再び飛鳥の中心地に戻って、歴史探訪の旅は続く。
黄金色に輝く稲田の端に建てられた石碑。
左奥の建物が聖徳太子誕生の橘寺。
橘寺の門前は、黄金と紅と翠が絶妙に彩なし一服の名画の如し。
一転北側に目を転ずれば休耕田が拡がり、その先にこじんまりとしたお寺が臨まれた。
7世紀、飛鳥寺、薬師寺、大安寺と共に、飛鳥四大寺に数えられた川原寺。
廻廊跡の礎石が残されている。
正式な寺名は「仏陀山 弘福寺」真言宗豊山派に属す。
明らかに加工跡が残されており、お寺でパワーストーンと称してアッピールしている。
創建時の大伽藍は建久2年(1191)焼失し、現在はこの本堂が再建された。
山門も質素な藥医門で、南に正対するように聖徳太子誕生の橘寺が位置する。
跡を継いだと思われる尼僧が、写経を中心に懸命にお寺を支えている。