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評価 (3点/5点満点)
「孤独」「健康」「お金」これらの心配事をすべて捨てるために、60歳からは好き放題に生きていい。
本書のメッセージはこの点に集約されます。
老いには非常に大きな個人差があります。
悲観的だったり、固定観念にとらわれていたり、したいこともせず我慢していたりする人は、老化のスピードが明らかに速いです。
60代はまだまだ体も心も元気です。
仕事や家事、育児など「誰かのため」に頑張ってきた時期が終わり、「やりたいことしかしない」生き方へとシフトする時期です。
しかし、日本人は老後の不安を感じているくせに、その不安を解消するための対策を打ちません。
・介護保険の申請方法や世の中にある制度やサービス、施設の種類は?
・がんに関して世の中にどんな治療法があり、治療にかかるお金はどれくらい用意しておけばいいか?
これらをきちんと調べることで、様々な選択肢があることに気づけます。
【my pick-up】
◎「問題のある子ども」こそ、放っておく
私は職業柄、引きこもりや家庭内暴力の相談をよく受けます。なかには子どもがとっくに成人に達し、中年期にさしかかっているケースも珍しくありません。そのとき、私が親御さんにするアドバイスは「放っておこう」です。食事をつくったり、洗濯をしたり、子どもの理不尽な要求にいちいち従ったりせず、自分自身の生活を楽しめばいい、と。たいていの親御さん(特に母親)は「そんなこと、無理です」と難色を示しますが、実のところ、そうしたほうが子どもの状態は改善しやすいのです。構われれば構われるほど、子どもの無力感とストレスが増し、事態が悪化します。逆に、世話を焼くのをやめれば、子どもは自分のことを自分でせざるを得なくなり、結果的に自己肯定感が上がり、自立の糸口も見つけやすくなるのです。
◎自炊よりもコンビニ・外食
コンビニ食というと「添加物が心配」と言う方がいますが、添加物の害など、たかが知れています。発がん性物質でさえ含まれる量はごくごく微量で、運が悪かったとしても、がんの発症に至るまでに少なくとも10年以上は要します。はるか先のがんよりも、今の「おいしい」のほうが、はるかに価値があるのではないでしょうか。
またラーメンも「体に悪いもの」の象徴のように言われがちですが、それはひと昔前の話。今のラーメン店では、店によっては20~30種類の食材を使ってスープをつくっています。つまり、20~30品目入りのすばらしい栄養食なのです。トッピングを追加すれば、さらに品目数が増えます。なお、私はなるべくスープまで飲み干すようにしています。私は低ナトリウム血症になりやすいので、塩分はむしろ必要でもあるのです。みなさんも「飲みたい」と感じるなら、飲んでいいと思います。それは、体が求めているということだからです。
◎日常生活に「未知」を増やそう
40代ごろから、誰でも前頭葉は画像診断でもわかるくらい縮み始めます。しかし、前頭葉に刺激を与える生活を送っていると、老化は目に見えて遅くなります。前頭葉を鍛えるコツは、「昨日と違う今日」を経験することです。想定外のことや未知の領域に足を踏み入れ、新たな刺激を得ることです。ですから、まずはルーティンを壊すことから始めましょう。いつもと違う店に行き、知らないメニューを頼みましょう。散歩も、毎回コースを変えてみましょう。人との会話も、前頭葉に刺激を与えます。特に異世代との交流や、現役時代に違った分野で働いていた人との会話は、未知の領域を体験する格好の機会です。