Nの目線

箏弾き菊地奈緒子の360°に向けられた眼差し

two steps apart

2008-04-20 06:07:37 | Weblog
13日にダンスプロジェクトが終わりました.
昨年から、長い時間を組まれて作り上げられたものです。
普通であれば演出家、ダンサー、音楽監督、演奏家などがいてそれぞれがその役割をしていくのですが、このプロジェクトの場合、コーディネーターのような人はいるのですが、最終的に自分たちで演出や音楽を決定していくものなので、最初はかなり戸惑いました.何しろ、さまざまなアイディアを出し合って実践し、その感想を出していって、その次のアイディアをやり、、、というもので、時間がかかる上に、かなり混沌としていて「このプロジェクトはいったいどうなっているのだろう。。。どうなるのだろう。。」と皆が不安にかられつつ、とにかく取り組んでいく事で解決していく方向に進めていったのだと思います.
しかし、この途中で何人がリタイアした事か..
4月になり、皆が本番に向けて後戻り出来ない状況。
私は、もちろん雄弁にものを語る事はできませんが、自分にできる事、思う事をできるだけ丁寧に伝える様に努力しました.
最終的に出来上がったものは、もちろん、ダンサーや演奏家しかできない部分もありますが、ダンサーと演奏家という垣根を超えて、一つの舞台を作り上げたものが出来上がりました.
即興的で不安定な部分も残り、決してパーフェクトではありませんが「私はこれだけしていれば良い。」のような、お互いのエゴが消えた面白い作品だったと思います.
何よりも、あれだけ嫌だった“無駄に長い時間を消費”していた様に思えた事が、最終的にみんなの絆を強くして、本番へのエネルギーにしていったのだからとても不思議です.
とにかく、やり続けてみる事..の大事さ、コミュニケーションの取り方、など、やってみて学ぶ事がたくさんあった様に思います.

しかしながら。。かなり消耗しました。。。
少し休みたい所ですが..またすぐに次のプロジェクトが待っています.フーッ。。。






ピーター エトヴォシュ

2008-04-04 04:02:38 | Weblog
4月のアカデミー期間真っ最中です。
私も朝からリハーサルを見学したり、自分の練習やリハーサルをしたりと、一日中音に浸かる日々を送っています.
1日から今日までははピータ- エトヴォシュのワークショップ、コンサートなどがありました。

指揮者に向けてのワークショップはとても明確で分かり易く、また自身が振るコンサートのリハーサルは温厚ながら細部に気を使い、なおかつ間近だから感じられる人間的な暖かさ、大きさ。。
素晴らしい作曲家、指揮者だな。。。と思いました.
2日のコンサートもとても楽しんで聞きました.

そして今日3日は私が彼の作品を演奏してみてもらう日。
PSYという、本来はツィンバロン、チェロ、フルートのアンサンブルの作品ですが、ツィンバロンパートを箏で演奏しました.
今年初めから、楽譜とにらめっこしつつ、音域から使う楽器を選び出し、十七絃、20絃、箏を使い、チューニング、転調等を少しづつ、試行錯誤しながら、、、ツィンバロンやピアノでこの曲を演奏したモデルンの留美さん、ウエリにレッスンを受け、アンサンブルの練習の時間は少なかったものの、集中して取り組み、今日の日になりました.
ピーターはとても喜んでくれたようですが、私なりの課題はまだまだ。。。
ただ、いち楽器としての箏の可能性はこの曲でかなり見えて来た様に思います.

いい日、でした。