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評価 (3点/5点満点)
「トヨタ式の導入」「トヨタに学ぶ」というと、多くの人は「ものづくり」を連想しますが、トヨタ式の本当の凄さは、世界一のものづくりを支える時間術にあります。
この本では、トヨタ式の根幹をなす時間術にスポットライトを当てたものです。
・時間の単位を変える(3日ではなく、72時間と考える)
・10年単位で人を育てる
1分1秒を惜しみながら、一方で時間を使うべきところには惜しみなく使う。それがトヨタ式なのです。言い換えれば、「長期の時間軸」と「短期の時間軸」の2つの軸の中で、自分にとっての最も良質な時間を見つけていくことです。
また、欧米企業は買収や合併によって「時間をお金で買う」やり方を好みますが、トヨタはコツコツと「知恵を出して時間の質を高める」姿勢が、本書から窺えます。
本書にたびたび出てくる、過去のトヨタの役員・社員の言葉も感銘を受けるものが多かったです。
【my pick-up】
◎時間よりも動作を見直せ
時間を問題にするなら、まず動作を徹底的に分析してみよ、時間のムダをつくり出している動作のムダに着目しろ。「時間なんかどうでもいい、動作を直せば時間は自ずと短くなる」時間のムダを省くにはストップウォッチを見るのではなく、動作を見ろ。少しでも楽に働けるように、知恵を出すことです。
◎やるか、やらないかの議論をくり返すな
いけないのは、「変える、変えない」という不毛な議論にムダな時間を使うことです。さらにダメなのは、自分では何もしないで、「やらない言い訳」ばかりを上手にすることです。そんな人は何もなし得ないというのが、トヨタ式の考え方なのです。
◎答えは部下に見つけさせる
いい上司は魅力的な切り口を提示し、「どう思う?」と部下のアイデアを待ちます。部下が自分で答えを出すのを辛抱強く助けます。指導する場合、少し我慢して、「あなたはどう思うのか」ということを持ってこさせる。
◎「まだ早い」うちに始めて「もう遅い」を防げ-改革は余裕のある時にする
「合理化というのは、景気のよい時、あるいは儲かっておるときにやるべきである」不況や赤字になってからでは、クビ切り以外に合理化の手がなくなってしまいます。