ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第155回」

2013-11-12 |   ビタペクト配布活動
 11月12日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第155回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。

 今回はビタペクト3を14個、そして「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーを10部渡しました。
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2092個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは1920部となりました。
 今回で通算169回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2092人の子どもにビタペクトを、1920家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a



(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html


(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。) 

http://belapakoi.s1.xrea.com/jp/no2/2001/soschild.html


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80




 今回は2家族がゴメリ市(チェルノブイリ原発から約140キロ)から、SOS子ども村に保養滞在していました。それぞれの家族にお話を伺いました。
 両家族とも今までSOS子ども村に保養滞在したことがありますが、引率してきた子どもの中には初めての滞在の子どももいました。2家族と分かれていますが、どちらもゴメリ市にある多子家庭と障害児を支援する会の会員の子どもたちです。 


(家族A)

 お母さんが1人の娘、2人の姪、4人の子どもを引率していました。この家族には6個のビタペクト3を渡しました。 
 この家族は2010年と2011年にSOS子ども村に滞在したことがあります。そのときのようすは、こちらをご覧ください。

 チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第119回」(家族A)

 チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第104回」(家族A)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/4996cd66afa6da48c0351b85ebdb0909


 また三女は2009年9月に、祖母に引率されてSOS子ども村に保養滞在していました。そのときの様子はこちらの記事をご覧ください。チロ基金の活動「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第96回」(家族A)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/f09ebd298248eb3f7f5c1299bdf04770


 それぞれの体内放射能測定結果はこのとおりです。三女は2009年9月測定分も示してありますが、それ以外は2010年6月の結果と2011年6月の結果、そして今回の結果を表示しています。○印の子どもにビタペクト3を渡しました。

母親(事故発生時14歳)9ベクレル → 10ベクレル → 13ベクレル ○
三女(15歳) 23ベクレル ○ → 22ベクレル ○ → 34ベクレル ○ → 33ベクレル ○
姪 (13歳) 15ベクレル → 0ベクレル → 44ベクレル ○
姪  (7歳) 23ベクレル ○ → 30ベクレル ○ → 37ベクレル ○
女子(13歳)28ベクレル ○
女子(12歳)16ベクレル
女子 (8歳) 0ベクレル
男子 (5歳)36ベクレル ○

 このうち13歳の女の子と5歳の男の子は姉弟です。
 お母さんはそんなに悪い結果ではなかったのですが、体内のカリウム量が非常に多すぎるため、ビタペクト3を飲むことになりました。(半分の理由はダイエットなんですが・・・) 
 
 三女は心臓が弱く、さらに慢性胃炎を患っていましたが、昨年胃潰瘍まで起こして、一ヵ月半入院したそうです。今でもお粥のような柔らかいものしか食べられないそうです。

 姪2人は免疫力が異常に低いそうです。8歳の姪は環境が変わると、すぐ嘔吐してしまうそうで、SOS子ども村に来ると必ず吐いてしまうのですが、一日するとよくなり、とても元気になるそうです。しかし帰宅すると、また環境が変わることになるので、今度は頭痛を起こすそうです。

 お母さんの話によると引率した子どもの多くが、保養のときは元気になってもゴメリの自宅に帰ったとたん、頭痛を訴えることが多いそうです。
 低放射能の地域から急に放射能のある地域に戻ると体にそのような反応が出るのかもしれませんが、はっきりした理由は分かりません。


 (家族B)

 おばあちゃんが孫と6人の子どもを引率していました。この家族には8個のビタペクト3を渡しました。この家族も(かぞくA)といっしょに2011年に保養に来たことがあります。前述の「ビタペクト2&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第119回」(家族B)をご覧ください。 
 それぞれの2011年と今回の体内放射能測定結果はこのとおりです。

祖母(事故発生時28歳)14ベクレル → 13ベクレル ○
孫  (5歳) 0ベクレル → 33ベクレル ○
男子(12歳)38ベクレル ○
女子(10歳)45ベクレル ○
男子(10歳)31ベクレル ○
女子 (8歳)44ベクレル ○
男子 (5歳)42ベクレル ○
女子 (5歳)20ベクレル ○

 このうち12歳と5歳のの男の子は兄弟。10歳と8歳の女の子は姉妹です。
 このおばあちゃんも結果は悪くはなかったのですが、カリウム量が多いのでビタペクト3を飲むことになりました。
 
 おばあちゃんから話を聞きました。子ども達はよく風邪をひくそうです。10歳の女の子はしょっちゅう扁桃腺炎になるそうです。
 おばあちゃん自身も甲状腺の病気にかかっており、投薬治療中ということでした。

 この人には息子がいるのですが、チェルノブイリの事故が起きたとき、上の息子は3歳、下の息子は生後3ヶ月でした。
 現在2人とも甲状腺の病気を発病し、上の息子は手術を受けるそうです。

 2人のお母さんは口々に
「ゴメリは安全だと言われているが、線量計を持っている人が測定したら、線量が高い場所がたくさんある、と言われている。」
「病気の人がとても増えた。特に20代、30代の若い世代にがんが増えている。」
「障害児がたくさん生まれている。多いのは小児麻痺の子ども。親が被曝していて、それが子どもに遺伝したと思われる。」
と話していました。

 家族Aのお母さんは
「最近はとても体がだるくて、頭痛が毎日起こる。息切れもひどい。でもSOS子ども村に保養に来たら、そういった症状は全ておさまる。引率している子どもの数が多いので、食事や洗濯など家事が多くなるのに、疲れを感じない。ゴメリの自宅では夕方5時ぐらいになると、脱力感を感じ、家事はできないのに。」
と話していました。「ゴメリとSOS子ども村では空気がちがうのがすぐ分かる。」
とも言っていましたが、放射能に敏感な人なのかもしれません。
 お母さんたちはこういう被曝と思われる症状は人によって違うと言っており、
「気分が悪くなる」「頭痛」「吐き気」「せき」「のどの不快感」などいろいろだそうです。
 ちなみに、私はゴメリに何回か行ったことがありますが、そのような症状はありませんでした。(鈍感なのかな?)(^^;)

 画像は記念撮影したものです。ただ昼寝中などで写っていない子どもがいます。
 今回も子どもたちに折り紙、折り鶴、折り鶴の作り方(千羽鶴プロジェクト)、子どもの名前を書いた絵葉書などをプレゼントしました。
 
 最後になりましたが、ビタペクト3の購入費、そして「放射能と栄養」をコピーするために必要な経費を寄付してくださった方々、折り紙や絵葉書など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に、この場を借りて深くお礼申し上げます。
多くの方々に支えられて、この活動が続いています。
ベラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。

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