評価 (3点/5点満点)
今、管理職として働くということが「罰ゲーム」と化してきているとのこと。
本書は、管理職の「罰ゲーム化」に対する理解を進め、その修正法を示すものです。
修正法の大原則は、アクションの過剰(動き過ぎ)を抑える、積極的に「やらない」上司です。
『自分の失敗を認めることができず、なんとかしてでも成功を装いたくなる上司。負けたことがある経験を自己開示できない上司。どうしても今の地位を手放せない上司。そうした管理職の姿は、周りの人から見ても窮屈で、だんだんと一人、自分の殻に閉じこもっていくことになります。こうした「高くなりすぎた理想」から視線を下げて、一歩、階段を下りる勇気を持つこと。』(P238)
管理職の「負荷」問題について、多角的に議論した有用な1冊です。
【my pick-up】
◎「非幹部層候補」の管理職の育成
役員や部長にはなれなくても、30代からは特定領域のスペシャリストとしての意識を持ち、スキルの幅を狭めて蓄積するキャリアに移行できれば、「ジョブ」に対するアイデンティティも芽生えますし、転職市場でも評価されるようなキャリアになります。その移行は、今のように40代になってからでは遅いのです。学びの習慣も、特定の専門領域へのコミットメントも生まれないまま20年間も過ごせば、転職市場には出られない中高年になっているからです。中高年層の転職市場の活性化は、やはり「特定領域への専門性」がカギを握ります。