アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

劇団民藝 熊楠の家

2017年07月13日 | 演劇



満員御礼だぁあああ!!

南方熊楠…。
あんまり興味ないなぁ…。
えっとぉ、どんな人だっけ…。
和歌山に住んでた人で、学者で、
色々研究してたでしょ。
あ、エコロジストの先駆者。
ウ…。
超級豆知識やないかいなぁあ。 

【南方熊楠 みなかた くまぐす】
1867(慶応3)年~194 1(昭和16)年
博物学者、民俗学者、植物学者、
特に粘菌(変形菌)の研究で知られる。
和歌山市に生まれ、東大予備門に通い
19 歳で渡米し遊学。
キューバにまで足を延ばし植物採集を行った後、
大英博物館などで研究を行う。
33歳で帰国後は、和歌山県田辺市を拠点に
在野の研究者として過ごす。
多言語に精通し、旺盛な好奇心、幅広い研究分野から
「知の巨人」「歩く百科事典」などと称される。
また神社合祀政策に反対し、自然保護活動の
先駆者としても評価が高い。 

2017年6月23日(金) 
紀伊国屋サザンシアター 18:30開演 5列センター 

劇団民藝 熊楠の家
作=小幡欣治 
演出=丹野郁弓
主なキャスト
南方熊楠(植物学者):千葉茂則
松枝(熊楠の妻):中地美佐子
熊弥(熊楠の長男):大中耀洋
文枝(熊楠の長女):八木橋里紗
喜多幅武三郎(熊楠の友人。眼科医):横島 亘 

和歌山県田辺町(現田辺市)
遠出をして何やら採集して帰ってきた。
この人が南方熊楠なのね。
ラフな格好してるなぁあ。 

留守番をしていた老女が、
家の中や外が散らかっていたから、
片付けてあげたらしいんだけど、
その”ゴミ”の中に、
ネンキンやらなんやら、
お宝が眠っていたらしいんだな。 

”ネンキン”と聞くと、
MY脳内変換は”年金”!
違うぅぅう!
”粘菌”だから。 

ふ~む。
この人、世界的にスッゴイ学者。
なんだよね。 

それなのに、ちっとも偉ぶってないし、
大酒飲みだし、
半裸で外を歩き回るし、
なもんで
奥さんと喧嘩しちゃったらしいのね。
でね、久しぶりに
実家から奥さんが、
熊楠の好きなアンパンを持って
帰ってきたのに素直になれない。
ククク 

町の人達も、
親しみ易い熊楠のキャラを
愛してるんだねぇえ。

外国に何十年も行ってたし、
イギリスでは、
孫文と深く親交を結んだし、
何ヶ国語も操れるし、
外国の専門誌にいっぱい書いてる。
偉人なのにさぁ。
森の中をほっつき歩く変な人。
くらいにしか
皆は思ってないのかも。
ククク 

明治政府の神社合祀政策へ反対運動。
遂に、監獄へっ。
これは一大事だよ。
重たい話だよ。
それなのに、
なんだかフワっと描かれてて…。 

奥さんが出来た人なんだわさ。
彼女の優しさに、
熊楠も客席もホっとするんだわさ。 

息子が高校生になろうという時に、
突然、心の病になってしまって…。
自宅療養してるんだけど…。
どうも芳しくないんだよね…。
これだって一大事だよ。
重たい話だよ。
なのに流れる空気は、
そんなにドンヨリ感は無いんだよね。
不思議だわぁぁ。 

いくらでも暗く出来るし、
どん底満載で、
ジメジメした不幸な空気を
振りまけるのに…。
いや、ね、
そうして欲しいわけじゃないのよ。
そんなことされたら、
私は引いちゃったと思うんだけど。 

リアルな演技なのに、
肩の力が抜けていて、
とっても観易かったもんで、
気がついたら、
グイグイっと前のめり!! 

ラストは、
昭和天皇に、
粘菌研究を献上するために、
とっても大切な品物を捧げ持ち、
歩いて行く姿。 
正装姿がぎこちないぞ…。
ククク

でね、年金…(変換するとこの字に!)
その粘菌を入れた標本箱ってのが、
森永ミルクキャラメルの箱!
なななんと!
有り得なぁあいい。 
でもきっと、
陛下はお喜びになられたのでは
ないかなぁ。
って想像したんだけど… 

普通であれば桐の箱である。
しかし熊楠がさし出したのは、森永ミルクキャラメル
60個入りの化粧外箱の空箱だったのだ。
まわりの者たちは驚いたが、
昭和天皇はニコニコしておられたという。
ボール紙でできていたミルクキャラメルの化粧箱は、
とても丈夫であった。
熊楠は、桐の箱をいくつもつくらせたものの気に入らず、
「これが一番いいんだ」と言って、
この化粧箱に決めたのだそう。
同じものが、今も和歌山の南方熊楠記念館に
展示されている。(森永ミュージアムより) 

キャハハ
アッパレじゃ!熊楠! 

どこか遠い人の話。
っていうんじゃなくってさぁ、
家族を愛して、
父親としての葛藤があって、
友人知人に愛されてる。
そういう角度から、
南方熊楠にスポットが
当たってたってのが、
グッとくるんだな。
親近感を感じるんだな。
今までの、
気難しい学者で、
数多の才能を持ちながらも不遇の人。
という私のイメージが、
ひっくり返ったぁあ! 

この作品は22年ぶりの再演!
そんなに前に上演したことがある。
ってのもスゴイけど、
南方熊楠生誕150周年記念として、
またまた演っちゃうってのが、
スゴイわぁああ。
アッパレじゃ!劇団民藝! 

私にとって、
劇団民藝の当たり年かも!
今年、もう何作観たっけ。
3作だね。
どれもこれもツボにグッサリ♪
ウホウホ♪ 

ロビーにこんなものが!



創業者の実子が熊楠!
そういえば劇中で、
実家は弟が継いだけど仲違いしてて、
お金の援助は受け取れない。
って感じの事を言ってたヨ。



南方熊楠記念館
こういうのもあるんだね!



演出家に仲代達矢からお花が!

劇団民藝 
熊楠の家
2017年6月15日(木)~26日(月)
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

南方熊楠とミルクキャラメルのふしぎな関係 
清酒 世界一統
南方熊楠記念館

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