ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

リューバニで見た伝統文化 「春人形」

2012-04-28 | ベラルーシ文化
 ピントがぼけてしまいましたが、これも不思議な人形なので撮影しました。
 これは「春人形」なのだそうです。
 何でも左側の白い人形が雪(冬)を表し、右側の赤い人形が東から来る太陽の光(春)を表しているのだそうです。

 日本の水引を思い出してしまいました。これも右(東)から赤い水引が真ん中方向へ向かっているのですが、太陽を表しているのです。
 左側の白い水引は人間界を表していて、赤いのは太陽(お天道様)が結ばれているのが水引なので、このベラルーシの春人形と似ているな、と思いました。

 冬が長いベラルーシで春を待ち望む人々の心が表れている人形だな、と思いました。

 他にもこの春人形によく似た人形でクヴァートカという人形があります。
 よく似ていますが、スカートをはいています。
 これは赤ちゃんが生まれる2週間前までにお母さんが手作りし、ベッドやゆりかごのそばに吊るすものです。
 赤ちゃんにとりつく悪霊を追い払うお守りです。
 
 

 

リューバニで見た伝統文化 「巻き布人形」

2012-04-28 | ベラルーシ文化
 これは布を巻いて作ったお人形です。これもお守り的な要素の強い人形です。
 布の巻き方には決まりがあって、胴体(脚)の部分は画像のような巻き方でないといけないのだそうです。
 勉強になるなあ・・・
 しかし今度このような人形を別の場所で見かけたら、スカートの中を覗いて確認しそうです。(^^;)変な意味ではありませんので悪しからず・・・。

リューバニで見た伝統文化 「ミニ人形」

2012-04-28 | ベラルーシ文化
 この博物館にはこんなに小さい人形も展示されていました。
 写っているのはつるで編んだ旅行かばんの取っ手の部分です。
 お人形たちがそれぞれ風呂敷のような包みを持っています。

リューバニで見た伝統文化 「にわとり人形」

2012-04-28 | ベラルーシ文化
 パン以外にも卵が食べたい、と思っているのか、にわとり人形もあります。
 と言ってもにわとりを抱えているお人形です。(にわとりが素朴でかわいい。)

リューバニで見た伝統文化 「豊作人形と母娘人形」

2012-04-28 | ベラルーシ文化
 一番上の頭の大きい人形が豊作人形です。
 エプロンの刺繍の模様ですが、これも収穫を表しています。
 ベラルーシの民族衣装に使われる幾何学的な文様はそれぞれ意味があります。

 収穫後に畑の農作物(小麦やらい麦など)を詰めた袋(日本で言うと米俵)をイメージしたお人形です。
 ゼルノブーシカあるいはクルペーニチカと言います。
 ゼルノブーシカは「穀物」と表しクルペーニチカは「脱穀した穀物」を表しています。
 
 それにしても周囲の人形たちも気になる・・・。
 一番下の2人は母娘人形ですね。
 三つ編みの髪の毛は亜麻でできていますが、本当の髪の毛みたいでリアル・・・
 これこそ亜麻色の髪の乙女ですね。

 そしてやっぱりおっぱいが気になる・・・。
 赤ちゃんはついていないけれど、この胸の大きい人形はヴェプススカヤと言います。
 妊娠したら赤ちゃんが生まれるまでにお母さんが作ります。
 古いきれなどを使います。さらにはさみや針は使わずに作らないといけません。
 手でちぎったり、紐で巻いたりして作ります。そうするとその子の人生が「切れたり」しない、「チクチクしない(苦労がない)」ようになるそうです。
 赤ちゃんが生まれたら、その子のベッドやゆりかごの上につるします。
 大きくなったら、その人形で遊びます。

リューバニで見た伝統文化 「豊作人形 2」

2012-04-28 | ベラルーシ文化
 これも豊作人形です。
 このような人形は秋に作られ、春の種まきの時期に燃やされることが多いです。
 春にマースレニッツァという1週間続くお祭があります。
 これはバター週間と訳される事が多いのですが、分かりやすく言えば、この1週間毎日クレープを食べます。
 特に最後の日(日曜日)は必ずクレープを食べなくてはいけません。
 ちょうどこの時期に春が始まるとされています。

 そのときにマースレニッツァの妹、あるいは娘と言われるこのようなわらのお人形を家のそばに立てます。
 いろいろな種類のお人形があります。
 そしてこれは家のお守りとされ、その家の人の願いをかなえてくれるそうです。
 そしてバター週間の最後の日に燃やされます。

リューバニで見た伝統文化 「豊作人形」

2012-04-28 | ベラルーシ文化
 ベラルーシは農業国なので、秋に豊作になるかどうかは重要な関心ごとでした。
 そのため豊作祈願のお人形もたくさん作られています。
 これも豊作人形の一つ。
 秋の刈り入れの時、わざと畑の中心部の麦を残しておいて、それでこのような人形を作ります。

リューバニで見た伝統文化 「やぎ人形」

2012-04-28 | ベラルーシ文化
 こちらは進化したやぎ人形です。
 でも体つきは人間みたいですね。それもそのはずで、ベラルーシではクリスマスにわらで作ったやぎのお面をかぶって、村中を練り歩く習慣があるのです。日本の獅子舞に当たります。
 このお人形はやぎのお面をつけた人間を表しているので、このようなすっくとした立ち姿なのです。
 

リューバニで見た伝統文化 「元祖やぎ人形」

2012-04-28 | ベラルーシ文化
 これはわらの人形ですが、やぎです。(これでも・・・)
 ベラルーシ人はやぎを豊作のシンボルにしています。そのため収穫したわらでやぎ人形を作って、翌年の豊作のお守りにするのですが、これも元祖やぎ人形とでも言うべき姿です。
 やぎの人魚みたい・・・。
 衝撃的な姿です。角は凝っているのに、体が・・・。

リューバニで見た伝統文化 「元祖亜麻人形」

2012-04-28 | ベラルーシ文化
 これは元祖亜麻人形とでも言うべき、古いタイプの亜麻人形です。
 現在お土産用として作られている亜麻人形しか見たことがない人にとっては衝撃の姿です。

(現代版亜麻人形を見たい、と言う人はこちらの画像をどうぞ。)

http://vesna-ltd.com/shop/ama.html


 亜麻の束をねじっただけの顔と手ですよねえ。
 昔の亜麻人形はこうだったのか、と勉強になりました。
 ベラルーシに長く住んでいて、こういう伝統文化に詳しくなっている、と思っていましたが、実はまだまだ知らないことがたくさんあったと実感しました。

 またこれと形はよく似ているのですが草から作った「リストチクーシカ」という人形もあります。
 これは農作業に赤ちゃんを連れて行くとき、仕事の邪魔にならないように「これで遊んでいなさい。」と作って与えたもので、さすがに博物館には展示していません。(すぐ枯れて色が変わってしまうため。)
 しかし畑のそばの雑草ではなく、薬草で作る場合もありました。
 子どもが病気になると、薬草で草人形を作り、早く治るためのお守りとしました。

リューバニで見た伝統文化 「十字架人形 2」

2012-04-28 | ベラルーシ文化
 こちらもシンプルな十字架人形です。十字に組み合わせた枝に亜麻糸を巻きつけたものです。
 お人形と言うより、宗教的な意味合いが濃いものです。

リューバニで見た伝統文化 「十字架人形」

2012-04-28 | ベラルーシ文化
 今まで見てきた人形には顔がありませんでしたが、このように顔に十字の模様がついているものもあります。
 服はけっこうリアルな作りなのに、顔は十字・・・
 このような十字に関係する人形は全てキリスト教に由来する人形です。

 ベラルーシのお守りの意味合いが強いお人形には顔がありません。どうしてかというと、このほうが悪霊を怖がらす効果があるとされ、そのためわざと描いていないのだそうです。

 

リューバニで見た伝統文化 「ほうき人形」

2012-04-28 | ベラルーシ文化
 これはほうきを持ったお人形です。
「そうじができるようになるお守りか?」
と言うとそうではなく、ベラルーシ人にとってほうきは特別な物で、これで幸せをかき集めるお守りなのです。
 日本で言うところの熊手のお守りと同じ発想ですね。

リューバニで見た伝統文化 「主婦人形 10本腕」

2012-04-28 | ベラルーシ文化
 これも主婦人形ですが、10本腕です。
 私も10本腕がほしいです。そうすれば仕事も家事も完璧にできるはず。

リューバニで見た伝統文化 「主婦人形 6本腕」

2012-04-28 | ベラルーシ文化
 子宝にも恵まれたら・・・そう次に待ち受けているのは家事が大忙しの毎日です。
 これは主婦人形・・・。腕が6本あります。
 千手観音みたい。発想は同じですが、千手観音がたくさんの衆生を救うためにより多く手があるわけなのですが、ベラルーシの主婦人形は家事をすぐにたくさんこなせるように、手が多いのです。(あくまで自分の主婦業のため。)