会社でパッとしない人の「うだつ」の上げ方 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2011-03-11 |
評価 (4点/5点満点)
会社の近くにあった築地市場の食べ歩きがきっかけで、TVチャンピオンの「築地王選手権」で優勝し、以後多数の出版やTV出演を果たしている小関敦之さんが、ただ単純に自分の好きなことをやることでうだつを上げる方法を紹介します。
「本の執筆などの活動は、会社勤めをしながらやってきたことばかりです。私がやったのは、自分の一番好きなこと、すなわちうまいものの食べ歩きをネタに、自分自身をブランドとして確立し、会社や仕事とは一切無縁の、もう1つのキャリアを作ったことのみ。これが私自身が自分のうだつを上げるためにやってきたことのすべてです。」
ここには、歯を食いしばって頑張るという意識はまるでありません。それは、自分が好きなことがベースとなっているからです。
入社して10年以上が経過し30代にもなると、会社の中での自分の立ち位置に否が応でも気づかされ、リストラの恐怖に怯えながら賢明に仕事をしているフリに精を出す先輩諸氏の姿が自分の近未来の姿として目に映ります。
仕事以外の自分の強みを、好きなものから持つことは、人生の選択肢を増やす非常に重要なポイントだと私も思います。本書から、誰にでも真似のできるうだつ上げの鉄則を学びましょう。「会社でパッとしない人」でない、会社で優秀な方にもオススメの1冊です。
【my pick-up】
◎「好き」なことをやってうだつを上げるためのポイント
1.出版をきっかけに活躍の幅を大きく広げたこと
自分の本を出すほど強力に「うだつ上げ」を後押ししてくれる手段は存在しません。自著の出版を1つのゴールとしてとらえておいていただきたいと思います。
2.自分なりの独自のコンテンツを持っていたこと
まずはご自分のお好きなことについて、考えたこと、経験したことを文章にして記録し、とっておくことが重要です。
3.自らの存在を誇示するため個人メディアを持っていたこと
うだつを上げるとは一言でいえば、ある分野において多くの人に自分の存在を認識してもらい、かつ、すごい人だと思ったもらうことに他なりません。そのためには、まずは自分自身の存在を知ってもらわなくては話が始まらないのです。一刻も早くご自身のメディアを作り、ネットの中で自分の存在を誇示するようにしましょう。
4.競合のいないところで、第一人者となっていたこと
まだ誰も手をつけていないフィールドを開拓するブルー・オーシャン戦略が、好きなことをやってうだつを上げるのに有効なのだということを、覚えておいていただきたいと思います。
5.偶然の出会いを逃がさず、チャンスをつかみとったこと
チャンスはかならず人と共にやって来るもので、決して空から降ってくるわけではありません。その意味でも、偶然の出会いを大切にすることが重要なのはご理解いただけると思います。
◎ブログのすすめ
SNSやツイッターなど数々のソーシャルメディアのサービスが登場し、ブログに関してはやや新鮮味に欠け、時代遅れのように感じられる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、「うだつ上げ」のために情報発信を行うには、現段階ではいまだブログが最適なツールだと感じています。
ブログのメリットその1 読者がつくので続けやすい
ブログのメリットその2 人に説明するので考えが整理される
ブログのメリットその3 読者からの意見に触れることで考えが深まる
ブログのメリットその4 日常をコンテンツ化する習慣がつく
ブログのメリットその5 知らない間にコンテンツが貯まる
◎編集者はいつも出会いを求めている!
返本分の現金を確保するために、出版社は新刊本を出し続けなくてはいけない宿命を背負っているのです。これが、「本が売れない、売れない」といわれながらも、新刊本が大量に発行され続けている理由です。
そのような事情があって、大量の新刊本を出さなくてはいけない状況の中、すでに執筆実績がある著者さんだけでは足りないのが、編集者が常に新しい才能を探している理由の1つです。
◎忘れ去られてしまわないため、最強の武器(名刺)を用意しよう!
著者候補と編集者をつなぐパーティでは勤め先の名刺はNGです。
これから「会社に頼らない自分のブランド」を作るために本を出そうとしているあなたに、会社の名刺は不必要なのが、勤め先の名刺がNGな第1の理由です。
第2の理由は、勤め先の名刺では情報が不十分なことです。会社の名刺の情報は「あなたの名前」以外はすべて会社のものです。逆にいうと、あなた個人の情報は「名前」以外何も書かれていません。すなわち、勤め先の名刺を渡すことは、名前だけ書いた白い紙を渡すのと同じ行為です。
誰もが知っている有名企業にお勤めでも状況は同じです。何千人何万人かいるその企業の1人というだけでは、著者候補者としての価値を見出すことができないので、仮に覚えておいてもらえたとしてもその先に進むことは考えられません。