結果が出ます。
 現在、ベラルーシに空路で入国した人は、体調不良の自覚の有無、人種を問わず、全員体温測定をされます。近いうちにベラルーシへ入国する予定のある日本人は体温測定を求められても驚かないようにしてください。

 今、ベラルーシの大学は前期試験も終わって冬休み中。 ちょうど冬休みに中国へ一時帰宅していた外国人(中国人)留学生のリストアップ作業が行われています。ベラルーシへの再入国後、機内で検査、そして14日間の経過観察がされています。

 現在、ベラルーシに空路で入国した人は人種を問わず、全員体温測定をされます。
 
 ベラルーシでは1日で1万枚のペースでマスクの量産が行われており、中国に救援物資として輸出する予定です。
 ベラルーシの医師によるコロナウイルス調査団も結成され、中国側からの要請があれば、いつでも出発できるよう準備中だそうです。しかし、今のところ、中国政府側から返事がなく待機中です。
 これはあくまで調査団であり、治療の手伝いに行くわけではありません。
 コロナウイルスを調査して、治療薬やワクチンを開発することを目的にしています。

 1月29日にはベラルーシ政府から中国に向けて救援物資を軍用貨物機で運びました。内容は医療従事者向けの白衣、消毒液、薬品など20トンです。
 そして2月2日に武漢に在住していたベラルーシ人5名を乗せてベラルーシへ戻ってきました。
 
 ベラルーシでは今のところ、中国人(アジア系)に対する人種差別などは起こっていません。
 マスクの買い占めなどの混乱もありません。

 これからどうなるのか心配ですね。
 中国から直接コロナウイルスがベラルーシに持ち込まれるだけではなく、ヨーロッパなどの他の国からの入国者によってベラルーシにも感染者が出てくる可能性はありますし、その場合、ベラルーシは周辺国と陸続きなので、リスクは高いと思います。一方、空路による入国者については上記のように厳しく検査をしていますが、陸路での入国に関しては、まだ特に対応策は決められていません。

 また日本人からすると意外に思われるかもしれませんが、ベラルーシは親中国であるため、中国人留学生、労働者が多く住んでいます。留学生だけで4000人います。

 大学の冬休みがこの日曜日に終わりますが、それに向かって春節を中国で迎えた中国人がもうすぐベラルーシに戻ってきます。その数は3000人だそうです。検査するだけでも大変。でもベラルーシ保健省にはがんばってほしいです。
 感染者がベラルーシで発生しないことを祈ります。


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 追記と訂正

 2月5日の書き込みです。
 上記の数字に訂正です。ベラルーシ全体の中国人留学生の数に情報ソースによりばらつきがあって、何人なのか結局はっきり分かりませんでした。
 しかし、はっきり報道されたのは、この冬休みに940人の中国人留学生が一時帰国し、そのうちすでに51人がベラルーシへ戻ってきたそうです。検査の結果、全員陰性。
 留学生は帰国してから14日間の経過観察下に置かれるそうです。もうすぐ冬休みも終わりますが、しばらくは授業にも出られないようです。
 中国人だけではなく、新型インフルエンザが発生した地域から戻ってくる学生も対象だそうですので、日本人もこの中に入ります。 
 毎日体温を測って、大学ごとにまとめたものを大学が保健省に提出して、各大学では伝染病の世界的流行とは何か、個人の心構えや対応策についてのレクチャーを授業の一環として必ず行うことになったそうです。
 
 2月17日の書き込みです。
 上記のミンスク空港での検疫だけではなく、ベラルーシでは陸路での入国者に対しても1月下旬から権益を行なっているそうです。
 ただし、体温の測定をされるのは中国人だけで、それ以外の国の人には、自己申告がなければ、体温の測定などせず、ただ入国日と氏名、交通機関などをまとめて一覧表にして記録しているだけだそうです。
 もし後になって同じ列車やバスに乗っていた乗客の中で感染者が見つかった場合、すぐに保健所から連絡が来て、検査を受けるように指示されるそうです。
 現時点ではベラルーシ国内での感染者はゼロです。
 ブレストなどでの陸路での出入国ポイントがある都市では、入国者の中に感染者が出た場合を想定しての、予行演習を行なっています。
 このような手順でこのように病院に搬送し・・・と救急隊員や医療従事者がリハーサルしている状況です。
 リハーサルだけに終わってほしいところですね。
 
 2月19日の書き込みです。
 2月5日ロシアは軍用機でロシア人144人を中国から退避させましたが、そのうちの10人はベラルーシ人でした。友好国同士なので、ロシアの軍用機に乗せてもらえたようです。
 その後シベリアの地方都市チュメニからさらに人里離れた施設(療養施設)に隔離されていましたが、2週間の観察期間も終わり、全員陰性という結果で、明日ベラルーシに向かって帰国の途に着くそうです。
ロシアの報道を見ていると、隔離中、医療授時者は献身的に世話をしてくれ、隔離施設へ向かう道路の脇にはチュメニ市が、横断幕を掲げ、車窓から見えるように「みなさん、お元気で!」「ご健康を祈ります!」と書いてあったそうです。地元の人たち優しいですね。
 2月2日にベラルーシへ帰国した5人も陰性ですでに日常生活に戻っています。
 ベラルーシでもすでに2箇所に医療センター、つまりコロナウイルス感染者専用の医療施設を指定。どちらかと言うと、中国人留学生の中に発症した人が現れたら、すぐにそこへ入院させるよう前もって決めておいた、と言う感じでベラルーシ人の患者の想定は二の次という感じです。
 受け入れ準備を着々と進めており、いつベラルーシ国内で感染者が発生しても迅速に対処できるように対策を実行に移しているそうです。
このうち一つのセンターはミンスクから10キロほど離れた森の中にあるミンスク州立リハビリセンターで、空港にも近く、入国者の中に症状のある人がいたら、ここに隔離され、検査を受けるそうです。 
 環境は良さそうですね。
 このような療養施設(サナトリウム)がベラルーシ国内にはたくさんあるので、感染者が多く出たとしても隔離できる適切な場所は充分ありますね。

 2月20日の書き込みです。
 2月中の北京・ミンスク間の飛行機の運航が中止されました。エアーチャイナ側からの要請だそうです。
 またベラルーシの郵便ではミンスクから中国へ送る郵便物の取り扱いを中止しました。

 2月21日の書き込みです。
 これはウクライナからの情報。
 ウクライナ住民、中国退避者のバスに投石 隔離入院を妨害(BBC)
 同じウクライナ人同士なのに。外国籍の人も含まれるとありますが、そのうちの一人はベラルーシ人だそうです。
 バスに投石して窓ガラスが割れたりしたら、かえって感染のリスクが高まるかも? とは想像しないんですかね?
 もっともコロナウイルスは空気中では、1、2メートルも飛べば、感染しないそうです。

ミンスクがロマンチックなヨーロッパの都市ベスト3に入る

2020-02-14 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 今日がバレンタインデーだから、この発表なのか、ベラルーシの首都ミンスクがヨーロッパで最もロマンチックな街ベストスリーに入りました。
 パリとペテルブルグが1位だそうです。
 それでミンスクが3位? ・・・一体何があった???と思いましたよ。
 
 詳しくは・・・ロシアの旅行会社がネットアンケートで主にロシア人対象に、ヨーロッパで最もロマンチックな街だと思う都市はどこですか?と質問し、その結果を集計したら、パリとペテルブルグが同率23%で1位、ミンスクは8%でカリーニングラードと同率3位という結果だったということでした。

 ちなみに4位は7%のプラハ。他にベスト10内に入ったのは、アムステルダム、バクー、エカテリンブルグ、エレバン、タリンだったそうです。
 ロシア人対象にしたアンケートの結果だったら、このような顔ぶれになるのですね。
 ミンスクが3位に入って嬉しいです。回答者に、ミンスクのどのあたりがロマンチックなのか、詳しく教えてもらいたいところですが・・・ミンスクに住んでいるとかえって分からないですね。
 教えてもらったら、今日そこへ行きたいわ・・・チョコレート持参で。(笑)

 ちなみにベラルーシでは日本のようなチョコレートで愛を告白とか義理チョコを配るといった習慣はバレンタインデーにはありません。
 バレンタインデーカードを性別に関係なく配りまくることを子どもは学校でしているようです。ついでにお菓子とか文房具とかをプレゼントすることも。もちろん女子生徒が学校の女の先生にカードをあげることもあります。
 行事に熱心な学校では、高学年の生徒が天使のコスプレをして、教室を回って低学年の生徒たちにお菓子やカードを配ったりします。外は寒いので体育館で室内ゲームをする学校もあります。


 

ゴシケーヴィチの論文「続々・日露異色の群像30」に

2020-02-13 |   イオシフ・ゴシケーヴィチ
 昨年12月に出版された「ドラマチック・ロシア in JAPAN 続々・日露異色の群像30―文化・相互理解に尽くした人々」(生活ジャーナル刊)で、イオシフ・ゴシケーヴィチについて本格的な論文が掲載されました。
 執筆してくださったのは極東連邦大学 函館校の倉田有佳教授です。 ゴシケーヴィチについて日本語で紹介されるのは嬉しいことです。しかもゴシケーヴィチの生涯の中でもあまり詳しく知られていなかった若き日々に焦点を当てたという論文です。
 改めてゴシケーヴィチの人となり、そして青春時代の苦労などを詳しく知ることができ、大変勉強になりました。
 ちなみにゴシケーヴィチは現在のベラルーシ共和国ゴメリ州出身で、ベラルーシ人ですが、帝国ロシア時代の初代領事をしていました。若いときには宣教団員の一人として10年も北京で過ごし、日本語を含む東洋語を何ヶ国語も勉強していました。聖職者だったゴシケーヴィチがどうして外交官になったのかのは一つの謎だったのですが、この論文で解き明かされています。

 他にも日露交流のために尽力した人物30人の紹介がされていますので、関心のある方はぜひご覧ください。

 
 

「手袋を買いに」ベラルーシ国立図書局からの推薦の言葉

2020-02-11 |   新美南吉
 新美南吉ベラルーシ語訳童話集「手袋を買いに」がベラルーシ国立図書局の公式サイトで推薦されました。
 ロシア語ですが、リンク先はこちらです。

 とても簡単ですが内容を要約すると、

 民族性を知るために子ども向けのお話を読むのは良い方法。
 新美南吉の童話集「手袋を買いに」を読むと日本人の民族性がよく理解できる。
 日本語の固有名詞、特に人名はベラルーシ人の子どもにはなじみがないので、おかしく聞こえるかもしれないが、物語は分かりやすく子どもでも楽しく読める。
 お勧めなのは「ごんぎつね」「でんでんむしのかなしみ」「小さい太郎の悲しみ」「かげ」「牛をつないだ椿の木」。
 「おじいさんのランプ」は時代の変化や技術革新の速さ、経済危機などを案じている全ての大人が絶対に読むべき話。子どもや孫に読み聞かせて話し合いましょう。
 
 お勧めの話は最後が悲しいものが多いのに、子どもに読むことを勧めているのが、この推薦文の筆者(氏名が明記されていませんが、問い合わせたところ、国立図書局員の一人ユリヤ・ヤキメンコさんだと教えてもらいました。)の考え方によるものだと分かりま
 子どもに、主人公が最後に死んでしまうような話を読ませるのは良くない、という意見もベラルーシ人の間で聞いたので、意外でした。
 「おじいさんのランプ」を大人に強く推薦しているのにも驚きました。

 この推薦文では挿絵も紹介されていますが、選ばれたのは「疣」と「飴玉」の挿絵でした。(挿絵を担当した者としては参考になる感想です。)

 ベラルーシ人の図書の専門家の意見が分かり、大変ありがたいです。