アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

12月 堀部彌兵衛 

2007年12月26日 | 歌舞伎


国立大劇場   12/16(日)  晴れ

 それぞれの忠臣蔵   
 討つ者・討たれる者・見守る者、
 吉良邸討入の陰には、さまざまな人間ドラマがあった!
 

去年は10月から3ヶ月間
元禄忠臣蔵』で大盛り上がりだった国立大劇場!

今年は師走に、ドド~ンと3作品。
宇野信夫・河竹黙阿弥・秀山十種の内
ヒャッホ~♪

堀部彌兵衛(ほりべやへい) 
 作:宇野信夫
 監修:松 貫四(中村吉右衛門)

初演:S14(1939)年11月 東京劇場
初代吉右衛門へのあて書!
S18年、初代で再演。
S49年、白鸚で3回目
ジャガジャン!!
H19年、二代目吉右衛門で4回目

第一幕 高田馬場

オっ、いきなり決闘シーン。
と思ってる間に、舞台が半分まわってー
野次馬達の後方、松の木の下で、
癪を起こしてる妻(吉之丞)と、子供を気にしながらも、
決闘に心奪われてる御仁こそ…。
堀部彌兵衛(吉右衛門

果たし合いは、上手袖だから観客には見えない。
なんてぇ演出だ!ニクイねぇ♪

ダダダダ~~!!!
花道から登場するのが…彼でしょう、ね、ね。
助太刀に馳せ参じた、中山安兵衛(歌昇

来た~~!
なんてドラマチックな登場の仕方なんだ♪

彌兵衛がとっさに放り投げた、扱帯(しごき)ー。
安兵衛はそれを掛けてトツゲキ~!

これが世に言う”高田馬場の決闘”
ウキャ~!

第二幕 芝愛宕下青松寺の客間

去年息子を亡くした彌兵衛夫婦が墓参り。
キャ~♪
吉右衛門の隣にいるのは、妻・たね。
吉之丞どぅえ~す。
嗚呼、いいムードだなぁ♪

彌兵衛は恋わずらい!
あの高田馬場の名も知らぬ男に。
グフフ
「あの時、癪を起こさねば」
女房のせいにするったら…どんだけぇえ!

手掛かりは何も無し…
この広い江戸でどうやって再び会え…る…と…
いた!いたいた!
目の前にお茶を運んできた!きたきた!

安兵衛もあの時の襷を、
きちんとアイロン掛けして持っている。
ナイスな心根のヤツだよね。

「養子になってくれぇぇええ!!」
彌兵衛、絶叫~!!

第三幕 同(十日経過)

安兵衛は、首を縦に振ってくれないみたい。

彌兵衛夫婦の日参は十日目。
今日は、たねの担当。
「…このまま家に帰って、主に伝えます。
でも、私離縁されちゃうわ…」

安兵衛も観客も、ギョ!
「んなアホな」
笑い飛ばそうとする住職(由次郎)の声を遮って
「本当だ!」
出てきたのは彌兵衛。

「妻とは離別。私は浪人ー」
彌兵衛って、一本気なんだなぁ。
だからこそ、
赤穂浪士として最後までガンバレたんだろうなぁ。

「中山姓のままで養子になってもOK」
殿様から、ちゃ~んと許可を貰ってるんだって。
実は、
安兵衛が気にしていたのはそこだったのね。

それにしても、さっぱりした殿様じゃん。
浅野内匠頭って。

これにて一件落~着!
たねが思わず袖で目元を…。
「これ涙は不吉だ」
「うれし涙でございます」
「うむ、しからば許す。心ゆくまで泣け。わしも泣くー」

グワァァァ♪
この雰囲気は「ぢいさんばあさん」
宇野信夫ワールドだぁぁ。

吉右衛門&吉之丞
二人並んで夫婦役ー。
そんな姿が拝めるとは!
これぞ幻のツーショットだよ。眼福眼福♪

あ、鼻んでるよ~彌兵衛。 

「お次は嫁取りだ!」
ってちょっとそれは早いっしょ~。 
安兵衛も観客も、ギョギョ!

お嫁さんとして紹介されたのは!
たねが抱っこしてる3歳の子供ー。

ちょっと、ちょっとちょっと~。
年の差あり過ぎじゃあ~りませんか。

「15年後、安兵衛は36歳。娘はいくつだ?」
安兵衛も観客も、暗算中ー。
「18歳」
「ホ~ラ、年の差は半分」

実は、彌兵衛は61歳 たねは48歳。
だからじぇんじぇんフツーのことなのさ。

桜の木の下で赤ん坊を囲む、
吉右衛門、吉之丞、歌昇
これぞ幻のスリーショット。眼福眼福♪
嗚呼、ありがたや、ありがたや。

第四幕 米沢町弥兵衛宅(十五年経過)

元禄15年12月14日
本所矢の倉米沢町の長屋。
一面真っ白~。雪だるまが2つ。

浪人宅の幼い子供(玉太郎)が
凧が無くって、いじめられてる。
あ!こけちゃった。

♪貧しさに負けた~。いいえ世間に負けた~♪
子供の父(桂三)が、
堀部家の炭俵からちょっとくすねてー。
そこを、
寺坂吉右衛門(松江)にみつかって、掴みあい。

舞台まわって、堀部彌兵衛宅

ウワ~!吉右衛門。
さっきも、けっこう爺だと思ってたんだけど。
15年分プラスされて、もっとジジイになってるぅ。

「討ち入りは今宵!」
寺坂!伝達サンキュ~。

大高源吾の働きで、
”吉良邸に茶会あり”の情報を得たんだって。

「年の瀬や水の流れと人の身は」
「あした待たるゝその宝船」(by松浦の太鼓)
そうそうそう、それよ。それ!

「寺坂、今宵あおうぞ」
「御免」
イイ。イイ。ジンジンくるねぇ。

気合充分な彌兵衛!
按摩にも、その肉体を褒められてる。

そこへやって来たのが、さっきの浪人。
凍える息子が哀れで、つい…。

彌兵衛が浪人を励ましていると、 
「おじさま」
子供が父親手作りの凧にー
「義経の絵を描いてください」

描けるでしょ~吉右衛門なら~。
絵が趣味なんだから~。
心温まる絵を描くんだよね♪

彌兵衛が筆を取って書いたのは、
”忠”の一文字。

ウキャ~~!お見事っ!
双眼鏡でズームインしちゃったもんね。
この凧揚げたら渋いだろうなぁ。

安兵衛がやって来て、
2人で今夜の計画を練るよ。

「彌兵衛が倅となったばかり、
むざむざ散らすことかと思えば…安兵衛、許せ」

本当にね、
まさかこんな風に運命の歯車が回るなんて。
QOO~。泣いちゃうよ~。 

安兵衛、さち(隼人)と祝言もするよ。
彌兵衛、チ~ンと鼻をかんだり、
肴だ~。謡ってるぅぅ。

彌兵衛の自慢の槍も、
座敷の戦いでは長すぎる。
ポキッッ!!

「今日は主君の命日」
「本望成就、疑いなし」
高らかに笑う。

BGMは謡いだ。
舞台回って、表に出るとー。

茜色の夕日に、忠の字の凧がくっきり。
ハ~。なんと美しい。
子供は凧揚げに夢中…。

花道から去る、彌兵衛と安兵衛。

赤穂浪士で親子は6組だって。
この時、彌兵衛は最高齢で76歳。
討ち入りの時も、助け合って戦うんだよね。(
映画で見たよ)

おもわずポロリ、ポロポロ…。

たね、さちが遠くを見つめる。
浪人が出てきて、2人を見送りー。


VIVA!吉右衛門劇団

嗚呼、滋味ぃぃぃ。こういうの大好きぃぃぃ。  
観れて幸せだ
ぁぁ
  
その他のレポは
12/3~26 
堀部彌兵衛 清水一角 松浦の太鼓

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5 コメント

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ほんま、いい舞台だねぇ (ちえぞ)
2007-12-26 11:31:21
ちわぁん!

やぁー、ほんとに、今月、歌舞伎座が、『大新派』とすれば、国立はまさに『大歌舞伎』!!

現代の吉右衛門劇団は、ほんとに、いいっすねぇ!!

6代目音羽屋「菊五郎劇団」、初代播磨屋「吉右衛門劇団」を彷彿させる充実振りですよね♪


多賀之丞を髣髴させる吉之丞の女房っぷりったら、いいね、いいね!

48歳の黒髪には、前から9列目のオイラには、スゲー、カメハメ波だったけど(爆)
でも、そこは、ニンと芸で吹き飛ばしちゃっているし。。。


歌昇も、はつらつと、益荒男ぶりが、いいねいいね!

で、玉太郎君、先月の歌舞伎座といい、しっかりといい役を、ほんんま、可愛らしく演じてます。

隼人君も、立派に清楚な娘役を演じてます!
いいねいいね!
特別賞もらったんだね。
よかったねよかったね!

由次郎の青松寺の住持もなんとも品のよいコメディアンぶり!
いいねいいね!

ついぞ、中だるみしかねないこの話。
吉右衛門劇団ならでは、最後まで’魅せられて’しまいました。
「Wind Blowing from 紀尾井町~」

でも、彌兵衛役は、播磨屋以外でだれができるんだろう。。。。。

返信する
吉之丞さんの住所が・・・ (やたけたの熊)
2007-12-26 12:39:00
年賀状をやり取りしている歌舞伎役者さん、吉之丞さんだけなんです。

20年近く前、「上方芸能」の「私はファンです」コーナー(いまはこのコーナーなくなりました)に、吉之丞さんのことを書かせていただいたことがあります。掲載誌を編集部からご本人に送られたそうで、そのご縁から、途切れ途切れになりながらも続いてきたんですが、ご住所が分からなくなりました。千葉県流川市までは覚えてるんですが。

3年前は吉之丞さんの兄上が亡くなられたそうで年賀欠礼ハガキをいただき、一昨日は筆ペンで書かれた年賀状をいただきました。昨年は私父を亡くし喪中でした。

一昨年いただいた年賀状に、ご住所が書かれてないんですよね。古い年賀状、押入れに段ボール箱で保管してるはずなんですけど、探しても出てきません(涙)
返信する
本当に。しみじみ… (かしまし娘)
2007-12-26 16:29:58
ちえぞう様、まいど!
ウオ!仁左様だけでなく吉右衛門のステキさも判って頂けるとは!嬉しい~♪

>彷彿させる充実振りですよね♪
どっちもナマで観たことないのですが、ワープ出来るならその時代に行って観たいっす。

>多賀之丞
残念ながら舞台を観たことが無いのですが、ウウ~ム。そうですか。いつかチャンスがあったら歌舞伎chでチェックしてみま~す。

3階席からは、48歳でもOKだよ。と思っていたのですが、その15年後の方が定位置の様な気がして…。気のせい?と思ってたんですが(笑)

歌昇も大好きな俳優なので、も~満足満足♪
吉右衛門ファミリーが大活躍な師走でしたね。

>播磨屋以外でだれができるんだろう
ハッハッハ。演れましぇん!でも、挙手する向う見ずなヤツはいるかもしれませんね~。


やたけたの熊様、まいど!
なんと!!毎年ポストの中を見るのが楽しみな元旦なんですね!
上方芸能も、ニクイことをやってくれますなぁ。

>ご住所が書かれてないんですよね。
来月は歌舞伎座に出演ですよね。劇場宛てに送ってみては如何ですか?
手元に届くはずです。
私からの愛も詰め込んでおいて下さい(笑)

こんなステキな縁は切ってはいな~い!!
返信する
予想以上の面白さ! (ぴかちゅう)
2008-01-07 02:35:50
「堀部彌兵衛」は予想以上にググッと引き込まれました。24日に観ましたが吉右衛門、鼻をすすって嬉し泣きしてましたよ。あそこまで役になりきって楽しそうにやってもらうと観ていて気持ちよかったです。
「忠臣蔵」銘々伝・外伝の3本上演と言う企画は面白いものだったと思います。吉右衛門歌舞伎は男性客が多いのもいいですね。TVドラマの「鬼平」の延長の感覚で気軽に観に来ていただき、TVよりも重厚なお芝居を堪能してもらえるはずです。
>VIVA!吉右衛門劇団......私もそう思いま~す(^O^)/

返信する
今年もどうぞ宜しくお願いしま~す♪ (かしまし娘)
2008-01-07 12:03:04
ぴかちゅう様、まいど!
吉右衛門の魅力を味わえる12月の国立劇場でしたね♪
住大夫が「古典は吉右衛門でっせ」と言うてはりましたが、「忠臣蔵物も吉右衛門でっせ」
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