厳選!ビジネス書 今年の200冊

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2022年80冊目『自分の意見で生きていこう』は、正解のない問題を徹底的に考えて、自分の意見を明確にする

2022-01-30 15:17:31 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

この本では、「自分の意見を明確にする」ことの意義と、具体的な練習方法をお伝えします。

 

正解のある問題→調べるもの

正解のない問題→考えるもの

 

上記とは逆に、正解のある問題を考えようとし、正解のない問題を調べようとしていないでしょうか?

 

どこに就職するか、どんな働き方をするか、どんなスタイルで暮らしていくかなど、人生を左右するような問題にはいずれも正解がありません。

 

「正解のない問題」について自分の意見が明確にできなければ、自分オリジナルな人生を作っていくことができません。どこに住み、誰と何をなにをして暮らし、なにに時間とお金とエネルギーを注いでいくのか。ひとりひとりの人生は、そういった正解のない問題への答え(選択)によって形成されていくのですね。

 

「自分自身が感じる自分だけの幸福」を確実に上げるための、自分の意見をもつ必要性とスキルを身につけましょう。

 

【my pick-up】

◎「絶対」と言えるまで考え尽くそう!

私もよく「絶対こう思う」という言い方をしますが、それは「自分の意見は絶対に正しい唯一の正解だ!」と言っているわけではありません。単に「私はしっかりと考え尽くした。したがって、自分の意見がこういう意見であることに絶対にブレはない!」と言いたいだけです。

ところが、自分の意見を断言できるレベルまで考え尽くした経験のない人は、すぐに「絶対などありえない」などと言いだします。こういう人はおそらく「絶対にこれこそが自分の意見だ!」と確信がもてるまで、なにかについて考え尽くした経験がないのでしょう。このため「絶対」という単語を聞いたとき、「100%正しく例外がない」という解釈しか思いつかないのです。

◎「意見の束」が人格を創る

必要なのは「さまざまなコトに関して、自分の意見を表明すること」です。なにかひとつのトピックについて意見を言えば十分ということはなく、継続的に、さまざまなことについて意見を表明する必要があります。多くのことについて意見を明らかにすればするほど、「他の誰とも違う〇〇さん」として認知されるようになります。

他者と意見が異なることを怖れ、常に周囲と同じ意見を言っていたら、いつまでたっても「その他大勢のひとり」としてしか認知されません。「他者と意見が異なることが怖い」のに、「その他大勢のひとりではなく、私という個人を承認してほしい」と考えるのは矛盾していますよね。

ただ素直に、自分の「こう思う」を、言葉にすればいいだけです。

◎仲間に求められるのは作業ではなく「意見」

本当に「常に他の人と意見が同じ」なのであれば、そのコミュニティにとって、その人が存在する価値はありません。常に「みんなと同じ意見です」としか言わない人がいたら、その人の貢献度はゼロです。

「自分の意見を表明し、議論する」プロセスに貢献できない人は、仲間ではなく、作業担当者に過ぎないのです。

◎オペレーションからイノベーションへ

イノベーションに必要なのは、周りのすべての人から「あいつはバカだ、そんなの無理に決まっている」と言われても自分の意見を変えない、強い意見をもつ人です。何人もいるのに似たような意見しか出てこない、という同質的な組織の弱さが自覚され、「みんなと同じ」であることが求められる時代から、他者と異なる意見をもつことこそ価値の源泉であると認識される時代に変わってきたのです。

◎すべての意見は偏っている

「転職したほうがいい人もいるし、そうでない人もいる」

「大企業が合っている人もいるし、合っていない人もいる」

「不登校が問題かと問われても、一概に問題とは言えない」

これらはすべて「中立的な意見」などではなく、ポジションをとりたくないから=考えるのが面倒だから、考えずに言えるあたりまえの情報を引っ張り出しているだけです。

世の中には「おまえの意見は偏っている!」などとワケのわからないことを言う人がいます。意見は常に偏っています。中立信仰に惑わされず、しっかりと自分の意見を表明しましょう!

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2022年79冊目『叱らない、ほめない、命じない。』は、リーダーと部下は対等であることを前提に関係を構築する

2022-01-30 15:00:58 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本では、「リーダーと部下は対等である」ことを前提に、リーダーは次の3つの原則を守らなくてはならないと主張します。

 

・部下を叱ってはいけない

・部下をほめてはいけない

・部下に命令してはいけない

 

では実際に、部下とどう接すればいいのか?

仕事の時間の苦痛から逃れようとして、家庭や恋愛に幸せを求めたとしても、本来的な意味での幸せではありえません。

今、取り組んでいる仕事が、どんなに困難なものであっても、そこに貢献感を持てるなら、幸せになれるはずです。

貢献感を持たせる言葉かけの一つが「ありがとう」です。

 

対等な対人関係がリーダーと部下との関係を含め、あらゆる関係が良好であるために必須の条件であることは、アドラー心理学の考えに基づいています。

 

【my pick-up】

◎叱るのは間違いだ

そもそも怒ることと叱ることを区別することはできません。「怒っているわけではない。叱っているだけだ」という人がいますが、人間はそんなに器用ではありません。叱っているときには、必ず怒りの感情が伴っていると考えて間違いないでしょう。わたしは叱ることは必要でないと考えています。改善を求めなければならないことがあれば、言葉で伝えればいいのです。

◎ほめることの問題点

ほめることの問題点は二つあります。一つには、ほめられるために頑張ろうとする人が出てくることです。ほめてくれる人がいないかぎり、自分の判断で動くことがなくなると、子育ての場面でも、職場でも、困ったことになります。もう一つの問題は、ほめるというのは、縦の関係性です。上の立場の人が、下の立場の人に下す評価の言葉がほめ言葉です。叱るのもほめるのも上下の関係ですから、そのような関係を構築するのは好ましいとは思えません。

◎リモートワークの環境には空気がない。仕事以外のことはもうあまり考えなくていい

リーダーシップという観点から考えると、オンラインでは、その場の空気で威圧したりできない。ちゃんとした言葉のコミュニケーションで、意見をくみとれる。会議アプリというのは、まさに「言葉で話す」ためにつくられた道具ですから。そこで真のリーダーシップが問われやすくなりますし、これを契機に、そういう状況にしていかなければなりません。

仕事というのは、やっぱり対面して、そのなかで生まれる「対人関係」こそ重要だと思っている人にとっては、リモートワークはとても物足りなく感じられるでしょう。しかし、「仕事そのもの」だけを考えたとき、ムダな時間を全部、取っ払って捨てられるというのは、悪いことではないと思います。

◎職場の飲み会を「断る勇気」

「あの人は確かに人付き合いが悪いけど、仕事はできるな」と思われるように、仕事に精を出すしかないでしょう。本当はみんな、そういう生き方に憧れているのです。つまらない人との付き合いは避けて、仕事に精を出すという生き方に憧れる人は確実にいるはずなので、そういう人たちと連帯しているという意識が大事だと思います。

◎その「ありがとう」に下心はないか?

社長が「ありがとう」というようになっても、そこに何か、自分たちを操作、支配しようとする意図があれば、若い人は特に、すぐ気づきます。だから、「叱る/ほめる」をやめて、貢献に着目して「ありがとう」ということが浸透すると、今度は、部下から「社長のその感謝の言葉は、うれしくないのだ」という声が上がるかもしれません。逆にいえば、そういうことをいえるような関係を築けることが大事です。そういう意味で、偉そうにしていない、なんでもいえるリーダーだと、みんなに思ってもらう努力は要るのです。それがきっと、「嫌われない勇気」というか、嫌われない努力なのでしょう。

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2022年78冊目『脳を最大限に活かす究極の運動法』は、世界的ベストセラー『脳を鍛えるには運動しかない!』の実践編と言える1冊

2022-01-23 14:59:43 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

「運動は脳によい」というのは、広く知られるところです。

しかし、具体的にどの運動を、どのようにやれば、脳の働きに効果的かまでは、あまり詳しく知られていないのではないでしょうか。

 

またかつては、「脳の働き=記憶(そして認知症の予防)」という狭いものでしたが、脳という複雑な臓器がもたらす多彩な働きへと注目が広がり、「集中力」「俯瞰力」「疲労回復」など、さらなる脳機能と運動との関係が、この10年で分かってきています。

 

この本の目的は、次の3つです。

1.脳のさまざまな働きについての具体的な運動方法を提示する。

2.年齢問わず、仕事や日常といった普段の生活で、脳を最大限に活かす運動方法をお伝えする。

3.過去10年の知見を客観的にアップデートし、最新情報をお伝えする。

 

145ページに、現時点で脳に最もいいと言える運動があげられています。

1.1回あたり30分前後を目指す

2.中等度以上(女性は軽度でも)

3.週2回を目指す(週1回なら45分を目指す)

4.4週間以上を継続する

5.鍛えたい脳の働きによっては短い運動でもいい

 

『脳を鍛えるには運動しかない!』という世界的にベストセラーになった書籍がありますが、本書はその実践編と言えるのではないでしょうか。

腕や脚の動きを司っているのは「脳」です。もし皆さんがスポーツで結果を出せていない場合、その要因は「メンタル」の弱さではなく、「脳」の問題かもしれません。

フィジカルトレーニングは実のところ脳を鍛えており、仕事のパフォーマンスアップにも大いに役立つでしょう。

 

ストーリー仕立てになっていますので、脳科学とかに抵抗のある方も読みやすいと思います。

 

【my pick-up】

・やる気って〝待つ〟ものじゃなくて、自分で身体を動かして〝つくる〟もの。(P.36)

・ごく簡単な運動をするだけでも、集中力に関わる脳の部位が活性化する。(P.62)

・脳の「粘り強さ」に関わっているのが、前帯状皮質という部位だとわかっている。(P.80)

・適度な運動は活性酸素を減らすことがわかっている。(P.97)

・「脳疲労」の原因として注目されているのがアデノシン。寝不足はアデノシンを増やす。(P.101)

・MIITは、有酸素運動と筋トレをミックスしながら、運動強度を中等度(60-70%)にする。(P.130)

・人の心の痛みがわかるってことは、ミラーニューロンが関係していて、運動はそこを鍛える。(P.156)

・長期的に運動を継続すると「安定した心」が手に入る。落ち込んだ気分を改善する効果については、お薬やカウンセリングにも負けない。(P.181)

・「身体を動かそう」という意志を持つよりも前に、もはや脳は動いている。(P.208)

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2022年77冊目『たった1人からはじめるイノベーション入門』は、自律社会へと今後移り変わる中で、概念化・巻き込みができる人材が求められる

2022-01-23 14:46:40 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本では、イノベーションを実現させるための考え方と方法についてお話します。

 

著者はオムロンで現在、新規事業の立ち上げや生まれてきたアイデアに対する事業化の検証といった仕事をしている方です。

 

精神的な豊かさを求めた最適化社会は、2025年頃から新たな時代「自律社会」へと移り変わります。自分らしさの発揮と他者との協調が両立する成熟社会です。ビジネス的に言い換えるなら「1人ずつの価値観に合った商品やサービスが生まれる時代」とも言えるでしょう。(P.22)

 

「起」0から1を仕掛ける人材(発想)

「承」1をn倍化する構造をデザインする人材(概念化・巻き込み)

「転」1をn倍化する過程で目標指標を策定し効率化かつリスクを最小化する人材(分析・貫徹)

「結」最後に仕組みをきっちりオペレーションする人材(観察)

私はいま一番足りないのは「承」の人材だと思っています。(P.140)

 

タイトルのとおり、信念を持ってやり続けるという意味では、イノベーションとはたった1人から始まると言ってもいいでしょう。

ただし、1人ではイノベーションは成し得ません。多くの人の協力や応援があって、はじめて実現することです。本書は、そんな協力や応援を得る方法についても触れています。

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2022年76冊目『経営のこころ 会社を伸ばすリーダーシップ』は、投資家よりも従業員を大事にするなど、稲盛和夫さんの経営リーダーとしての信念が窺える

2022-01-23 14:31:51 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

稲盛和夫さんの講演・講話から、特に「経営者のリーダーシップ」に関するものを厳選。

 

混迷の渦中にあり、いまだ展望がひらけない今だからこそ、原点に立ち返り、根本的な原理原則を確認することが大切であると改めて認識しました。

その原理原則とは何か、下記のpick-upをはじめ、本書で繰り返し述べられています。

 

経営における稲盛和夫さんの信念が込められた1冊。経営者・経営幹部層向けの「経営リーダー読本」として常に傍に置いてはいかがでしょうか。

 

【my pick-up】

◎自らの哲学、理念を高め続ける

私は若い社員に「状況はよく分かった。分かったけれども、君はどうしたいんだ」と聞きます。状況分析も推理、推論も結構ですが、それよりも自分の魂を揺り起こし、自分の魂がどうありたいと思っているのかをまず聞きなさいということです。

◎人の心理をよく理解し、人を動かす

私は「経営とは、経営者が持っているこうしたいという意志だ」と言っています。要はやる気です。「俺はこうしたい」という経営者の意志なのです。

やはりトップ・ダウンです。トップが「今年は倍やりましょう」と出していかなければしょうがないのです。根回しをして、その目標値が下から上がってきたように見せなければなりません。それが、「上の意志を下の意志にすり替える」ということです。

◎叱り、叱られる、素晴らしい人間関係

厳しく叱るのはかわいそうだという気持ちが、どうしても先行するのです。しかしそれは、お互いに欠陥があり、お互いが不十分だからと、欠点を認め合い、傷をなめ合って事を進めていく生き方です。自分が厳しい生き方をできないものだから、なあなあで部下を許していくのです。厳しく叱り、厳しく接していくには、自分自身にも厳しくなければなりません。

◎不況に備える

不況になれば従業員たちが動揺します。そのとき私は言いました。

「2年や3年、売上がゼロになったとしても、全従業員を食べさせていけるだけの内部留保がある。だから心配は要らない。みんな落ち着いて頑張ろう」

京セラの今の若い社長も、アメリカやヨーロッパで投資説明会をすれば、必ず「京セラは自己資本比率があまりにも高く、ROEが低い。こんなにお金を貯め込んでどうするのですか。投資をしたり、いろいろなことに使うべきです。それが我々投資家の要望だ」と言われます。そんなことを言われたと私に話すので、そのたびに「何を言っている。投資家の言う通りになどしなくていい」と言っています。「ダメだという烙印を押されても結構です。我々は従業員を含めた会社を守っていかなければならないのであって、それを評価しないのならそれで結構です。と言いなさい」と、当社の社長には言っているわけです。

「せめて10%くらいの売上利益率を出さなければならない」と言っているのは、そういう意味なのです。

◎全員で一緒に結果をつくる

アメーバ経営では、「赤字になった」「黒字になった」と結果に一喜一憂するのではなく、「赤字になるのも黒字になるのも、自分たちの努力次第だ」と考え、全員が一緒に結果をつくっていくのです。

経営状態がどうなっているのかを分かっていなければ、経営に参画することはできません。つまり、採算表を見せて、売上はここに上がり、電気代や水道代はここに上がるのだと、すべてをみんなに教え、「我々の部門の採算は今こうなっています」という情報を全員が共有しなければ、全員参加の経営は不可能です。

ムダな電気が点いていたら、現場の人がスイッチを切る。蛇口から水が流れっぱなしになっていたら、パートさんが飛んでいって蛇口を閉める。それが当たり前でなければならない。そのためには職場の全員で採算表の作成にあたり、みんなが等しく経営者意識を持っていなければならないのです。

◎具体的な目標を明確に設定する

目標設定というのは、あれもしたい、これもしたいというたくさんの目標ではありません。ただ一つだけです。目標がたくさんあると、自分の精神、心も分散し、決して集中が起こりません。

こうもありたい、ああもなりたいとバラバラに考えるのではなく、自分の人生はこうありたいと。それも漠然とした遠い未来の目標ではありません。何年後までにこういうことをやりたいという具体的な期間を定めた目標を立てるわけです。

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