ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年6月30日。ウクライナ侵攻から493日目

2023-06-30 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月30日。

 昨日29日にザポリージャ原発で原子力災害が起きたと想定して訓練を実施していたのですが、今日になってザポリージャ原発から、ロシア国営原子力企業ロスアトムの職員が退避を始めたとの情報を公表しました。ウクライナ人従業員も7月5日までにクリミア半島へ退避するよう勧告されたそうです。
 1週間前にゼレンスキー大統領はロシアが同原発でテロを準備しているとの見方を示していました。
 こういうニュースはベラルーシでは報道されないか、小さいニュースにしかなりません。
 仮に放射能がザポリージャ原発から漏れたとして、風上に当たる地域が汚染されると、ウクライナだけではなく、トルコにも飛散する可能性があります。そうするとトルコがロシアに猛反発し、仲介役を下りるでしょうし、黒海が汚染され農作物や魚介類の価格が上昇します。日本にも影響が出ます。
 ロシアはもちろん「原発にテロ攻撃をしたのは、ロシアではなくウクライナのナチスです。」と説明するでしょう。


 ポーランドのモラビエツキ首相は今日、自国内に米国の核兵器を配備して共同で運用する、NATOの核共有への参加を求めていることを明らかにしました。
「プーチン大統領があらゆる種類の脅しをエスカレートさせるのを腕を組んで、ただ見ているわけにはいかない」とも話した。

 ベラルーシ大統領は27日、ロシアがベラルーシへの配備開始を表明した戦術核兵器を巡り、「我々の兵器だ。我々が使う」と述べました。しかし、今日、敵がベラルーシに足を踏み入れるまではベラルーシが領内にある兵器を使用する必要はないと確信していると発言しました。
 ややトーンダウンしましたね。27日の発言後、ロシアから何か言われたのでしょうか。

2023年6月29日。ウクライナ侵攻から492日目

2023-06-29 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月29日。

 次はこの軍人が所在不明です。イギリスのフィナンシャル・タイムズ紙は今日、ウクライナ侵攻でロシア軍の副司令官を務めるスロビキン航空宇宙軍総司令官が数日間連絡が取れず、拘束されていると報じました。プリゴジンの反乱に関与していた疑いが持たれているようです。
 あのハルマゲドン将軍です。あだ名が強烈で、ウクライナにとって手強い敵が現れたように報道されましたが、結局副司令官に肩書が落とされたので、うらみを抱いていたから、プリゴジン氏の反乱に合流する予定だったのではないでしょうか。
 事前にそのような話し合いが両者の間であったと思われます。
 スロビキン氏もロシア軍に反旗を翻してくれるからうまくいくと思ってモスクワへ進軍したワグネル。ところが道の途中で、スロビキン氏がやっぱり味方にならないと言い出したので、あわててUターンしたのかもしれません。
 そもそもプリゴジン氏は自分たちが2万5000人いるとし、全員死ぬ覚悟だと本気であることをアピールしていましたが、ベラルーシへやってくるワグネル戦闘員の数は8000人とされています。
 残りの1万7000人はどこへ行ってしまったのでしょう?
 何となく、反乱に参加したワグネル戦闘員は8000人で、残りの1万7000人はスロビキン氏(などのロシア軍内の「裏切り者」)率いるロシア兵の予定の数だったような気がします。
 合流するに決まっているからと思い込んで、プリゴジン氏がわれわれは2万5000人だ、死ぬ覚悟ができている(この覚悟がなかったら、ロシア軍から離反する兵士はいないでしょう。)などと、早々しゃべってしまったのかもしれません。
 ところが期待していたロシア軍からの離反者がなかったので、あっさりUターンしてしまい、プリゴジン氏にくっついてベラルーシ入りする戦闘員も8000人にまで減ってしまったのではないでしょうか。

 
 

チロ基金提供「私たちのテスト2023」合格者表彰式

2023-06-28 | 日本文化情報センター
 ミンスク会場で中止された(正しくは計画すらされなかった)日本語能力試験に代わり、チロ基金の提供「私たちのテスト」が予定されています。

 5月27日にN4レベルのテスト実施、そして合格者への表彰式がミンスク市立中央児童図書館で行われました。
 記念撮影はベラルーシ人向けロシア語版サイトで公開しました。
 リンク先はこちらです。(病欠などの理由により、写っていない生徒もいます。)

 N4レベルは今回10人が受験。そのうち7人が合格しました。
 そして優しいチロ基金は9月に追試を行います。本物の日本語能力試験は1年に2回実施されるのですから、「私たちのテスト」も2回行って、ベラルーシ人日本語学習者を救済しないといけないですよ。

 このような状況ですので、また改めてN4の追試結果をこのブログ上でご報告いたします。

 6月17日と28日に「私たちのテストN5」を実施しました。11人が受験し、10人が合格しました。
 記念撮影はベラルーシ人向けロシア語版サイトで公開しています。リンク先はこちらです。

 また6月23日に「私たちのテストN3」を実施し5人が受験し、1人が合格しました。
 
 このように一つずつレベルを上げていこうとみんな勉強に励んでいます。

 ミンスク会場での試験が中止となり、ロシア会場もほぼ中止・・・と今年も日本語学習者受難の年が続いていますが、チロ基金のおかげで救われているベラルーシ人もいます。
 ご支援くださっている方々に深く御礼申し上げます。

 

2023年6月28日。ウクライナ侵攻から491日目

2023-06-28 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
  2023年6月28日。
 ミンスクはほとんど一日中雨が降っていました。

 ベラルーシ大統領が「ベラルーシ国内にいる。」と明言したものの、公には顔をまだ見せず、SNSも発信していないプリゴジン氏。
 
 ウクライナ大統領は「ベラルーシにはウクライナを攻撃するのに十分なワグネル戦闘員はいない。」と発言。さらにウクライナでは約2万人のワグネル戦闘員が壊滅し、ベラルーシに移ったワグネルはウクライナにとって深刻な脅威ではないと述べました。

 ポーランド副首相は、最大8000人のワグネル兵がベラルーシに到着する可能性があることを受け、ポーランド政府はベラルーシとの国境の警備を強化することを決定したと述べました。

 ルカシェンコ大統領はベラルーシに移ったワグネル戦闘員を経験豊富でレベルが高いと評価しており、これからベラルーシ軍の兵士の教官をワグネル戦闘員が担当するそうです。
 
 シリアに展開しているワグネル戦闘員はこのままロシア政府が引き継ぐとシリア大統領にロシア政府側が申し出たそうです。
 アフリカにもワグネル戦闘員がいますが、ボスがプリゴジン氏ではなくなってしまうこと、戦闘員たちはどう思うのでしょうか。
 いや、ロシア政府の言うことは聞きたくないと、ロシアに逃げ帰ろう・・・としたけどそこにももう自分たちのリーダーがいないので、ベラルーシへ流れてくる戦闘員が増えるかもしれません。

 ロシア大統領が命令を出して、ベラルーシ大統領がプリゴジン氏を暗殺するに決まっているとか、ベラルーシで窓のないホテルに滞在していて怯えているらしいとか噂が飛んでいますが、ワグネルは前述のようにベラルーシにとって有用なので、ベラルーシ大統領が同氏を暗殺するとは思えません。
 ロシア大統領が、暗殺しておいてとベラルーシ大統領に頼んだとしても、それを聞いたら、ベラルーシ大統領は、
「え? 反乱初日に残酷にひねりつぶそうとしていたのを1日かけて説得して、モスクワからUターンさせて、生きたままベラルーシへ迎え入れたのに、なんで今また殺せとか言うのか? だったら、25日にロシア国内で自分で殺しとけば良かったのに。私は一生懸命プリゴジンの命を助けたのに、暗殺したらその努力が全部無駄になる。」と反発して、ベラルーシ大統領もロシア大統領の言うことを聞かないと思います。
 ロシア大統領はベラルーシ大統領に貸しを作っておいて、さらにそんな命令をするでしょうか。
 ベラルーシ大統領だって他国の大統領の命令を部下みたいに聞かないといけないわけではないでしょう。
 ロシアとベラルーシの関係が転換期に来たように感じます。

 プリゴジン氏の話をしているときに、さらっとロシアがベラルーシ領内に配備する核兵器のほとんどはもう到着したよ、と「ベラルーシは強くなったアピール」を大統領がした目的は?
 世界中が注視したプリゴジンの反乱の後の、つまり世界が一気にベラルーシに注目する事が分かっている会見の真っ最中の発言ですよ。
 
 プリゴジン氏が暗殺に怯えて窓のないホテル(これって本当にホテル?)にこもっているというのも、見方を変えれば、ロシア大統領がロシアから放つロシア人の刺客から、ベラルーシ大統領が同氏を守ってあげているのかもしれませんよ。
 

2023年6月27日。ウクライナ侵攻から490日目

2023-06-27 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月27日。
 ベラルーシは少し気温が下がりました。

 軍事監視団体「ハユン」は、プリゴジン氏が使用している航空機2機が今朝、相次いでベラルーシの首都ミンスク近郊のマチュリシチ軍用空港に到着したとの分析を明らかにしました。
 到着機はプリゴジン氏の出身地で、ワグネルが本部を構えている露西部サンクトペテルブルクを出発したとそうです。
 ベラルーシのメディアでは同氏がベラルーシに到着したという報道はしていません。 
 ベラルーシへ行ったと見せかけて、自分が普段使っている飛行機を飛ばしただけかもしれません。
 あるいは本人は陸路でとっくにベラルーシ入りしており、今日到着した飛行機に乗って、また別の場所へ移動する可能性もあります。


 ベラルーシ大統領は独立宮殿での将軍肩章授与式において、(またロシアで今回のような不足の事態が起こったら)ベラルーシ軍の部隊をロシアに送る用意があると述べました。
 24日にプリゴジンの乱が起きたときにも、ベラルーシ軍を完全な戦闘準備態勢に置くことを決定していました。
 軍だけではなく警察や治安部隊も警戒態勢にあります。

 またベラルーシ大統領は「(ベラルーシとロシアは)一つの祖国であるため、内乱が発生しそうだった24日のできごとに心を痛めていた。」
と述べ、またワグネルがモスクワへ進んでいるのを見て、ウクライナ側で戦っているベラルーシ義勇兵の部隊は同じようにミンスクへ突入(政権転覆)しようと浮足立っていたが、25日プリゴジン氏がすぐにワグネル部隊をUターンさせたので、ベラルーシ義勇軍も行動を起こすのをやめたことを明らかにしました。
 ベラルーシ大統領の諜報による情報ですね。
 こうして考えると、ベラルーシ大統領が仲介役を買って出たのは、早くワグネルを止めないと、ベラルーシの政権転覆を狙う輩がこっちへやってくるというのが分かっていたので、それでプリゴジン氏を急いで説き伏せた、ということになります。
 他にも「理由もなくベラルーシでは革命は起きない。」「ここ(プリゴジン反乱)にヒーローは存在しない。」とも述べました。そのとおりですね。

 また24日の朝(推定9時)にロシアから電話がかかってきたときのようすも詳細に語りました。
 ベラルーシ大統領が質問をしていくうちに、非常に複雑な状況になっていることを理解しました。ただしこの質問と回答の詳細は明らかにしません、とベラルーシ大統領は取材に対して答えました。
 しかし、次のような会話の内容があったそうです。
「電話で話しているときに、ロシア大統領が『残酷な決定』をした。」(どう残酷なのかは分かりません。)
「話の行間からそれが読み取れた。それで、ちょっと待つようにロシア大統領に言った。私がプリゴジンと話してみよう。ワグネルとも話す。しかし、ロシア大統領は『サーシャ(ベラルーシ大統領の愛称)無駄だよ。奴(プリゴジン)は電話にも出ようとしない。誰とも話をしようとしないんだ。』」
 それを聞いてベラルーシ大統領が言った言葉。
「それでも悪い平和のほうが良い戦争よりましなんだ。あわてるな。プリゴジンに連絡を取ってみる。次こそ話し合える。しかしロシア大統領は『無駄だ。』と繰り返すので、うん、そうだな、でももうちょっと待て。」
と30分ぐらい両大統領は話したそうです。そして、ロシア大統領がウクライナとの戦線について、 
「不思議なことに前線の状況は今までになくよいものになっているんだ。」
とベラルーシ大統領に情報提供したので、
「ほら、悲しいことばかりではないさ。」
と励ましたそうです。
 この電話会談の後、ベラルーシ大統領は自分が持つ3種類のコンタクト方法でプリゴジン氏に電話をかけることに成功。説得した結果、同氏はモスクワへ向かっていたのをUターンしました。
 
 ベラルーシ大統領からすると、こいう会話のやり取りがあったことをメディアに披露することによって、自分が仲介者として能力が高いことをアピール。ロシア大統領からすれば恩人。ロシア大統領を励ますのが上手だとアピールすると同時に、ロシア大統領が精神的に相当参っていたことをさらっと漏らしています。ロシア大統領のイメージが弱くなり、自分のイメージが強くなりましたね。ロシア大統領に貸しを作りましたね。
 もちろんロシアがよろめいたら、ベラルーシも倒れてしまうのが分かっているので、自分のためにも必死で説得したと思います。それを差し引いても、ベラルーシ大統領の立ち回りは大変上手だと思いました。
 
 プリゴジン氏との会話の中では、ベラルーシ大統領は(プリゴジン氏がロシア国防相などに不満があってこういう反乱を起こしたと主張しているが)ロシア上層部はショイグ国防相もゲラシモフ参謀総長もどっちもプリゴジンに渡さない(両氏とも更迭されたりしない。)議論の余地もないことは、プーチン大統領のことをよく知っているはずだから分かるだろう? と話したそうです。
 プリゴジン氏はそれに対してしばらく黙り込んだ後、
「正義がほしい。彼ら(ショイグやゲラシモフ)はワグネルを捻り潰そうとしている。だからモスクワへ行って訴えるのだ。」と答えました。
 それで「そこへ行く途中、虫のように潰されるだけだ。今、ウクライナとの戦線にロシア軍は人員を取られているが。(ワグネルはロシア軍に大敗する)もう一度よく考えろ。」
「いやだ。」という押し問答が続いたそうです。
 そして、ベラルーシ大統領はとうとう
「好きなようにすれば。でも、私を(ベラルーシを)怒らせるなよ。1941年の戦時のようにモスクワを守るためなら、ベラルーシ軍の大隊丸ごと投入する覚悟だから。昔何があったのかお前(プリゴジン氏)、本で読んで知っているだろ。読書をする人は教養というものを持っているだろ。」
と言いました。
 この言葉が効いたのかどうか分かりませんが、結果としてプリゴジンの反乱は収束しました。


 ロシア国防省は今日、ワグネルの重装備を接収し、正規軍へ移転する準備を進めていると明らかにしました。プリゴジン氏が身ぐるみ剥がされるということでしょうか。 

 
 ロシア大統領は自国の軍人、治安部隊に対して実質、内戦を阻止したと称えました。
 昨日は止めたのは自分だと言っていたような・・・
 さらにワグネルの攻撃により24日に亡くなったロシア軍パイロットを追悼し、1分間の黙祷を捧げ、軍人たちが名誉ある義務を果たしたと強調しました。
 ワグネル戦闘員にお咎めなしという決定にパイロットの遺族から不満が出ないように、このような称賛と哀悼の意を表そうとしたのでしょうか。


 ラトビア外務省はロシア国民に対するあらゆる種類のビザの発給を停止したと発表しました。
 人道ビザすら取得不可能に。厳しいですね。
 旧ソ連の国でこのような措置を決定したのはラトビアが初めてだと思います。


 今日の午後4時40分、ベラルーシ大統領はプロゴジン氏がベラルーシに入国したことを正式に認めました。
 同氏が飛行機で入国したこと、現在同氏の命の安全は保証されていることも述べました。
 
 さらにプリゴジン氏がベラルーシにいるということがそのまま、ワグネルがベラルーシを拠点にするということではないと強調しました。
 ロシアでまたワグネルが戦闘員の募集を始めたという報道がありますが、ベラルーシでも募集をするわけではないとも重ねて強調。
 仮にベラルーシ人で、報酬につられてどうしてもワグネル戦闘員になりたいのなら、ロシアへ行ってそこで申し込めばいい。しかし、その前に、ワグネル戦闘員になるということは、毎日死と抱き合わせで暮らす生活が始まるということで、頭の下に機関銃を敷いて毎晩寝るということだと、知ったうえで申し込むようにと、ベラルーシ大統領はベラルーシ国民に釘を刺しました。

 またベラルーシ領内にワグネルの拠点となるベースキャンプが建設されるという情報が流れているが、そんなものは計画されていないとベラルーシ大統領が明言しました。
 ただベラルーシへ入国したワグネルのメンバーの身柄引受の役割をすると、ロシア大統領と約束し、その約束を守りたいので、軍の敷地内に宿泊できるスペースを用意すると話しました。避難民に対して仮設住宅を提供するという感覚ですね。軍事的な思惑はないと噂を払拭したいようです。

 またベラルーシ領内に核兵器が整備される計画について、もうすでに予定していた核兵器の大部分がベラルーシ領内に持ち込まれていることを明らかにしました。
 今回プリゴジン氏がベラルーシへ行くことが知れ渡ると、ポーランドなどのメディアが、核兵器を守る任務をワグネルはロシア大統領から仰せつかったのでは? という噂が飛んだので、それに対してベラルーシ大統領は、ワグネルは核を守らない(そんな仕事しないし、しに来たのではない。)と断言。
 ベラルーシ領内の核兵器はロシア軍が整備し、ベラルーシ軍とともに守るが、ワグネルは関与しないと述べました。


 ロシア大統領はさきほど、ロシア国防省の軍人らとの会合でワグネルの活動費は全額国家予算から支払われていたことを明かしました。
 ウクライナ侵攻が続く去年5月から今年5月までの間に「国から860億ルーブルが支払われ、そのうち700億ルーブルが給与、150億ルーブルがボーナスだった」としています。さらに保険金として別途1100億ルーブルが支払われたほか、プリゴジン氏が関係する会社にも年間800億ルーブルが支払われたとしています。
 全然「民間」軍事会社ではなかったんですね。
 

2023年6月26日。ウクライナ侵攻から489日目

2023-06-26 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月26日。
 
 今も所在地不明のワグネル・トップのプリゴジン氏。
 ベラルーシのニュースを見ても、同氏がベラルーシに到着したという報道や政府の発表はありません。
 ベラルーシに入国していないのではないかという見方が多いですね。
 ただ、ベラルーシには今までもキルギス大統領の亡命受け入れをしたこともありますが、いつ入国したのか、ベラルーシのどこで暮らしているのか、全く情報を出していません。身の安全のためにわざと出さないようにしているんです。
 だからプリゴジン氏がもうベラルーシ領内にいるとしても、入国した日時とかどこにいるのかなどは絶対報道しないと思います。せいぜい「はい、入国しました。いつかははっきり言えません。今どこにいるかも言えません。同氏の安全のためです。それをベラルーシ大統領は保証したから、同氏はベラルーシへ来たのです。大統領が嘘をついてはいけないので、同氏を安全な場所で守っています。」と言って終わりです。
 一方でこういう最小限の発表も今のところありませんね。

 ロシアの主要メディアは今日、プリゴジン氏の反乱について、刑事事件として現在も捜査が続いていると報じました。
 ベラルーシへ行けば、お咎めなしのはずでは? 
 あるいはお咎めなしって言っていたのに、捜査が続いていることを知ったプリゴジン氏が「嘘をついたな。だったら俺もベラルーシへ行かん。」と、ベラルーシの国境手前で留まったのかもしれませんね。


 モスクワでの耐テロ態勢、26日金曜日は出勤しないように、という市長からのお達しですが、昨日の時点で今日就業するかどうかは各職場で決めて下さい、に代わり、道路の封鎖なども全て今日、解かれました。


 週明けの外国為替市場では、ロシア通貨ルーブルが対ドルで急落し、一時約1年3カ月ぶりの安値1ドル=87.23ルーブルとなりました。その後は84ルーブル台に下げ幅を縮小。
 その影響でベラルーシ・ルーブルも1ドル=3.01ルーブルとなり安値になっています。 


 昨日と今日の2日間の予定で赤道ギニア大統領がベラルーシを公式訪問する予定でしたが、延期されました。


 居場所が分からないプリゴジン氏がSNSに音声メッセージを上げました。
 動画ではないので、居場所ははっきり分からないし、本人の口からもどこそこにいますと言っていないので、わざと居場所を隠しているようです。
 暗殺されたとかいう噂もありましたが、それを否定したいのでしょう。でもどこにいるのかは知られたくない。
 音声メッセージでは「政権転覆のために進軍したのではない」と述べています。あくまで国防省がだめだと言いたいのでしょう。
 プーチン政権の崩壊を狙ったものではないと強調し、大統領には忠誠を誓っているようす。
 ワグネルを撤収させた理由については、先日通り「ロシア兵の流血を避けるためだ」として、ロシア社会を血で汚すような冷血な人間ではないですよ、ということをアピール。
 ロシア軍なんかよりワグネルのほうがよっぽど強いんだよ、軍施設を占拠しながらモスクワに近くまで突き進んだでしょ? と強さもアピールできました。
 プリコジン氏は次の大統領選挙に立候補するつもりで、今回の反乱は選挙活動の一つに過ぎなかったのでは?と思えてきました。


 今晩、ロシア大統領は国民向け演説を行いました。
 「『ロシアの敵』はロシアが血なまぐさい内戦に沈むことを望んでいたが、誤算だった。」
 このロシアの敵とは、ウクライナや欧米諸国のことでしょう。
 流血の事態を避けるための命令を出したと国民に説明しました。自分ひとりだけの采配で大問題を一気に解決したかのような言い方です。交渉の裏にはベラルーシ大統領やプリコジン氏の努力もあったと思いますが。演説内ではベラルーシ大統領には謝意の言葉を述べました。
 さらに「ワグナー戦闘員たちは愛国者だ。」と発言。直近の演説では裏切り者呼ばわりしてませんでしたっけ? すぐに進軍をやめたから今回の演説ではそれを評価しているんでしょうか。
 さらに「ワグナー戦闘員の中にはだまされて反乱に参加させられた者もいる。ワグナー・グループの指揮官たちはロシア国防省に勤務し続けることもできるし、ベラルーシや家族の元に行くこともできる」
と語りました。(← あのー、ワグネル戦闘員には受刑中の人間が大勢スカウトされていましたが、その人達も家に帰れるの?)
 非常に柔軟です。これからどうするのか、自分で好きなの決められますよとワグナー戦闘員に向かって呼びかけています。心が広いですね。しかし、一度は自分に弓引いた者に対して、弱腰だと批判するロシア国民もいると思います。
 
 複数の独立系メディアによりますと、ロシア各地でワグネルの兵士募集センターが活動を再開したということです。
 また、サンクトペテルブルクの独立系メディアは、ワグネルの本社が営業を再開していると報じています。捜査が行われていたはずですが。もう終わってお咎めなしになったということでしょうか。その途端すぐ営業再開?
 一方、独立系メディア「ビョールストカ」は、ベラルーシ国内でワグネルの兵士のための8000人規模のキャンプが建設されていると報じています。また、ワグネルの兵士の親族への取材で、兵士がベラルーシに送られる可能性が高いと話していたと報じています。
 それが真実なら、ベラルーシ大統領とプリゴジン氏の間にこのことも電話会談で話し合ったでしょう。
 キャンプ場をベラルーシ国内に作ってあげるからモスクワへの進軍なんかやめてベラルーシへ来たら?と条件を示し、それをプリゴジン氏がのんだのかもしれません。
 一人ぽつんとベラルーシへ亡命・・・ではなく、ワグネルの拠点をベラルーシに作るという計画であれば、戦闘員をUターンさせたのも理解できます。
 しかし、それならどうしてワグネルがベラルーシに拠点を作らないといけないのか? ワグネル解体とかプリゴジン亡命などではなく、ベラルーシ軍とワグネルが組んで、ウクライナへ北から攻撃する計画があるのかもしれません。
 ロシア軍とは気が合わなかったプリゴジン氏もベラルーシ軍とはうまくやっていけるかもしれないと思ったかもしれません。そのほうが伸び伸びと軍事行動が取れます。ロシア軍のことなんか気にしなくていいんだから、プリゴジン氏からすると目の上のたんこぶが取れたような清々しい気持ちになっていてもおかしくありません。
 もっとも同氏がベラルーシ入りしたかどうか分かりませんが、入国してても公表しないのがベラルーシ政府ですから、もうとっくにワグネル・ベラルーシキャンプに入って指揮を取っているかもしれませんね。
 それで、そのキャンプのことはまだ秘密なので、居場所を言えない(特定されたくない)ということで所在不明のままなのでしょう。

2023年6月25日。ウクライナ侵攻から488日目

2023-06-25 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月25日。

 昨日のワグネル武装蜂起について。
 モスクワへの進軍を撤回し、占拠したロシア軍施設も返したプリゴジン氏。
 ロシア大統領報道官によるとベラルーシが身柄引受人になることになり、同氏はすでにベラルーシへ出発。すでに到着したもようです。
 ロシア大統領がベラルーシ大統領に電話していたのは、この件について決めていたからでしょう。

 ベラルーシへ亡命した形となったプリゴジン氏。
 代わりに同氏の罪は問われないことに。
 ワグネル戦闘員の罪も問わない。
 反乱不参加のワグネル戦闘員で希望者は国防省との契約ができる。(元犯罪者の戦闘員も正規のロシア軍兵士になれる。ロシア軍の人手不足問題が少しは解消される。)
 ショイグ国防相などの更迭とプリゴジン氏が要求していたようですが、これも何の変化もなし。

 プリゴジン氏はロシア軍兵士の中の不満分子がワグネル側につくと予測していたものの、それが外れたので勝ち目がないことが分かり、「自分たちは死ぬ覚悟だ。」とか言っていましたが、実際には死ぬつもりはなく、モスクワを前にして「流血を避けるため(自分たちが死なないために)」進軍をやめてUターンしたようです。
 民間軍事会社のワグネルも実質解体され、アフリカなどでも「仕事」をしていましたが、それもなくなりそうです。
 
 心配していた「モスクワ流血開城」は起こりませんでしたが、昨日1日だけでロシア軍のヘリコプター6機と固定翼輸送機1機がワグネルに撃墜され、搭乗員だけで10数名は死亡しています。
 それなのにお咎めなしで、しかも反乱不参加のワグネル戦闘員はロシア軍兵士になれますよと言われて、そうなったところで、正規兵士たちと仲良くやっていけるのか。
 希望者は出るのか。反乱「参加」のワグネル戦闘員(2万5000人)は罪に問われないとしても、これからどうなるのか。刑務所へ逆戻り? 大いに不満が出るでしょう。
 こういう人たちがプリゴジン氏にくっついてベラルーシに流入すると、治安が悪くなるので困ります。(ベラルーシ軍も人手不足なので、ベラルーシの一部隊になる可能性はありますね。で、裏でプリゴジン氏が糸を引こうとする可能性も。)

 仲介役を買って出て、プリゴジン氏の身元引受人にもなったベラルーシ大統領に、ロシア大統領は借りができましたね。両国の関係にも影響が出る、というよりロシア大統領の立場が弱くなり、自国民への影響力も低下しそうです。今回死亡したロシア軍兵士の遺族や周辺の兵士たちはどう思っているでしょうか。


 あー、今頃プリゴジン氏はベラルーシで大統領が用意した昼ごはんでも食べているのかねえと思いながら自分もお昼ごはんを食べていたのですが、こんなニュースが飛び込んできました。
 イギリスのBBCは、同氏の行方について、現地24日夜にロシアのロストフ州を出発して以降、どこにいるのかわかっていないと伝えました。
 プリゴジン氏の広報担当も連絡がつかないとメディアの取材に答えています。
 ベラルーシではプリゴジン氏が今日ベラルーシに到着したという確たる報道はされていません。

2023年6月24日。ウクライナ侵攻から487日目

2023-06-24 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月24日。

・・・・・

 午後8時10分(日本時間25日午後2時10分)のベラルーシからの速報です。
 ベラルーシ大統領とワグネル・トップのプリゴジン氏が電話会談をしました。
 べラルーシ大統領は、プリゴジン氏に、これ以上モスクワ方面へ進むのはやめるよう提案し、プリゴジン氏はその提案を受け入れたそうです。


 午後8時45分頃(日本時間25日午前2時45分頃)プリゴジン氏はテレグラムに音声メッセージを投稿し、モスクワに向かっていた隊列は計画通り引き返しつつあると述べました。
 計画通り?
 ワグネルの部下たちがロシア治安部隊と衝突し流血する事態を避けるため、陣営に「戻る」と決めたそうです。

 プリゴジン氏がSNSで報道に反論。
「ベラルーシ大統領からのオファーは受けなかった。交渉はあったが失敗に終わった。メディアで言われていることは全て見え透いた嘘だ。」

 情報が錯綜しています。
 ロシアの国防相などが更迭されることで、モスクワへの進軍を停止したという報道もあります。

 現地時間夜遅くベラルーシ大統領とロシア大統領が今日2度目の電話会談を行いました。
 ベラルーシ大統領が仲介役となってことに対し、ロシア大統領は謝意を述べました。

・・・・・
 
 ロシアの民間軍事会社「ワグネル」のトップ、プリゴジン氏は昨日の夜、ロシア軍のウクライナ侵攻に参加するワグネル部隊がロシア軍のミサイル攻撃を受けたと主張し、対抗措置としてワグネル戦闘員がロシア南部ロストフ州のロシア軍南部軍管区司令部に入ったとSNSで発表していました。
「ショイグ国防相や大富豪が自身の利益のために戦争を始めた。」「プーチン大統領がだまされた。」「ロシア国防省が大統領や国民を欺こうとした」と主張し、侵攻開始の前にウクライナがロシアを攻撃する兆候は見られなかったと自身の見解を述べていました。
 ロシアの特別軍事作戦の大義名分を否定するものです。

 世界がロシアのニュースに釘付けになっていると思います。
 そんな中、ベラルーシ大統領が出国した(国外へ逃げた)などという情報が流れたようですが、もちろんフェイクニュースです。

 ベラルーシ大統領も国内の治安部隊などと緊急会議を2回に分けて行いました。

 ロシア大統領はベラルーシ大統領に状況説明の電話をかけてきて、そのまま電話会談。
 ベラルーシ政府もロシアとの同盟関係継続を強調。国家安全保障会議では声明で、ロシア内部の対立は西側諸国を利するだけだと主張しました。


 モスクワ市当局は今日、市民に向けて当面は外出を控え、週明け26日月曜日も仕事を休むよう呼びかけました。対テロ作戦体制の実施を宣言。
 モスクワ市長は市民に対して「状況は複雑です。」とも述べました。
 今は夏のバカンスを取る市民が多い時期ですが、役職を持っている公務員に対して、バカンスの期間を延期するよう指示が出されました。
 夏休みで家族揃って、避暑に行こうとしていた人が休暇を取って、どこへも行けなくなりました。
 モスクワ市長は、市内で一部の道路や地域が通行止めなどになる可能性もあるとし、市民に対し、移動をできるだけ控えるよう求めました。
 また赤の広場も閉鎖されています。
 ロシア南部からモスクワに至る幹線道路M-4号線も封鎖されました。

 屋外や教育関連施設の市民参加行事も7月1日まで全て中止されました。
 ベラルーシでは「旅団(リョダン)」騒ぎのせいで、アニメフェスティバルが(今のところ)無期限中止になりましたが、そのためロシアのアニメフェスティバルに行こうとしていたベラルーシのアニメファンたち。
 ところが、今日ロシアのアニメフェスティバルも中止になりました。


 ベラルーシ外務省はロシア国内に住むベラルーシ人に対し、冷静でいるよう求め、さらに各都市にあるベラルーシ大使館や領事館の緊急連絡先リストを発表しました。 


 ロシア大統領は国民向けの緊急演説を行い、
「我々は裏切りに直面している。常軌を逸した野心と個人的利益が反逆を招いた。」と非難。
「内部の混乱は国にとって致命的な脅威であり、国民への打撃となる。意図的に武装反乱を犯す者らへの処罰は不可避だ」と強調。
 また、ワグネル戦闘員に向けて
「犯罪行為への加担をやめることだけが唯一の正しい選択だ」
と訴え、プリゴジン氏に同調しないよう求めました。ロシア国防省もワグネル戦闘員への声明で「プリゴジンにだまされている」と呼びかけました。
 プリコジン氏は大統領の演説に対し、SNSのテレグラムで、
「『母国への裏切り』に関しては、大統領は大きく誤っている。我々は母国の愛国者であり、我々は戦ってきて、今も戦っている。ワグネルの戦士全員だ」
と反発。
「大統領や連邦保安局(FSB)、その他の人物の要請で投降するものは誰もいない」とも述べました。
 大統領の要請すら耳を貸さないと言い切っています。


 ロイター通信は今日、ロシア西部ボロネジ州を走るワグネルの軍用車の列を露軍ヘリが攻撃したとの目撃者情報を報道しました。
 また、ボロネジ州の知事は、州内の給油施設で火災が発生したと発表しました。

2023年6月23日。ウクライナ侵攻から486日目

2023-06-23 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月23日。

 今日も朝からヘリコプターの音がうるさかったです。

 ロシアの外務次官は今日、ベラルーシに配備した戦術核兵器について、配備した数や実験などの詳細をアメリカに伝えない考えを示しました。

 
 ベラルーシでは医師不足が続いており深刻化しています。
 この1年間で専門医、救急隊員、看護師の求人数が大幅に増加しました。
 今日の時点でベラルーシ全国の求人情報で「専門医」と検索すると4945件の結果が出るそうですが、1 年前の2022年6月24日時点では3,863件の求人でした。
 一方でミンスクで平均2,400 ルーブル以上の高給をもらっている医師は230人だけです。
 看護師の求人も今年は4,141 件 (1 年前は3,379 件)、救急隊員の欠員が 1,287 件(1 年前は 1,188件) あります。看護助手の求人は444件 (1年前は481 名)。
 特に地方での医療従事者不足が目立っています。日本でも同様でしょうか。
 ベラルーシの場合は医療従事者の給与が少なすぎる割には責任重大で、コロナのときには激務。
 おまけにポーランドやドイツなどへ転職移住する人が2020年以降増えました。

 日本の場合は少子高齢化で人口の減少が始まっていますが、ベラルーシはせっかく出生率が上がっても、外国へ出て行ってしまうので、人口減少、そして人手不足が社会問題になりつつあります。
 
 
 

2023年6月22日。ウクライナ侵攻から485日目

2023-06-22 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月22日。

 今日は昼間、ずっとヘリコプターが飛ぶ音でうるさかったです。
 軍用ヘリが演習中なのかなと思いました。
 そうしたら、ベラルーシのM1号道路はミンスクを通ってモスクワまで通じているのですが、そのうちイワツェヴィチとバラノヴィチの間でロシア軍のMi-24攻撃ヘリが墜落したという情報が出ています。
 ヘリの後部胴体の前半部分に、白の塗料でZと書かれているのでまちがいなくロシアのヘリです。
 これがミンスク上空を昼間飛んでいたヘリかどうかは分かりません。


 今日はベラルーシ(ソ連)にとって開戦の日。
 1941年の今日、みんな寝ている朝早くにナチスドイツの奇襲攻撃を受けました。
 朝、突然戦争が始まるというのがこちらでよくあるパターンのようです。
 ウクライナも空襲警報で目が覚めたという人がたくさんいました。


 ロシアが一方的に併合を宣言したヘルソン州の親露派トップ、サリド氏は今日、同州とクリミア半島北部を結ぶ橋がウクライナ軍のミサイル攻撃を受けたとSNSに投稿しました。同氏は、イギリスが供与した空中発射型巡航ミサイル「ストームシャドー」が使われたとみられると述べています。
 ロシアがクリミアに創設した「クリミア共和国」首長のアクショノフ氏もSNSで、「夜間に攻撃を受けた」と認めました。
 修復には数日かかるそうです。橋への攻撃はクリミア半島をロシアから切り離そうとする作戦ということですね。ウクライナ軍はかなり本気を出しているようです。
 20日には、ロシア国防相がクリミアやロシア領をウクライナ軍が高機動ロケット砲システム「HIMARS」や「ストームシャドー」を使った攻撃を仕掛けた場合、
「アメリカとイギリスの直接的な関与とみなし、ただちにウクライナの中枢を報復攻撃する」
と発言しています。
 そこへこの攻撃ですよ。


 ウクライナ大統領は今日、ザポリージャ原発で放射能の放出を伴うテロ攻撃をロシアが計画しているとの情報を入手したと明らかにしました。
 ロシア大統領府は「新たなうそだ」とし、国連の核査察団が同原発を視察し全てを高く評価したと反論しました。


 IOCのバッハ会長は「ロシアの選手などは戦争を無視することを望んでいる。一方、ウクライナの選手などはロシアとベラルーシの選手を孤立させることを望んでいる。どちらの立場も私たちの使命とオリンピック憲章に相対するものだ」と述べ、選手が『中立』の立場であれば復帰を認めるとするIOCの方針を改めて強調しました。 


 ウクライナ大統領は今日、ロシアからの商用の書籍輸入を禁止する法案に署名しました。ウクライナのロシア占領下にある地域やベラルーシで印刷された書籍の商業輸入も禁止です。
 さらに、第三国からのロシア語書籍輸入にも特別許可が必要となります。

2023年6月21日。ウクライナ侵攻から484日目

2023-06-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月21日。
 今日は夏至ですね。ベラルーシは夜10時半になってもうっすら明るいです。

 ベラルーシは今年に入り野良犬や野良猫が増えているそうです。
 経済状況の悪化のため、ペットを飼えなくなった人が捨てているのでしょうか。
 保護された犬のうち10%は元の持ち主に返され、20%は新しい飼い主の元へ。残りは安楽死だそうです。保護センターの入り口にペットを捨てていく人も毎日のようにいるそうですが、日本と状況が似ていますね。

 ブラジルがベラルーシのカリ肥料を輸入しようとしています。
 両国が友好国であることをアピール。ベラルーシからすると利益になるので、この話は進むでしょう。運ぶのが大変ですが、ベラルーシの肥料でブラジルの農業が助かり、食料危機から逃れられると考えているのは当然の対応策ですね。

 
 ロシア大統領は今日、モスクワで軍大学校の卒業生を前に演説し、
「軍の強化は今後も優先課題の一つだ」
と語り、大陸間弾道ミサイルや潜水艦発射弾道ミサイル、長距離爆撃機で構成する「核の3本柱」がロシアの安全保障と世界の安定にとって最も重要だと指摘し、今後も核兵器を戦略的抑止力として発展させていくと述べました。核兵器は抑止力だというのがロシア大統領の考えのようです。


 モスクワ州知事が通信アプリで、ドローンが軍の倉庫に接近していたと明らかにしていたところ、3機を撃墜したとロシア国防省が発表しました。
 ウクライナによる「テロ攻撃」の試みだそうです。電波妨害により無人機は操縦不能となり、墜落したと主張。負傷者はいません。

 

2023年6月20日。ウクライナ侵攻から483日目

2023-06-20 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月20日。

 ベラルーシ外務省報道官が今日、明らかにしたことによると・・・
 ベラルーシでクーデターを起こそうと計画している過激派グループがいる。
 その数は数百人に上り、ベラルーシ人である。
 ポーランドのポズナンで訓練を受けている・・・そうです。
 訓練って誰が教えているのでしょうか? このことについてスクープしたのは、イギリスの新聞サンデー・タイムズ紙で、その内容を正しいとベラルーシ外務省が認めました。
 ベラルーシ外務省もこのグループの存在を把握しており、ポーランド政府にも再三通達しているそうですが、ポーランド政府側の説明はベラルーシ外務省にとっては非常に不満なもののようです。
 どちらにせよ、このようなグループがクーデターを起こせるわけはなく、無駄だとベラルーシ外務省は切り捨てています。
 本当にこんなグループが存在しているんですね。これはベラルーシの政権転覆を狙っているので、戦争とは直接関係していません。しかし、時と場合によっては戦争の行方に影響を大きく与えることになります。


 
 ウクライナ国防省情報総局長官は今日、ザポリージャ原発に冷却水を供給する貯水池周辺に、ロシア軍が地雷を敷設していると地元テレビ局の取材で語りました。

 
 


2023年6月19日。ウクライナ侵攻から482日目

2023-06-19 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月19日。
 ベラルーシは日中、雨が降って気温が下がりました。
 でも私の職場があるところでは全く雨が降らず、蒸し暑いまま。
 そして、ふとベラルーシのネットニュースを見たら、自宅の近くの道路が冠水している画像が目に飛び込んできてびっくりしました。そこだけ集中豪雨が降ったみたいです。
 こういう画像を見ると、日本で大雨の被害を受けた地域のニュースや、ウクライナのダム決壊のせいで浸水した町や村の動画を見たことを思い出し、心臓に悪いです・・・。
 ニュースによると風で木が止めてあった車の上に倒れたり、直径2センチぐらいの霰が大量に降りました。


 国連は今日、ダムの決壊で洪水が発生したヘルソン州で、ロシアが支配地域への人道支援物資の搬入を今なお妨害しているとして非難しました。
 ロシアが支配している地域に住んでいると言うだけで国際支援を受けることができないとは・・・。

 この地域を占領していたロシア軍部隊ではすでにコレラが発生したという外信報道が出ている。

 その占領しているロシア軍の相当数がコレラが疑われる症状により軍病院に入院し、そのうち数人が死亡したとウクライナのメディアが伝えています。
 今月15日にウクライナ保健相はBBCのインタビューで、
「カホウカダム崩壊で下水とごみなどがドニプロ川に流れ込み、汚染水準が正常基準値より2万8000倍高まった」
と述べています。実際にウクライナ環境当局の調査の結果、南部地域の上水道からコレラ菌や大腸菌などが発見されました。


 今日、ベラルーシで小児性愛者に対する強制治療に関する法律が承認されました。
 まず、小児性愛者が性犯罪を犯すと、その罪に対して刑罰を受け、さらに矯正するための治療(去勢を含む)を受けます。
 この治療方法は、心理カウンセリングといった初歩的なものもありますが、それでも矯正できなかった場合、化学的治療という方法も採ってよい、ということです。
 化学的治療とは何かというと、薬品を使うということです。
 使用される化学成分が何なのか詳細は不明です。ただ、ベラルーシ人にとって「手頃な価格」だと強調しているので、小児性愛者(患者)がその薬品代を払わないといけないようです。

 ベラルーシは同性愛者にとっても厳しい国なので、小児性愛者と同じように、同性愛者がもし犯罪を犯したら、同様に矯正治療を受けさせられる可能性があります。
 また今まで日本のように消極的だった学校での性教育ですが、これから必修科目にすると決定しました。
 その報道を聞いていると、詳しく内容を知っているわけではないので、はっきりしませんが、何となく「子どもが大きくなって、小児性愛者や同性愛者にならないようにする教育をする」ように感じました。
 日本だと性教育の中で「性被害にあわないようにするにはどうするか。あったときにはどうしたらいいか」を教えると思うのですが。
 
 また過去に性犯罪を犯し、有罪判決を受けた前科者は、居場所が分かる電子ブレスレットを強制装着させるという対策法も審議され始めました。
 ベラルーシの社会はこれからどうなるのでしょうか。
 日本人からすると、ベラルーシは独裁の管理社会だの監視社会だの自由がないなどと批判的に見る人が多いと思います。
 しかし、性犯罪者の居場所を近くにいる子どもや女性に教えてくれるブレスレットを強制的に装着させよう(性犯罪者には自由も権利もないし、どこにいようが管理・監視される)という厳しい法律には賛成する日本人が多いのではないでしょうか。特に女性。


 今日の午後11時頃から変な音が外から聞こえてきます。もう夜中の12時なんですが。
 ゴロゴロという音なので、雷が鳴っているのかと思ったのですが、何かが爆発しているような音にも聞こえ、神経に刺さります。
 たぶん夜中の軍事演習の音が意外と遠くまで聞こえているということだと思います。 

2023年6月18日。ウクライナ侵攻から481日目

2023-06-18 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月18日。

 ウクライナ軍当局者は今日、ウクライナ軍部隊がロシアの占領下にあるヘルソン州の港湾都市ヘニチェスク近郊の村で大規模な武器庫を破壊したと発表しました。ウクライナにとって大きな戦果です。

 BBCとロシアの独立系メディア「メディアゾナ」による独自調査で、昨年2月のウクライナ侵攻以降に死亡し、名前が確認できたロシア兵が2万5千人に達したことが分かりました。


 ウクライナ軍のザルジニー総司令官が長い間公の場に姿を現していないことについて、ロシア大統領は今日、ザルジニー氏がロシア軍の攻撃を受けた結果、破片による傷と閉鎖性頭蓋脳損傷を受け、開頭手術のため外国に言ったことを知っていると述べました。
 また、ロシアではザルジニー氏は指名手配されています。


2023年6月17日。ウクライナ侵攻から480日目

2023-06-17 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月17日。
 ミンスクは気温28度。ついに本格的な夏が来ました。

 ロシア大統領は今日、ウクライナ和平交渉仲介を目指すアフリカ諸国セネガル、エジプト、ザンビア、ウガンダ、コンゴ共和国、コモロ、南アフリカの代表団が提案した和平案に否定的な見解を示しました。
 アフリカ諸国代表団が示した国際的に認められた国境の受け入れを前提とした提案に異議を唱えたロシア大統領。
 同代表団は16日にキーウを訪問しましたが、ウクライナ側もロシアとの和平交渉はロシア軍がウクライナから撤退して初めて可能になるとの見解を示し、和平案を拒絶しています。

  会談では、ウクライナ産穀物を黒海経由で輸出する手続きを定めた「穀物合意」についてアフリカ側は穀物輸出が継続されるよう求めましたが、ロシア大統領は、合意に基づき輸出された穀物の「3%しかアフリカに届いていない」とし、合意はアフリカの食料問題を解決しないと主張しました。
 合意の期限となる7月中旬以降にロシアが合意から離脱する可能性もすでに示唆しています。
 アフリカ諸国からすれば、食糧問題は最重要事項です。そのためにも和平が必要なので、わざわざ戦争中の両国を訪問したわけですが、あまり成果はなかったもようです。
 食料危機が起きなければいいのですが・・・。