ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第179回」

2015-06-30 |   ビタペクト配布活動
 6月30日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第179回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。
今回はビタペクト3を8個、そして「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーを2部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2359個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは2098部となりました。
 今回で通算194目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2359人の子どもにビタペクトを、2098家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a



(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/bb1fb7afb4cac464789e2684181e7d42

(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80



 今回は2家族がSOS子ども村に保養滞在していました。

(家族A)
 
 ピンスク市(チェルノブイリ原発から約280キロ)郊外の村から来た家族。
 お母さんが7人の子どもと知り合いの子ども1人を引率していました。
 この家族には5個のビタペクト3を渡しました。
 この家族は2009年5月、2010年7月、2011年4月にも保養滞在していたことがあります。そのときの様子はこちらをご覧ください。

「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第90回」(家族A)

「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第105回」(家族A)


チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第116回」(家族A)


 2009年、2010年、2011年そして2015年の測定結果については以下のとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時14歳)  0ベクレル → 9ベクレル → 17ベクレル → 17ベクレル
女子(15歳)21ベクレル ○ → 36ベクレル ○ → 21ベクレル ○ → 29ベクレル ○
男子(14歳)32ベクレル ○ → 29ベクレル ○ → 34ベクレル ○ → 28ベクレル ○ 
女子 (12歳)26ベクレル ○ → 33ベクレル ○ → 23ベクレル ○ → 45ベクレル ○
男子 (12歳)18ベクレル ○(2011年初測定) → 23ベクレル ○
女子 (11歳)22ベクレル ○ → 32ベクレル ○ → 19ベクレル ○ → 25ベクレル ○
女子 (8歳)(2009年は測定なし)30ベクレル ○ → 17ベクレル → 7ベクレル
男子 (3歳) 5ベクレル(2015年初測定)
女子(11歳) 4ベクレル(2015年初測定)

 この一家は10人子どもがいますが、そのうち8人の子どもを連れてきています。上記のほか、今回測定をしなかった(できなかった)生後8ヶ月の末っ子ちゃんもいます。
 12歳の男の子は車椅子に乗っていますが、かなり大きくなっていました。腕の筋肉もついたのか、両腕の力で移動できるようになっていて、成長していると思いました。
 子どもたちの健康状態ですが、15歳の女の子は生まれつき腎臓が1つしかありません。
 14歳の男の子は甲状腺が肥大しています。
 12歳の女の子は急に視力が悪くなり、さらに心臓に雑音が聞こえるようになったと心配していました。
 3歳の男の子は斜視で、両足が曲がっていて少し歩きにくそうでした。

 お母さんが特に心配していたのはこの12歳の女の子です。2年ほど前から「太りたくない。」と言い出し、ほとんど何も食べなくなってしまいました。
 肉類は鳥の胸肉だけ。牛乳も乳製品もいっさい飲まない、食べない。食べるのはりんごなど果物だけという食生活。学校の給食も拒否。その結果空腹のあまり、頭痛を起こして学校から帰宅する有様。お母さんが何を言っても言うことをいっさい聞かないそうです。
「心理カウンセラーに相談する!」とお母さんは言い出し、SOS子ども村では無料でカウンセリングを行ってくれるので、それを利用したらどうでしょうかと話しました。
 そしてお母さんから聞かれたのは、
「その子は放射能を含みやすいと言われている牛乳や乳製品は全く食べず、ペクチンの多いりんごを食べているのに、どうして被爆量が一番多いのか?」
ということでした。
 理由ははっきり分かりませんが、まず考えられるのはこの子がりんごの次によく食べると言うビルベリーではないか、ということ。
 もう1つは極端な偏食のせいで、ビタミン欠乏症やミネラル欠乏症になっており、そのため新陳代謝が狂って、放射能が蓄積しやすい体質になっているのではないかということです。
 とにかくあまり極端な食生活は、体に悪いですよ・・・
 お母さんはそれが分かっているので、どうしたら説得できるのかと悩んでいました。

 この一家は最近ピンスク市から郊外の村に引越し、家の周りの畑でとれた野菜を食べているそうです。それも測定したいとお母さんは話していました。
 
 
(家族B)

 べレジノ市(チェルノブイリ原発から約280キロ)から10キロ離れた村から来た家族。
 お母さんが3人の子どもと1人の甥を引率していました。この家族には3個のビタペクト3を渡しました。それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果は以下のとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時5歳)17ベクレル
長女(14歳) 23ベクレル ○
長男 (7歳) 22ベクレル ○
次女 (5歳) 21ベクレル ○
甥 (13歳) 12ベクレル 

 子どもたちの健康状態についてお母さんに話をうかがいました。
 長女は1年ほど前から急に血圧が不安定になり、急に血圧が上がったり下がったりするようになりました。血圧が高いときは上の血圧が160にまで上がり、頭痛や吐き気を訴え、脈拍も1分間に120にまでなるそうです。
 しかも夜寝ていて、朝起きたとたんに血圧が上がり、鼻血を出したりするそうで大変お母さんは心配していました。
 病院に行っても、「成長期ですから、いろいろあるもんですよ。」と言われるだけで、薬も処方してもらっていないそうです。
 最近は無理やり水泳に通わせているが、それで少し症状がおさまったとも話していました。

 長男は生まれつき、左手が短い障害児です。義手を作ってもらいましたが、5本の指それぞれが動くような細かい作りではなく、本人もあまりつけたがらないので、外したままでした。
 この男の子は心臓の壁にも穴が生まれつき開いていましたが、最近調べると自然にふさがっていたそうです。
 次女は心雑音が聞こえるそうですが、経過を見守ることになりました。

 甥は健康だそうですが、13歳で体重が80キロもあり、家族はやせさせようとしているのですが、本人はダイエットしたがらず、このような状態だそうです。
 スポーツなど体を動かすことに興味がなく、ずっとパソコンの前に座っているから太るんだとお母さんは話していました。
 幸いSOS子ども村にはコンピュータはありますが、ネット接続されていないし、子どもに触らせないので、お母さんは大喜びで、サッカーをさせているそうです。
 保養滞在中にやせるかもと期待していました。
 
 今回も子どもたちに折り紙、折り鶴、折り鶴の作り方(千羽鶴プロジェクト)、日本語で子どもの名前を書いた絵葉書、着物から作った巾着袋をプレゼントしました。
 子どもたちは絵葉書にとても喜んでいましたが、それよりもビタペクト3を食べたがり、お母さんを困らせていました。お菓子と勘違いしている?ようでした。

 画像は記念撮影した様子ですが、家族Aのお母さんは末っ子ちゃんをあやすのに忙しく、ここには写っていません。
 また家族Bの長男も写っていません。

 最後になりましたが、ビタペクト3の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や絵葉書、巾着袋など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に深くお礼申し上げます。
 ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。

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