いよいよ始まった4号機の核燃料棒移動作業!
指示道りに、シャワー付きの狭い更衣室でシャツとズボン、そして、靴下を脱いで、代わりに緑色の検査衣を着て、スリッパをはいて前に進む!
ここが放射線管理区域であることを示す三つ葉マークがスリッパに描かれている!
頭には、シャワーキャップのようなもの被らされた!
「中央からつり下がっているのが検出器ですからね!」
「ぶつからないように注意して、そこに寝てください!」
背もたれに身を預け、天井に目をやると、カメラがこちらを向いているし、厚さ15センチもある鉄製の重い扉が、外側から徐々に閉まっていく。
中の明るさはそのままで、密閉された空間にひとり、取り残されてしまう。
内部被曝とは、体の内側から放射線を浴びることです。
放射性物質を鼻や口から吸い込んだり、汚染された飲食物を体内に取り込んだりすることで起きるのです。
どれだけ内部被曝したかを計測するのは難しいとされているが、比較的正確に測れるのがホールボディーカウンター(WBC)です。
国内には現在、100台余りのWBCがあります。
だが福島県民や、幼い子を持つ親たちの間で内部被曝への不安が広がっているにもかかわらず、検査を受けられた人は僅かです!
福島第一原発事故の初期に福島にいなかったら、内部被曝の量は非常に少ないはずですから、今回の原発事故のケースだと、汚染された食物からのリスクよりも、放射性物質が大量に飛び散ったとされる3月11日から最初の1週間ぐらいまでの間、口や鼻からの吸入によって内部被曝するリスクのほうが圧倒的に高かったはずです!
セシウム被爆と聞き驚く!
この検査は、時間をかけたほうが誤差が少ないといいます。
四方を頑丈な鉄で囲むのは、もともと自然界にある放射線をシャットアウトし、体内から放出される放射線を正確に測るためなのです。
円筒状に体に向かっているNaI(Tl)シンチレーションカウンタと呼ばれる検出器が、体内から放出される放射線を感知し、その信号をパソコン上の画面に送ります。
検査を受ける側は、その間、ただじっとしているだけなのです。
待つこと30分で、重たい扉がようやく開きました!
そして、いきなり、
「セシウムが、でました!」
これまで放射能の怖さについて見聞きはしていましたが、いざ自分らセシムウが、発見避けたとなるとおどろきです!
パソコン上に表示された、放射性物質が放出するγ線のエネルギーに従って体内汚染の量を示す棒グラフを示しながら、
「これがセシウム137、こっちが134です!」
「きれいにピークが出てるでしょう?」
「もうひとつのピークは、人間の体内にもともとあるカリウム40ですね!」
「ヨウ素131は検出されていません!」
セシウム137が1642ベクレル、
134が462ベクレル、
合わせて2104ベクレル。
これが体内に入っていた量なのだ!
よく牛肉などで「1キロあたり×ベクレルが検出された」と報じられるが、体重72キロの場合には、1キロあたりだと約29ベクレルという事に成る!
福島県滞在の通算滞在日数は35日ほどで、この数値です!
福島第一原発から、20キロ圏内の警戒区域には入っていなくてももこの数値なのですから、福島県民の被爆度が如何にひどいかが分かります!
この時点で、セシウムがこれだけ体内に入っているのですが、これがどれぐらいの内部被曝に当たるのかは、改めて計算しないとわかりません!
3月19日の1日だけで、全量を口や、鼻から吸入して、内部被曝したと仮定して、計算してみますと、たちまち放射性物質の量を示すベクレル値が、人体への影響を示すシーベルト値に換算されていきます。
そして、その結果が、合計72マイクロシーベルトでした!
外部被曝量のみを測れる線量計を首から下げていましたが、積算値は83マイクロシーベルトでした。これに内部被曝の72を足し合わせた155マイクロシーベルトが、この35日間の推定被曝量ということになります!
72マイクロシーベルトという値は、今後50年間にわたる影響を加味した数字ですから、50年分のリスクを今年1年で、先取りして数値化したことに成ります!
もっとも、WBCはγ線を出す放射性物質しか検出できないのに加え、半減期が短いヨウ素はすでに体内に残っていないため、正確に測れませんので、実際の被曝量は、これよりも多いはずです!
外部と内部の被曝を合わせて「年間1ミリシーベルト」という国の基準値までには余裕があります!
福島に住んでいない方にしては、若干多めです。
福島県産のモノをばくばく食べたりしなければ、なんとかなる数字です!
計画的避難区域で、採れた山菜の天ぷらや、牛乳を口にしなければ大丈夫です!
福島県民の方たちは、最悪です!
普段、福島に住んでいない者からもセシウムが検出されるということは、福島県民の被曝量はそれより多いということですから・・・・・・・・!
福島震災直後に原発周辺にいた人は多かれ少なかれ、内部被曝しています!
問題なのは被曝したかどうかでなく、取り込んだ量が多いか少ないかです!
福島警戒区域内で捜索活動をしている消防士ら、福島県関係者のWBC検査を重ねていますが、内部被曝の値は20キロ圏内で作業をする関係者でも記者とさほど変わらず、原発作業員を除けば、今のところ心配される結果は出ていないといいますが、これは嘘です!
現地では、マンションの壁からはラドンが放出され、木造住宅からは、放射性物質が発見されています!
また体内でほぼ全身に行き渡るセシウムなどと違い、ヨウ素はほとんど甲状腺に集まりますから、被曝する線量がそれだけ多くなり、がんの発生率も高まります!
前述のとおり、半減期が短いヨウ素はWBCで正確に測れない。今後、行政は特に子どもたちの甲状腺がんの検診に努める必要がある。
震災直後から10回以上福島入りしている人は、全員内部被曝しています!
福島県の親子たちが、内部被曝を心配する気持ちは良く解ります!
今さら内部被曝と言われても仕方ない!
福島県民の内部被曝検査は、ようやく始まったばかりだで、放射線医学総合研究所(千葉市)が浪江町、飯舘村、川俣町の住民を受け入れたが、その数わずか120人なのですから、お話に成りません!
現在、県では鳥取県から、WBCを搭載した車両を借りて南相馬市で稼働させ、日本原子力研究開発機構(茨城県)にも2800人分の検査を受け入れてもらったものの、県民からの検査の要望が、ものすごい数で、とてもさばききれない状態と県地域医療課は言います!
こうした態度には、現場から異論の声があがる。ある現役医師はこう憤る。
「希望が殺到すると面倒だからでしょうが、病院と医師は患者のためにあるものですから、恥ずべき行為です!」
WBC検査のほか、甲状腺に放射性物質が付着していないかチェックされたり、尿検査もあります!
しかし、現在は日本全国で検査をする必要があります!