評価 (3点/5点満点)
最盛期は30人ほどの従業員を抱えていたものの、リーマンショックの影響で資金繰りが悪化し、あえなく空中分解した経験を持つ午堂登紀雄さんが、当時の自分の行動を振り返りつつ、今まで様々な企業で見てきた「やってはいけないリーダーシップ」について考察したのが本書です。
・上司のほうから部下に寄り添い、部下の話をよく聞いてあげること。
・部下のモチベーションを上げようと無理をするより、部下のモチベーションを下げる要因を排除することに意識を向けること。
素の自分を出しながらも、あるべき上司像とのすり合わせをしていく必要がありますね。
ある程度共通している「やってはいけないこと」をもとに、部下と良好な関係を築いていきましょう。
【my pick-up】
◎リーダーの一定水準は努力で到達できる
リーダーは専門職と比べてそこまで狭き門ではありません。努力すればある程度のレベルに到達できるからです。日ごろの心がけ次第なのです。リーダーの仕事の基本は、つまるところ、人間のモチベーションのマネジメントです。管理職は損だとリーダーへの道を避けることは、キャリアの選択としては不利になり、結果的には損であると言えるのではないでしょうか。
◎カッコイイ上司=信頼できる人
部下は上司に対し、公私ともに尊敬できる人物、憧れる存在であってほしいと思っていて、そういう人のもとで働いているんだという自負を持ちたいのです。特に若手の部下にとっては、「カッコイイ人」イコール「信頼できる人」です。部下は上司には、カッコイイ存在であってほしい。憧れる人であってほしい。自慢できる上司であってほしい。他部署の同期から「お前はあの人のもとで働けてうらやましいな」と言われたい。上司は仕事の分野だけではなく、趣味や余暇の世界でもつねに勉強を続けなければなりません。
◎ナンバー2との関係がチーム成長のカギを握る
私は、叱るリーダーに対して、ナンバー2が部下をフォローするという役割がよいと考えています。ナンバー2が叱ってリーダーがなだめるようなチームでは、チームが崩壊します。リーダーは部下と適切な距離を保つことです。組織が大きくなり自分の地位が相対的に高くなってきたら、「飲みに行きませんか」と誘われても、1万円札を渡して「みんなで楽しんできて、これ少ないけど飲み代の足しにでもして」とニコニコしながら送り出してあげるのです。