評価 (4点/5点満点)
これまで雑に語られてきた「相談」というものを、細かく分かりやすく方法論に落とし込んでいます。
<相談の4つのメリット>
・「思い込み」にツッコミをもらうことができ、思い込みを外すことができる。
・ネクストアクションが見つかり、行き詰った状況を打破できる。
・やりたいことに共感してくれる「応援し合える仲間」が増える。
・やりたいことや事業の「解像度」が上がる。
<相談すべき3つのタイミング>
・物事が行き詰まらないようにするための「予防相談」
・物事が行き詰ってからする「対処相談」
・偶然を活かす「種まき相談」
<4つの相談相手>
・気軽に相談できる人:見立て段階で相談する人
・専門性が高い人:仮説段階で相談する「実践知が豊富な人」と「見識が広い人」
・多面的に見てくれる人:計画段階で相談する視野の広い人
・相談のための相談ができる人:思いに共感し、応援してくれる仲間
<相談時に何を伝えるかは「型」がある>
・見立ての段階では、臆することなく現状をありのまま伝えることが重要。
・仮説の段階では、「可能性と課題」「うまくいったこととうまくいかなかったこと」「事実9割・目的1割」を意識するとネクストアクションが見えてきやすい。
・計画の段階では、自分が描いたストーリーに違和感や抜けている視点がないかを知りたいと伝える。特に可能性とリスクについては必ず確認。
「一人で考えて行動する」から「みんなで考えて行動する」へ。
自分だけではなくて周りの人たちの視点や経験に基づく情報をいただいて、一緒に考えてもらうことで、ネクストアクションへとつながっていきます。
相談を続けることで、できることが増え、新たな挑戦へのハードルが下がることを実感できると思います。
【my pick-up】
◎1週間を振り返って何も行動できていなかったとき
1週間まったく行動できていなかったら、「何をやったらいいかわからなかった」という方が多く、対処相談のシグナルです。ネクストアクションが見えているときは、たいていの場合は何らかの行動を起こします。ネクストアクションが見えないときや曖昧なときは、確信が持てないために優先順位を下げてしまいがちです。優先順位を下げてしまうと、その課題に向き合うコミットメントが下がってしまいます。事業は、常に手足を動かし続けることが大切です。立ち止まった時間が長ければ長いほど、それまで蓄積してきた情報は陳腐化していくもの。検証したことも、考えたアイデアも、他のことに時間を使っているうちに忘れてしまいます。1週間何も行動できていないときは、ぜひ誰かに相談してみてください。相談するというのも、物事を前に動かすための立派なネクストアクションですから。
◎「うまくいかなかったこと」を相談の場で伝えることがとても大切
「自分をよく見せたい」「評価が下がるのが怖い」「バカにされたくない」などの思いからか、うまくいったことしか話さない人が意外と多いのも事実。こうした自分の「見栄」を気にしていると、相手に伝える情報が削ぎ落とされてしまい、ありのままの状態が見えづらくなります。結果、せっかく相談したのに思い込みから抜け出せず、ネクストアクションが見つからない、なんてことになりかねないのです。
相談される側も、さまざまな手段で行き詰まりを乗り越えてきたはず。だからこそ相談相手に伝えるべきなのは、「それをいかにして乗り越えようとしたか」「そのためにどのような行動をしたか」「自分だけで考えず、周りの人の知恵をどう活用したか」などといった、うまくいかないことが起こったときにどんな行動をしたかです。