厳選!ビジネス書 今年の200冊

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2022年108冊目『指示なしで動くチームの作り方』は、部下の働く目的を3タイプに分けてそれぞれの上司の対処法を解説

2022-03-27 14:18:05 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

管理や指示をしなくても、自らの意思で会社のためにも働き、自己判断で仕事をしてくれるようになり、次第に一体感のあるチームに変わっていくにはどうしたらいいか?

本書では、部下の「働く目的」を大事にすることでそれが実現できると言います。

この「働く目的」を「お金が大事」「自分の時間が大事」「キャリアが大事」の3タイプに分け、それぞれの上司の対応法を紹介します。

その他、上司にとって大切な姿勢、チーム運営の方法にも触れており、部下とチームの状態を根本から変化させ、やる気も成果も上がる理想のチームを目指していきます。

タイトルを見ると営業の方向けかなと思いましたが、実際読むとどの職種でも参考になる内容です。

【my pick-up】

◎時間が大事な部下-仕事以外の時間も大事なだけで責任感が強い人

多くは自分の役割に対する責任感が強く、1日の時間を全て自分でコントロールしたいという意識を持っています。そのため、仕事の時間を8時間と決めたら、それ以上の時間を使うことに対して断固拒否するのです。だからこそ、就業時間である8時間の時間内で成果を出そうと考え、時間内は「仕事に集中したい」のです。それは、「仕事の生産性」に人一倍こだわっている、とも言えます。そして、無駄なことは1秒でも惜しいというようなストイックな仕事の仕方をし、仕事のやり方に関しては、独自のプロセスやスキルを身につけていたりします。こういった考え方や姿勢の持ち主は、自分の仕事の進め方にこだわると同時に、周囲の仲間の進め方に対しても、厳しい視点を持ちます。そしてもう一方で考えていることは、「この仕事のそのものの目的は何なのか?」「この仕事の優先順位は、そもそもの目的を考えたときにどれくらい高いのか?」ということです。そういった本質的思考で職場を見ています。本人は、職場を常によく見ていますが、自分からコミュニケーションを取ること、それも、自分の時間を使ってコミュニケーションを取ることに関しては、消極的です。なぜならば、それすらも時間がもったいないというふうに思ってしまうからです。

◎時間が大事な部下―追加の仕事は早めに依頼しよう

仕事を依頼するときには、いつも十分な余裕を持って依頼する、ということを心がけてみましょう。業務の内容によりますが、概ね1週間から2週間程度、余裕を持って依頼するようにします。「時間を大事にする人材」は、効率的な時間管理の視点から、グループウェアの活用を人一倍やっているはずですから、その活用方法を社内でのミーティング時に披露してもらう、というのも良い方法です。そうやって、自分自身の時間を大切にする姿勢から、次第にチーム全体の時間に目を向けさせるようにしていきます。つまり、チーム全体の生産性を高めるという方向性を示していくのです。そして、チーム全体の底上げをしていくのに際し、自分の時間管理法が活かせるということを、体感してもらうことが大切です。

◎キャリア志向の部下―上司が志やビジョンを持つ必要がある

上司であるあなたが、志や使命、ビジョンといったものにそもそも関心が浅ければ、「キャリア志向」の部下からすると、物足りない感じがすると思います。例えば、個別面談のときなどに「何のために働いているんですか?」とキャリア志向の部下から聞かれて、「いや、なんとなく」とか「え?生活のため、給料のためだよ・・・」といった程度の答えしか出てこない上司には、魅力を感じません。そして、そういう上司の言うことには、あまり真剣に聞く耳を持たなくなってしまいます。

◎人事評価に対する戦略的な部下育成の発想

大切なポイントは、人事評価のタイミングでは、どういう上司評価を出したいかを部下としっかり話して、あらかじめ用意しておくことです。つまり、頑張った結果を上司が評価するというよりも、あらかじめ「どういう評価査定で出したいから、このような成果を出そう、そのためにこれを頑張ろう」という目標達成の条件をあらかじめ用意しておくということです。

◎2割のできない部下には時間を割かない

組織やチームなどの集団であれば、必然的に優秀なメンバーとそうでもないメンバーに分かれ、どんな集団でも「2:6:2になる」という法則があるのです。そして、人には安楽の欲求がありますから、どちからと言うと「楽したい」「人のせいにしたい」「面倒なことから逃げたい」といったメンバーが、どちらの2割でもない、残りの6割・・・つまり中道派のメンバーに影響を与えやすいという傾向があります。だからこそ、あなたが時間をかけるのは優秀な2のメンバーでいいのです。優秀な2のメンバーに力を注いでいくと、次第に成長し、チームへの貢献行動が高まります。そして、チームにプラスの影響がより大きく働いて、良い変化をもたらします。上司は意図的に、優秀な2割のメンバーの行動を承認したり、褒めたりすることで、6割の中道派のメンバーが自発的に動いたり、一歩を踏み出したりする機会を作ることが大切です。働かない2割の部下には、個別の時間はかけない。それよりも、プラスの影響を発揮する2割の部下が行動を変え、成長していく様子を見せることに注力しましょう。2割の優秀な部下に力を入れ、「人の変わる姿、行動する姿を見て気づかせる」戦略がお勧めです。

◎多様性のあるチームとは?

部下は無責任に発言することもありますし、勝手に考え方が変わることもあります。プラスの傾向、マイナスの傾向を行ったり来たりして、よくブレます。だから、上司は、真正面からその意見を受け入れるというよりも、部下のプラス傾向、マイナス傾向に「影響を受けない」ことが大切です。この姿勢を上司が堅持していればこそ、多様性を受け入れるチームの風土が育っていくように思います。また、皆に意識して欲しい「仕事観」(仕事に対する考え方や姿勢)を確認し、意識するための時間を定期的に取ること。組織やチームの中で、価値観は人それぞれで良いと思いますが、この「仕事観」だけは、ある程度揃えておいた方がうまくいくようです。その後、具体的な日々の仕事に落とし込むことは、部下が自発的にやることです。

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2022年107冊目『テキストには書いていない 決算書の新常識』は、決算書分析だけでなく最近の財務に関する幅広いトピックを網羅

2022-03-27 14:07:30 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

この本では、一般の方が決算書を読んで理解するうえでつまずきやすいポイントを教えてくれます。

 

また、通常の決算書分析のノウハウだけでなく、

・投資家目線と企業目線の違い

・ROEやROIC、資本コストなど資本効率に関わる話題

・最近注目されるESG対応や非財務指標、東証再編

に至るまで幅広いトピックについて最新の情報が盛り込まれています。

 

会計・財務リテラシーのレベルの確認、レベルアップに役立つ1冊です。

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2022年106冊目『Unlearn 人生100年時代の新しい「学び」』は、成功体験を持っている人ほど「思考のクセ」を取り除いてほしい

2022-03-27 13:49:59 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

Unlearn(アンラーン)を分かりやすく言い換えると「これまでに身につけた思考のクセを取り除く」こと。

変化に直面したときには、パターン化された「思考のクセ」が柔軟な発想の妨げになることがあります。それだけではなく「思考のクセ」は自分自身の成長を止めてしまう可能性もあります。

 

著者は、東京大学で経済学を教えており、リカレント教育の推進にも携わっている柳川範之さんと、陸上競技選手としてオリンピックに3大会連続出場した経験を持ちながら、現在ではコメンテーターなどスポーツという枠を超えた活動をしている為末大さんのお二人。

アンラーンを実行することでどのような利があるのか、そしてどうすれば実行できるのかを考えます。

 

・成功体験がもう一度同じように通用することって、実はほとんどない。

・日本人は「こうでないといけない」「幸せとはこういうものだ」という固定観念にとらわれ過ぎている。

・人々のマインドが変わらないと結局社会は変わらない。結局は「覚悟」の話。

・普段とちょっと違うことをやってみる。

・長い時間働いたほうがいい結果が出たという過去の経験をいまだに引きずっている。

・海外の選手たちの練習量の少なさ。極端に言えば10分の1くらい。なのに、すごく速く走れるし技術も高い。

・本には新たな気づきや発想が得られるので、現実社会での選択肢がぐんと広がる。

 

まだ何も学んでおらず成功体験もない人間にはアンラーンのインパクトは大きくないですね。

アンラーンがほんとうに必要なのは、何かの学びを得ていて、それなりに成功体験を持っている人ではないでしょうか。

本書はぜひ、そういう皆さんに読んで頂きたいです。

 

【my pick-up】

◎コロナ禍という「強制アンラーン」

会社員なんだから決まった時間に出社できるように通勤するのが当たり前、授業は出席者全員が教室に集まって顔を合わせて行うのが当たり前。そういう思い込みが強いので、遠くの世界での新しい事例を見聞きしても、自分事としては考えない。「会議はみんなが会議室に集まらないことには始まらない」「仕事は会社に行かないとできない」といった従来の考え方に固執していたら、きっといつまで経っても、テレワークは普及しなかったに違いありません。この2年間で僕たちが経験したのは、半ば強制的なアンラーンだったのです。

◎「早くなじもう」「それらしくなろう」としない

「慣れたい」という思いをあまりに強く抱くことは危険と背中合わせです。いつの間にかカルチャー対応に染め上げられ、他の大多数の既存の社員と変わらない発想に自分自身が飲み込まれてしまいかねないからです。「個」がどこかに置き去りにされてしまいます。そのような環境において大切なのは、表面的には対応しながらも最初に感じた違和感―なじめないポイントや疑問点―を忘れないことです。新しい環境に入ったときこそ、環境対応と意識的に距離をとることが重要です。

◎慣れていることから少し距離を置いてみる

確認したいのは「好き」と「慣れているから心地いい」ことの線引きがしっかりできているかどうかということです。この2つの感情はとても似ているようで、実際には大きく異なるものです。「このお店が好き」「この土地が好き」というのが、実は単に「すっかりなじんでいて快適だから」という理由であることは、結構な確率で起こっているような気がします。これも、ある種の「パターン化」現象であり、「カルチャー対応の思考」です。自分の「好き」をたくさん持っている人はとても楽しそうで素敵なのですが、少しだけ不安も感じます。「他を知らないだけじゃないの?」と。

◎既存の概念にとらわれて問題意識を持つことさえ思いつかない

出社することは絶対に必要なのか、実際に会って話さないと信頼関係は深まらないのか、今日と同じことをしていて明日は大丈夫なのか。こうした、僕たちが「当たり前」と思っていたことについて、ほんとうにそうなのかと問い直すということです。こうした問いは早く立てられればその分だけ、準備をする時間をたっぷりとれるようになります。日々の仕事に追われて、それをこなすことだけに集中していると、頭の中がそのことでいっぱいになってしまいます。そうすると、考えていることがいつも似たり寄ったりになり、行動もパターン化し、目にする情報や付き合う人も次第に限定的になっていく。身についていく知見も、学びの方向性も狭まっていきます。

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2022年105冊目『経営が必ずうまくいく考え方』は、経営の成否を分ける原理原則や法則をつかむ

2022-03-21 14:27:21 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

小宮一慶さんがコンサルタントとして接してきたお客さまの話をもとにした、経営のエッセー集です。

そこから経営の本質を垣間見ることができれば、本書を読んだ意味があります。

 

経営の成否を分ける原理原則や法則は、時代や国を超えた普遍的なものである。この法則に沿って生きるか、逆らって生きるかが、唯一最大の分岐点だ。

成功している会社には、いずれも共通する1つの「パターン」や「原理原則」がある。対して、失敗例は多種多様だ。それは「原理原則」の踏み外し方が多様だからにほかならない。

 

その「原理原則」や「法則」の代表例が、以下の一文です。

他者を思うことは決してたやすくはないが、うまくいく仕組み自体は単純だ」(P.324)

 

つまり利他の視点ですね。自分かわいさで自分勝手に生きようとしても、何も見つからないはずです。

そういった経営者の姿勢が問われているだんだと思います。

 

【my pick-up】

◎通勤電車の中で何をするか

一番堕落するのは、間違いなくゲームだろう。隣に座っている人が朝からゲームに興じていたら、私はその人を「世捨て人」だと思う。その人は貴重な時間を自分の将来に何のプラスにもならないことに費やしている。これはもう「成長する気も成功する気もない」と宣言しているようなもの。将来を捨てているのだ。

ツイッターやインスタグラム、フェイスブックなどを熱心に見ている人も、世捨て人とまでは言わないが、時間の無駄であることが多い。SNSは、自分の身分を固定化する道具だと私は思う。SNS上で、自分と同じレベルの人たち以外とコミュニケーションを交わすことは、実際のところ、非常にまれなことだ。

仕事に向かう時間、そんなものにうつつを抜かすのは、勤めている会社に対して失礼だと思う。帰りならまだ許せるが、うちの社員なら、クビにしているところだ。「仕事のストレスを、行き帰りに発散したって良いではないか」という意見もあるだろうが、そんなにストレスが貯まるのなら、会社を辞めたほうが良い。仕事に過度のストレスを感じている段階で適性はないし、そこで成果を出したり、出世したりする見込みもない。

朝からゲームやSNSをしながら出社している若者が、それでも務めるような仕事をしているのだとしたら、その仕事は将来、きっとAIやロボットにとって代わられる。AIに代用されないようなスキルと知恵を、人は獲得しなくてはならない。そのためにも、学ばなくてはならない。

◎酒に飲まれて早死にするな

私も社長業なので、酒量には気を付けている。私の中でルールにしているのは、二次会に行かないことだ。行くにしても「30分だけ」と言って、本当に30分で帰る。親しいお客さまたちは、私のそうした考えを知っているので、一次会で解放してくれる。これは、健康に配慮しているからだけでなく、会社を預かる人間としての責任でもある。

「二次会に行かないと本当に仲良くはなれない」と言われることがあるが、私に言わせれば、一次会だけで仲良くなれないようなら、何次会まで行っても仲良くなれない。

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2022年104冊目『プロジェクトのトラブル解決大全』は、プロジェクトにおける「火消し」「火種消し」の実践例が満載

2022-03-21 14:13:09 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

プロジェクトがトラブルになった際の、火消しにおける最善の方法・手段。

それが本書のテーマです。

 

IBMやパナソニックで長年プロジェクト・マネジャーとして様々なトラブルを経験した著者が、「これは絶対に役に立つ」と確信した具体的なテクニックが満載です。

 

本書を読むと「火消し」だけでなく「火種消し」にも使える内容です。

つまり、プロジェクトが大炎上する前に手を打って、スムーズに完遂させることも狙っています。

 

【my pick-up】

◎「やめる」決断はリーダーにしかできない

プロジェクトメンバーは、あれがムダ、これがムダと思っていても、自分がやめられる力と権限を持っていなければ表立って口に出さないことがほとんどです。あなたもメンバーの時に経験があると思います。「あの仕事、何の意味があるんだろう。やめればいいのにね」と同僚とグチをいっていたあれです。今度はあなたがそれを拾い上げてやめてあげるのです。やめるというのは、リーダーの仕事です。ムダなものを極力引き剥がし、余計な工数を使わないようにしていきましょう。

◎チームにいい緊張感を持たせる「厳しさ」とは

リーダーに必要な厳しさとは、メンバーの成果、アウトプット、仕事ぶりに対して厳しくある、ということです。報告資料が十分なレベルでなかったら差し戻す、期限までにタスクが完了しなかったら理由と対策を問う、勤怠状況が悪くなってきたら指摘する、などということです。当たり前のように見えるかもしれませんが、いざ実際の現場では、このような指摘ができないリーダーがたくさんいます。このような低いパフォーマンスの是正をためらい、ルーズにしてしまうと、チーム全体の仕事の成果が低下していきます。

◎プロジェクト完遂時は振り返りがマスト

振り返りをすると、色々なケースについて「こうすればよかった」「こうすべきだった」と考えるので、自分自身の武器を増やすことができます。そして、次回以降のプロジェクトで、それが自分自身の資産として活用できるようになります。これを繰り返すことで、プロジェクトがトラブらないようになりますし、どんな炎上プロジェクトでも対処できるようになっていきます。私は、この振り返りをしっかり時間をかけてやります。1人でやることもあれば、プロジェクトメンバーと一緒にやることもあります。時には、午後半日かけて実施することもあります。大きな財産となるので、時間をかけてでもやる価値のあることだと思います。

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