評価 (3点/5点満点)
この本は、経営理念の核心と本質、創りかた及びその実例、そして使いかたまでを一気通貫の流れで構成しています。
企業にとって、夢や理想を言葉にしたものが経営理念です。
また、理念と儲けは両輪であり、両輪のバランスをしっかり取ることが経営です。
経営理念がもたらす6つのメリット
求心力、誇りの力、信用力と信頼力、求人力、業績力、資金力
経営者に必要な5ヂカラ
経営力、リーダーシップ力、変化対応力、倫理力、チームワーク醸成力
経営理念の必要な3つの条件
共鳴力(親しみ)、共感力(納得感)、共振力(ワクワク感)
経営理念は企業の成功を図るための十分条件ではありませんが、永続的成長を実現するための必要条件です。
特に、AI時代になればなるほど、理念に立ち返るという原点回帰が求められると思います。
【my pick-up】
◎生きた経営理念の10条件
01.作成の過程に社員の参加・参画があり、十分に議論が行われている
02.紙に書いてあり、〝見える化度〟(Visibility)が高い
03.表現、内容、長さがユーザーフレンドリー(User Friendly)であり、人を鼓舞(Inspire)する
04.自社のアイデンティティを示す個性と差別化がある
05.顧客志向に立っている
06.ステークホルダー、特にインサイド・ステークホルダーに十分コミュニケートされ理解と納得が得られている
07.経営判断・決断や業務の場で〝道具〟(Working Tool)として、使われている
08.1年に1回社員アセスメントが行われている
09.5年に1回見直し、必要であれば改訂を加えている
10.トップの強いコミットメントが具体的な形で示されている
◎生きた戦略の13条件
01.経営理念(ミッション・ビジョン・価値観)との整合性がある
02.正しい土俵(トレンド・市場規模・儲かる)の上で勝負している
03.競合的優位性を伴った差別化がある
04.優先分野(商品・顧客・地域等)が明確であり、経営資源の集中が利いている
05.経営資源(ヒト・モノ・カネ・組織能力・情報・時間等)の裏付けがある
06.顧客の立場に立っている
07.オーガニック・グロース(自力成長)に加え、M&A(合併・買収・アライアンス)等のノンオーガニック・グロース(非自力成長)が検討され必要に応じて取り込まれている
08.策定の過程にキーメンバーの参加と本音の議論がある
09.ステークホルダー、特にインサイド・ステークホルダーに十分にコミュニケートされ理解と納得が得られている
10.具体的な戦術に落とし込まれている
11.戦術が現場で徹底的、継続的に実行に移されている
12.事後評価とフィードバックを含むPDCサイクルが正しく回っている
13.年に1回見直し、環境変化に対して迅速に変更を加えている