ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

新美南吉生誕110年祭 3

2023-07-29 |   新美南吉
 前夜祭だった7月29日は盆踊りが新美南吉記念館で開催されました。
 地元の山車組のみなさんによるお囃子も感動しました。いろんな年齢の人がいて、伝統が受け継がれているんだと思いました。
 盆踊りは岩滑のションガイナーというそうで、南吉さんも踊っていたそうです。
 縁日の射的や水風船釣りはすごい人だかり。
 浴衣を着て盆踊りに参加した人はパピコがもらえるということで告知していたので、会場が華やかになっていました。半田市はよく考えていますよ。
 私は浴衣は着ていなかったのですが、余ったパピコをいただきました。パピコはベラルーシにないから、30年ぶりでおいしかったです。
 そもそもベラルーシから南吉さんのお誕生プレゼントであるハーモニー絵画教室の子どもたちの作品を届けることができて、本当によかった、今夜はそういう運命だったんだと思えました。
 みなさん、本当にありがとうございました。

新美南吉生誕110年祭 2

2023-07-29 |   新美南吉
 新美南吉記念館の中にある図書閲覧室へ。
 南吉コーナーにちゃんと2冊ありました。ロシア語訳童話集「ごんぎつね」とベラルーシ語童話集「手袋を買いに」。生誕100年だった2013年から始めて、2016年と2018年にベラルーシで出版できた翻訳です。
 こうして新美南吉記念館の中でちゃんと保管、そして読まれていることが本当に嬉しいです。
 実際にはロシア語やベラルーシ語で読める人がここに来ることはめったとないと思います。でも南吉童話が多くの外国語に翻訳されていることが記念館に来たら分かるというのが大事なことだと思います。
 これからも世界に広がって多くの人に読んでもらいたいです。そして南吉さんの童話に心が慰められる人が増えてほしいです。
 言葉を訳さないと外国文学との出会いもなくなってしまう、と最近よく思います。

 他にも館内でストップモーションアニメ「ごんぎつね」も見られて良かったです。
 こういうアニメを見ていると飛んでいるものはどうやって撮影しているの?といつも思います。本当に技術が進歩しているんだろうなと思います。でも作業のことを考えると気が遠くなりますね。
 こういうアニメもどんどん世界で見られるようになったらいいですね。

 
 
 

 
 
 

 

 

新美南吉生誕110年祭 1

2023-07-29 |   新美南吉
 2023年7月30日は新美南吉生誕110年祭です。
 新美南吉記念館では29日の前夜祭から30日にかけて生誕祭が盛りだくさん企画されていました。今年1年かけて生誕地半田市ではイベントが続いているのですが、せっかくなのでこの記念日に新美南吉記念館へ行ってきました。
 コロナが流行し始めた頃から約束していたベラルーシの子どもたちが描いた南吉童話の感想画を届けたかったのです。
 ハーモニー絵画教室の生徒のみなさんが描いた作品は今年の1月から6月にかけてミンスク市立中央児童図書館で展示されていました。
 (詳しくはこちらこちらのページをご覧ください。)

 そして作品を集めてスーツケースに詰め、半田へ出発。南吉さんのお誕生日の30日に訪問する予定でしたが、私の事情により前夜祭の29日に行くことになりました。
 でも代わりにベラルーシでは見られない盆踊りや夜店を体験できました。
 特に地元の民謡に合わせてみなさんが踊っているときに、その歌詞の中に、
「新美南吉、半田の誇り〜♪」
というのがあってびっくり。南吉さんは半田では歌詞になっているんですね。天国の南吉さんは照れながらも喜んでいるんじゃないでしょうか。

 画像はハーモニー絵画教室のエレーナ先生に送るため撮影した証拠写真です。まちがいなく生徒さんの作品を南吉さんにプレゼントしましたよ。

 そしてごん吉君フェイスブックでもご紹介いただきました。8月23日のフェイスブックをご覧ください。
 ごん吉に紹介してもらえて嬉しいです。エレーナ先生にも早速日本からメールで連絡しました。

2023年7月25日。ウクライナ侵攻から518日目

2023-07-25 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月25日。
 ミンスクは今日、大荒れの天気でした。

  国際原子力機関事務局長は声明で、現地に駐在する同機関の職員がザポリージャ原発の内部と外部のフェンスの間にある緩衝地帯で地雷を確認したとし、過去の調査でも地雷が見つかっていると指摘しました。
「こうした爆発物の存在は 国際原子力機関の安全基準と原子力安全保障の指針に矛盾するもので、発電所職員にさらなる心理的圧力を与える。」
としています。
 と同時に原発の安全性を脅かすものではないとの見方を示しています。
 注意喚起しているのか、パニックが起きないように事を荒立てないようにしているのか。
 聞いているこちらのほうは、心配になるだけです。

2023年7月24日。ウクライナ侵攻から517日目

2023-07-24 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月24日。

 モスクワ市長によると、今日午前4時ごろ、市内の建物2棟にドローンによる攻撃がありました。
 ドローン1機がビジネスセンターを直撃したほか、国防省の建物から500メートルほど離れた場所でもドローンの破片が見つかったそうです。(200メートルという報道もあります。)
 ロシア国防省は、ウクライナのドローンによるテロ攻撃だと非難しています。


 ロシア大統領は今日、性別変更や性別適合手術を原則禁止する法案に署名し、成立させました。
 もともとロシアは(ベラルーシも)保守的です。こういう法律ができても不思議はないのですが、成立するとLGBTの人たちの人権を認めていないといった批判が出ます。
 それもあると思うのですが、今のロシアでは徴兵逃れのために男性が女性に性別変更されると、兵士不足解消にならないので、このような法案を今成立させたのだと思います。

 
 今年初めてベラルーシ国立航空アカデミーは女性の軍事学部への入学を認めました。
 今後とも受け入れを継続する予定です。
 女子大生の場合、空軍パイロットになるのは専門の選択になく、みんなドローンの操縦を専門に学ぶそうです。
 つまりドローンの操縦ができる人材がベラルーシでは不足しているということです。
 

 フランスのシンクタンク、国際関係研究所が、2022年2月にロシアがウクライナに侵攻して以降、ロシアから国外に移住した人の数が100万人に上るとの報告書を発表しました。
 1917年のロシア革命後に起きた人口流出に匹敵する規模だと指摘しています。
 数十万人レベルかと思っていましたが、もう100万人突破したのですね。
 教育水準が高い中間層が多いといい、欧州各国は移住者を受け入れ、経済成長に生かすべきだと提言しています。
 知的人材の国外流出です。これからのロシアはさらに人口減、労働力、技術力の低下が進むでしょう。これからロシア系◯◯人という人たちが移住先の国の経済発展に貢献することになります。

2023年7月23日。ウクライナ侵攻から516日目

2023-07-23 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月23日。

 ベラルーシ大統領は予定通り今日、ロシア大統領と対面会談しました。会談冒頭に地図を持ち出し、ポーランド軍がベラルーシとの国境付近に部隊を集結させていると主張しました。これがとにかく会談の最初に言いたいことなのです。ベラルーシは脅威にさらされているとベラルーシ大統領は言いたい。地図まで取り出しているのは、自分たちの会談が世界的に注目されており、メディアで広く報道されるのが分かっているので視覚的インパクトを与えたいという作戦です。
 さらにベラルーシに駐留しているワグネル戦闘員について、
「この話をすべきではないかもしれませんが、話します。ワグネル戦闘員は緊張し始めている。ワルシャワへエクスカーションに行きたがっている。」
と述べました。ワグネル戦闘員がウクライナで戦闘中、対峙していた武器がポーランドから供与されていたからというのが、ポーランドに行きたい(報復したい)根拠だそうです。

 さらに
「戦闘員たちの機嫌が悪いので、ベラルーシ中心部に留めている。ロシア大統領もこの問題に注目して下さい。」
とロシア大統領に訴えました。
 つまり、プリゴジンの反乱が起きたとき、戦闘員をベラルーシで引き取るということで決着がついたし、仲介の采配を振るったのはベラルーシ。そして今、ベラルーシにいるワグネル戦闘員はストレスを貯めている。この現状をロシア大統領は放置しないでくださいと要求しています。
 何となく、万一ポーランドがベラルーシに何か仕掛けてきた場合でも、ベラルーシ軍が対応するのではなく、ワグネル戦闘員に対応させよう・・・というのがベラルーシ大統領の考えなのでは?と思いました。ベラルーシ軍はウクライナに兵を出していない(ロシアに協力的だが、実際にウクライナに攻め込んでいない)ので、このスタンスを守り続けるために、ベラルーシ人の代わりにワグネルを充てがうという計画です。ベラルーシ軍は無傷でいられるし、中立の立場を守れます。
 もちろん余計なことが起きないように、ワグネル戦闘員が勝手にポーランドへ行ってしまわないように、ベラルーシは管理しなければいけません。だからベラルーシ中心部に留めているという発言に繋がったのではないかと思います。
 
 
 ウクライナ空軍やオデーサ州知事によると、ロシア軍は今日、オデーサをミサイル19発で攻撃し、そのうち9発を撃墜。40以上の建物が被害を受け、1人が死亡、20人以上が負傷しました。
 大聖堂などの歴史的建物が被害を受けました。この大聖堂はロシア正教会の教会です。ロシア正教会の建物を壊すなんてロシア軍はミスをしたのかと思いましたが、この大聖堂はロシア正教会から離れようとしている(ウクライナ正教会寄り)教会だそうです。だから攻撃の対象になったのでしょうか。
 被害を受けたオデーサの歴史地区は今年1月、ユネスコの世界遺産に登録されたばかりでした。
 戦争になると敵国の世界遺産をわざと破壊しようとするものなのですね。日本も覚えておかないといけませんね。
 

2023年7月22日。ウクライナ侵攻から515日目

2023-07-22 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月22日。

 明日、サンクトペテルブルグでロシアとベラルーシの両首脳が会談することになり、ベラルーシ大統領は今日、ロシア入りしました。

 ワグネルの創設者プリゴジン氏が、所有する企業グループの中核会社コンコルドをベラルーシ東部モギリョフ州内で会社登記していたことが明らかになりました。業務内容は不動産管理だそうです。着々と活動基盤をベラルーシに移し始めています。


 クリミア半島で「首長」を名乗る、親ロシア派幹部セルゲイ・アクショノフ氏は今日、ウクライナ軍がクリミアをドローンで攻撃し、弾薬庫が爆発したとSNSに投稿しました。ウクライナ軍の戦略コミュニケーション局もSNSで「石油施設と弾薬庫を破壊した」と述べ、攻撃を認めています。
 アクショノフ氏は、クリミア中央部のクラスノフバルジースキー地区の弾薬庫が攻撃によって爆発したが、大きな損害や負傷者は確認されていないとしていますが、半径5キロ範囲の住民の避難と鉄道の運行停止を決めました。
 こんな状況でクリミアへバカンスに行こうとする人の気がしれません。


 ロシア国防省は今日、侵攻したウクライナ南部ザポロジエ州で取材していたロシア紙イズベスチヤなどの記者団がウクライナ軍のクラスター弾で攻撃され4人が負傷、うち国営ロシア通信の記者1人が死亡したと発表しました。

 

2023年7月21日。ウクライナ侵攻から514日目

2023-07-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月21日。

 また今日も牽制です。
 ロシア大統領は今日、テレビ放送された安全保障会議の会合で、
「ベラルーシに対する侵略は、ロシアへの侵略を意味する。ロシアは利用可能なあらゆる手段を使って、これに対応するだろう。」
と発言し、ベラルーシへの攻撃はロシアへの攻撃と同じように見なすという姿勢を改めて示しました。
 ベラルーシがワグネルの兵士らを受け入れたことに反応して、ポーランドは対ベラルーシ国境の兵力強化を決定しています。


 ウクライナ大統領は今日、イギリスに駐在するウクライナ大使を解任しました。大使がゼレンスキー大統領の武器供与をめぐる発言を批判したことが理由だとみられています。


 ウクライナ侵攻を強く支持しつつ、ロシア軍が前線で失敗を繰り返しているとして、軍や政権を批判していた軍事ブロガーでロシア軍の元大佐、イーゴリ・ストレルコフ氏が今日、治安当局に拘束されました。

 
 ベラルーシで小児性愛者に対する治療システムや法律が整備されつつあります。まず、ベラルーシでは小児性愛者が、アル中や麻薬中毒の患者と同じように扱われることになりました。
 そういう性的嗜好は中毒の一種だとしたのです。
 そのため法律が改正され、小児性愛犯罪者に強制的に治療をさせることになりました。
 その治療方法なのですが、薬品を使った方法も場合によっては選ばれます。しかし、その薬品代が高い。なので、薬代は小児性愛犯罪者自身が払うことになるのだそうです。この点についてはまだ法改正されていないのですが、そうなる可能性が高いです。
 どうして国の予算(税金)から中毒患者を治すための薬代を出さないといけないのか、本人が負担しろということです。(治療を受けるのは強制で、治療費は本人がいやでも払わないといけない。罰金みたいなものですね。)
 さらに重大な小児性愛犯罪を犯したものは、懲役刑にかけられ、服役後も8年間保護観察下に置かれることになりました。
 ちなみに最近、ベラルーシでは15歳の少女と性行為を繰り返していた親戚の成人男性が逮捕され、懲役15年が求刑されています。この人、服役中に治療のための薬物を投与され、出所後も8年間保護観察されるんですね。
 この保護観察ですけど、監視を兼ねて投与した薬物の効果がどれぐらい持続するかを観察されるような気がします。ベラルーシでは今までこういう治療をしたことがないので、モデルケースにさせられるのでしょう。

2023年7月20日。ウクライナ侵攻から513日

2023-07-20 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月20日。

 ベラルーシに駐留しているワグネルとベラルーシ軍が対ポーランド国境近くで共同軍事演習をしています。
 ポーランドに近いところでというのが、いかにもNATOに対する牽制ですね。
 プリゴジン氏(と思われる人物)は動画の中で
「ワグネルがベラルーシを世界で2番目に強い軍隊にする。」
と約束していました。世界で一番なのはロシア軍? ワグネル?

 
 ウクライナ産の穀物輸出合意を離脱したロシアは今日未明、穀物の積み出し港があるオデッサ州を3日連続で攻撃しました。昨日のシカゴ穀物市場では供給減への懸念を受け小麦相場が急騰しています。日本にも影響が出るのは必至です。

 ウクライナは国連に貨物船団の護衛を求めるなど、穀物輸出の継続を模索。世界で深刻な食料危機が起きる瀬戸際なのかもしれません。
 アメリカはロシアによる民間船舶への攻撃や、機雷敷設の可能性があるとして警戒を強めています。

 ウクライナ穀物協会は、先進国を含めた国際社会はロシア抜きでウクライナ産の国際市場への輸出を可能にする方途を見つける必要があると主張しました。世界の大きな問題に発展する可能性が高いのだから、多くの国が協力し合って食料危機は回避してほしいというウクライナからの訴えです。


 ワシントン・ポスト紙は今日、ロシアの侵攻を受けるウクライナ軍が、南東部の前線で米国供与のクラスター弾の使用を始めたと報じました。
 こうなる前にロシア側も「ウクライナがクラスター弾を使うならロシアも使うからな。」と牽制していましたが、効果なし。
 牽制なんてしてもどんどん意味がなくなってきています。


 ロシア外務省は今日、ロシアに駐在する英国の外交官らが勤務地から120キロ・メートル以上離れたロシア国内を旅行する際、当局に事前に届け出る制度を導入すると通告しました。
 対象はモスクワにある英国大使館と中部エカテリンブルクの英国総領事館に勤務する外交官ら。旅程や宿泊先、接触を予定する相手を5日前に届け出ないといけないそうです。ただし大使や総領事は除外されます。


 ベラルーシ赤十字のドミトリー・シェフツォフ事務総長は、ベラルーシ赤十字が一時的に占領されたウクライナ領土からベラルーシへの子供たちの誘拐に参加していることを認めました。
 これが、ベラルーシ野党が指摘しているベラルーシ大統領がウクライナから子どもをベラルーシへ連れ去っているから、国際裁判にかけるよう訴えていることの証拠ということでしょうか。
 ただ、ここでは大統領ではなくベラルーシ赤十字です。
 話をまとめると、ベラルーシ赤十字代表らはウクライナのドンバス地方へ行き(そのとき代表は軍服を着て、Zマークをつけていたそうです。)ウクライナの子どもたちを、ロシアがロシアへ「連れ去った」ことを認めた。
 ベラルーシ赤十字はウクライナの子どもをベラルーシへも「連れ去った」ことを認めました。
 もっとも、ベラルーシへ健康回復やリハビリプログラムを子どもたちに受けさせるためにベラルーシへ連れて行ってあげた、というのがこのベラルーシ赤十字の考えです。連れ去ったとは思っていないでしょう。
 赤十字は、ベラルーシ赤十字代表が、ウクライナの子どもたちのロシアへの強制送還を支援したこと、占領下のルハンスクとドネツクを訪問したことを非難 「この訪問の異常な状況、特に武力紛争の当事者に関連するシンボルの使用は、国際赤十字の基本原則に違反している」と(身内ですが)厳しく批判しています。
 ウクライナ側は、同代表を逮捕するよう国際社会に訴えています。


 ロシア大統領が、厳重に保管していたトレチャコフ美術館から取り出して救世主キリスト大聖堂に移して、多くの人の目(と空気)にさらされていたアンドレイ・ルブリョフのイコン「聖三位一体」が、美術品修復センターへ送られました。修復作業に入るそうです。


 今日、オデーサ州にある中国総領事館がロシア軍の攻撃で被害を受けました。州の当局者は自身のSNSに、攻撃により窓が割れた中国総領事館の写真を投稿しています。
 ロシアと中国は友好国なのに、ロシア軍の攻撃で中国領事館が被害を受けているんですね。

2023年7月19日。ウクライナ侵攻から512日目

2023-07-19 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月19日。

 クリミア半島東部で今日早朝、軍の演習場で弾薬を保管していた倉庫が爆発し激しく炎上しました。今のところ、けが人の情報は入っていませんが、4つの集落の住民2,000人以上が避難することになりました。
 ウクライナ側はこの爆発について、SNSで攻撃したことを認めました。

 ロシア軍は今日未明、前日に続きオデーサへの空襲を実施したました。クリミア大橋への攻撃に対する報復が続いていますね。

 当然だと思うのですが、7月の終わりと8月のクリミア観光のキャンセルが発生しています。すると、ロシアの旅行代理店は顧客に対して、キャンセルしないようにと呼びかけています。キャンセル料金も発生するからとしていますが、結局この企業が損をしたくないからでしょ。
 今後数日でクリミアは普段の状況に戻ることを期待しているそうですが、連日のニュースを見ていると逆に悪化しそうです。
 そもそもクリミア大橋が通行止めになっているので、そこへ行けない。しかし、政府や旅行会社は、船でクリミア半島へ到達して下さいと国民に呼びかけています。
 もともとクリミア半島へ遊びに行こうとする一般人の気持ちが私には理解できません。
 ベラルーシ人でも呑気に家族連れでクリミアに行っている人がいるんだろうなあ。
 ロシア政府もロシア国民に対して、「今は危ないからクリミアへ行かないように。」と勧告すればいいのに、逆に「ロシアに戻ってきたクリミアをぜひ見に行きましょう! ロシアの偉大さがわかるよ。」という姿勢なのでしょうがないです。
 旅行代理店同じ考えで観光客を集めているし。


 ワグネルのプリゴジンと思われる人物がSNSに新しい動画を投稿。
 動画ではベラルーシ入りしたワグネルの部隊に対し、ウクライナ侵攻について、
「戦場で起きていることは恥ずべきことで、我々は参加する必要はない。」
と語りかけ、改めてロシア国防省を批判しました。
 かなり厳しい批判です。反乱をやめたので少しは考え方を変えたのかというとそうではないですね。
 さらに「我々はしばらくの間、ベラルーシに滞在することが決まった」と述べています。ということで死亡説も流れた同氏ですが、しっかりベラルーシに滞在中であることをアピールしました。
 今後についてはベラルーシで訓練を行い、「アフリカへの新たな道を進む」としたほか、ウクライナでの戦闘に再び戻る可能性も示唆しています。
 

 ロシアの独立系メディア「バージニエ・イストーリー」は今日、ワグネルが、元受刑者の戦闘員を全員解放することを決めたと伝えました。
 多くがロシアの故郷に戻ると思いますが、治安が悪化しそうですね。


 ロシア大統領府は今日、プーチン大統領が8月22━24日に南アフリカで開催される新興5カ国(BRICS)首脳会議にビデオ通話を通じ参加すると発表しました。
 やはり入国すると逮捕されることが明確だからでしょう。
 

 ロシア国防省は今日、黒海沿岸のウクライナの港を利用する全ての船舶を軍事物資の運搬船とみなすと表明し、攻撃する可能性があると警告しました。侵略直後以来の海上封鎖です。

2023年7月18日。ウクライナ侵攻から511日目

2023-07-18 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月18日。
 今日のミンスクは大荒れの天気でした。

 ロシア軍は17日から18日にかけて、ウクライナの10州を攻撃しました。昨日のクリミア大橋への攻撃についてロシア大統領は「テロ。報復する。」と」初外縁していましたが本当にすぐに報復しましたね。
 この攻撃により少なくとも6人が死亡し、25人が負傷しました。

 CNNが衛星画像をもとに報道したところによると、今日の午前11時過ぎ、ワグネルの部隊の第一陣の車列がベラルーシの軍用基地に到着し、少なくともあと二つの車列が基地に向けて移動中だそうです。
 衛星画像には、100台以上の軍用車両が基地に駐車している様子や、ベラルーシに向かう幹線道路の2カ所でワグネルの軍旗を掲げた車列が停車している様子が映っていました。本格的にワグネルがベラルーシに配備されましたね。
 しかしこの部隊を率いているのがプリゴジン氏ではなく、ロシア大統領が任命した新トップ、トロシェフ氏である可能性が高いです。


 またまたイギリスのイギリスのメディア「テレグラフ紙」が17日、去年9月以降、ウクライナの子どもおよそ2150人がベラルーシにある少なくとも4つのキャンプに連れ去られたと報じ、それにベラルーシ大統領が関与していたとしています。
 このブログにもすでに書きましたが、これらのキャンプは国立国営です。そして滞在費用はベラルーシ大統領基金から出ています。
 つまりこのお金の出処が大統領だから、海外ではウクライナの子ども連れ去りにベラルーシの大統領が関与していると主張しているわけです。

 仮にですよ、韓国と北朝鮮の間で戦争が起こり、心身ともに傷ついた韓国の子どもを日本の中にある国立の(公務員用の)宿泊施設に泊まらせて、保養してもらうことになったとします。その宿泊費を日本の総理大臣が自分のポケットマネーで出したら、韓国人の子どもの連れ去りに日本の総理大臣が関与しているということだから、国際裁判で訴えろと北朝鮮や中国が報道している・・・といった状況になったら、日本のみなさんはどう感じますか。

 何となく、ベラルーシの野党などがベラルーシの大統領が指名手配されたら外国に行きにくくなるので、それを狙っているだけのように私には思えます。
 「ウクライナの子どもに同情している」とか「救わなければ」という正義の心100%で、問題提起しているのではなく、政敵であるベラルーシ大統領に一矢報いたいから、大統領は子どもを誘拐していますよーとわざと騒いでいるような気がします。

 ベラルーシのキャンプ滞在中、軍事訓練を受けた子どももいるそうですが、ベラルーシでは去年から中学生も軍事教練を受けることになりましたから、これは義務教育なんです。
 キャンプでのプログラムの一つになっています。ベラルーシの中学生も軍事訓練を受けているから、君たちもやってみよう!と教官はウクライナの子どもたちに呼びかけて、両国の友好とか、子ども同士友情を結ぶきっかけになればと、盛り上げていると思います。
 サッカーの親善試合のような感覚で、両国の中高生が力を合わせキャンプ場で軍事訓練を受けていると思います。

 ベラルーシの大統領基金からは優秀で才能があり将来有望な大学生に奨学金が出ています。
 大統領の家族のメンバーもそれぞれ基金を持っていて、クリスマスの頃などいわゆる孤児院の子どもにプレゼントを配ったりしています。家族のメンバーそれぞれに担当の孤児院が決まっているんですよ。
 上記のキャンプ場は大統領が担当しているのでしょう。それをウクライナ人の子どもの連れ去りに関与の根拠になっているとメディアは言いたいわけですね。

 もし、この子どもたちが帰国できず無理やりベラルーシ国内に留め置かれているなら、人権無視の問題だと思いますが、ベラルーシの報道では帰国するようすがニュースになっています。
 ただし、このウクライナの子どもがドンバス地方から一旦ロシアへ避難していて、それが連れ去り認定されており、さらにロシア国内で場所がなくなってきたから、ベラルーシのキャンプ場を使わせてよ、ということでロシアからベラルーシへ来ている、ということだったら、ロシアの子ども連れ去りをベラルーシが協力していた、つまり犯罪行為を助けていたということになって、国際裁判でベラルーシも責められる・・・という構図になっているのかなと思いました。

2023年7月17日。ウクライナ侵攻から510日目

2023-07-17 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月17日。

 以前ロシアのテレビ番組が「7月17日に何か起こる」と予言めいたことを言っていましたが、今日がその日。何が起こるのでしょう。人類滅亡?
 と思いながらニュースを見たら、未明にクリミア大橋で爆発が起き、橋の路盤の一部が崩落し2人が死亡、子どもが負傷しました。

 当然、通行止めです。今クリミア半島には、夏のバカンスで家族連れや旅行客が押し寄せていますが、私からすると、こんな危険な場所に子連れで遊びに行こうとするロシア人の気がしれません。情報弱者で今ウクライナと戦争をしていることすら分かっていない人たちなの?と不思議に思います。
 でもたぶん、今クリミアで海水浴をしている人の中にベラルーシ人も混ざっているんだろうなあとも思います。

 ウクライナメディア「ウクラインスカ・プラウダ」は今日、クリミア橋の破損について、ウクライナ海軍と保安局による特別作戦だったと治安当局者の話として報じました。無人ボート(水上ドローン)が使われたそうです。
 去年のクリミア大橋での爆発についてはウクライナ側は最近になって関与を認めましたが、今回は早かったですね。

 
 今日、期限を迎えたウクライナ産の穀物輸出をめぐる合意について、ロシア大統領報道官は「履行を停止する」と表明しました。合意の失効で穀物の流通量が減少し、世界的な食料価格高騰が加速する恐れが出てきました。日本も無関係ではいられません。
 18日以降は黒海での民間船の安全航行を保証せず、トルコに設置された「合同調整センター」は解散されるとも表明し、強気です。一方でロシアは自身の要求が満たされた場合、合意に復帰するとも発言しています。


 ロシア空軍のSu-25戦闘機がアゾフ海に墜落しました。
 パイロットは脱出し、救助されました。墜落の主な原因はエンジンの故障だったと報告されています。
 同機が海上で訓練飛行を行っていたそうです。

 この事故の追記です。結局パイロットは死亡しました。

2023年7月16日。ウクライナ侵攻から509日目

2023-07-16 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月16日。
 今日はベラルーシも気温が30度を超える夏日になりました。

 ブルガリア政府は、建設を進めていたベレネ原発のロシア製原子炉などの設備についてロシアによるウクライナ侵攻の影響で、建設継続のめどが立たなくなったため、ロシア製原発を使用してきたウクライナに売却する交渉を開始しました。
 このようなウクライナ支援もあるのですね。もちろん原発の稼働は心配ですが。
 
  
 日本の岸田首相はNATOの首脳会議に出席するため、リトアニアに入りましたが、ウクライナ大統領とは首脳会議はできなかったようですね。
 しょうがないですよ。反攻真っ最中のウクライナからすると日本は軍隊を持っていない国なので、話をする優先順位が低くなってしまうのです。
 確かに日本は武器の供与はできないと思いますが、他の方法で支援できることが在ると思うんですよね。
 


 

2023年7月15日。ウクライナ侵攻から508日目

2023-07-15 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月15日。

 ベラルーシの独立系軍事監視団体ハユンによると、今日大型トラックやバスなど少なくとも60台の車列がロシアからベラルーシのオシポヴィチ近郊の軍事キャンプ場に入りました。これはワグネルの戦闘員が移動したものと思われています。ベラルーシの警察車両も同行し、厳重警戒していますから、まちがいなくワグネル戦闘員を移送したのでしょう。
 反乱に参加した戦闘員は8月まで休暇を取っているとの証言もあり、ベラルーシに入った戦闘員の多くはアフリカで活動していた部隊との見方が出ています。

 一方、CNNはプーチン大統領が、ワグネルの新たなトップにワグネル幹部のアンドレイ・トロシェフ氏を据えることを提案したと報じました。プリゴジン氏の影響力は低下するだけなのでしょうか。


 ロシア連邦保安庁は今日、ロシアのメディア「ロシア・セヴォードニャ(今日のロシア)」とテレビチャンネル「ロシア・トゥデイ(RT)」のマルガリータ・シモニャン編集長とロシアのジャーナリストクセニヤ・ソブチャク氏の殺害計画を未然に阻止したと発表しました。
 モスクワとリャザン州でネオナチ組織「パラグラフ88」のメンバーが拘束され、メンバーは、シモニャン氏とソブチャク氏の職場と住居がある地域で両氏の同行をうかがっていました。この組織が用意していたカラシニコフ自動小銃、ゴム製の棍棒、ナイフ、メリケンサックなどの武器のほか、殺人計画の情報が入っていたパソコンなども押収しました。
 組織のメンバーは、ウクライナ保安庁の指示で暗殺を準備していたことを認めています。こんな女性ジャーナリストを殺害して戦局に影響が出るわけでもないのにとも思いますが。
 1人の殺人に対して150万ルーブル(約230万円)の懸賞金を出すとされていたそうです。

2023年7月14日。ウクライナ侵攻から507日目

2023-07-14 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月14日

 ワグネルは事実上解体されたとかプリゴジン氏はがん闘病中だといったニュースが流れていますが、ベラルーシのニュースでは、今でもオシポヴィチ近郊にある軍の訓練所でベラルーシ軍とワグネル戦闘員が共同で演習を行い、実戦での戦闘方法などについて経験豊富なワグネルから教えてもらうと報道されています。
 今でもベラルーシ軍からワグネルへ熱心なラブコールが続いているのですが、どうなるでしょうか。
 と思っていたらベラルーシ国防省は「ワグネルの戦闘員の多くが軍事訓練で教官を務めている」という動画を公表しました。

 またプリゴジン氏は自分が今どこにいるのかSNSで情報発信していないのですが、ロシア政府は、同氏がベラルーシ国内の軍キャンプのテント内にいるとする画像を公表しています。


 12日遅く、ロシアの第58諸兵科連合軍司令官イワン・ポポフ少将による4分間の音声メッセージが流れました。ロシア軍上層部の対応を裏切りと呼んで非難。対砲兵射撃の不足や砲兵偵察所の欠如のために大勢の部下を失った。ロシアの防衛態勢の大きな欠陥を指摘。
 さらには「身内の上級指揮官が我々を後方から攻撃し、最も困難かつ緊迫した局面で卑劣にも軍を切り捨てた」と指摘。これら上官らが仕組んだ命令によって自分を解任、排除したと主張しました。
 ポポフ少将の現在の所在地は不明・・・と思ったら、ベラルーシ大統領がポポフ少将と電話会談し、第58諸兵科連合軍も丸ごとベラルーシに招待したらしいという未確認情報が今日流れています。
 優秀な(しかしロシア軍上層部からすると歯に衣着せぬ物言いにうっとうしい存在の)司令官とその軍の兵士や武器もそのままベラルーシへ移動させて、ワグネルようにこれからはベラルーシ軍と仲良くやっていきましょうよという態度です。
 ベラルーシ大統領の采配により、ロシアがウクライナに侵攻したことによって、ベラルーシ軍の強さがレベルアップするという効果が現れるのかもしれません。
 


 ロシア外務省の発表によると、駐ロシアポーランド大使がロシア外務省に呼び出され、スモレンスクにあるポーランド領事館の閉鎖を通知されました。 
 両国の関係が一段と悪化したようです。