みんな西郷を書きたかった！ 英傑 西郷隆盛アンソロジー その2

→　その1

”青年期から西南戦争没後の伝説まで” 
まだまだ続くよぉおお。

英傑　西郷隆盛アンソロジー
著：国枝史郎、吉川英治、菊池寛、池波正太郎、松本清張、芥川龍之介
出版：新潮文庫
初版：2018年1月
価格：562円（税込

賊将
著：池波正太郎 (イケナミ　ショウタロウ)　　
1923（大正12）年、東京・浅草生れ。
株式仲買店に勤める。戦後、東京都の職員となり、
下谷区役所等に勤務。
長谷川伸の門下に入り、新国劇の脚本・演出を担当。
1960（昭和35）年、「錯乱」で直木賞受賞。
1990（平成2）年逝去
掲載：小説俱楽部1959年5月号 

池波正太郎といえば『鬼平犯科帳』
『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』
アラ、全部映像でしか観たことないわぁ。
この作品は…
桐野利秋のことが描かれているのね。
あんまり前のめりには
なれなかったけど…。
同じ薩摩人同士なのに、
明治維新で考えが分かれてしまって…
ラストの桐野の死を見届けた
旧友の心尽くしに…ウウ…。 

西郷札
著：松本清張 (マツモト　セイチョウ)　　
1909（明治42）年、小倉市（現・北九州市小倉北区）生れ。
種々の職を経て朝日新聞西部本社に入社。
41歳で懸賞小説に応募、入選した「西郷札」が直木賞候補となり、
1953（昭和28）年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞受賞。
1992（平成4）年逝去
掲載：週刊朝日別冊春季増刊号 1951年3月 

松本清張だぁああ！！
あまりにも数々の作品が映像化されていて…
テレビでしか観たことがないのよォォ。
こんな所で！西郷物で！
初めてお目に掛かろうとはっ！

この『西郷札』がデビュー作なんだって！！
しかも直木賞候補になった！
シェェエエ！ 

九州についての文化展の準備を
していた男が、
”西郷札”というものを見つけて、
どういうものなのか、
何の気なしに
出品者の祖父の知人が書いたという
”覚書”を読んでいくと…。

ここで時代が一気に明治へ！
西南戦争が起こった時に
発行されたのが”西郷札”。
軍票なんだね！
じゃぁ、”ふだ”とは読まないんだ。
”さつ”だったのかぁあ。
西南の役を生き延びた元武士は、
東京に出た。
そうして、
行方知れずになっていた義妹と再会。
彼女の夫は高官。
男と女の愛情と嫉妬が渦巻くよぉおお。
そこに西郷札が絡んできてぇええ。 

ヒァアアア！！
ザ・ミステリーだぁああ。
松本清張ワールドだぁああ。 

でねぇ、覚書の一部が
破れてたりしてねぇ。
ワクワクドキドキぃいい！
面白いぃいい！
他の作品も、
読んでみたくなってきたぁああ。 

西郷隆盛
著：芥川龍之介（アクタガワ リュウノスケ）
1892（明治25）年、東京生まれ。
東京帝大英文科卒。在学中から創作を始め、
短編「鼻」が夏目漱石の激賞を受ける。
主な作品に「羅生門」「芋粥」「藪の中」
「杜子春」などを次々と発表。
大正文壇の寵児となる。
1927（昭和２）年逝去
「歯車」「或阿呆の一生」などの遺稿が遺された。
掲載：新小説 1981年1月 

待ってました！
芥川龍之介と西郷隆盛が
タッグを組んだらどうなるのかなぁ。
ワクワク♪ 

”人から聞いた話がどうしても忘れられなくて、
それを書いてみようと思う。”
そういう書き出しで始まったよぉ。 
”審議の判断は聞く人の自由です。”
と言われたそうな。

どんな話かというと…
列車の中で老紳士が語った西南戦争。
「叔父が賊軍に加わって討死した」
これで時代背景が、
スっと判るようになるのねぇ。
フムフム。

それがさぁ、
西郷隆盛は今も生きてる！！
っていう話でさぁあ。
当時はね、
そういう噂が流れたんだって。
それでね、
客室で眠ってる西郷どんを、
目撃しちゃった！
っていうじゃないのさぁあ。
ウキャキャァア！！
読み進むと…
ドンデン返しがぁああ！！

ズドンッ！ときたぁああ。
余韻を残す終わり方だぁねぇ。
嗚呼…
芥川龍之介ワールドに
もっと浸りたいなぁああ。 

グオォォオ！！
こんなに色んな作家が、
こんなに色んな角度から、
”西郷隆盛像”を膨らまして、
幕末や明治時代のことを
描いているなんて！
知らんかったぁあああ。
むっちゃオモロかったぁああ。
アっちゅう間に、
読み終わったぁああ。
え～っと…
パラパラパラ（本を捲る音）
解説もつけて284ページ！
ミックスナッツみたいに、
色々味わえてお得だぁあ♪

おわり

新潮社
e-hon

大河ドラマ 西郷どん

～追記～
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