行徳生活日記

「行徳雑学館」作者の日記。

2011年8月24日(水)の日記

2011年08月24日 | 日記

JR大阪駅の北口に大きなビルができ、駅を覆う大屋根もできたが、その北口ビルはデパートやファッションビルだけでなく新しくシネコンもできているというので、今日は朝から映画を見に行く。

これまで高架下の改札しかなかった大阪駅に、ホーム上の通路と改札ができていた。

改札を出て、北口の新しいビルへ。

北口側はほかにも新しい大きなビルが工事中だった。相当に大規模な再開発のようだ。

大阪駅北口の新しいビル11階まで上がると、大阪ステーションシティシネマというシネコンができている。両親はすでに「コクリコ坂」を見に来たと言っていた。どんどん年を取ってきているが、新しいシネコンに行ってみたりしてるのだから、まだまだ元気だ。

ネット予約しておいたので発券機でチケットを受け取る。タッチパネルは軽いタッチでは反応が鈍い。2回ぐらいやり直した。

見た映画はツリー・オブ・ライフ
一応、家族の相克がストーリーとしてあるが、哲学映画というか宗教映画という雰囲気の作品。もっとも、映画評をあらかじめ見て聞いていたことだが、どんな難解な映画か見るだけは見ておこうと思っていた。

ストーリーはあっても、ずっとイメージ映像が流れているような感じ。特に最初のほうに、宇宙の誕生、地球の誕生、生命の誕生、恐竜の時代が映し出される。まるで科学博物館で上映される教育映画を見ているような気分になった。部分的には、「2001年宇宙の旅」で未知の力に運ばれていくスペースポッドの窓から見える光景のようだったり、「ジュラシックパーク」みたいだったりするが。主人公や家族がそうした悠久の時間の中に存在するというのは、東洋の思想みたいで分からないでもない。

でも、唯一絶対の神に帰依して生きる母と、神から離れ世俗に生きる父が主人公にとって対立するようにいて、ラストがまたみんな一緒になるというのは、哲学でいう止揚のようなものだということかも知れないが、八百万の神様という宗教観がある日本人にはピンとこない内容だ。

映画を見終わって出てきたら、目の前が展望テラスだった。

三越伊勢丹が入っているが、どんな感じか見つつエスカレーターで降りて、南口側へ向かう。

阪神梅田駅脇に昔からある地下通路。

去年の夏休みにも来たが、細い通路のぶらり横丁にある串カツの七福神に今年も入る。

飲み物はまず生ビール。

串カツはまず盛合せの6本セットから。

そのあと、アラカルトで6本注文。ビールのあとは焼酎をロックで。まずは赤薩摩、次はさつま白波

次にまた5本注文して終わり。焼酎はむぎのかを飲んで締め。

地上に出て阪急百貨店のほうを見ると、ビルが建て変わっていて、超高層ビルもできていた。まだ、工事中の建物もあった。

ひとつ気になったのは阪急グランドビル。1977年(昭和52年)(自分が高校生だったころ)に完成した大阪初の超高層ビルで32階建て。今では大したことのない高さだが、日本初の超高層ビルだった東京の霞ヶ関ビル(1968年完成)も36階建てだから、1970年代は30階を超えていたら十分に超高層だった。

そのビルが上の写真を写した側から見えなかったから、解体でもされてしまったのかと思ったが、反対側に回るとちゃんとあった。隣にもっと高いビルが建ったので、もはや超高層という感じは全然しなくなった。

このビルは各階にビルをぐるっと一周するベランダを持つかのような設計となっている。これは、日本家屋の深い軒と同じ発想で、夏の高度が高い太陽からの強い日差しを遮り、冬は高度の低い太陽の日差しが入るようにして、冷房・暖房のエネルギーを節約するためと、完成当時、報じられていた。そのような設計になったのは、1973年(昭和48年)の第一次石油ショック後の、とにかくエネルギー節約という時代背景によるものだ。

アルコールが入っていい気分になったからか、阪急梅田駅から電車に乗ってしまう。

でも、神戸や京都、宝塚まで行くと、帰りが遅くなるので、京都方面へ少し乗ったところの淡路という駅で降りて、そこから地下鉄堺筋線に直通するほうへ乗り換える。そして、日本橋で降りる。

大阪の日本橋は「にっぽんばし」。

日本橋から千日前通りの地下を、2本の通路が平行して地下鉄四つ橋線難波駅まで延びる地下街-かつての虹の街地下街、今はなんばウォークを歩いて南海難波駅へ。

なんばウォークの日本橋側や、四つ橋線難波駅側には飲み屋が多い。立ち呑みの店もあるし、串カツ屋もある。難波付近で映画を見たら、そのあとはこういうところで昼呑みするのもいいだろう。

地下鉄御堂筋線のコンコースから南海難波駅への階段。

この地下鉄の階段広告、子供の頃から見ているから別にどうとも思わないが、関西以外から来た人は驚くらしい。

南海難波駅のショッピングゾーンのなんばCityをぶらぶら歩いて、南海電車で帰る。

なんばCityの本屋で見つけた「堺市Walker」を買って帰る。

別にこれを見て、今回の夏休み中に堺市内のどこかに行こうと思ったのではない。中をパラパラッと見てこの記事に驚いたから。堺の臨海工業地帯の工場夜景を取り上げた記事。

工場夜景を楽しむ人間が増えているというのは、全国的なものらしいが、自分が子供の頃にはとても考えられなかったことだ。自分が10代だった1970年代は、テレビや新聞で「公害」という文字を見ない日はないという頃。臨海工業地帯の工場などは悪のシンボルのように思えていたし、そんなところには空気が汚くて健康に悪いから、近づくべき場所ではないという風潮だった。30年の歳月で、時代がすっかり変わったようだ。