ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

つれづれ写真「私も私も滑りたい滑りたい」

2010-02-25 | つれづれ写真
 青空スケートリンクで、そり滑りをしているY子と同級生たちを写真に撮っていたら、近くで同じように子どもたちを眺めているふたごちゃんと、そのおじいちゃんを見かけた。
 おばあちゃんが近所の店で買い物中なので、おじいちゃんがふたごの孫を連れて、店の近くを散歩しつつ、時間をつぶしている様子。
 ふたごちゃんは
「あ、子どもがたくさんいる。みんな何をしているの? おもしろそう・・・。」
と思ったらしく、じーーーーーっとスケートリンクを見ていました。
 その様子があまりにもかわいいので、遠くからパパラッチしてしまった。(^^;)

つれづれ写真「スケートリンク」

2010-02-25 | つれづれ写真
 近所にあるスケート場。といっても、学校の空きスペースに水をまいて、雪かきしたときの雪を周りに盛り上げただけ。もちろん入場無料。
 スケート靴は持参のこと。そりで氷の上をすべってもOK。

 ミンスクの中心部には、もっと大きなスケート場があります。もちろん水をまいただけの青空スケート場ですが、そこではスケート靴を貸し出しています。
 
 とにかく団地に囲まれたちょっとしたスペースや学校の運動場に、水をまくだけでスケートリンクができるので、子どもは大騒ぎですべっています。
 左のほうに写っているのはY子。プラスチック製のそりですべっています。このそり、スプリントと言うそうですが、強制的に買わされました。
 なぜなら、小学校低学年の体育の授業がそり滑りだから。学校の近くの森の中に行って、そこで滑りまくる、というのが冬の体育の授業なのです。
 高学年になるとこれがスキーになります。

 マイスケート靴を持っている子どももいっぱいいるし、しかもみんな滑るのが上手。(私は遠くからカメラを持って見守るだけだよ・・・。)
 子ども時代からこうだから、ベラルーシ人はみんなウインタースポーツが得意なんだね。
(その割には、冬季オリンピックであまりメダルが取れないのはなぜ? フィギュアスケートなんて誰も出場してないよ、ベラルーシ人。日本人のほうがよっぽどがんばっている。どうなってるのかベラルーシ?)

つれづれ写真「ほんと、今年は雪が多かった」

2010-02-24 | つれづれ写真
 はい、ベラルーシは日本より寒いです。なので、日本より雪も多いです・・・と思っている日本人は多い。
 しかしそれは間違いである。日本の豪雪地帯のほうがよっぽど雪が積もっている。ベラルーシには山がないから、国一面にまんべんなく雪は積もっても、部分的に雪がどかっとふることはない・・・。
(だから、ベラルーシへ冬に来た日本人が外を見て
「なーんだ、意外と雪、積もってないや。ということはそんなに寒くないんだ。」
と思って軽装で外出すると、マイナス10度だった、ということがあるので、注意しましょう。)

 とは言うものの、この冬はベラルーシも本当に雪が多かったです。この画像は2月中旬ごろに撮影したもの。のいばらの木が埋もれています。
 雪かきしなかったばっかりに完全に雪が覆い尽くした車・・・も町のあちこちで見かけました。

チロ基金の活動「水頭症児童への支援活動」

2010-02-23 | チロ基金
 チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第99回」でもご紹介しましたが、水頭症の児童への支援活動を行いました。
 この子はゴメリ州ルドニヤ・マリモノワ村に住む 3歳半の男の子、サーシャ君です。
 生まれつき水頭症を持っています。よく手術をして治療することが多いのですが、サーシャ君の場合、投薬治療の結果、頭に水(脳脊髄液)が溜まるのは止まりました。
 しかし、知能のほうは発達が遅れています。
  
 昨年、知能発達のための投薬治療を数年に分けて行うことを担当医から言われました。
 そしてこの1月から半年間はパントガムという薬を飲むことになりました。1ヶ月を過ぎたころ、この男子は初めて「ママ。」「チョーチャ(おばさん)。」と意味のある言葉を話し始めたそうです。
 
 この薬はロシアの製薬会社ピーク・ファルマが作っています。この会社のサイト内のカタログはこちら。(画像は見られますが、ロシア語表記のみです。)

http://www.pikfarma.ru/products/pantogam.html


 脳内の血液の循環や代謝を活性する働きがある薬ですが、重度の障害には効果はないようです。また長期間にわたって摂取しても、効果がよくなり続けるわけではありません。(当然ですが、この薬を飲み続けても知能が平均以上によくなり、天才になるわけではないです。)
 そのため、飲む期間も半年だけ、と決まっているようです。
 しかし、この薬はロシア製でベラルーシ製ではないため、障害児向けの割引制度も無効です。さらにあまり薬局では売られておらず、なかなか手に入らない、とお母さんは話していました。
 一箱50錠入りで、1日に3回飲まなくてはいけません。1ヶ月で2箱近く必要と言うことは半年間でおよそ11箱買わないといけません。もう2箱買ったので、あと9箱買わないといけません。1箱はおよそ14ドルします。

 ちょうどSOS子ども村へ保養で行くことになったため、お母さんはミンスクでできるだけたくさんこの薬を買っておきたいと考えました。首都であるミンスクのほうが手に入りやすいと考えたからです。 
 この男の子は障害者と認定され、助成金をもらっています。しかし、今ある助成金ではまとめ買いはできません。
 そこで、9箱全部でなくてもよいので、チロ基金から何とか支援を受けられないか、と持ちかけられました。
 この薬がそんなに効果があるのなら、ぜひチロ基金の支援活動の一つとして、一部でも購入のお手伝いができたら、と考えてその場では承諾しました。

 その後、あちこちの薬局でこの薬を売っていないかきいて回ったのですが
「置いていない。」「めったに売られていない薬。」「ロシアから注文取り寄せになる。」(←もうすぐサーシャ君はSOS子ども村での保養を終えて帰宅するので、時間がない・・・。)
 となかなか見つかりませんでした。
 しかし、ベラルーシ全国にチェーン店を持つ薬局に行ったところ、すぐに4箱の在庫が見つかりました。この薬局はゴメリにもチェーン店を持っているので、サーシャ君のお母さんもゴメリまで行けば、比較的簡単に手に入るのでは、と思いました。(ロシアから取り寄せるより、ミンスクからのほうが早くて簡単でしょう。)

 さっそく、SOS子ども村へ薬を持って行きました。家から持って来ていた薬はなくなりかけていて、1錠を半分に割って飲ませたりしていたそうで、お母さんはチロ基金からの援助に大喜びでした。
 サーシャ君もちゃんと意味が分かっているようで、薬の箱を手にして飲むまねをしたりしてニコニコしていました。(画像をごらんください。)

 これで2ヶ月間は大丈夫なのですが、後は何とか6月になるまでがんばってほしいと思いました。
 この薬4箱を購入するために、チロ基金支援者である大阪のH様の寄付金、そして、日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザールでの売上金の一部を充てました。
 H様、ユーラシア協会大阪府連の皆様、バザースタッフの方々、またバザーでベラルーシ民芸品をお買い上げくださった皆様に、厚くお礼申し上げます。 
 サーシャ君のお母さんは、本当に喜んでいました。日本の支援してくださった皆さんに深くお礼申し上げたい、と話していました。

 サーシャ君がますます健康になるよう、祈ってやみません。もしまた機会がありましたら、サーシャ君への支援活動、そして可能であれば、その後の成長をレポートしたいと思います。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 2012年4月にサーシャ君に再会することができました。そのときのようすはこちらをご覧ください。
 チロ基金の活動「ビタペクト2(セルロース)&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第132回」

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5c299109f50d02aa7afb7f43e07e3332


SOS子ども村にて。「折り紙できたよ!」

2010-02-20 | チロ基金
 チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第99回」のときにゴメリ州から保養滞在していた子どもたちに折り紙をプレゼントしました。
 (もちろん完成作品ではなく、折り紙用の紙と作り方です。)

 渡してから10分後、現れたのは幼稚園に通っているという女の子。
 あ、もう3つも作っている! やってきたのはもちろん、みんなに自慢するため。
 それにしても早い! しかも上手です。もしかして折り紙の天才かも・・・。

 水頭症の男の子はうまくしゃべれないんですが、私が帰ろうとすると、コートをかけてあるところに、走っていって待っている。コートを着ると、今度は玄関のところに走っていってドアの前で待っている。
 つまり、これはコートのある場所や玄関のある場所を私に教えているのです。
 知能の発達に障害があるというのは、ひょっとして間違いで、この男の子は実はすごく頭がいいのかも・・・。それがわれわれには分からないだけでは・・・と思った一瞬でした。
 ブラックジャックの漫画で、水頭症の子どもなんだけど、実は天才だった、というような話、ありませんでしたっけ?

 

チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第99回」

2010-02-20 |   ビタペクト配布活動
 この活動、今年最初の配布となりました。
 
 2月15日にビタペクト2と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第99回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
 今回はビタペクト2を11個、そして「放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2は合計1666個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1380部となりました。
  
 今回で通算109回目のビタペクト2の配布となりました。
 のべ人数になりますが、現時点で1666人分のビタペクト2、そして1380家族分の「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト2配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(ビタペクト2を開発、製造、販売しているベルラド研究所のサイトはこちらです。)

http://www.belrad.nsys.by



 今回は2家族がSOS子ども村に来て保養滞在していました。どちらの家族も2007年にもSOS子ども村で滞在していたことがあります。
 一つ目の家族は3月に、もう一つの家族は11月に放射能値の測定も行っています。

 今回もそれぞれのお母さんにお話を伺いましたが、先に2007年11月に前回滞在していたゴメリ州ドブルシ市(チェルノブイリ原発から約140キロ)から来た家族についてご報告します。

(家族A)

 前回の滞在時、妊娠していたお母さん。その後無事に男の子の赤ちゃんが生まれていました。
 前回の滞在の様子はこちらの過去ログをご覧ください。
チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第68回」(家族B)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/8e0659625ebc56a74669fe75a7e88c9d


 今回はお母さんが3人の子どもと、親戚の子ども3人を連れてきていました。親戚の子どものうち2人は前回も保養滞在したことがあり、1人は今回初めて来た子どもです。
 この家族には5個のビタペクト2を渡しました。
 2007年と2010年のそれぞれの体内放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト2を渡しました。

母親(事故発生時14歳)13ベクレル ○ → 18ベクレル
17歳長男 20ベクレル ○ → 30ベクレル ○
 7歳長女 22ベクレル ○ → 57ベクレル ○ 
 2歳次男            54ベクレル 
13歳姪  18ベクレル ○ → 23ベクレル ○
11歳甥  27ベクレル ○ → 25ベクレル ○
16歳女子            20ベクレル ○ 

 こうして結果を見ると11歳の甥を除けば、全員体内放射能値が上がっています。
 ビタペクト2を約2年前に飲んだときは放射能値は減ったとは思うんですが、その後また上がってしまっています。
 今回に限らず、ゴメリ州かた保養に来た人は大概、測定結果がよくないです。
 2歳の次男はまだ3歳以下と言うことで、今回は飲まないことになりましたが、残念です。
 お母さんは自分が高血圧ということをのぞけば、子どもたちは比較的元気だと話していましたが、少々心配です。 


(家族B)

 ゴメリ州ルドニヤ・マリモノワ村(チェルノブイリ原発から約100キロ)から来た6人の子どもとお母さんの家族。この家族には6個のビタペクト2を渡しました。
 前回の滞在の様子はこちらの過去ログをご覧ください。
チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第57回」(家族B)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/2007/no57.html


 2007年と2010年のそれぞれの体内放射能測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト2を渡しました。

母親(事故発生時14歳)28ベクレル ○ → 34ベクレル ○
14歳長男 42ベクレル ○ → 59ベクレル ○
11歳次男 33ベクレル ○ → 49ベクレル ○
 8歳三男 32ベクレル ○ → 30ベクレル ○
 5歳長女 51ベクレル ○ → 40ベクレル ○
 3歳四男            49ベクレル ○
 1歳次女            32ベクレル

 この家族もまた1人子どもが増えていました。
 そして体内放射能値が減っている子どももいれば、逆に増えている子どももいます。やはり3年も経過するとビタペクト2の効果も薄れてしまうと言わざるをえません。
 それにしても、チェルノブイリ原発事故が発生してから、20年以上も経過しているのに、これだけベラルーシ国民の体内に放射能が蓄積しているのは、恐ろしいことです。

 この5人目の子どもは生まれつき水頭症です。前に会ったときは生後7ヶ月でしたが、今は3歳になり、ずいぶんよくなっているようでした。
 水頭症の状態はどうなったかというと、手術はせずにいろいろ治療した結果、水(脳脊髄液)が頭の中に溜まるのは現在は止まったそうです。
 その後、急激に体が成長して、3歳の子どものレベルに近づいたと、お母さんは喜んでいました。しかし、知能のほうは発達が遅れています。
 現在は普通の子どもが通う幼稚園に通いながら、知能を伸ばす専門施設センターに通っています。そのセンターには知能障害を持つ子どもが集まり、専門家の指導の下、遊びを取り入れたプレイセラピーを受けています。
 そこで特別に作られたおもちゃを使いながら遊び、知能の発達を促しているそうです。 
 
 昨年お母さんが通院している病院へ行くと、知能発達のため、投薬治療を何回かに分けて行うことを言われました。
 そしてこの1月から半年間、薬を飲むことになり、1ヶ月を過ぎたころ、この男子は初めて「ママ。」「チョーチャ(おばさん)。」と意味のある言葉を話し始めたそうです。
 
 何だか奇跡のような薬ですね。この薬の名前はパントガム。ロシアの製薬会社ピーク・ファルマが作っている薬です。この水頭症の児童への支援活動についてはまた改めて報告をいたします。

 画像は記念撮影のようすです。年長の子どもたちは地元の学校に通っているため、不在だったのが、少々残念でした。しかし大きくなった子どもたち、新しく生まれた子どもたちの姿を見るのは、うれしいものですね。
 
 今回もいつものように子ども達に折り紙、絵葉書、鉛筆、ペンなどをプレゼントしました。
 絵葉書の裏に日本語で名前を書いてあげたら、とても喜んでいました。
 どちらかと言うと年長の子どもたちに
「前来たときにあげた折り紙の作り方、どうだった? つるは作れた?」
と尋ねたら、「できなかった」という返事が・・・。
 しかし幼稚園の女の子が
「幼稚園で折り紙をしたことがある。コップが作れる。」
と得意そうに話していました。
 みんなからは
「日本の学校には、国語とか算数といった科目のほかに、『折り紙』という科目があるんでしょ?」
ときかれました。(ないです・・・。でもあったら楽しいかも。)
 
 最後になりましたが、ビタペクト2の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。

 多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちも、SOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。

自殺率世界一の国はベラルーシ!

2010-02-13 | ベラルーシ文化
 ベラルーシの人口のことを投稿したとたん、このような記事を読んでしまいました。
 世界で一番自殺率が高い国はベラルーシだそうです。

【コラム】 世界的にも最悪レベル! 日本の自殺率はなぜ高い?(R25) - goo ニュース

 で、この↑記事ですが、時間が経つとリンク切れとなってしまうので、元になったサイトのほうの記事のリンクを貼っておきます。↓ こっちのほうが詳しい内容です。


http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/rxr_detail/?id=20100204-00001286-r25&vos=nr25gn0000001


 これによると・・・

「警察庁の発表によると、09年の自殺者数は3万2753人と12年連続で年間3万人を超えたという。たしかに、日本は自殺者数が多いと聞くが、この数字は国際的に見てどのくらい多いのだろう?

WHOによると、人口10万人ごとの自殺率の上位10カ国にベラルーシ、ロシア連邦、ハンガリー、ウクライナなどの旧ソビエト連邦諸国や旧ソ衛星国が名を連ねている中、6番目に日本の名前が挙がっている。日本の自殺率が高い背景について、自殺問題に詳しい作家の江上剛氏はこう語る。

「日本の自殺は、他国に比べて中高年男性が多いんです。うつ病を発症しやすい年齢でもあるし、リーマンブラザーズ破たん以降の不安定な経済による事業の失敗や業務への喪失感に加え、責任を1人で抱え込んでしまうからかもしれません」

それでは、ランキング上位を旧ソ連諸国が占めているのはなぜなのか? 防衛医学研究センター行動科学研究部門の高橋祥友教授に伺った。

「日本より上位の国々は、社会変動が自殺率に直接影響しています。91年のソ連の崩壊によって独立した国々、特にバルト3国は独立当初、未来に対する希望が生まれ自殺率が低下しました。しかし、期待していたような変化はなく、夢が絶望へと変わったことで、自殺率が一転して上昇してしまったのです。またアフリカやアジアの場合は、WHOに自殺に関するデータを提出していない国も多い。特に飢餓や感染症などで多くの人たちが死亡する国では、自殺にまで関心を払う余裕がないんです。 ほかにも、中東の国々では、イスラム教の経典コーランに自殺の禁止を明記した項目があるため、自殺率が低いともいわれています」

先進国の中でいえば、アメリカやフランスは日本の半分弱。イタリアやイギリスは4分の1程度の自殺率だという。やはり、お国柄が違うとはいえ、日本の自殺率は群を抜いて高いと言わざるを得ないようです。
(古瀬絵理/フリーアナウンサー)」

 ・・・とあり、WHOの調査による世界各国の自殺率(人口10万人あたり。2009年度調査)によると1位はベラルーシで、35.1人。
 こんことで世界一になっても、ちっともうれしくないよー!!!
 
 2位はリトアニアの30.4人。(ベラルーシとの差が約5人とは、大きい・・・。ベラルーシ、ダントツ1位ですよ。)

 3位はロシアの30.1人。
 4位はカザフスタンで26.9人。
 5位はハンガリーで26.0人。
 6位は日本で24.4人。(これで、日本は自殺者が多い、問題だと騒いでいるんですが、じゃあ、ベラルーシはどうなのよ、と思った。)
 7位はガイアナで22.6人。
 8位はウクライナで21.9人。
 9位は韓国とスリランカで21.6人。

 旧ソ連の国が半分の5カ国を占めています。(もっとも、自殺者の数を統計的に発表していない国もたくさんあるらしいですが・・。)

 この記事では
「91年のソ連の崩壊によって独立した国々、特にバルト3国は独立当初、未来に対する希望が生まれ自殺率が低下しました。しかし、期待していたような変化はなく、夢が絶望へと変わったことで、自殺率が一転して上昇してしまったのです。」
と解説していますが、バルト3国でこのワースト10に入っているのはリトアニアだけですよ。
 ベラルーシはどうして1番なの?

 ちなみにこれは率の話で、数の話ではないです。人口の話があったので、ざっと計算すると、ベラルーシの2009年度自殺者数は約3330人で、日本の10分の1です。
 しかし総人口自体が日本の10分の1以下だからなー。
 率で言うと、日本も抜いて世界一なんですね。
 
 ついでに殺人による被害者(死亡者)の数は日本が約1500人で、ベラルーシが1000人弱。率に換算すると、ベラルーシは殺人事件が日本より多く発生していることになります。
 だから人口が減少しているんですよー。

 ベラルーシで自殺する人がなぜ多いのかについては、私個人の予想ですが、いくつか理由があります。
 その1。ソ連が崩壊し、独立国家になったものの、経済状況が好転せず、貧困な状態を悲観。
 また急激な社会体制の転換、思想の転換についていけず、精神的に悩み、新しい社会に順応できないことから、希望を見い出せず、悲観。

 その2。医療水準が低いことから、重い病気にかかると、治る可能性が低く、悲観。

 その3。冬が長いため、日照時間が短く、暗い冬の間にかかりやすい季節性うつ病になる人が増えてしまう。最近は増えてきたが、ベラルーシにはまだ精神科医や気軽に相談できる心理カウンセラーなどの数が不足しており、心の病気を抱えた人が重症化してしまう。

 その4。本来ベラルーシは自殺を戒めているがキリスト教の国だが、ソ連時代は信仰が禁じられていたため、国民の間に宗教心が薄れ、「自殺は大罪である。地獄に落ちる。」という意識がなくなってしまった。
 宗教が自殺に歯止めをかける、ということがこの国には乏しい状態。
 
 その5。統計上の問題。これは何かというと、実際には自殺じゃないのに、自殺として片付けられるケースがベラルーシにはけっこうある、ということです。

 例えば、本当は殺人事件なのに、自殺とされるケース。
 高校生とか大学生が数人、誰かの家に集まって、飲酒や喫煙をする。そのうち仲間内で喧嘩が起こり、1人が他の1人を突き飛ばしたら、窓が開いていて落下して死亡。
 警察が来ても、その場に居合わせた仲間は殺人事件になるとやばいので、「あいつは自ら飛び降りた。」「自殺だった。」と一斉に主張。彼らの他に目撃者がいるわけでもなし・・・。
 警察側も若い人たちの将来を損なうのもなあ、と考えつっこんだ捜査はせず(だって本当に他の目撃証言者もいないし。)「自殺」と報告する。

 ・・・といったケースがあり、自殺者の数が実際より多く数えられている可能性があります。
 しかし一方で、自殺を決意した人が、(遺書は残さず)車道に飛び出す。車にはねられ死亡。これを「交通事故」や「前方不注意による不慮の事故」死亡者の体内からアルコールなど検出されれば
「酔っ払いが意識朦朧状態で、車道に出てしまった。」と報告されてしまう。
 線路に飛び降りたら「転落事故」扱いにされる。
 つまり、自殺ではなく事故による死者の数が増えてしまう・・・というケースもあります。

 もちろん真相は不明のままなので、実際こういった、間違って分類されてしまう数がどれぐらいになるのか全く分かりません。
 でも、殺人事件が増えるよりは、自殺を増やし、自殺が増えるよりは、事故死の数を増やす傾向があると思います。

 だから本当にベラルーシが自殺率世界一の国なのかどうか、はっきりしたことは分からないです。
 でもそれを差し引いて考えても、自殺率高いですね・・・。

 一方で日本に多い「心中」や「責任を取るため、死をもってお詫びします。」という切腹系の自殺はベラルーシにはないです。
 それと日本にある「あの人のお父さん、自殺したんだってー。」と後ろ指をさすような変な差別みたいなのもありません。
 当然、家族が自殺した遺族の会、といったものもありません。(今のところ・・・。)

 方法としては首をつる人が多く、次に高いところからの飛び降り、列車や地下鉄に飛び込む。
 睡眠薬は日本と比べると手に入りやすい国だったのですが、最近は法律が厳しくなったのか、薬局で見かけません。(店の奥に置いているのかも?)
 ガス自殺はガスではなく電気の家庭が多いので、ベラルーシではあまり聞かないですね。
 手首を切るといった刃物を使った自殺は少ないです。
 冬だと1人で森の奥へ歩いていくだけで凍死できます。しかし、これの場合「自殺」ではなく、「迷子のうえ、凍死」扱いとなり、自殺の数に入らないんだろうな・・・。遺書を残しておいた場合は別ですが。

 ああ。だんだん気分が暗くなってきました。
 とにかく、ベラルーシの経済状況が好転すれば、自殺者減少にも歯止めがかかると思います。
 (前の投稿と同じ締めくくりだ・・・。)

 もうこんな記事を書くのはやめよっと。
 それより明日はバレンタインデーだし、しかも今年はマースレニッツァ(バター祭週間)の最終日にも当たっているから、チョコとブリン(クレープのこと。)を食べなくっちゃ。あははは♪ 
 ・・・とまあ、こういう思考の人はけっして自殺なんかしないのであった。(^^;)
 ベラルーシ人も日本人ももっと楽しみを人生の中に見つけよう。(^^)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 2017年の記事「自殺率世界一ではなくなったベラルーシ」もご覧ください。

ベラルーシの人口(2009年度)

2010-02-13 | ベラルーシ文化
 2009年、ベラルーシで人口調査が行われ、その結果が今年になってから発表されました。こういう数字が気になる日本人の方もいるかと思いますので、このブログで公開します。

 まず総人口数は約948万9000人。

 男女別に見ると
男性は442万3000人。
女性は506万6000人。

 やはり女性のほうが多いですね。平均寿命も女性のほうが長いです。

 年齢別の人口は分かりませんが、未成年(子ども)で言うと、女の子10人に対して男の子9人、だそうです。
 この理由もよく分かりません。が、おそらく、医療水準が日本より低く、乳幼児死亡率が日本より高いのと、乳幼児の男の子が病気になりやすい、またかかると死亡する割合が女の子より高いため、と思われます。
 またそれより少し高い年齢になると、男の子は危険な遊びをすることが多く、(例:工事現場で遊んでいて深い穴に落ち、3人の男の子が死亡。氷が張った川を渡ろうとしたら、氷が割れ、2人の男の子が溺死。夏、湖や川で泳いでいて溺れる。学校にプールがなく、体育としての水泳教育が非常に少なく、日本人と比べると泳ぎが下手なベラルーシ人が多い。男の子は他にも、喧嘩や事故に遭うことが多い。)その結果、男の子が成人するまでに死亡する率が高いと思われます。
 その結果、婚活(^^;)という意味では、
「男の数のほうが少ないから、俺、結婚できるぜ。」
と安心しきっている20代男性は多いです。
 かと言って、ベラルーシ女性のほうが
「女の数は多いから、私、あぶれるかも。」
とあせっているかというと、そういう人は皆無に等しいです。(^^;)

 話は人口に戻ります。
 首都、ミンスクの人口は182万8000人。
 ミンスクをのぞくミンスク州の人口は142万2000人。
 ビテプスク州は123万1000人。
 モギリョフ州は109万5000人。
 ゴメリ州は144万人。
 グロドノ州は107万2000人。
 ブレスト州は140万1000人。

 農村地域の人口は全体の26%、都市地域の人口は74%です。

 さて、この人口の調査ですが、前回は1999年に行われました。10年おきに調査している、と言ってもいいでしょう。次の調査は2019年ですね。そのころはどうなっているやら・・・。

 そして、この10年間にどのような変化があったのかというと、まず総人口は55万6000人減少。
 つまり1999年には人口が1千万人以上だったのが、ついにその数を切ってしまった、ということですね。 
 ビテプスク州、モギリョフ州、グロドノ州では10%の人口減です。
 ただ、各州都では人口が増加しています。

 ミンスクも人口が14万8000人増加。建築ラッシュが続いています。
 (と言うか、ミンスクの場合は、戦争中に町中が破壊されたため、戦後すぐから現在に至るまでずっと建築ラッシュの状態。)
 
 10年前の農村地域の人口は全体の31%、都市地域の人口は69%だったので、人口がどんどん都市に流入している、ということです。
 農村地域ではここ10年の間、毎年約4万3000人ずつ人口が減少。(都市部への移住のほか、死亡者数が出生人口より多いため。)
 過疎化が進んでいますが、次の10年の間に農村部の人口を1.5倍に増やす政策を打ち出すということです。
 ちなみにベラルーシでは出生率が微増しています。
 
 しかしちょっと生まれる子どもの数が増えただけでは、人口の減少は止まらないでしょう。
 このペースで人口減少が進めば、10年後には800万人台に、30年後には700万人台になってしまいます。
 どうしてベラルーシの人口は減っているのか。
 理由はいろいろ考えられます。医療水準が日本と比べると低いため、助かっていたはずの命が助けられない。(子ども人口がその分少なくなる。高齢者も早く死亡するので、高齢者人口も少ない。)

 経済状況が慢性的によくないため、少子化傾向がずっと続いている。(ちなみにベラルーシで一番出生率が下がったのは、パンを買うのに行列を作っていたペレストロイカのころ。1980年代後半生まれの世代。)

 同じく経済状態がよくないため、職を求めて外国へ出稼ぎに行ったベラルーシ人が、帰国しないケース。外国の教育機関に留学し、そこで就職するケース。外国人との国際結婚による移住。特にロシア人とは言葉の壁がないので、ロシアにベラルーシ人が移住するケースが多い。

 ソ連時代、都市部の人口の意外と多くを占めていたユダヤ系住民が、独立後、イスラエルやアメリカに大量に移住。ロシア系住民もベラルーシ国籍の取得よりロシア国籍の取得を望み、ロシアへ帰国したり、移住したりした。

 政治的、経済的亡命。現政権に不満を持つベラルーシ人がポーランドなどに逃げている。そうすると、今度はなかなかベラルーシへの入国許可が下りなくなるため、帰国できない。
 ベラルーシの貧しい家庭の青年が国外へ行ったときに、経済的亡命を訴えたら、ヨーロッパ各地の難民収容センターをたらい回しにされたケースもあります。最終的に難民と認められたらしいですが、その子どもの家庭、極貧というわけではないです。
 
 やはり経済的な状況がよくないため、出稼ぎのためベラルーシへやってくる外国人も少ない。
 つまり逆にベラルーシへ、仕事を求めてやってくる外国人がいない。他のヨーロッパの国の学術機関と比べると、留学生も大変少ない。ベラルーシ人と国際結婚後、ベラルーシに住もうという家族も少ない。
 石油も金も採れないので、このようなビジネス目的でやってくる人も企業もない。
 要するに定住しそうな人が外から来ないのです。

 殺人事件の被害者数も多い。自殺する人も増えている。
 チェルノブイリ原発事故の放射能汚染のせいで、健康な人の割合が少なく、病気を抱えている人の割合が高い。(つまり、短命であったり、子孫を残せる可能性が少なかったりする。)
 アルコール中毒患者の数が非常に多い。中毒そして依存症の人も合わせると、ベラルーシ人の10%を占める、と言われている。
 当然、そういう人たちは肝臓病に罹る確率が高く、平均寿命が短い。
 
 ついでに言うと食生活も脂肪分、塩分が多く、冬は特に保存食を多く摂りがちで、さらにアルコール摂取量も増えるため、健康によくない。
 ほとんど海がないため、ヨード摂取量も少なく、風土病と言っていいほどベラルーシ人の多くがヨード不足状態。

 ああ。だんだん気分が暗くなってきました。
 とにかく、ベラルーシの経済状況が好転すれば、人口減少にもだいぶ歯止めがかかると思います。
 日本もそうですが、ベラルーシも人口が減るのはやはり問題です。
 もっとも、若い世代が支えないといけない高齢者人口がベラルーシの場合、少ないので、若い人への負担は日本と比べるとずいぶん軽いと思いますが・・・。日本のほうが若年人口の減少は、ずっと大きい問題です。

つれづれ写真「団地ロボット」

2010-02-04 | つれづれ写真
 つれづれ写真、白黒シリーズの続きです。
 白黒写真はすごいですねえ。撮影したのはミンスクにいーっぱいある、ごくふつうの団地です。これも白黒にすれば、ご覧のとおり。この中にベラルーシ庶民が住んでいるように見えないですねえ。ロボットの軍隊みたい。
 こうして平凡かつ日常的風景を無理矢理、SFな世界にして楽しむのだ・・・(と打ち込んでいて、ため息が出た。はあ。)