評価 (3点/5点満点)
時間をコントロールする仕事術をまとめたものが本書です。
具体的には、効率的に短時間で集中的に仕事を終わらせる「集中力を活かした魔法の仕事術」です。
<午前中の3時間をどう活用するか>
出社後にデスクでコーヒーを飲みながら寛ぎ、その後に仕事をする人もいるが、実に時間の無駄である。仕事前のコーヒーは出社前に済ませ、気持ちを最高潮まで高めてから出社すべきである。
デスクワークであれ肉体労働であれ、職場は戦場である。休憩をするために来ているのでもなければ、雑談しに来ているわけでもない。与えられた仕事やタスクを処理しなければならない。
この本分を忘れて無駄な作業や雑用を自ら職場に持ち込んではならない。あなた自身が不要物を職場に持ち込まないように率先して取り組むべきである。(P.174)
<作業環境は限りなく完全に近づける>
デスクだけでなく、パソコンのデスクトップもしっかりと整理整頓しなければならない。仕事の遅い人ほどパソコンのデスクトップにアイコンが異様に多い。どの位置に何があるのかまったく認識できず、探すだけで時間がかかる。完全に時間の無駄である。
普段からデスクトップのアイコンを整理し、きちんと整頓しておかなければ効率的な作業はできない。まとまった時間を利用して一気に整理整頓するのではなく、作業を終えたその日のうちにパソコンもデスクの上も整理整頓して帰宅すべきである。(P.184~185)
数多くの脳科学や心理学の研究成果も参考にされています。
生産性の向上は、会社にも従業員にもたくさんの恩恵をもたらします。その第一歩が、個々人が効率的な仕事術を身につけることに他なりません。
まずあなた自身が自由な時間を作り、目の前にある問題さえも、いかに楽しいものに変えられるかという、人生に夢とユーモアを取り入れてほしいと思います。
また、あなた自身が自らの仕事効率化を果たした後は、人をつくり、人を育て、人を残すことも目指してほしいです。
【my pick-up】
◎午前中は最優先タスクを実行する
脳が完全にリフレッシュされ、フルパワーの状態にある目覚め直後の数時間。最も貴重な時間帯に、雑用処理や周囲の雑音に振り回されていないだろうか。たとえば、朝一番の同僚や仲間との雑談・世間話がそれに該当する。就業時間内に雑談など、本来であれば厳禁である。このような雑音は極力消し去るべきである。
続いて危険な雑音が、メールチェックだ。メールの多くは、タイトルを見るだけで緊急度合いが判断できるはずだ。緊急でないものは午後に回し、作業効率が最も高い午前中は最優先タスクを実行する時間として確保しなければならない。
脳の効率を考えれば、午前中に行うタスクと、夕方に行うタスクでは、実に2倍から4倍の効率の差があるらしい。今まで午前中に雑用を行い、重要な仕事を午後に回してきた習慣があるなら、この前後の仕事を丸ごと入れ替える必要性がある。
先に困難なタスクを処理するほうが、心理的にも残りのタスク処理が楽になる。午前中が勝負だと、理屈抜きに徹底して肝に銘じていただきたい。