ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年7月31日。ウクライナ侵攻から158日目

2022-07-31 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年7月31日。

 ウクライナ大統領は7月30日のテレビ演説で、ロシア軍との激しい戦闘が続いている東部ドネツク州の住民に強制的な避難を命じる考えを示しました。避難が早ければ早いほど、ロシア軍に殺害される人数は少なくなると強調し、戦闘地域に残る住民、特に子どものいる家族への説得を呼び掛けました。
 ベレシチューク副首相は、ドネツク州内の天然ガスのパイプラインが露軍に破壊されたため、
「ドネツク州では冬の暖房が全くないだろう。冬を迎える前に避難させなければならない。」
と説明しています。
 雪も積もっていない今のうちに避難するほうがいいです。


 今では住む家にも困っているウクライナ人が大勢いるときにこんなことを投稿するもはばかられるのですが、ベラルーシ人が国外で差別を受けている件について。
 個人としてのベラルーシ人は戦争に反対であっても、ベラルーシが国家としてウクライナに侵攻しているロシアに加担しているため、ベラルーシ人が批判にさらされることもあります。
 ベラルーシ人は、外国で住居、雇用、銀行口座開設を拒否される事例が発生しています。
 ポーランドで5月に行われた調査にによると、ベラルーシ人の58%が差別されたり、あるいは家族が差別にあったと回答しています。
 これはポーランドだけではなく、他の EU 諸国でも起こっていることであり、一方で反政府派ベラルーシ人は支援を受けることもありました。

 住居に関する差別のケース1。
 2020 年の春、コロナウイルスのパンデミックにより、ベラルーシの病院で実際に何が起こっているを自身のツイッターで告発した麻酔医のニカさんは、その後、抗議され、病院との契約が延長されませんでした。
 2021年には治安部隊が自宅住所にやって来たため、ニカさんは逮捕を恐れてポーランドへ出国。
 現在、ニカさんは住む家を探していますが、すでに4軒目を断られました。
 不動産業者は断られた理由を「このアパートはベラルーシ人向けではありません。」としています。

 ケース2。
 ニキータさんも自宅が家宅捜査され、その後、キーウに出国。
 2月24 日、戦争が始まり、ニキータさんはワルシャワにたどり着きました。2022年5月から賃貸住宅を探し始めましたが、ニキータさんがベラルーシ人であることを知るやいなや、アパートの大谷はすぐに賃貸を拒否しました。
 ウクライナ人でさえそのような拒否にあっているそうです。しかし、ロシア人とベラルーシ人はウクライナ人より拒否されることが多く、安定した仕事に就いているかどうかにかかわらず、50%のケースで国籍が理由で大家から家を貸すことを断られました。
 ニキータさんはベラルーシの知人を通してのみアパートを見つけることができました。
 また、ポーランドでは仕事を見つけることもむずかしくなっているそうです。

 雇用における差別のケース。
 マリーナさんは今年の 1 月、医師として働くためにポーランドの小さな都市オポーレに移住しました。2 月に医師としての開業許可を申請し、2月23 日、ポーランド語レベルと医師の資格を確認するための面接を受け、3 月上旬には就労許可を受け取るよう言われました。しかし、翌日2月24日に戦争が始まりました。
 3月初め、医師の友人から電話があり、マリーナさんはベラルーシ人だから労働許可証をもらえなかったと言われました。ベラルーシがウクライナでのロシアの侵略を支持しているため、ポーランドの就労許可を発行する委員会で、ベラルーシ人の就労について大きな議論になったっそうです。
 委員会はマリーナさんがベラルーシを離れる理由と戦争に対する考えを書いて提出するよう求め、それまで労働許可を与えないことを決定しました。
 マリーナさんは書類を揃え、自分の戦争に対する意見が嘘ではないこと証言できる人の連絡先のリストを添付し、さらにベラルーシの医師に対する抑圧について証明する団体からの証拠文書を受け取って提出しました。
 コロナのせいでポーランドの病院も人手不足であり、マリーナさんを雇用したいという病院の要望書と、市長から医療従事者を必要としているという手紙まで合わせて委員会に提出して、やっと4月末に就労許可が出たそうです。
 マリーナさんは、助けてくれたポーランド人もたくさんいたこと、ベラルーシ人への差別に憤慨しているポーランド人もいること、そしてマリーナさんもショックだったが、差別をするポーランド人のことも理解できると話しています。

 チェコに住むベラルーシ人のケース。
 ベラルーシ人は、ロシア人と同様に「リスクが増加している」カテゴリーに含まれているため、チェコの銀行で口座の開設ができなくなっています。

 今年5月にポーランドでポーランドに住むベラルーシ人を対象に実施された調査によると、回答したベラルーシ人の
99% がベラルーシ現政権の行動に同意しておらず、94%がはっきりとウクライナを支持しています。また83%がすでにウクライナ人に何らかの支援を提供しています。 同時にロシアの軍事侵攻が始まった後、ポーランドに住むベラルーシ人への差別が増えました。

 調査機関の発表では「結果は国籍に基づく差別と敵意が、ポーランドのベラルーシ人にとって現実であることを示している。ベラルーシ人の多くが、意識的または無意識のうちに、ポーランド社会が友好的でなくなったと認識している。 世論において、『ベラルーシ人』と『ベラルーシ国家』を明確に分ける必要がある。」としています。

 やはり、「個人」と「国家」あるいは「国籍」によって「あなたはこうなんでしょ。だから家も仕事もあげない。」と決めつけられるのが一番つらいですね。

2022年7月30日。ウクライナ侵攻から157日目

2022-07-30 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年7月30日。

 7月27日、ゴメリ市近くのベラルーシ鉄道の線路に9 歳と10 歳の3人の男子小学生が石を積み上げました。
 単なる好奇心からだったようで、政治的な意図はありません。(今、ベラルーシでは鉄道テロに関して新家栄室になっています。)
 幸い事故には至らず、列車は石を跳ね飛ばしてそこを通過しましたが、異物が置いてあったことは分かったため通報しました。
 数分後、ベラルーシ鉄道の準軍事警備隊が現場に到着。そして3人の小学生が補導されました。
 子どもたちはすでに帰宅していますが、保護者がその責任を問われています。今ベラルーシは夏休み中。親は仕事をしていて、子どもが鉄道の線路内に入ったことなど把握していませんでした。


 ニューズウイークの記事より抜粋。
・・・
 7月22日にウクライナ中部の都市ビンニツァで執り行われたオレクサンドル・ジニビーの葬儀のもようを撮影した動画には、ウクライナ人司祭のアナトリー・ダドコが告別の辞を述べていたところに、ロシア人の司祭(地元活動家のセルヒー・ティムコフによれば、ミハイロ・バシリュクという名前)が駆け寄ってくる様子が捉えられていた。
 ウクライナ正教会の司祭ダドコは、ロシアのプーチン大統領がウクライナに軍事侵攻を行った理由のひとつは、ウクライナにおけるロシア正教会の信者たちを守ることだったと発言。さらにロシア正教会はこの国への侵略者を支援しているとし、これを聞いたバシリュクが葬儀に乱入してきたと報じられている。
 動画には、バシリュクがダドコの首にかかっていた十字架を取り上げようとした後、自分の手に持っていた十字架で彼を殴りつける様子が映っている。現場にいた複数の軍人が止めに入ってバシリュクを引き離し、葬儀は続けられた。地元メディアによれば、ジニビーはウクライナ南部のミコライウに近いビンニツァで死亡した兵士だった。

・・・

 人の葬儀の最中に何をしているのでしょうか。


 ロシアの政府系天然ガス企業ガスプロムは今日、ラトビアへのガス供給を停止したことを明らかにしました。
 ロシアは露通貨ルーブルでのガス料金支払いを拒否したとして、ポーランドやブルガリアなどへの供給を停止しており、ラトビアも同様の姿勢を示していたためと思われます。


 ドイツのハノーバー市はロシア産天然ガスの供給減などを踏まえ、政府関連の建物、ジムやプールを含む公共施設でのお湯の使用を禁止し、暖房の削減を狙う措置の導入を発表した。


 昨日報道されたドネツク州の親露派武装勢力支配地域にある刑務所が「ウクライナ軍の」ミサイル攻撃を受けて収容されていた「アゾフ大隊」の隊員ら捕虜193人のうちが53人が死亡したといされる事件について。
 ウクライナ側は刑務所が攻撃を受けたのではなく、意図的に爆発されたとし、ロシアが刑務所での残虐行為を隠ぺいしようとしたからと激しく非難しています。
 刑務所の破壊の真相を調査するために国連が専門家を派遣する用意があると国連事務総長の副報道官が述べています。


 2月にスムイ州の住民男性を上官の命令に沿って銃殺し、今回のウクライナ侵略で初の戦争犯罪に問われたロシア軍の軍曹ワジム・シシマリン被告(21)の控訴審が昨日、開かれ、1審の終身刑判決から禁錮15年に減刑されました。それでもウクライナの刑務所から出所するころは36歳ですか・・・


 昨日、ミコライウ市内のバス停にロシア軍がクラスター爆弾で攻撃しましたが、今日の続報では死者数が増えて、7人になりました。また19人が病院で治療を受けています。
 同市内では、犬の散歩中の人が、飼い犬とともも砲撃を受けて亡くなっています。
 もちろん民間人です。
 ロシア軍は民間人は攻撃していないと主張しており、これらの人々(と犬)はウクライナ軍の攻撃により殺されたというのがロシア側の主張です。





 
  
 

2022年7月29日。ウクライナ侵攻から156日目

2022-07-29 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年7月29日。
 
 7月17日の記事にも書きましたが、オストロベツの図書館が地元出身の有名な学者であるアダム・マリジス先生の名を冠する図書館に改称する件について続報です。
 反対する人もいましたが、結局アダム・マリジス名称図書館に改称し、ご存命だったら90歳の誕生日を迎えていたはずの8月7日に正式に改称することが決定しました。
 いつかこの図書館を訪れたいです。
(オストロベツはベラルーシ原発がある場所として世界的になりましたが、私の中ではイオシフ・ゴシケヴィチゆかりの地という印象が強いです。)


 ロシア軍が2月下旬のウクライナ侵攻開始直後から1カ月以上占拠した北部のチェルノブイリ原発について、ロイター通信は28日、プーチン政権が昨年11月の段階で「無血開城」を目指し、工作員を送り込んでいたと伝えました。
 ロシア軍は侵攻開始当日の2月24日時点で、ベラルーシ国境経由でチェルノブイリ原発に侵入。ウクライナ国家親衛隊の部隊が待ち構えたが、2時間弱で169人が武装解除に応じました。つまり無血開城がうまくいったということです。チェルノブイリ原発はその後、ロシア軍が北部一帯から撤退するまで占拠され、近くの汚染地域にロシア兵士が塹壕を掘ったりし、また停電や作業員が交代できないなどのトラブルが続きました。
 また、チェルノブイリでは、情報機関のウクライナ保安局(SBU)からロシア側に対し、金銭と引き換えにウクライナ軍の内部情報を提供する場所になっていたそうです。
 お金に釣られてウクライナの情報をロシアに提供する場所として原発が利用されたということですね。
 ウクライナ大統領が政府関係者を理由を明かさず解任するパターンがありましたが、チェルノブイリが関係している可能性があります。
 原発がこのような形で戦争に利用される可能性があることは、日本人もよく考えるほうがいいです。


 ロシア国防省は今日、ドネツク州の親露派武装勢力支配地域にある刑務所がウクライナ軍の「ミサイル攻撃を受けた」と発表しました。
 タス通信によると、刑務所内にはウクライナ政府傘下の戦闘部隊「アゾフ大隊」の隊員ら捕虜193人が収容されており、親露派は捕虜53人が死亡、負傷者は75人だと主張しています。
 ロシア国防省は米国がウクライナに供与したハイマースによる攻撃だと主張していますが、ウクライナ軍は「仲間が収容されている可能性のある施設を攻撃するわけがない」と反論し、
「ウクライナが戦争犯罪を行っていると非難したり、捕虜への拷問や銃殺を隠したりするため」にロシア軍が自ら砲撃したと主張しました。
 

 ザポリージャ州にあるロシアが管理する検問所でウクライナ人ら5000人以上がウクライナ側へ脱出しようとしてできず、立ち往生しています。
 ロシアの占領下にある同州メリトポリ市の市長は、ウクライナのテレビ局の取材に対し1200台を超える車が身動き出来ない状態にあると述べました。
 自分が住んでいる町がロシアに占領され、そのままロシア領になる。それでいいという人はそこに残ってロシアのパスポートをもらえばいいのですが、ロシアには住みたくない、ウクライナに住みたい、という人は町を脱出しようとしているということですね。


 エストニアは28日、同国への留学を希望するロシア人へのビザや在留許可証の発行を停止すると発表しました。
 他のEU加盟国からビザを取得したロシア人とベラルーシ人に対する短期就労許可も廃止します。
 エストニアで働いているベラルーシ人もたくさんいるはずなんですが、これからどうなるのでしょう。
 長年エストニアで働いてきたベラルーシ人なら、滞在・就労は継続できるとは思います。


 ハンガリーのオルバン首相が「われわれは混血民族になりたくない」と述べたことについてユダヤ人団体などから批判を受けましたが、今度はオルバン氏は訪問先のオーストリアで記者団に対し「私の話し方が誤解を招くこともあるが、言わんとしていたのは文化的な視点だ」と釈明しました。


 モルドバ大統領は、ロシアの攻撃が発生した場合について
「モルドバは懸念しており、最も悲観的なシナリオを含むすべてのシナリオに備えています。ロシアがモルドバを攻撃しようとする状況になれば支援を求めるだろう」とルーマニア大統領との共同記者会見で述べました。
 支援を求める国や組織については言及しませんでした。
 またモルドバはロシア企業ガスプロムからガスを購入していますが、冬を無事に乗り切るため ルーマニアからガスを購入したいと考えていると発言しました。

 
 今朝ミコライウ市内のバス停にロシア軍の砲撃が命中。バスを待っていた人たちに死傷者が出ました。


 ウクライナで対ロシア戦闘に参加しているベラルーシのカリノウスキー連隊の発表によると、一人の隊員(ベラルーシ人男性)が戦闘により銃槍を受け、死亡したそうです。
 ベラルーシ国内に家族が残されているらしく、身元の詳細は公表されていません。

 

2022年7月28日。ウクライナ侵攻から155日目

2022-07-28 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年7月28日。
 ミンスクは今日はさわやかな晴れの日でした。

 キロボフラード州のクロピヴニツキーにある国立航空大学がロシア軍のミサイル攻撃を受け、少なくとも5人が死亡、25人が負傷しました。
 キロボフラード州知事によると航空大学の格納庫がミサイル2発の攻撃を受け、民間航空機2機のほか、「アントノフ26」1機が損傷したそうです。

 朝からロシア軍が黒海やベラルーシからミサイルおよそ20発を発射し、チェルニヒウ州やキーウなど各地を攻撃したとウクライナ軍が発表しました。
 ロシア軍は、黒海から巡航ミサイル「カリブル」を発射したほか、隣国のベラルーシからも弾道ミサイル「イスカンデル」を発射したということです。
 ミコライウ市の市長は、ロシア軍によるミサイル攻撃で市内の住宅など民間施設に被害が出たと明らかにしました。
 1つの学校が「ほぼ完全に破壊された」ということです。

 ベラルーシから発射されたミサイルについては、ゴメリ市近郊の飛行場から発射されたという報道があります。
 飛行場といっても、広い滑走路をロシア空軍が利用してそこに常在しているものと思われます。ロシア軍の攻撃拠点になっています。
 ベラルーシの報道では、ここからだけで、今朝25発のミサイルがチェルニヒウ州に向かって発射されたとされています。
 
 ロシア大統領報道官は、ニューヨーク・タイムズがロシア軍兵士の死傷者が7万5000人に上ると報道している記事の内容を信じないでほしいと発言しました。

 
 ベラルーシのSTVのキャスター、グリゴリー・アザレンカのYouTubeチャンネルが、削除されました。同氏はベラルーシ政権擁護・称賛の報道をすることで有名です。要するに政府お抱えアナウンサーです。

 ロシア国営放送元職員のマリーナ・オフシャンニコワさんは、今月、モスクワでメディアの取材に「ウクライナでの戦争は21世紀の犯罪だ」などと話し、ロシア軍の信用を失墜させたとして起訴されました。
 ロシアの裁判所は28日に有罪判決を下し、5万ルーブル、日本円にしておよそ11万円の罰金を科しました。
 罰金刑だけでよかったです。もちろんオフシャンニコワさんは判決を不服として上訴するとともに、ウクライナ侵攻に対する抗議を続けるとしています。
 オフシャンニコワさんは「私は沈黙しません。罰金よりも人の命の方がはるかに大事だからです。」と述べました。


 ウクライナ南部でロシアが設置した行政機構の当局者は28日、ウクライナ軍や保安局の「共犯者」である21人を拘束したと明らかにしました。
 国営ロシア通信によると、拘束された21人は、ヘルソン州のロシア軍に対するロケット弾や砲撃による攻撃の際に、目標を微調整するのを手助けしていたそうです。女性の調整役がグループを率いていたとも報道されています。


 国際卓球連盟は、ロシアとベラルーシの代表チームの世界選手権への参加を停止しました。


 今年3月にベラルーシ国内での販売を停止したH&Mが来月中に営業再開することを決定しました。

 
 移民の権利に関する国連特別報告者であるフェリペ・ゴンサレス・モラレス氏は、ポーランドとベラルーシを訪問しました。サイトで公開された声明文には両国への非難が含まれていました。
 ベラルーシの国家機関関係者とは面会できたものの、ベラルーシからポーランドへの国境を越えようとしている移民とはベラルーシ領内では会うことができなかったそうです。
 ポーランド政府に対しては、女性や子供は保護するべきだとしています。ポーランドにも移民受け入れセンターがあるのですが、不満の残る状況だったようです。
 今でも国境を越えて不法入国しようとしている移民がおり、その人達はベラルーシへ来る前はロシアにいた、というケースが最近増えてきています。
 

2022年7月27日。ウクライナ侵攻から154日目

2022-07-27 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年7月27日。
 ミンスクは今日はほぼ一日中雨でした。

 2022年7月16日の投稿にも書きましたが、ラトビアの子供向けテレビ番組がベラルーシで開催されていたスラヴャンスキー・バザール音楽祭へ取材に来て、ベラルーシ大統領に取材した件について続報です。
 ベラルーシへ入国してはいけないというラトビア政府からの勧告を無視した点についてこのテレビ局は処罰されることになったのですが、これが発端でこのテレビ局は捜索を受け、その結果、許可なく取材をしていたテレビ局であったと判明。解体されることになったようです。
 さらに大統領にインタビューをしたラトビア人の「子どもインタビュアー」イリヤ君が、スラヴャンスキー・バザール終了後も、ベラルーシ国内にとどまっていることが今日報道されました。すでに他のスタッフは帰国しており、宿泊していたホテルもチェックアウトしていて、イリヤ君はベラルーシのどこにいるのでしょう?
 もうラトビアに帰国したくないのでしょうか。それとも帰国できない雰囲気になっているのでしょうか。(ベラルーシ大統領にインタビューしたの、あいつだぜ、といじめに遭いそうだから? テレビ局がなくなったことがショック?)
 さらにラトビアからイリヤ君のお母さんがベラルーシへ来る予定だそうですが、これも帰国しようとしない息子を説得して連れて帰ろうとしているのか、あるいは母子ともどもベラルーシにずっと住み続ける(ある意味において亡命、あるいは移住)つもりで来るのか、はっきりしていません。
 もし、イリヤ君が、ラトビアに戻りたくない、と言ったら、ベラルーシ政府はあっさり受け入れて、ベラルーシ国籍もあげるでしょう。
 そしてラトビア政府がいかに冷たい対応を自国の子どもにしているのか、それに引き換えベラルーシ政府は心が広い、といった国の宣伝に使うと思います。


 ドネツク人民共和国のトップ、プシリン氏がベラルーシ入りし、ブレスト要塞を訪問。献花しました。
 そして、そのときの取材に応じ「キエフを解放するときが来た。」と話しています。
 つまり、キーウにいるウクライナ軍を攻撃して、キーウから追い払い、キーウの住民がウクライナ軍(それとウクライナ大統領)から解放され、ロシアの支配下に入るときが来た、と言いたいようです。


 今日もウクライナ軍とロシア軍が交戦。橋に穴が空き、夏休み中の学校の校舎が爆撃され、燃料貯蔵庫が攻撃され爆発しています。


 人気オンラインゲーム「ワールド・オブ・タンクス・ブリッツ」を展開するウォーゲーミング・ジャパンは2022年7月26日、不適切投稿をした社員の退職が決まったと発表しました。
この社員は安倍元首相が銃撃され死亡した7月8日、山上徹也容疑者が現場で取り押さえられている写真を添えた投稿を引用リツイートし、「現代日本にも義士はまたいるね!感心した!」と山上容疑者を英雄視するような個人のTwitterに書き込みしていた。
 その翌日ウォーゲーミング・ジャパンは「チームメンバーが寄せたソーシャルメディアへの意見は到底当社の見解を反映するものではありません」とコメントを発表。
7月8日から20日にかけて「御意見をいただいた方」を一方的にブロックしていた事実もあったそうです。
この社員は合意退職が決まったと16日に発表されました。
 ウォーゲーミング社は創業ベラルーシです。しかしすでにオフィスを複数の国に移転済み。現在の最大の株主はロシア人です。


 ベラルーシ外務省副大臣が、北京人権フォーラムで世界に人権概念の放棄を要請しました。
「近代的な人権の概念は、欧米によって押し付けられたものであり、他国が自国民の権利と自由を解釈することを制限しています」だそうです。
 この人、人権が何なのかそもそも分かっていないのでは。


 ハンガリーのオルバン・ビクトル首相が「欧州人以外」との混血に否定的な発言をしました。超保守派のオルバン氏は24日、多数のハンガリー人が居住する隣国ルーマニアのトランシルバニア地方で演説し、そこで「われわれは混血民族になりたくない」と述べました。
 オルバン氏は反移民姿勢が強く、つまり移民がハンガリーに多数やってきて、非欧州人とハンガリー人との間で混血が進んでほしくないということです。要するに移民がハンガリーを目指してほしくないと言いたいのですが、国際アウシュビッツ委員会は昨日、オルバン氏の発言について「愚かで危険」と批判しました。
 ハンガリー政府報道官は、オルバン首相の発言は「ユダヤ・キリスト教文化圏内での異なる民族同士の混血と、異なる文明圏出身者との混血の違いを理解していない人々に誤って受け止められた。」と説明(言い訳)しました。
 移民が来てほしくないと思っている日本人も多いでしょう。しかし、「日本人は混血民族になりたくない。」とはふつう表現しません。一国の首相がこういった発言をするのは軽率です。

 このニュース記事を読んでいて、「ん? ハンガリー人ってマジャール人というアジア系の民族じゃなかったっけ? 氏名表記も日本やアジアの国と同じで、まず名字、それから名前だし。」と思った私はウイキペディアを開いてみました。
 以下、ウイキペディアの「マジャル人」の説明ページから抜粋です。

・・・
概略
 かつてはモンゴル系遊牧民の流れを汲むという説があったため、古い資料にはこの名前ではなく「モンゴル系ハンガリア(ハンガリー)人」と呼ばれていた、そのため「マジャル」はペルシア語のムガルの語源である「モンゴル」が転訛した呼称の場合があるという。

 固有の言語はウラル語族のうちウゴル諸語に属するハンガリー語(マジャル語)であり、現在の人種は混血の繰り返しによるコーカソイドであるが、元来のモンゴロイド(北部モンゴロイド)の遺伝子も低頻度に持つ。民族としてはテュルク系諸族(バシキール人、オグール(オノグル・ブルガル人)、クマン人など)とイラン系(ペルシア系)をはじめドイツ系(オーストリア人)とラテン系(ルーマニア人、イタリア人の一部)の一部とギリシャ人、スラヴ人(西スラヴ人、南スラヴ人)とユダヤ系(アシュケナジム)などが複雑に混じっている。

分布
 マジャル人の総人口は約1450万人で、そのうちハンガリーには約950万人(2001年)のマジャル人が居住している。彼らは、およそ1000年間にわたり存在していたハンガリー王国の主要民族であったが、トリアノン条約による領土の分割の結果、多くのマジャル人がハンガリー周辺諸国の少数民族として生活しており、その内訳はルーマニアのトランシルヴァニア地方の大部分とワラキア地方の一部をあわせての144万人をはじめとして、スロバキアの52万人、セルビアのヴォイヴォディナ自治州に29万人、ウクライナおよびロシアの17万人、オーストリアの4万人、クロアチアの1万6000人、チェコの1万5000人、そしてスロベニアの1万人となっている。また、マジャル人を祖先にもつ民族集団は世界の様々な地域(例えばアメリカ合衆国に140万人)に居住しているが、ハンガリー語及びハンガリーの文化や伝統を現在も保持している人々は少数にすぎない。

・・・
 以上、抜粋終わりです。
 「混血民族になりたくない。」とか言いながら、とっくに混血民族ですよ。
 それにマジャル人はハンガリー以外の国にも少数民族として暮らしているので、その国々で混血が進んでいると思われます。アメリカで生まれ育ったマジャル人が絶対にマジャル人だけと結婚すると決めてかかっているとは思えません。
 それでもって、「ハンガリー語及びハンガリーの文化や伝統を現在も保持している人々は少数にすぎない。」って、ハンガリー人の、あるいはマジャル人としてのアイデンティティも薄いようです。それなのに「混血民族になりたくない。」と発言する首相がハンガリーのトップなんですね。
 

2022年7月26日。ウクライナ侵攻から153日目

2022-07-26 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年7月26日。

 ラトビアの国家安全保障局は、ベラルーシ人男性をスパイ容疑で2月に拘束。そして起訴したことを公表しました。
 この男性はラトビアの防衛施設やインフラなどの施設17箇所を撮影していました。
 これらの画像は、ラトビアを含むNATOとの軍事紛争が起きた場合、ベラルーシとロシアにとって有力な情報になる可能性があるそうです。


 立憲民主党は外務省が避難勧告を行っているウクライナに入国した鈴木庸介衆議院議員に対し、範を示すべき国会議員が勧告に従わなかったのは問題があるとして、西村幹事長名で注意するとともに党の役職停止の措置を行う方針を決めました。


 ウクライナ大統領が、ブラジルなどが加盟する南米南部共同市場(メルコスル)が21日に開いた首脳会議でのオンライン演説を断られていたことが今日明らかになりました。
 世界の国は親ロシアか親ウクライナかで判断されるようになりました。


 ロシア大統領報道官はプーチン大統領が、安倍晋三元首相の国葬のため訪日する予定はないと説明しました。代わりに出席する人を選ぶようです。
 故人とゆかりのあるロシア大統領ですが、もともとロシア政府高官は事実上、入国禁止の対象となっていて、仮に国葬の参列を希望しても拒否する予定でしたからね。
 

 コカ・コーラがロシアでの事業を停止したためでしょう。ロシアの飲料メーカー、オチャコボがコカ・コーラやファンタによく似た商品を生産開始しました。その名もクール・コーラ。
 ちなみにベラルーシではコカコーラは通常通り販売されています。(今のところ)
 そして20年前から、ベラ・コーラというベラルーシ製のコーラがあります。

 テトラパック社がロシア市場から撤退することを決定しました。

 ロシア中央銀行はコストを抑えるために一部の硬貨の製造を中止すると発表しました。
 まず10ルーブル硬貨の製造を年末までに中止し、代わりとなる10ルーブル紙幣を印刷するということです。
 理由は金属硬貨の製造コストが上昇していること。さらに5ルーブル硬貨についても紙幣化が検討されているということです。
 ベラルーシもそうなるかもしれません・・・。インフレが進んで、細かい硬貨はいらなくなりそうです。


 宇宙開発企業ロスコスモスの社長は2024年で国際宇宙ステーションの計画から離脱することを決めたと述べました。
 同社長は今日、ロシア大統領と会談し、離脱の決定を報告。地球の軌道を周回するロシア独自のステーション建設が当面の最優先課題になるそうです。


 ロシアガス会社、ガスプロムは昨日、パイプライン「ノルドストリーム」を通じたヨーロッパへのガスの供給量について、27日から現状の半分に削減すると発表しました。その理由について、ガスプロムは保守作業のためタービン1台を停止する必要があるからと説明しています。これにより「ノルドストリーム」を通じたガスの供給量は本来の2割程度に減ることになります。


 ウクライナ国営ガス会社ナフトガスは、国際市場で発行した債券の支払いを26日の期限までに履行できないと発表しました。ウクライナ政府系企業がとうとうデフォルトです。


 13人の移民がベラルーシからポーランドへゴムボートを使って不法入国しました。このゴムボートはどこから入手したのでしょうか。もともと住んでいた国から運んできたとは思えません。



2022年7月25日。ウクライナ侵攻から152日目

2022-07-25 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年7月25日。

 今年上半期の6ヶ月だけで、1万人を超えるベラルーシ人がリトアニアでの在留資格を得るための申請を出したとリトアニア当局が発表しました。

 
 ユーラシアン・デベロップメント・バンクの発表によるとベラルーシ経済は今年6月だけで、7.8%縮小しました。
 
 ミンスク市役所は、青少年の愛国教育のため、共和党教育保健センターを建設する予定ですが、その建設費用を提供してくれるスポンサー企業を募集しています。市役所の予算だけでは建設費用が出ないのでしょうか。

 ベラルーシ大統領は国内の動植物を保護するために新たに軍隊を設立する意向を表明しました。
 何だかよく分かりませんが、この動物の中に食肉用家畜や、植物の中に穀物や野菜が含まれているのでしょうか。 



 ロシア連邦捜査委員会のトップは、ウクライナ軍の兵士92人を、人道に対する罪で起訴したと明らかにしました。
 すでに1300件以上の犯罪捜査を開始したそうです。ウクライナ軍司令官51人を含む96人ほどが指名手配されていますが、ウクライナ側はノーコメント。
 さらに起訴されたら、なぜかロシア国内ではなく国際法廷を開くよう提案。
 法廷は、ボリビア、イラン、シリアなどの国々で構成されるべきだと主張しました。イランやシリアはまだ理解できますが、ボリビアはなぜ???


 ウクライナ大統領は今日、国家安全保障防衛評議会の第一副長官であるルスラン・デムチェンコ氏を解任しました。
 ウクライナ政府内もいろいろあるようです。
 デムチェンコ氏は2020年6月からこの役職に就いていました。それ以前は初代外務副大臣を務めていた高官です。

2022年7月24日。ウクライナ侵攻から151日目

2022-07-24 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年7月24日。
 今朝は大雨で、一気に気温が下がりました。

 昨日のオデーサ港攻撃について、関与を否定していたロシアですが、今日になってロシア軍が攻撃したことを認めました。
 ロシア外務省幹部が「精密誘導ミサイルがウクライナの軍用小型船を送り出すオデーサ港の軍事インフラを破壊した」と通信アプリに投稿したのです。
 攻撃を認めておきながら、穀物輸出に関する合意には反していないと述べていますが、苦しいものがありますね。


 ロシア外相は今日、エジプトを訪問し、エジプトにロシア産穀物を契約通り供給すると確約しました。
 この約束が守られたら、いいですね。
 ロシア外相は、黒海では依然、16─17カ国籍の船70隻が「ほぼ人質」の状態で滞留していると主張しており、その中にはエジプト向けの食料を運ぶ船もあると指摘しています。
 だったら、オデーサ港を攻撃などしなければいいのに。

 
 ウクライナ前大統領は、第28旅団の司令官。ヴィタリイ・グリャエフ氏の戦死を公表しました。 ヘルソンの近くで戦死したものと思われるそうです。ウクライナの将校クラスの軍人にも戦死者が出ています。

2022年7月23日。ウクライナ侵攻から150日目

2022-07-23 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年7月23日。

 毎日このブログ記事を更新するようにしているのですが、今日はネット環境のないところへ行ったので、投稿できませんでした。
 (これは翌日投稿した記事です。)

 ネットに接続できないと、テレビのニュースしか情報源がないですね。
 しかもベラルーシとロシアの国営テレビのニュースしか見られません。
 報道していることはといえば、ウクライナ侵攻に関しては日本のメディアが流しているのとは正反対の内容のものが多いです。
 例えば、ウクライナの激戦地だったリシチャンシクについて、「ウクライナ軍」が設置した大量の地雷をロシア軍の専門家が金属探知機で探し出しては、除去する作業を始めたと報道しています。(ロシア軍はよいことをしていると報道したいわけです。)
 またルガンスク人民共和国の人たちにロシア政府が人道援助をしており、食料や衣料品の提供をしている。
(つまりロシア政府は非常に親切であると報道したいということです。)

 他のニュースを見ると、西側諸国はロシアに経済制裁を科したが、それは自分で自分の首を締めるような行為であり、全て自国経済に降り掛かってくる。(つまり、言いたいのは、「愚かな西側諸国。それに引き換え、制裁を受けてもびくともしないロシア経済。ロシア政府の働きが良いから。」)
といった内容のものが多いです。

 ウクライナ人をロシアへ強制的に連行、移住させている、人権違反だとロシアを批判する西側諸国。
 一方でロシアのニュースでは、遠いアムール州に来たウクライナ人が、
「私たちはマリウポリの出身です。家も破壊され、仕事もありません。アムール州にやってきてよかったです。住むところも仕事ももらえました。もうウクライナには戻りません。」
と取材のカメラの前で話している様子が報道されています。
 もちろん、家を破壊したのはロシア軍ではなく、ウクライナ軍という前提になっています。
 アムール州の行政担当者は、ウクライナからの移住者にいろんな就職先を斡旋できると支援していることを強調。
 その就職先ですが、さっと聞いた限りでは、「人気がない職業。低賃金職業。きつい肉体労働」だと思われる職業ばかりこの担当者は話していました。アムール州は人手不足なんだなとも思えました。

 
 ウクライナ軍によると、今日の午前、オデーサ港がロシア軍のミサイル攻撃を4発を受け、うち2発が迎撃されたものの、2発が揚水施設に命中しました。穀物倉庫は無事だったそうです。良かった・・・。
 22日には国連、トルコがロシア、ウクライナとそれぞれ署名した食料輸出再開のための合意文書で積み出し港に定められたオデーサ港にロシア軍が早速攻撃です・・・。
 しかし、ロシア側は今回の攻撃の関与は否定・・・しているとなぜかトルコ政府関係者が発言しています。

2022年7月22日。ウクライナ侵攻から149日目

2022-07-22 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年7月22日。
 今日は気温が上がり、夏らしい天気でした。

 ベラルーシでは今年の2月以降、ベラルーシの国籍を求めるウクライナ人4228人に国籍を与えました。
 今日も大統領は471人の外国人にベラルーシ国籍を与えましたが、そのうち463人がウクライナ人でした。
 このうち114人は未成年者です。

 ドニプロペトロウシク地域の領土防衛責任者、ゲンナジー・コルバン氏は、ポーランドとウクライナの国境検問所でパスポートを没収され、ウクライナに帰国できなくなったと自身のフェイスブックに書き込みました。
 故郷には病身の両親が残されていること、2022年2月24日から領土防衛本部を率いていること(←だったら、どうしてポーランドへ出国していたのでしょう? 戦争中ですよ、今)さらにウクライナ大統領に誤解を解決してほしいと訴えています。


 ウクライナ大統領は、自身が「深刻な健康状態」のために集中治療室に入っており、ウクライナ政府がコントロールを失っているとのフェイクニュースをロシアが流したと指摘しました。
 またロシアの侵攻により失った領土を取り戻すことなくロシアと停戦することは戦争を長引かせるだけだとの認識を示しました。
 アメリカが供給する高機動ロケット砲システム、ハイマースについては、戦況を変えるために必要な数よりはるかに少ないとし、一段の供与を要請しました。


 ラトビアはアメリカの高機動ロケット砲システム、ハイマースを購入することを決定しました。2025年までには国内に配備できる見通しです。


 ロシア軍の黒海封鎖によりウクライナ産穀物の輸出が停滞している問題で、ロシアとウクライナ、トルコ、国連の4者は今日、トルコのイスタンブールで海上輸送の再開に向けた合意文書に署名しました。
 これで世界的な食糧危機が回避されてほしいです。


 

2022年7月21日。ウクライナ侵攻から148日目

2022-07-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年7月21日。
 ミンスクは昨日と今日はさわやかな天気が続いています。

 ベラルーシの駐日大使が今月末離任することを受け、今日、広島市の原爆慰霊碑を参拝し、広島市長を訪問しました。
 広島市は今年の8月6日の平和記念式典に、侵攻を理由としてロシアとベラルーシを招待していません。ベラルーシ大使は会談後、「大切な式典に招待しないのは行き過ぎではないか」と述べました。今月末には離任するので、ご本人はどちらにせよ式典に出席しませんが。

 記者からロシアの核による威嚇に対して質問を受けると、
「ベラルーシ人はここに誰が原爆を落としたのか知っています。」「自国の主権と独立を守るために欠かせないのであれば(国を守るためには核兵器は必要)そうだと思う。」
と回答。

 広島市長は核兵器のない世界を願うヒロシマの心をベラルーシで広めてほしいと大使に要請しました。

 次に日本政府による経済制裁については、
「ベラルーシが日本の政府に対して何か悪いことをしたでしょうか。制裁を科す日本への対抗措置も今のところ予定はない。制裁のフィルターを通してベラルーシを見ないでほしい。常に平和を支持している」
と述べ、両国の平和な関係を築くことと、制裁解除を求めました。
「わが国と日本の友好の架け橋を壊してはならない。制裁という名の毒を盛るのはやめてほしい。」
とも述べました。制裁を毒と例えるんですね。
 日本で両国の友好のために尽力してきたベラルーシ大使の気持ちは理解できます。ここにはロシアが絡んでいるので、苦しい立場になりましたね。次の大使はどのような人でしょうか。すぐに着任するでしょうか。


 ザポリージャ州でロシア側が一方的に設置した「軍民行政府」の幹部は、18日と20日の2度にわたってザポリージャ原発敷地内にウクライナ側の無人機攻撃があり、11人が負傷したと述べました。うち4人は重症。原子炉に被害はなく、放射線レベルも正常だそうです。
 ロシア外務省は、原子炉の冷却タンクから「ほんの数十メートル」の場所に着弾し、あわや事故につながるところだったと主張しています。
 
 ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトムはソーシャルメディアへの投稿で、ロシアがザポリージャ原発1号機のエンジン室に20以上の軍需品と弾薬を移動させたと説明しています。弾薬が誤って爆発して火災が起こった場合、事故の規模はチェルノブイリ原発事故と同程度になる可能性があると述べました。
 原発への攻撃はしないでください・・・。ウクライナ国内の原発、心配です。


 アメリカ訪問中のウクライナ大統領夫人は20日、ワシントンの米連邦議会議事堂ビジターセンター講堂で行った演説で、アメリカに防空システムの提供を要望しました。
「決して頼みたくなかった要望だ。武器を送って欲しい。」
という表現を使っています。

 
 昨日、誕生日だったミュージシャン、トーダルが新しいアルバム「風」をリリースしました。
 現在、トーダルはベラルーシ国内での演奏活動を禁止されています。
 

 ベラルーシ大統領はAFPの独占インタビューに応じました。その中でウクライナ政府がロシアとの協議を再開し、要求を受け入れれば戦争は終結すると述べました。「すべてはウクライナ次第だ。ウクライナ側が安全を保証すればよい。」とも発言しています。
 さらに「われわれは立ち止まって合意に達し、ウクライナで起きているこの混乱、作戦、戦争に終止符を打つ必要がある。」「これ以上続ける必要はない。この先には、核戦争の奈落が待っている。そこに向かう必要はない。」とも述べました。
 またウクライナでの戦争はロシアとの対立を求める西側諸国が引き起こしたと持論を展開。
 もし今回ロシアが先手を打たなければNATOはロシアを攻撃していただろうとしています。
 さらにベラルーシ政府はクリミア、ルガンスク人民共和国、ドネツク人民共和国の存在を事実上認めており、必要であれば国家元首の命令によってこれを承認すると述べました。
 もし正式に承認すると、ウクライナから国交断絶されますね。
 

2022年7月20日。ウクライナ侵攻から147日目

2022-07-20 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年7月20日。

 昨年5月に起こったライアンエアー緊急着陸事件についてICAOが調査していましたが、今日その報告書が発表されました。
 結果から言うと、ライアンエアー機に爆発物があるとした機長への通達については、これは虚偽であり、緊急着陸事件が起こったことにベラルーシ政府が関与していると報告書に書かれています。
 ベラルーシ政府側はどのように反応するでしょうか。


 ベラルーシでユーロラジオ局が過激派認定されました。

 ロシアのウクライナ侵攻をめぐる「偽情報」のコンテンツを削除しなかったとして、モスクワの裁判所は一昨日、
グーグルにおよそ500億円の罰金を支払うよう命じました。
 そして昨日、ロシア連邦独占禁止局は、反トラスト法違反の疑いでアップルに罰金を科す予定だと発表しました。「アップルはiOSアプリ配信市場における支配的地位を乱用した」としています。
 そして今日、ロシア大統領府は、Wikipediaが、ウクライナ侵攻に関するロシア語の項目を変更することを拒否し、ロシアの情報法に則っていないとしてウィキメディア財団を処罰すると発表しました。


 シリアもウクライナと断交することを表明しました。

 
 ロシア大統領は19日、イランへ侵攻開始後初の外遊。首都テヘランでトルコ大統領と会談し、ウクライナ産の穀物輸出に関する協議がトルコの仲介により「前進」したとして謝意を表明しました。

  
 ヘルソンにかかる大型の橋をウクライナ軍がロケット砲で攻撃し、成功しました。
 南部を奪回するためにウクライナ軍が反撃を開始したと見られていますが、どうなるでしょうか。

 
 ミンスク市中心部にある十月広場に面したビジネスセンター、キャピタル・パレスが売りに出されました。
 もともとこの場所には大祖国戦争記念館(第二次世界大戦ミュージアム)がソ連時代からあったのですが、別の場所に大祖国戦争記念館を建設。旧館は取り壊されました。
 そしてその跡地に3年かけて新築されたのがビジネスセンター。
 立地条件がすばらしいんだから博物館なんか取り壊してビジネスセンターを建てるほうがよっぽど儲かるんだろうと思われていたのに、完成から2年後に売りに出されるとは、どういうことなのでしょうか。
 
 さらにおかしな噂を聞きましたが、今ミンスクでホテルの予約を取るのが難しくなっているということです。
 コロナのせいで、ベラルーシのホテルは、どこもがら空きにちがいないと思っていた私はびっくりしました。
 ホテルは空室が多いけれど、そこで働く従業員が減ってしまって、清掃などが回せなくなっているのかもしれません。真相は分かりません。
 あくまで噂ですが、ベラルーシの経済はどうなるのか心配になってきます。

 


  

2022年7月19日。ウクライナ侵攻から146日目

2022-07-19 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年7月19日。

 欧州系格付け会社フィッチ・レーティングスはベラルーシの長期債務格付けを「C」から「一部デフォルト」を示す「RD」に引き下げたと発表しました。

 ウクライナ国営ガス会社ナフトガスが、国際債権者に債務の支払いを2年間延期するよう要請しました。
 ナフトガスは今月19日に3億3500万ドルの債券が満期を迎えるほか、2件の利払いを控えているそうです。ただ、ロシアの侵攻により顧客の多くが代金を支払うことができず、現金不足に陥っていると説明しています。

 ベラルーシもそうですが、ウクライナの経済の行方が心配です。

 スウェーデンの衣料メーカー、H&Mがロシアから撤退することを公表しました。 
 ロシアでは2009年から約170店舗が展開しており、約6000人の従業員がいるそうです。
 ベラルーシでH&Mの第1号店が開店したのはたぶん3年前です。


 スウェーデンTVの報道によるとハリキウ近郊で28歳のスウェーデン空軍退役中尉が手榴弾の爆発により死亡しました。
  ほかにもスウェーデン軍に在籍している軍人がウクライナ軍に従軍しているそうです。これは軍規違反にならないのでしょうか。


 ウクライナ国営原子力企業エネルゴアトムは今日、「ロシア軍(兵士)が防護服も着けずにザポ―リジェ原発の原子炉の放射能ゾーンなどに入った」とSNSに投稿し、露軍が安全基準を守らずに原発を占拠し続けていると非難しました。
 今も兵士最大500人が駐留し、そこから別の場所を攻撃しているそうです。原発敷地内にロシア軍の兵器や武器も多数運び込まれており、ウクライナ軍が奪還するために攻撃するのも危険すぎてできません。
 ザポリージェ州エネルホダル市長は昨日、ザポリージェ原発内でロシア軍兵士9人が負傷し、死者も出ている情報があるとSNSで明らかにしました。
 なぜ死傷者が出たのかははっきりしていません。ロシア軍兵士が防護服もつけずに原発の危険な場所に入っているそうだし、被爆が心配です。

 
 ミンスク市中央部の勝利広場にある慰霊の火の上をジャンプして動画を撮影していたロシア人。今日、13ヵ月の更生施設入りという有罪判決が出ました。
 最長3年間の懲役刑が出る可能性もあったのですが、刑務所ではなく更生施設でいわゆる刑務作業をすることになるのでしょう。


2022年7月18日。ウクライナ侵攻から145日目

2022-07-18 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年7月18日。
 
 今年3月にロシア政府系テレビの生放送中にウクライナ侵攻に抗議したことで有名になったジャーナリストのマリーナ・オフシャンニコワさんは今日、警察に数時間拘束された後、釈放されました。

 オフシャンニコワさんについて弁護士は、先週モスクワの裁判所前で、ロシア軍に関する虚偽情報を拡散した罪で告発された野党指導者イリヤ・ヤシン氏を支持する発言を行い、軍の「信用を失墜させた」容疑で連行されたと主張。
 また、数日前にもクレムリンを背景にロシア大統領は人殺しだと書かれたプラカードを掲げるという抗議活動もしていました。


 ベラルーシの国民総生産は今年1月から6月の間に4.2%落ち込みました。
 
 ベラルーシで砂糖の価格が上昇するという噂が流れましたが、政府当局はそれを否定。国内の砂糖の備蓄量は充分にあると発表。
 そして今日スルーツクにある製糖企業の社長が解雇されました。理由は明らかになっていません。


 ウクライナで義勇兵になろうとしたと思われるベラルーシ人男性が国境の検問所で拘束されました。


 ウクライナ大統領は17日夜、検事総長と、保安局のトップを解任したことを明らかにしました。その部下らがロシアと協力している疑いがあるとしており、検察職員らに対する、反逆容疑での捜査も計651件行われていると述べました。
 さらには検察当局とSBUの職員のうち、60人以上がロシアによる占領地域に残り、ウクライナに背く活動をしていると指摘しました。
 やっぱりウクライナ人の中にもいろんな考えの人がいるということです。戦争中だというのに国民が一枚岩にはならないということですね。


 ベラルーシはオーフス条約から脱退しました。条約批准国の間で差別されたからというのが理由です。


 ウクライナのアレストビッチ大統領府長官顧問は16日、クリミア橋について「技術的に可能になれば真っ先に標的になる」と述べました。ロシア側は大反発。当然です。


 トルコの大統領は、やっぱりNATOにフィンランドとスウェーデンが加入するプロセスをトルコが凍結させる可能性があると発言しました。今更なんで?


 ガスプロムはヨーロッパ向けのガス供給を「異常な事態のため」保証できないと各国に通達しました。

 
 

2022年7月17日。ウクライナ侵攻から144日目

2022-07-17 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年7月17日。
 ミンスクは雨の予報が外れました。しかし南部のゴメリやブレスト州では大雨のため冠水の被害が出ています。
 ゴメリ市内では霰が降り、さらにバスや車が冠水した道路に取り残されて、乗客がゴムボートで救出されています。

 
 ゴシケーヴィチ研究の第一人者だったアダム・マリジス先生が今年初めに89歳で亡くなったことを受けて、生まれ故郷のオストロベツにある図書館がマリジス先生の生誕90年に当たる8月7日に合わせて「アダム・マリジス名称図書館」に改称することを先日、息子さんが公表しました。
 私からすれば図書館にぴったりの改称だと思います。
 ところが、それに反対する意見書がグロドノ州庁に提出されました。書いたのはオリガ・ボンダレワという歴史愛国クラブ「アルコナ」の会長で、意見書を自身のブログで公開しました。
 ボンダレワ氏によると、「マリジス氏はその名を図書館の名称にして敬意を表すに値する人物ではない。なぜなら、マリジス氏は生前、イグナシー・ドメイコカリノーウスキーなどを称賛していたからだ。(ドメイコとカリノーウスキーは嫌露派のイメージがあるため、マリジス氏もロシア嫌いだった。)
 またマリジス氏は冷戦時代、頻繁に(当時ソ連の敵国であった)イギリスへ渡航しており、ベラルーシ人の学生をロンドンで研修させようとしていた。」そうです。
 だから、マリジス先生の名前のついた図書館は、多くの人が嫌がっているとも書いています。他にもマリジス先生がベラルーシ人の頭に「ポーランドがベラルーシに対して暴力的ポーランド化をしなかった」という意識を植え付けた張本人だと批判しています。
 ・・・このボンダレワさんですか。わざわざこんな意見書を大々的に発表して何が言いたいのかと思いましたが、要するにマリジス先生がロシア嫌いで親ポーランドだと思うんで、逆にロシア寄りでポーランドが嫌いなベラルーシ人からすれば、マリジスなんて全然立派な人でも郷土の誇りでも何でもないから、図書館の名称に使わないで。私と同意見の人もいっぱいいるのよ。私が代表して意見書書きます・・・といったところでしょうか。
 まあ、日本でもいろんな考えの人がいますからね。ネットなど見ていると、一人の芸能人や有名人に対して、ああでもないこうでもない、美人かわいい、いやブスだろとか何とかかんとか延々意見を出し合っていますからね。
 みなさん自説を言いたい放題です。
 私はマリジス先生を学者として尊敬していますが、これもあくまで一つの意見。意見は尊重しましょうという昨今の風潮があるので、このボンダレワさんの意見も傾聴すべきと思います。でも私からすると、ああ、ベラルーシ人の間にも分断が生まれているんだなあ、これがその証拠なんだなあと思うだけです。
 確かにウクライナ侵攻が2月に始まり、まだ終わっていないこの時期に図書館の改称を決定するというのはタイミングが少々悪かったかもしれません。


 リトアニアの歌手、ビルテ・ペトリキテが、ベラルーシで開催されているスラビャンスキー・バザール音楽祭に参加すると表明し、リトアニア人の間で物議を醸しています。
 ペトリキテは、「これはふつうの音楽祭で今までも参加していたし、会場であるビテプスクは夫の生まれ故郷。夫と離婚しないといけない法律でもあるの?」と反論。一方で戦争には反対だそうです。
 私だったらこの時期は行かないですね。リトアニア人から批判されるのが目に見えているし芸能人としてはイメージダウンでしょう。

 
 イギリスのシンクタンクの推計では、ロシア軍は5万人の兵士を失ったと推測されます。


 またイギリス人がロシア軍の捕虜になりました。ジョン・ハーディングさんは傭兵でも義勇兵でもなく救急要員だったそうです。ただあのアゾフ連隊付きの救急要員だったので処遇の行方が気になります。
 動画を撮らされ、イギリスのジョンソン首相に対して、助けを求めています。イギリス外務省はハーディングさんの家族にすでにサポートする体制に入ったようです。