都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。論文や講演も。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

新宗教を問う(島薗進):碩学の現世主義の救済宗教が第二のムラとの指摘、名著だ

2021-03-14 02:42:39 | 世情

 碩学の書は、滅多にない新宗教についての知見に富む。時代背景、発祥、発展、役割を多面的に、しかも平易で簡潔な文章でまとめている。知見は:

 

・新宗教は1920年代~60年代がピーク、現世中心の救済宗教

・法華=日蓮系の教団の発展は敗戦以前の時代の国家神道や神聖天皇崇敬のナショナリズムに協和、日蓮正宗( https://www.nichirenshoshu.or.jp/jpn/soka-j.html )→創価学会

・習合神道系:天理教、金光教、大本教→世界救世教(芸術を重んじる)

・修養道徳と企業:一燈園(山科)、ダスキン、京セラ、パナソニック(PHP)

・食養:マクロビオティック

・新宗教は都市化のなかでの新しい「第二のムラ」、平等と実力主義、世直しとこころなおし

・弾圧は軍国主義と天皇の国体に反する崇拝が原因、国柱会の八紘一宇は例外

・中世、近世の講が富士講や御嶽講などの修験道からの発祥も

・仏教の檀家制度に反感があり武士の儒教、明治政府の神道と天皇崇拝へ

・1980年代から新宗教の信者が減少

・新新宗教(70年以降)は、エホバの証人、幸福の科学、真如苑、阿含宗など

・カルトは教祖への服従、スピリチュアリティ、オウムは阿含宗の信者だった

 

 良く分かる、必読の書だ

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