ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

Vogueイタリア版にニーナさんの写真が掲載

2020-09-30 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 ファッション雑誌Vogueイタリア版にニーナ・バギンスカヤさんのポートレート写真が掲載されました!

 73歳のニーナさんは白赤白の旗を手に、反政府デモ集会に参加。警官に路上で職務質問を受けると、

「散歩してるの!」

とだけ答え、その小柄ながら毅然とした姿が反政府デモ活動のアイコン的存在になり、ニーナさんの姿を描いたイラストがネット上にあふれ、デモ集会に本人が現れると、「ニーナ! ニーナ!」の大合唱が始まるという人気者に。マスコミから取材も殺到。テレビのトーク番組にも招かれました。

 しかし、白赤白の旗はすでに3回没収。ニーナさんも2回護送車に収容され、警察署へ。

 高齢なので、簡単な取り調べだけですぐ解放されていますが、旗を返してもらえず・・・でも支援者がニーナさんに旗を作ってあげているので大丈夫です。

 今回の白黒ポートレート写真はもちろんイタリアで撮影したものではなく、ベラルーシ人カメラマンがベラルーシ国内でニーナさんをモデルにして撮影したものです。

 そこには「ベラルーシ革命の母」と銘打たれています。

 撮影時にカメラマン、イワン・リャビャコ氏がニーナさんに「何かベラルーシ人に伝えたいことはありますか?」と質問したときの答えがネット上で掲載されました。

「人は自由でないのなら幸せになってはいけないということ。私たちは自分の意思のために、私たちの領土のために、母国語のために、自分たち国民のために戦わないといけない。国と民は自由でなければならない。私がベラルーシ人のみんなを愛しているとインターネットに書いておいて。」


欧州安全保障協力機構が証拠集めを開始

2020-09-30 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 9月29日のフランス大統領とチハノフスカヤ氏との会談後記者会見で、マクロン大統領は欧州安全保障協力機構がベラルーシの問題について仲介役を果たすべきと発言していましたが、今日早速、欧州安全保障協力機構はベラルーシ国内で非人道的な取り調べや身柄拘束が行われていたことについて、その証拠を集めると発表。

 ベラルーシ国民に対して、あなたが暴力や拷問の被害者や証言者である場合、その証言や証拠の画像や映像を提供してください、と呼びかけました。

 その証言や証拠を集めるための専用メールアドレスが公開されました。(ポーランドのアドレスになっていました。)

 ここにどれだけ多くの証拠が集まるでしょうか・・・。


9月30日、大学生の座り込みデモ、政府派もデモ行進

2020-09-30 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 9月30日、今日はミンスク市内にある大学の学生が計画してほぼ一斉に座り込みデモを行いました。

 大学生で反政府デモ活動をしていたことにより、拘束、逮捕、拘留されている人たちの解放を求めるデモ集会です。

 多くの学生が休み時間に自分の大学の正面入り口のところに集まって座り込むというデモ活動です。

 収容センターや留置所で「座っている」人たちの気持ちに添いたいということです。

 学生だけではなく教職員で参加している人もいます。

 ゴメリやモギリョフの大学でも学生の座り込みデモが行われました。

 大学の前に座る場所がなくなるぐらい多くの学生が集まった大学もあれば、大学側があわてて、「正面入り口の改修工事を始めます。」と言って学生たちを追い払ったり、近づけないようにロープやテープで入り口の周りを取り囲んだりする大学もありました。

 国立ベラルーシ農業技術大学ではたった一人の学生がプラカードを持って座り込みデモをしていたら、警察に拘束されてしまいました。

 国立ベラルーシ医大では、全員医療マスクをして座り込みをしていたのですが、なぜか後になって、座っていただろうと、大学側から指摘され、明日学長室へ来るようにと言われた学生もいます。

 中には座り込みなどしていないのに、「していただろう。」と言われた学生もいて、顔認証システムでばれているのではなく(笑)誰か学生が告げ口しているレベルみたいです。

 

 大学の中には、学生自治会を発足させる動きも出てきています。もし、学生が反政府活動をして、拘束された場合、罰金刑になってそのお金が払えない人のために自治会が罰金を出したり、その他支援をするということです。

 

 ベラルーシの有名なプロバスケットボール選手エレーナ・レフチェンコ(レウチャンカ)が反政府デモ行進に参加しており、交通の邪魔をした罪により逮捕。今日裁判があり、禁錮15日間という判決が出ました。オリンピックにも出場経験のある選手です。

 スポーツ関係者も今日は多くデモ集会や人間の鎖に参加しました。

 バスケットボールではなくハンドボールなのですが、レフチェンコ選手有罪のニュースを聞いて、ベラルーシ国内大会に出場する予定だったチームが、試合の参加を拒否しました。

 

 やはり有名なブロガーが行方不明になり、ようやく今日になって留置所にいることを家族が把握しました。

 

 ベラルーシの人気ポータルサイト、TUT.BYが昨日、ベラルーシ政府から報道機関としての運営を10月1日から3ヶ月停止させられる通達が来ました。

 明日からどうなることか・・・。

 

 夕方、ミンスク中心部で国旗を掲げた政府派のデモ行進も行われました。参加者の数は100人いるかいないかです。

 

 ミンスク市内の各地で団地デモが始まりました。

 お祭りのようになっています。  


ベラルーシをめぐる状況

2020-09-30 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 多くの国がルカシェンコ大統領をベラルーシの大統領と認めないことを表明し、政府による国民への重大な人権侵害があるとして、制裁を次々と行なっています。

 それに対抗してベラルーシもまずバルト三国の政府高官合計100人以上の制裁(ベラルーシへの入国不可など)を公表しました。

 ロシア政府はベラルーシ政府を全面的に支援すると表明。

 オランダのハーグにある国際刑事裁判所に、ベラルーシ野党がベラルーシ大統領が人道的に対する罪に問うよう申請しました。

 実際に裁判が始まるかどうかはまだ分かりません。

 

 


ベラルーシのコロナウイルス感染者78631人。死者数833人

2020-09-30 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 9月30日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は78631人になりました。1日の新規感染者数は371人です。

 死者数は833人です。

 74525人が回復しました。

 185万件の検査数となりました。

 明日からベラルーシでコロナウイルスワクチンの接種が始まります。

 

 

 


イギリスとカナダがベラルーシ制裁へ

2020-09-29 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 イギリス政府はベラルーシ大統領8人の政府高官などを対象に、大きな人権侵害があったとして、制裁を科すことを決定しました。

 その8人は、大統領、その長男、大統領府長、内務大臣、その副大臣(2名)、内務省国内部門副司令官、ミンスク市管轄の治安部隊長(大学生3人に私用車に落書きされた人。)です。

 カナダ政府も制裁を科すことしましたが、対象になる政府高官は11人です。

 

 ベラルーシのテレビ局OHTは、今年のノーベル平和賞にルカシェンコ大統領がノミネートされたと報道しました。
 ノミネートには推薦が必要なのですが、そうしたのはベラルーシ国立教育大の准教授で大統領科学開発評議会のメンバーの一人、ガリーナ・コバレンコという人物だそうです。
 
 しかし実際にはこのような人物は存在していないそうです。テレビ局はどうなっているのか・・・。
 ベラルーシ政府はネットはフェイクニュースばかり流しているのから信用してはいけません、と国民に言っているのに、そもそもこのコバレンコ氏の推薦そのものがフェイクニュースなのです。
 そのフェイクニュースをネットで見つけて取り上げて、国営テレビ局がニュース番組で報道してしまったのです。
 
 
 ベラルーシはロシアと緊密な関係を取ることに決め、今日もロシアの空挺部隊がベラルーシの部隊とベラルーシ国内で演習を行なっています。

ベラルーシのコロナウイルス感染者78260人。死者数828人

2020-09-29 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 9月29日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は78260人になりました。1日の新規感染者数は314人です。

 死者数は828人です。

 74320人が回復しました。

 184万件の検査数となりました。

 

 ベラルーシではすでに普通のインフルエンザ予防接種が始まっています。児童図書館で働いている職員は無料で受けられます。希望者のみで強制ではありません。

 今日、職場で無事予防接種を受けました。今年は希望者が多かったです。


フランス大統領とチハノフスカヤ氏会談

2020-09-29 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 リトアニアのビリニュスを訪問したフランスのマクロン大統領は、ベラルーシ反政府派のチハノフスカヤ氏と会談しました。

 マクロン大統領はベラルーシの政治と社会が危機的な状況にあり、それを解決するため支援することを約束しました。

 ちなみに今回の会談に先がけて二日前マクロン大統領は、ベラルーシ大統領に、辞任するほうがよいと助言していました。

 昨日、それを受けてベラルーシのルカシェンコ大統領は側近たちへの発言の中で、

「フランスはベラルーシに視線を向ける必要はない。フランスの大統領は自国内の問題に取り組んでいたらいい。こんなことを言うのなら、2年前にパリでデモが起きたとき、フランスの大統領も責任を取ってすぐ辞任するべきだった。」と語りました。

 

 今日の会談でマクロン大統領はチハノフスカヤ氏に対して、

「時間は重要。今も逮捕され拘留されている人々がいる。このベラルーシ人たちの早期解放をフランスは支援する。」

と話し、またマクロン大統領は、ロシアも加盟する欧州安全保障協力機構がベラルーシの問題について仲介役を果たすべきと会談後の記者会見で話しました。

 

 さらにフランス大統領はリトアニア大統領と共同宣言を発表するそうです。


治安部隊長の車に落書きした大学生

2020-09-29 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 ミンスクの大学生3人(年齢は18歳と19歳)がネット上で治安部隊長の一人の私用車が近くに止まっていることを知り、その車に誹謗中傷をペンキで落書きして逃げました。

 しかし、逮捕されました。治安部隊長は「不愉快だ。18歳にもなっているんだから責任を取るのが当然。」とコメント。学生は謝罪の言葉を述べていますが、おそらく起訴されるでしょう。

 

 私は落書き反対派です。

 うちの児童図書館の外壁に落書きするのは、内容関係なく反対です。消す作業に時間も労力も予算もかかるのですよ。特に予算はチロ基金が出していた時期がありました。何回申請してもミンスク市役所が予算を出してくれないんですよ。数年間汚い落書きが放置ですよ。もちろん犯人など誰も捜査してくれません。

 なので、この学生3人は、ちゃんと責任取りましょうね、と思います。

 一方で、反政府派の国立ヤンカ・クパーラ前劇場長の自宅にペイントボールが投げ込まれ、門に落書きされたケースでは、犯人は未だに見つかっておらず、そもそも捜査しているのかどうかも不明です。

  

 夜中駐車場に停めてあった警察官の妻の私用車に数人の男性(平均年齢30歳)がスプレーで落書きをしたり、タイヤをパンクさせたり、車体を叩いて凹ませたりしました。

 全員逮捕されました。おそらくネットで警察官の個人情報を掴んで、たくさん車が止まっている中、その人の車1台だけが狙い撃ちです。

 このように警察官とその家族の車が狙われています。

 しかし、警察はしっかり捜査をしていますね。

 

  

 

 


9月28日、ハッカーによる反撃? 人間の鎖、団地デモ

2020-09-29 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 9月28日、反政府派のデモ集会が続いています。昼間は学生や教職員のデモが大学の近くで行われています。

 グロドノアゾトではストライキを起こしたことで責任を負わされ、70人が一斉に退職することになりました。

 

 ゴメリで反政府活動を支持していた正教のウラジーミル神父が10日間身柄拘束をされていて、今日がその10日目なので、留置場から出てこられると家族や支持者が集まっていましたが、出てきませんでした。

 一度身柄拘束を解かれたものの、また別の罪に問われ、裁判が始まることになったからです。

 

 ウルチエ地区の公園の竜の像が赤と白に何者かに塗り分けられ、すっかり町内の名所になっていたのですが、昨日女性が緑のスプレーで竜のお腹に四角を落書きして、

「これはベラルーシの国旗。」

などと言っている様子が近所の人に撮影されました。今日ネット上で動画が拡散したのですが、住民がやめてくださいと頼んでも、「あんたたちがこの竜を汚くしたのよ。」「落書きしたのはそっちでしょ。」と言い合いに。

 落書きをしたら、罰金刑だと思うのですが、この女性は罪にならないのでしょうか?

 堂々と撮影している人のほうに顔を向けて反論しているので、すでに名前がネットで晒されています。

 

 午後5時半ごろ、独立系メディア、KyKy.orgのサイトがハッカーに乗っ取られました。

 これは政府支持派のほうのハッカー集団のしわざです。

 このハッカー集団は反政府派ハッカー集団、サイバーパルチザンに対して、脅すようなメッセージをこのメディアのサイトに載せました。

「我々は大統領支持者だ。サイバーパルチザンは治安部隊の顔認証システムを作り、治安部隊の銀行口座を壊そうとしている。治安部隊は反政府派の群れを追い払ってその報酬を正しく受け取っているだけだ。我々は正義を取り戻す。サイバーパルチザンは攻撃されないと思っているのはまちがいだ。我々はサイバーパルチザンなど恐れていない。覚えておくように。じゃあまたな。」

 これからだんだんと政府側と反政府側のハッカー集団による争いが主流になってくるかもしれません。

 頭脳合戦といったところでしょうか。デモ集会の参加者の数や、拘束者の数のことだけを気にする時代は終わったのかもしれません。

 ちなみにこのメッセージをサイトに勝手に載せられたKyKy.orgは、自分たちはサイバーパルチザンとは無関係だと話しています。

 

 フランスのマクロン大統領は、ベラルーシ大統領に辞任することを勧めました。マクロン大統領はリトアニアを訪問し、明日チハノフスカヤ氏と会談します。

 在ベラルーシ元アメリカ大使が、新しい大使をベラルーシに任命しないほうがよい、と言及しました。

 

 今晩も各団地でデモ集会、人間の鎖が行われています。

 私の家のマンションのエレベーターには反政府派の住人が作りのポスターを貼っています。

 すぐに捨てられます。このようなポスターを貼るのはマンション経費の負担になるのでやめましょうという張り紙が上から貼られ、その張り紙もすぐに捨てられます。

 


ハンガーストライキ中だった野党メンバー

2020-09-28 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 弁護士で野党調整評議会の幹部メンバー、マクシム・ズナクがハンガーストライキに入っていましたが、9日目、野党メンバーから、やめたほうがいいと言われて、それに同意しました。体調悪化が報じられていたのでよかったです。


来年のユーロヴィジョンのベラルーシ代表が下ろされる

2020-09-28 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 2020年のユーロヴィジョンはコロナウイルス拡大のせいで中止、来年に持ち越しとなりました。

 ベラルーシ代表に選ばれていたのはVALというグループですが、ユーロビジョンの規定では、2020年に選ばれていたアーティストが2021年もそのまま出場、ただし楽曲は別の曲(新曲)で勝負する・・・ということになっていたはずです。

 だからVALが出場するはずだったのに、代表を毎年決めるコンテストを実施している国営テレビ局BTが突然、VALおベラルーシ代表から下ろす、と発表しました。

 その理由は「VALのメンバーには良心がないから。」

 ・・・代わりに他のアーティストを選んで、ユーロヴィジョン側に事情説明をするのか、それともベラルーシは来年棄権するのかどうかまだよく分かりません。

(同じように来年に持ち越しになったオリンピックはどうなるのでしょう。) 


アレクシエーヴィチが出国。しかし帰国を約束

2020-09-28 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 ノーベル賞作家で、野党調整評議会の幹部メンバーの一人、スベトラーナ・アレクシエーヴィチがドイツに出国しました。

 仕事上の都合と持病の治療によるもので、必ずベラルーシに帰国することを約束しました。

 ただ、カトリック大司教の例があるので心配です。もし帰国するときに国境地帯で止められて、入国できないことになったらどうしましょう・・・。


ベラルーシのコロナウイルス感染者77946人。死者数822人

2020-09-28 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 9月28日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は77946人になりました。1日の新規感染者数は337人です。

 死者数は822人になりました。

 74267人が回復しました。

 183万件の検査数となりました。

 

 今日、ロシアからコロナウイルスワクチンがベラルーシに届きました。事前予約をしていた人から順番に予防接種を受けることになります。


9月27日、反政府デモ50日目

2020-09-27 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 9月27日、反政府デモも連続50日目に入りました。

 今日は大型ショッピングセンター「ザモク」「ミンスク・ギャラリー」地下ショッピングセンター「スタリツァ」が終日営業中止しました。

 そのミンスク・ギャラリーの前で白と赤の花を持っていた男性が身柄拘束されました。

 続いてリュックの中に白赤白の旗を持っていた女性が連れの男性とともに身柄拘束されました。

 

 ユビレイナヤ・ホテルの前に多くの護送車が停止して、多くの人が身柄拘束されました。

 

 今日は自主的に閉店する店舗もあったようです。

 ネミーガ駅の近くのマクドナルドも閉店していました。

 

 共和国会館(大統領府)の周りには大量の軍用車両が配置されています。また市内中心部の広場は立ち入り禁止の状態です。周囲には護送車もすでに待機している状態です。

 ミンスクの地下鉄の駅も複数閉鎖されました。

 

 モバイルが遮断されています。

 

 ミンスクだけではなくビテプスク、ジョージノ、ゴメリ、グロドノ、ブレスト、ボブルイスクなどでもデモ集会が行われました。

 そして身柄拘束です。ゴメリでは催涙ガスがまかれたようです。残酷な身柄拘束が始まりました。治安部隊が警棒を振り回しています。

 ゴメリで拘束され、護送車に入れられていた男性が治安部隊が他の人を拘束しようと忙しくしているので、隙を見て、逃げ出しました。この護送車がカフェの前に停止していること自体が非日常的光景なのですが、もう今のベラルーシでは日常の光景になってしまいました。

 男性が逃げ出すのに成功すると、カフェの客の間から歓声が上がりました。

 

 ミンスクではいつものように共和国会館に向かって、デモ行進が始まりました。催涙ガスがまかれた場合、目を洗うための牛乳を持参する人もいます。(どれほど効果があるのかは私には分かりません。)

 

 昼間雨が降り始めましたが、帰る人はなく、ミンスク市内のあちこちで集まったデモ行進が一つの大きなが流れに合流しようとしています。

 この流れは共和国会館のほうではなく反対方向に向かって今日は進み始めましたました。

 一時的に道路が通行不可能になった場所もあります。

 

 路上でパフォーマンスをする人もいました。王冠をかぶったヒゲの王様が、黒い覆面をかぶった治安部隊員風の人を紐で繋いで散歩。王様が警棒を投げると、治安部隊の格好をしたペットの犬が四つん這いで走って行って口にくわえて王様のところへ持って行きます。それを繰り返しご機嫌の王様。

 

 今ベラルーシ中で、バンクシー風のメッセージ色の強いストリートアートがあちこちで描かれています。

 もちろん誰が描いたのかは分かりません。

 市役所が上からペンキを塗って消していますが、消しても消しても追いつきません。

 また見かけた人がスマホで画像にしてすぐネット上に上げるので、消されても作品がネット上に残ります。

 

 今日はウクライナのキエフ、アメリカのボストン、ドイツのポツダム、ノルウェーのオスロなどでもベラルーシ反政府デモが行われました。

 

 午後5時、デモ行進はいつもと違って独立大通りを地下鉄ウルチエ駅方面に向かって進んでいます。

 地下鉄科学アカデミー駅、モスコフスカヤ駅、ヴォストーク駅もデモ行進が近づくと閉鎖されました。

 国立図書館の屋上に白赤白の旗が掲げられました。

 電柱に上って白赤白の旗を結びつける人もいます。(危険だと思うのですが・・・)

 

 午後6時半、デモ行進は地下鉄ボリソフスキー・トラクト付近にまで近づきました。この駅も閉鎖されました。

 この日、私は午後6時まで勤務だったのですが、少し早めに職場を出て午後5時59分のトロリーバスに乗って帰宅しようとしたのですが、やはりバスの運行が狂ってしまっていて、時刻表通りトロリーバスが来ず、6時15分ぐらいに乗りました。

 バス停で待っているときにパトカーと軍用車両が5台通り過ぎて行きましたが、中にヘルメットに覆面姿の治安部隊員が大勢乗っているのが窓越しに見えました。

 しばらくしてトロリーバスが来たので乗りましたが、次の停留所にまだ到着もしないうちにさっきの軍用車両が道端に止まっている横をトロリーバスが通りすぎて行きました。

 何となく、これから取り締まりが始まるのでこの辺りで待機しているように、と命令されて停止しているように思えました。

 トロリーバスで通り過ぎたときにちらっと見えただけでしたが、軍用車両の中の治安部隊員は目をつぶって窓に寄りかかって寝ている人もいて、心身ともに大変な仕事だなと思いました。

 

 その後私が乗っていたトロリーバスは地下鉄ウルチエ駅のそばを通過しましたが、特に変わったことはなく、国旗をつけた護送車がかなりのスピードでミンスク中心部から郊外のほうへ走行していくのが見えただけでした。

 そして午後6時半ごろ帰宅しました。

 午後6時50分、デモ行進の先頭はウルチエ駅に到着。ウルチエ駅も閉鎖されました。

 ここで今日のデモ行進はお開きとなったのですが、地下鉄で帰ろうとした人がウルチエ駅に行くと、閉まっているので乗れません。その地下通路に人があふれました。

 しかしそこでも、シュプレヒコールを上げています。

 

 午後7時、デモ行進がお開きになったので、帰ろうと人々の群れが散り始めたのを狙って治安部隊の拘束が始まりました。

 ウルチエ駅前のショッピングセンター「スペクトル」前で人々が拘束されています。その前に護送車が止まっています。

 午後7時過ぎ、スペクトルの中にあるピザ屋ドードー・ピッツァに逃げ込んだデモ参加者を追いかけて治安部隊員15人ぐらいが店内になだれ込みました。

 店内でピザを食べていた人たちの目の前で二人の男性が店内の床の上に腹ばいにさせられ、両手を拘束されました。

 店員は店の中から鍵をかけました。これ以上誰も(客も治安部隊も)入ってこないようにするためでしょうか。

 また店の前では10人の人が横一列に並ばされ、

「スマホで何を撮っていた? 見せろ!」

と治安部隊に言われています。言われた男性たちは突っ立ったまま。

「早く見せろ! 何してる!」

と言われ、

「どうしてですか?」

「護送車に乗りたいか?」

 仕方なくスマホを取り出していると、その中の二人(カップル?)だけが、

「お前たちは行ってよし。」

と言われて、「あ、いいんですか。ありがとうございます。」と列から離れて、ドードー・ピッツァのすぐ隣のバーガーキングの店内へ入ろうとしました。

(私だったら店先で持ち物検査を受けさせられている人たちがいる、その店内でのんきにピザを食べようという気持ちにはなりません・・・。)

 しかし、店はもうドアに鍵がかけられていたので、入れません。すぐに他の店にいけばいいのに、なぜかすぐそばで治安部隊の検査のようすを眺めているカップル。

 治安部隊は顔を上げて、「何突っ立ってる? 早く帰れ。」とカップルに言ったので、ようやくその場を離れました。さらに3人目の連れもいたらしく、その友達も連れてどこかへ行ってしまいました。

 この様子は許可を受けているメディアのスタッフによって報道されました。

 

  午後7時20分ごろ、ウルチエ駅の閉鎖が解かれ、通路で開くのを待っていた人達は地下鉄に乗って帰ることができるようになりました。

 今日は合計7つの地下鉄の駅が閉鎖されました。

 

 今日のミンスクでのデモ行進参加者は雨にも関わらず10万人でした。身柄拘束されたのはミンスクだけで200人です。

 他の都市でもデモ行進と身柄拘束があったので、全国での合計数は異なります。

 もっとも、この数は集計が難しいのと、ベラルーシ政府系(国営放送)とベラルーシ政府寄りのロシアのメディアでは少なめに、ベラルーシの独立系メディアではそれより多い数が報道されることが多いので、、実際にはどれぐらいの数なのかはっきりしません。