評価 (3点/5点満点)
RPAはロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)の略で、請求書の発行や顧客名簿の作成、経費の精算など、面倒で時間のかかる単純な定型業務をロボットが代わりにこなしてくれるものです。
ロボットといっても、パソコンの中で動作をするツールで、ロボットの特徴は24時間・365日休みなく働いてくれることです。
この本は、著者の会社がRPAを導入するに至るまでの悪戦苦闘をまとめたものです。
RPAは大企業ではかなり浸透してきていますが、中小企業はまだまだこれから。著者は、RPAについて調べていくうちに、人手不足に悩む中小企業にこそ導入すべきだという思いが強くなり、中小企業でもRPAを十分に使いこなせることを理解して頂きたいと言います。
導入にあたっては注意しなければならないこともあります。それは「RPAは人の仕事を奪うのではないか」という不安を社員に与える点です。しかし、RPAを実際に導入してみて感じるのは、RPAは人の仕事を奪うのではなく、人の仕事の能力を倍増させるツールであること。単純作業から解放されるので、よりクリエイティブな業務で力を発揮できるチャンスが増えることになります。
ちなみに、著者の会社で導入したRPAは、FCEプロセス&テクノロジーが開発した「ロボパット」、販売代理店は「スターティアレイズ」という会社だそうです。
【my pick-up】
◎RPAはビジネス用ツールのスタンダードになる
RPAという技術は、今後ビジネスにおける業務に欠かせないデファクトスタンダードになっていくのではないかと感じています。今のところ、与えられた業務プロセスの反復、単純作業が得意で、様々な情報を基に判断することは苦手であるRPAも、AI技術との融合でより複雑な判断が伴う事務作業も自動化していけるようになり、飛躍的に業務の効率化が図れる時代もすぐに来るでしょう。また、何か新しいクリエイティブなことを考えたり、作り上げていくことで、より付加価値の高い仕事を行っていけるように、今から準備をしていかなければいけないと考えています。