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評価 (3点/5点満点)
著者の越川慎司さんが代表を務めるクロスリバーでは、これまでに605社に対して働き方改革の支援を行ってきました。その過程で各社の人事評価「上位5%」の社員は、どのような行動・働き方をしているかについて調査をしてきました。
対象となる「5%社員」には、いつもどおりの行動をお願いして、デスクに定点カメラを設置したり、ICレコーダーやセンサーを装着してもらったり、クラウドサービスや対面ヒアリングなどを通じて行動や発言を記録したりしました。
これらのデータをAIと専門家によって分析して、「5%社員」の共通点や、その他95%の一般社員との違いを抽出したのが本書です。
仕事の成果を考えると職務実行能力が注目されがちですが、本書を読むと、態度や気構えなどのソフトスキルが必要であることも分かります。
「5%社員」の調査をもとに導き出された成功ルールは、「5%社員」以外でも効果を出します。
「5%社員」のシンプルな行動と考え方を自分と照らし合わせてください。同じで安心することもあれば、違って学びになることもあると思います。
【my pick-up】
◎「5%社員」の休み方
1.好きなことを自分で選んで自分でする
水泳、読書、買い物など、自分のテンションが上がるものを自分で選択して実践しています。
2.適度に有酸素運動をする
「5%社員」で定期的にランニングをしている人の比率は、95%の一般社員の3倍以上でした。男性ではボルダリングをしている人の比率が高かったです。定期的にゴルフをしている人の比率は「5%社員」と一般社員で差がありませんでした。
3.読書
「5%社員」は全体平均の20倍の48.2冊を年間で読んでいました。「5%社員」は夜寝る前にスマホを触ることなく読書している人が多かったのも特徴的でした。
◎仕事を振り返る時間を取っている
「5%社員」は、「振り返りの時間」をとっています。5%社員の中で振り返りの時間を取っている人は48%、95%の一般社員の中で振り返りの時間を取っている人は6%しかいませんでした。なぜ忙しいのか、何かやめるべきことはないか、何に無駄な時間を費やしてしまったのか、などの内なる反省(=内省)を定期的に行い、その気づきや学びを次の行動に活かしているのです。振り返る時間はほんの15分程度、長くても30分程度です。
◎「5%社員」は早型
調査の結果、「5%社員」は平日19時前後の業務量が圧倒的に少ないことがわかりました。一般社員は終業時間間際に非常に忙しく作業をしています。「5%社員」が最も仕事を詰め込むのは、午前中であることがわかりました。そして、夕方にはその日やるべき仕事がすべて片付いていて、ほぼ定時でさっさと退社しているのです。
「5%社員」は」すべての仕事について、先を読んで早めに準備していることがわかりました。早めに準備をして「焦りのロス」をなくそうとしています。また「5%社員」は、特に朝に狙いを絞って重要な仕事を進める習慣があることもわかりました。朝は誰にも邪魔されずに仕事ができる時間だ、ということを理解しているのでしょう。