厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2021年115冊目『部下を育ててはいけない』は、圧倒的な成果を出すための真っ当なマネジメント論

2021-04-30 14:35:43 | おすすめビジネス書

amazonへのリンクはこちら

評価 (3点/5点満点)

この本では、「一目置かれるリーダー」になるための上司力改革25か条について、リクルートやライブドア、LINE、ZOZOなどを歴任してきた田端信太郎さんが熱く語ります。

 

価値観も考え方も違う中で、部下全員が等しく「育つ」なんてことはありえない。あなた自身がいくら手塩にかけて育てたところで、一向にパフォーマンスを発揮できない部下が生まれてくるというのは、残念ながら、いかなる組織であっても逃れることができない「宿命」である。

チームの成果を最大化せねばならない以上、「育て甲斐のない部下」の育成にかける時間などはない。リターンがありそうな見込みのある部下と、見込みのない部下を「選別」し、ダメな部下は組織内でほかの良い人材へと取り替えるべき。「育てる能力がなかった」わけではなく、あなたのチームに「合わなかった」だけのことである。

上司には敬意を払うが、服従はしない。部下を人として尊重はするが、「成果を上げる」うえで邪魔になる場合は時に非情になることもある。(まえがきより)

 

本書を読み始めた最初は結構、過激な内容だなぁと思いつつ、読み進めると意外と真っ当なマネジメント論という印象。

今の時代、上司に求められているのは「圧倒的な成果」であり、「部下を育てる」ことや「良き上司である」ことは本質ではないということはよく理解できます。

そういう意味で、従来の上司のあり方の延長線上にある〝上司とは〟〝マネジメントとは〟という本や情報とは少し異なっています。

 

【my pick-up】

◎部下を取り替える-部下全員が育つわけがない

指示待ち社員を「自分で考えて動ける」ようにするまで指導する労力を考えたら、そんなことに貴重な時間を使うよりも選別して、できればさっさと出ていってもらって、リーダーがいちいち指示を出さなくとも自分で考えて動くことのできる人間を採用しなおした方がはるかにいいのではないだろうか。「指示待ち部下」を「自分で考えて動く部下」にするというのは、それくらい難しい。そこに時間を割くくらいなら、指示待ち型人間でもやっていける部署に異動してもらう。

◎部下に決裁印を預ける-すべての書類に目を通してはいけない

いつもノールックで捺しまくっていた稟議決裁について、部下に突然細かい質問をしてみたりする。すると部下には「あの上司は全然見ていないようで、実はよく見ている」と思われることができるのだ。求められているのはスピードであり、どれだけ丁寧にすべての資料に目を通したか否かではない。だからこそ、上司は書類を見ることに時間をかけ過ぎることなく、誤解を恐れず言えば、時に部下に決裁を任せるくらいの気概を持つべきだ。

◎正々堂々と経費を使う-使った経費よりどれだけ稼げるかが勝負

それなりの役職についているビジネスパーソンに多く見られる現象は、高いホテルに泊まることや高い飛行機に乗ることを「役得」と勘違いしていることだ。実際にはこうした権利を与えられた人には高いパフォーマンスを発揮する義務がある、ということを見落としている。逆に言えば、ビジネスクラスに乗り、良いホテルに泊まってでも、自分自身の心身と頭脳を健全に保ち、会社の利益を最大化するために判断し続けられるようにすることは、ビジネスマネージャーの義務なのである。

◎ケンカ上手になる-リーダーの真価は「かまし」にひるまない力

営業は、「あなたに買わない自由があるのと同様、こちらにも売らない自由がある」ということを、しっかりと自覚する必要がある。そして、もしリーダーであるならば、部下にも「君たちには売らない自由もある!」を明確に伝えるべきだ。お客さまはお金を払って品物やサービスを買う立場だが、それはその品物やサービスを欲しいと思うから買っているのである。であれば、売る側も一方的にペコペコする必要はない。自分には「売らない」選択肢もあり、相手の言い分や言い値に納得がいかなければ、売らずに帰ってくればいい。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2021年114冊目『生き方革命』は、ゲームメイカーの堀江・橋下氏が提唱する〝個の時代・流動化時代の自由やチャンスのつかみ方〟

2021-04-30 14:17:33 | おすすめビジネス書

amazonへのリンクはこちら

評価 (3点/5点満点)

橋下徹さんと堀江貴文さんがタッグを組んだ1冊。

全体的に執筆を分担されていますが、対談や、やり取りはそれなりに行われているようです。

 

「はじめに」は堀江さん

自分の好きなようにフィールドを作れるのだから、どんな才能が優れているのかなんて自分で決めればいい。自分の好きなゲームを作って、好きなようにプレイすればいい。それがいまの時代、いまの日本だ。

そんなゲームプレイヤー、ゲームメイカーである橋下氏と、いまの日本の攻略に挑んだのが本書だ。

 

「おわりに」は橋下さん

対談を通してわかったのは、彼(堀江さん)は「夢中になって遊んでいる」ということだった。

本書は人生100年時代を前提としているが、僕は51歳で完全燃焼感を抱いてしまった。いまは子どもたちの成長とその人生の歩みを傍観するのに夢中だ。

ニューメディアにおいては、頼れるものは個人の力のみで、個人の力のみが評価されるという厳しい世界だ。人生100年時代は個人の力が問われる時代であると僕は本書で力説しているが、堀江氏はまさにそれを実践している。

 

イノベーター2人が提唱する〝個の時代・流動化時代の自由やチャンスのつかみ方〟です。

 

【my pick-up】

◎「非同期型労働」で時間効率を飛躍的に上げよう(堀江貴文)

非同期型コミュニケーションを中心にし、やり取りはきちんとテキストとして残るようにする。口頭や電話でのやり取りは最低限に抑える。こうすることで時間効率は格段に向上する。これまで8時間かけてやっていた仕事は、5~6時間程度でこなせるようになる。時間単価は上がるし、空いた時間を休息や別の仕事に充てることだってできる。テレワークに移行できないと言っている企業の人間は、こういうことがわかっているのだろうか。テレワークの本質とは、Zoomのようなオンライン会議ツールを使うことではない。記録を残すこと、コミュニケーションを非同期型にすることが本質だ。

◎対面主義から脱却せよ(橋下徹)

テレワークに移行できない企業や組織は、対面至上主義に毒されている。チームで仕事をこなしていたつもりが、たんにお互い顔を見て安心していただけなのではないか。いわば、チームワークごっこだ。もし、きちんとチームで仕事をするつもりなら、部下に対して明確な指示を出す必要があるし、進捗状況を管理する必要も出てくるだろう。それができているのであれば、上司と部下がずっと同じ空間にいる必要などない。テレワークだと部下の管理ができないという人たちは、これまできちんとしたチームワークでの仕事をしてこなかったのかもしれない。

◎近い将来、あなたのやっている仕事はなくなる(堀江貴文)

あらゆる仕事において必要な人の数は激減する。特にホワイトカラーは、管理職もひっくるめて10分の1でいいということだ。いまの企業には何をやっているのかよくわからない業務をしている人たちがいっぱいいる。コロナ禍でテレワークに移行できた人は、そのことを実感したはずだ。毎日会社に通勤し、自分の机でパソコンを開いていると、何かをやっているような気になる。同僚と世間話をして、上司に命じられた雑用をこなし、パソコンで適当なエクセルファイルでも開き、領収書の精算でもしていれば、1日はそれで過ぎていくし、誰も怪しまない。仕事をしているフリをして周りを欺いているのではない。本人も一生懸命仕事をしているつもりだったりするから、タチが悪い。テレワークはそんな欺瞞を引き剥がしてしまう。オンライン会議やチャットでは、プロジェクトに貢献していない人がまるわかりで、そういう人は次第に会議やチャットのスレッドには呼ばれなくなっていく。

◎一芸に秀でるなんて簡単だ(堀江貴文)

一芸に秀でることなんて、そんなに大したことではない。プログラミングや経営など、人よりうまくできることを僕はいくつも持っている。だからといって、僕に特殊な能力があるわけではない。たんに、人の100倍努力しているだけだ。僕はそのとき自分がやりたいと思ったこと以外は、何もかもそぎ落とす。家族もいないから、家族サービスに時間を取られることもない。楽しいことは人によって違うのだから、家族サービスに夢中ならその時間を満喫すべきだ。僕はホテル暮らしだから、掃除、洗濯、自炊といった家事もする必要がない。自分の時間を、自分のやりたいことだけにつぎ込み、それ以外のことは一切しない。そうやって集中すれば、どんなことでもあっという間に上達する。仕事が忙しくてやりたいことをする時間がないというなら、仕事を辞めるか、転職すればいい。時間を作るための方法は、いくらでもある。それでも時間がないとこぼす人がいるかもしれない。そんなのはただの言い訳だ。

◎ひたすら情報を浴びよう。計り知れないメリットがある(堀江貴文)

すぐに行動できるかどうかも、つまるところは情報量の差だ。情報を普段から取り入れている人は、物事の判断が速い。解決しなければならない問題であっても、「これとあれを組み合わせればできそうだな」「似たようなニュースを見た記憶がある」という感覚が持てる。この感覚を基に、すぐに動き出すことができる。情報を取り入れる習慣がない人はこれができない。何から手をつけていいかわからず、どうしよう、どうしようと悩んでいるだけで時間が過ぎていく。「やる気」や「行動力」などという曖昧な概念はどうでもいい。行動するために必要なのは情報を取り入れることだけだ。

◎大学には行くべきか?(橋下徹)

大学、特に文系の意義は何か?僕は専門知識を習得するというより、受験勉強を通じて事務処理能力を高めることにつながるのではないかと思っている。すべてだとは言わないが、僕の個人的経験では、高学歴の人はそれなりに事務処理能力が高い。会議の内容を要領よくまとめて、文書を作成する。プロジェクトを遂行するためには何が必要かを考えて、計画どおりに実行する。連絡網を作り、コミュニケーションが円滑に進むようにする。予算管理を適切に行う。こうした事務処理能力は、一見すると地味だが、組織運営には欠かせない貴重な能力だ。受験勉強に長けているというのは、要領が良いということだ。試験に出そうなところを大まかに予測して、集中的に覚える。覚え方にもコツがある。大きな流れをつかんで細かなことに進む。共通性をつかんで差異に注視する、など。日本の大学において文系分野を学ぶ意義も、大学の単位を取ることで事務処理能力を高めることにあると言っても過言ではない。司法試験も同じだ。事務処理能力とは知識を得ることではなく、効率よく勉強する能力のことである。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2021年113冊目『新「ビジネス書」のトリセツ』は、自分で本を書く段階までを展望する

2021-04-25 15:30:46 | おすすめビジネス書

amazonへのリンクはこちら

評価 (3点/5点満点)

この本では、2009年に発売された『「ビジネス書」のトリセツ』を底本にしながら、新たに「本を読んで書く方法」などが追加されています。

著者の水野俊哉さんが、年間で読む書籍は延べ1000冊超。前作に引き続き、水野さんの読書経験や執筆、出版プロデュースから生み出された読書の流儀について、詳しく解説してあります。

 

実際に僕自身、あるきっかけでビジネス書を多読する習慣ができてからは、人間関係・時間・お金・健康をきちんと管理できるようになり、あれほど自堕落で放埒な生活を送っていたのが嘘のように、早朝から仕事をし、ムダ遣いもしなくなり、適度な運動を欠かさず、人間関係も劇的に良くなった。(はじめにより)

 

本を読んで本を書いて、セミナーや講演でしゃべり、塾やコンサルティングで教える。初めて本を出してからの7年間でやってきたことは、これだけだ。そしていつもビジネス書を読んできた。この本は自分を変えたい人のための本であり、自分を成長させたい人のための書だ。(おわりにより)

 

私は、前作の『「ビジネス書」のトリセツ』も読んでいますが、今作のP.236~237にある「ビジネス書マトリックス」を改めて思い出し、まだ読んでいないビジネス書をピックアップしていこうと思います。

 

ビジネス書には仕事や人生のあらゆるシチュエーションで役に立つ知識が書いてあるという点は、私もまったく同感です。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2021年112冊目『決算書から「経営の打ち手」がわかる本』は、既存の決算書の簡単な作り変えで、社長が未来を展望するヒントが見つかる

2021-04-25 15:19:15 | おすすめビジネス書

amazonへのリンクはこちら

評価 (3点/5点満点)

この本で紹介されているのは、「過去」の数字を記録するための会計ではなく、会計の「未来」に目を向ける「未来デザイン決算書」です。

コロナショックで当たり前が当たり前でなくなった今、「どんな時代でも目指すべき会社の数字の1つのモデル」として、オリエンタルランドを取り上げ、「エピローグ」に最新のオリエンタルランドの決算書に基づく経営会議が再現されています。

また、「経営力」をチェックするための選りすぐりの「分析比率」も掲載されています。

 

将来の夢をかなえる「未来に目を向けた会計」

 

決算書は、たしかに「過去」に関する情報です。しかし、本書を読むと、社長が「未来」をデザインするためのヒントが決算書にたくさん詰まっていることが分かります。

 

【my pick-up】

◎社長自身が「月次決算をもとに会議を行うことの意義」を強く感じる必要がある

H社では、これまでも経理担当者は真面目に仕事に取り組んでいました。ところが、ただ1つ決定的な手落ちがありました。それは、月次の決算書をつくったらつくりっぱなしで、社長に対して「月次決算が締まりました。今月の売上は~、利益は~、お金は~、前月と比べて~、前年と比べて~」などの報告ができていなかったのです。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2021年111冊目『できる人の考え方のルール』は、自分の思考を理解し、正しい思考を妨害しているバリアを取り除く方法を伝授

2021-04-25 15:03:03 | おすすめビジネス書

amazonへのリンクはこちら

評価 (3点/5点満点)

2002年イギリスで発売以来、世界50以上の言語に翻訳され、英語版は170万部を超えたリチャード・テンプラーのRULESシリーズの最新刊です。(原著は2019年刊行)

思考に対する考え方や心構えを述べたもので、テクニック本ではなく、自分の思考を理解し、自分の思考を向上させる方法を伝授します。

 

・思考で大切なのは、自分の思考プロセスに自覚的になること。

・大切なのは、正しい思考を妨害しているバリアを取り除く方法。私利私欲や勝手な思い込みに惑わされることがなくなれば、正しく思考をするのはずっと簡単になる。

 

賢い思考法を身につければ、より幸せになり、立ち直る力も強くなります。それでけでなく、仕事の生産性や意思決定の能力を向上させることもできます。

 

【my pick-up】

◎逆の視点から考える

他人から無礼な態度をとられたときは、すぐに結論を出してはいけない。つねに他の可能性も吟味する。無礼に見える態度には何か理由があったのかもしれない。疑いようのない確かな証拠がないなら、相手が無礼だと思ったりするのは間違っている。そうでない可能性も十分にあるのだから、そうでないと思っていたほうがずっと幸せになれるではないか。

◎他人の目を気にしない

クリエイティブな思考力が最も高いのは、他人の目を気にしないタイプの人だ。社会が健全に進歩するには、大多数の従順派と、少数の常識に逆らう発明家が必要だ。何かの一員になること、何かに属していることには、それほどの満足感も喜びも覚えない。クリエイティブな思考のスキルを本気で磨きたいのなら、集団に受け入れられないことを覚悟しなければならない。意識して図太くなる必要がある。

◎本当に問題があるのか確認する

考えられる結果がひとつしかないのなら、問題解決の思考スキルを使う状況ではないと認識しなければならない。これはむしろ、立ち直る力、正直さ、自分を知ること、そしてほぼ間違いなくガッツが必要な状況だ。現実から目を背けてはいけない。

◎妥協できるようになる

正しい意思決定のプロセスで、妥協は大きな位置を占めている。まず必要な妥協点を見つけ、自分がどこまで妥協できるのかを決め、そしてどの分野で妥協するかを決める。あるいは、各分野でバランスをとるという方法もあるだろう。こちらで大きく妥協するので、あちらでは小さな妥協にする、というように。そして最終的な決断をする前に、自分の譲れない条件も知っておく必要がある。自分の最低ラインはどこか?あるいは妥協点それぞれの最低ラインはどこか?自分の決断に満足したいなら、これだけは絶対に譲れないというラインがあるはずだ。すべてに納得できる答えが出てから、最終的な決断を下すようにしよう。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする