一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

建築トラブルの紛争解決手段

2007年05月31日 15時58分45秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんにちは。今日で5月が終わってしまいますね。

昨日、ワンストップのトラブル相談のことをお話しましたが、

建築トラブルになって当事者同士では解決できない場合、個人的な実感としてですが、裁判より調停の方が良いような気がします。

理由は、

費用が安く済む、期間が短い、気に入らなければ同意しなくても良い、

そして何より…

これは私の主観ですが、裁判より被害者の皆さんに有利な気がします。

裁判は過去の判例や法律に照らし合わせて判決が下るので、被害者に厳しい判決と思えるのは、どの分野でも日本は昔からそうだと思いませんか。

調停は、もっと実態に合わせて考えてくれますし、企業相手の場合は裁判では、相手が裁判より、表に出ない調停で合意した方が良いと判断するケースもあるようです。

住むことはできるが、「いろいろ問題もあり、気に入らないので建替えて欲しい」という要望などは無理なケースが多く、調停でも裁判でも可能性は低いと思います。

第三者の意見を聞いてみるという意味でも、裁判の前に調停という選択肢は良いと思います。

もちろん、こういった争いではなくあくまでも当事者同士の話し合いの解決が大切です。ですから、まず、そちらで努力してください。


ミタス一級建築士事務所に欠陥住宅を業者と交渉して直すように間に入って欲しい、という方がいらっしゃいますが、調査やアドバイス、業者への説明はしますが、交渉をお受けすることは原則としてお断りしています。

理由は、弁護士法に触れる可能性があるからです。交渉は正式には弁護士の資格がないと示談屋さんになってしまう可能性があるからです。

もちろん、報告書だけでは皆さんは業者と対等に太刀打ちできませんから、私が同席して業者に説明をしたり、質疑応答や相手の反論に応えることは、ご希望によりいたします。

こういう方法だけでも、昨日の神奈川県建築士事務所協会の委員会、横浜市建築事務所協会、その他でも第三者の専門家が入ると随分成果はあがっているようです。

但し、同じ一級建築士でもいろんなレベルの人がいますので、一級建築士というだけで信用しないで下さい。専門にそういった仕事をしている一級建築士の人でも、

「何なんだこの調査は、意味がない。」と思うような内容を見せられることがありますが、私は、こういう調査は本当はやりたくありません。

もっと前向きな設計の方が良いのですが、好きでやっているのではないかと誤解しないで下さいね。

良心的な業者は、第三者の説明だけで手直ししてくれますが、悪徳業者であればあるほど、皆さんが交渉しても私が説明しても、結局動きません。

そういうケースでは、裁判しかないのですが、その前に調停という選択肢を覚えておいて下さい。




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ワンストップのトラブル相談

2007年05月30日 18時50分13秒 | 住宅検査・トラブル相談
みなさん、こんばんは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

本日は、神奈川県建築士事務所協会の設計監理指導委員会に委員として出席していました。

何かトラブルがあって困ったら、皆さんはどこに相談されるでしょうか?

消費者センター、役所、弁護士相談などいろいろですが、迷うこともありますね。

一般のトラブルはもちろん、建築トラブルでも、どこに相談すれば良いかを教えてくれるシステムができています。政府全額出資の公的な法人で、日本全国の対応で、電話番号はひとつです。


0570-078374(おなやみなし)です。


法テラス(日本司法支援センター) 


これは、そこで相談をしてくれるのではなく、相談内容に応じてどこに相談すれば良いかを教えてくれるものです。

私は建築士として、様々な機関や組織、有志で無料相談や有料相談をしていますが、建築についてどこに相談して良いかわからない、たらい回しにされるという方もいるようです。

建築に限らず、様々なトラブルが気軽に相談できる機関や組織を教えてもらえるなら、覚えておいて良い電話番号ですね。


ちなみに、PHSやIP電話からは別の番号になっています。
03-6745-5600

興味のる方は、上記のホームページをご覧になり、確認してください。




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コンクリート伝票の正しい読み方

2007年05月29日 19時57分19秒 | 住宅検査・トラブル相談
▲ この赤丸部分が重要ですが、意外にも私が見るのは…

(備考欄にあるように現場で防水材を入れるので、JISマークは、
 実際は出荷時に適応していても、防水材を入れた瞬間に適用にならなくなるので
 最初から消されて出荷されます。

 常にテストピースを壊して検査をしていますが、
 費用が掛かっても、防水材を入れた方が良い現場と判断した例です。

 一般の木造住宅の基礎であれば、不要です。
 この現場は、地下室部分のコンクリート打設でした)


みなさん、こんばんは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

2007年5月24日にお話した、「コンクリート伝表の読み方」をお教えしましょう。

写真を見てください。

実際の伝表です。

赤丸の部分を見るのですが、皆さんはどこを先に見ますか?

私が一番気にするのが、納入時間の発と着の時間と現在の時間なのです。

この後にお話しする強度の数値などを、みなさんは一番気にするでしょうが、私が現場でもっとも気にするのが、この時間なのです。


この伝票の時間を見ると、発の時間が9時59分、現場到着が10時15分ですから、16分で到着していることになります。現在の時間を見ると、そのときは10時30分くらいで、コンクリートを流し込み中でした。


なぜ、この時間を見るのでしょうか?

コンクリートは、時間が経つと固まっていきますから、早く打設しないとダメなんです。打設というのは、コンクリートを流し込むことです。

時間が経ちすぎて流し込んでしまうと、硬化不良を起こす可能性があり、正しい強度が出ません。テストピースを現場で保管したとしても、その強度が出ないということになります。

ですから、生コン業者は現場の近くの生コン業者を使うのです。

ここは、16分で到着しているのですから問題ありません。早いですね。優秀です。しかもすぐ打設を始めましたから、問題ないのです。


では、時間はどの程度まで許されるか?

鉄筋コンクリート造の住宅金融公庫の仕様書では、気温が摂氏25度以上で90分、それ未満の気温で120分以内に打設完了を原則としています。

この現場では問題ありませんでした。では、これが時間が掛かってしまっていたら、どうするか?そのコンクリートを使ってはいけません。


通常の住宅現場では、打設量が少ないのですが、マンションなど大きな現場で一日中掛かって打ち続ける場合などで、生コン車が何台も待っている状態の場合、注意が必要です。

また、住宅の場合でも、トラブルがあってかなりの手直しが必要になり、生コン車を待たせたままの状態が長いと、時間がオーバーする可能性もありますので注意です。

そのため、配筋検査は必ず事前に行い、完全にしておくのです。早めに手配をしないといけない場合は、万一の手直しがあることを想定した上で、コンクリートの打設日時を決めておかないといけません。



その他の伝表の数字ですが、

納入容積 2.5M3というのは、その生コン車に2.5M3の生コンを積んできたということです。2,500リットルですね。浴槽12杯分です。

累計   この車を入れて今までの生コンの数量の累計です。

呼び方  この行には、みなさんの関心の高い数字があります。

     わかりやすく言うと、この生コンは、

     普通ポルトランドセメントで、コンクリートの圧縮強度は
     1平方センチメートル当り約240kgの強さで配合しました。
     コンクリートの流動性は、スランプ18センチという値です。
     中に入っている砂利の最大寸法は20ミリです。


という意味です。失礼、わかりやすくないですね。

気になるコンクリートの強度ですが、住宅の一般の基礎であれば180kg以上あればOKです。安全を見て、210kgとか240kgにしますが、コンクリートの強度が強ければ強いほど、セメント量の比率を増やしますので、逆に収縮による細かいクラック(ヒビのこと)が入り易くなります。



備考欄に書いてあるのは、この現場では、防水剤を生コンに入れることになっているという意味です。何も書いていない場合も多いです。


気になる方は、ご自身の現場に生コンの打設を確認に行かれる方もいらっしゃいますが、生コン車の人に伝票を見せてくださいと言えば、見せてくれます。

但し、自分の現場だけですよ。他人の現場でそういうことは、止めてくださいね。(^^)ゞ



▲最初の写真の伝票は、コメントで質問がありましたが、
防水材を入れるので、JISマークの対象外となりますから
消されています。

これは、そういった添加物を入れない
通常の基礎のコンクリートなので
消されていませんね。








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マンション購入のチェックポイントと高齢者の親(3)

2007年05月28日 20時41分43秒 | 住宅ノウハウ・実例
みなさん、こんばんは。遅くなりました、ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

マンション購入のチェックポイントと高齢者の親(2)の続きをコメントすることにしました。

初めての方は、2007年5月25日のブログにある質問を、まずお読み下さい。


5月26日のブログで回答しましたが、界壁の厚みだけが気になるとのことでした。

「隣接したお隣との壁の厚みが136ミリです」とのことでした。変な数字です。


「ホームページでそのマンションの内容が見れるなら教えてください」とお伝えしていました。メールで再度返信がきました。重要ですので追加で回答です。


この相談のマンションは、立地の住環境も利便性も申し分ない、高層高級マンションでした。

この隣接の壁等の??を除いては、申し分のない素晴らしいマンションです。


私は、界壁(隣の住居との壁)のコンクリートの厚みは、高遮音を望むなら200ミリ欲しいと述べました。通常は150ミリから180ミリで遮音を売りにするマンションは200ミリ以上だからです。これ以外の要素もあるのですが、あくまで目安です。

ところが、この返事では、136ミリでした。おかしいなぁと思い、ホームページを拝見すると、コンクリートの界壁は無く、スタッドという軽鉄にグラスウールと石膏ボードを張ったものでした。

ワンルームマンションなら、この壁がブロックということはありますが、鉄筋コンクリートの高級マンションで、界壁がこの構造ということは、私にはショックでした。



わかり易く言いますと、軽量鉄骨のプレハブアパートの界壁と同等です。
しかも、外壁も125ミリのALC版ですから、ますます???でした。ホームページの内容を良く見てある結論に達しました。


免震構造までも採用している高級マンションですが、高層マンションでもあるので、構造的に有利なように軽量化を優先しているためと思います。

床や天井のコンクリートの厚さや構造は問題なく、その他の発信されている内容もすべて優れていてOKです。

総合的に考えれば、大変良いマンションです。この隣接住戸の壁の遮音性能だけを考えて、購入を止める必要は無いのですが、もし隣接の音が特に気になる方で、それが一番心配という方の場合は、注意が必要です。


性能表示も表現されているようですが、遮音については等級も出ていませんので、遮音については性能表示の申請をしていない可能性が高いです。これを取得して結果を約束してくれるなら問題ないでしょう。それだけの遮音性能を出せる設計も工事も自信があるということになるからです。


この界壁の構造で、「耐火遮音間仕切り」と表現しています。表現に間違いはありませんが、床や天井との取り合い部分の工事方法がわかりません。実際の工事がキッチリ工事なされていないと、実験通りの遮音性は得られないはずです。

もし、私が設計者なら、重量を軽くする必要があったとしても、この界壁の両面に少なくとも遮音シートを入れさせますし、天井や床との取り合い部分に設計でも工事でも、特別に注意して工事をさせます。このホームページを見ると、少なくとも遮音シートは入っていないようです。


最近、コンクリートの壁の厚みは150ミリで、その両側にグラスウールの圧縮パネルを設置して高遮音性能を得られる特別な工法を採用しているマンションもあります。

当初136ミリの厚さと聞いたとき、コンクリートの厚みが136ミリで、その両側にグラスウールパネルで遮音性能を高めている、この工法かと思いました。
しかし、実際は肝心のコンクリートの壁がありませんでした。


最後にまとめますと、マンションも戸建ても総合的に判断すべきですから、この隣接の壁の遮音性能だけを考えて躊躇する必要はありませんが、契約前に書面で確認していた方が、より安心でしょう。

得られた情報から判断すると、すべて優れていますが、ひとつの点だけ他と比べると劣っている可能性がある懸念事項があったということです。


総合的に見ると大変良いマンションで、お勧めできるマンションです。念のため。




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マンション購入のチェックポイントと高齢者の親(2)

2007年05月26日 15時30分41秒 | 住宅ノウハウ・実例
みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

昨日の質問の、マンション購入のチェックポイントについてお話しましょう。

2007年5月25日のブログを読んでいない人は、その質問を、まずお読み下さい。

さて、このマンションは現在建設中とのことです。

中古か新築か、築年数などでもポイントは少し変わってきます。
そして今回は、高齢者が入居されるわけですから、その点も考えてお話します。

本来は、重要事項説明書を十分に理解することが必要です。ですが、これを理解して判断するには、建築士としての知識やその他の知識も必要になりますし、範囲が広くなりますので、ここではその説明はカットします。


皆さんが、マンションで一番心配になるのは、耐震性ですね。

これについては、姉歯さんの事件以来、一級建築士の信頼性が落ちました。私の見解はホームページに載せていますので、気になる方はそちらをご覧下さい。

耐震性については、皆さんが判断できるものではありません。
このチェック方法はふたつあります。ひとつは、第三者の専門家に構造計算書と施工図(コンクリート躯体と鉄筋)をチェックしてもらうことです。

ピロティなど設計上で問題のある内容など、特に中古マンションなどは、構造計算書がなくても専門家なら、ある程度のアドバイスは可能です。

本来は正式に再度計算しなければ、わかりませんから、これだと費用と時間がかなり掛かってしまいます。

構造計算のしなおしをしなくても、その書類をざっと確認するだけでも、姉歯さんのようなケースは、すぐわかります。微妙なところは、先ほどのように再計算して見比べないとわかりません。


もうひとつは、性能表示制度を適用したマンションを購入することです。これは、構造に関して設計と現場を簡単ですが、確認してくれますので、姉歯さんのような構造内容では通りません。


構造面以外で、間取りや通気性、採光、廻りの環境はご自身でチェックしてください。主観的な部分が増えるので、ここではお話しません。


戸建てにお住まいになっていたかたや、高齢者の方がマンションに入居するときに、一番気を付けて欲しいのは、実は遮音のことなのです。

建築調停やトラブルでも、マンションではこの問題は多いのです。

遮音というのは、主観的な部分もあり数値化できても、その是非は曖昧ですので、トラブルになっても一番解決しにくい分野です。

実際、マンションの音のトラブルの相談を20年以上も前から、つい最近でもこの話の相談はあります。

本来は性能表示でその遮音性能を約束してくれていれば良いのですが、性能表示を受けていても、この遮音性能は任意なので、この部分は受けていないケースが多いのです。

パンフレットには、遮音性能の良さを売りにしているマンションも多いのですが、性能表示で約束していない限り、その性能を結果として求めることが難しく、トラブルが起こっても対応してもらうのは、難しいのです。そのパンフレットの内容を信じて買ったのに、実際は遮音性能が悪いというトラブルはあります。


マンションの建築と販売は、大手だから安心というものではありません。実際の販売員は委託のケースも多く、売るためにオーバートークされてしまい、「それを信じて購入したのに…」と問題になることは珍しくありません。この場合、それを訴えても、正式な書面の約束になっていないと言った、言わないということになり対応を求めるのは難しいのです。

ですから、少なくても床(スラブ)とお隣との壁(鏡壁)のコンクリートの厚みと構造は、みなさんは確認しておくべきです。

音に関して気にする場合は、それらのコンクリートの厚みは20センチ、すなわち200ミリの厚さが、まず欲しいです。

これは、自分たちの話し声やテレビの音、生活音で文句を言われないということもありますが、ご高齢の方がお一人でお住まいの場合、隣接した世帯からの音で悩まれる方も珍しくありません。特に戸建てにお住まいで静かな環境に今までいたのであれば、なおさらです。

音に関しても性能表示を約束してくれるマンションが良いのですが、少ないですから、先ほどのコンクリートの厚みを参考にしてください。

また、この床の構造や壁の構造がどうなっているかでも、同じコンクリートの厚さでも音の響き方がかなり違います。文面では、皆さんにわかるように説明できませんし、説明しても、実際は完成してみてどうなのかという問題は付いて廻りますので、カットしておきます。


耐震性、音の問題の次に、メンテナンス性です。

賃貸なら、メンテナンスにあまり関心はないでしょうが、分譲で購入するとなるとこのメンテナンス性は、後々のコストにも大きく変わってきます。

通常、メンテナンス性というと性能表示でも配管関係のことを重視しています。
給水、給湯、ガス管が、「さや管ヘッダー方式」になっているかどうかです。
これ以外に、排水や排気がどういう経路でどのようになっているかを確認しておいて下さい。

将来、取替えやリフォームで容易に工事ができるかどうかが問題です。コンクリート部分は当然ですが、内装部分を壊すことなく、また隣接の住居に関係なく、それらの配管だけを取り替えることができることが理想です。

これ以外にも大切なメンテナンス性の要素はあります。

外壁や屋上防水の大規模修繕のときに費用が少ない方が良いですね。

そうなると、外壁はタイル張りの方が、吹きつけよりメンテナンス費用が安くて
有利です。屋上も戸建てのように屋根を掛けてあるものの方が、通常は耐久性が良くメンテナンス費用も安くなります。


もうひとつ確認したいのは、断熱性です。最上階はかなり冷暖房費用が余分にいりますが、一般階でも断熱がどのような仕様でどのレベルのものかを確認してください。これは冷暖房費だけでなく、快適性にもかなり影響しますし、工事が不良であれば結露やカビの原因になることもあります。


その他、管理組合や規定、月々の修繕費の積み立てや大規模修繕費の問題、その他については、他の評論家なども一般的に述べていますから、そちらを探して参考にして下さい。



高齢者の入居条件で、ふたつだけお話しておきましょう。

玄関の広さとローカ、トイレの入り口と入り方、洗面脱衣と浴室のスペースと入り方です。これは、将来、車椅子の使用の可能性や、介助の可能性がある場合、非常に重要です。このリフォームのご依頼や、設計のための確認立会いは多いです。
もちろん。具合が悪くなったら、すぐに施設に入るとか入院すると決めているのであればあまり関係ないかもしれませんが、以外にそうはいかないケースも多いようです。



もうひとつは、どこに段差が何センチあるかを必ず確認しておいてください。

玄関は少しあるでしょうが、トイレ、洗面・脱衣、キッチン、バルコニーが要注意です。完全に段差が無いのか、あるとすると何センチなのか。高齢者がお一人でお住まいになるにいは、これが無いほうが良いに決まっています。今は体調は良くても、近い将来問題になることがあるからです。段差があれば、これらの段差を具合が悪くなっても高齢者が問題ないのかどうかを確認して下さい。

これらに段差を手直しするには、他の床を上に上げるしかないので、そうなった場合にどうなるかも確認しておかないといけません。特に中古マンションはこの点に注意してください。




以上、新築マンションの購入ポイントで簡単に説明いたしました。

住宅評論家が書籍や雑誌で述べている様々なコメントの中には、建築の専門分野に関しては、間違いや思い違いも珍しくありません。その人が正しい建築の知識が無いのに、何かの受け売りで書かれていますので、間違ったまま何度も引用されていることがあります。注意してくださいね。

個別に問題にぶつかって質問があれば、またメールを下さい。可能な範囲でこのブログか直接にお答えしたします。




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マンション購入のチェックポイントと高齢者の親(1)

2007年05月25日 05時03分20秒 | 住宅ノウハウ・実例
みなさん、おはようございます。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

これから現場へ出掛けるので、早めにアップです。

メールでのご質問です。こういうケースはかなり多いと思いますので、お答えを皆さんと一緒に考えたいと思います。



ご質問の要点は、以下です。

「私の実家はかなり遠方で、現在は母が一人で暮らしています。
このまましばらく今の暮らしをするのなら使い勝手の悪い家をリフォームしようとも思いました。

しかし、一人で暮らす不安や家のメンテナンス等の大変さもあり、リフォームは止め、自宅を売却し私の住む家の近くでマンション購入を考えています。

マンションは私の自宅から徒歩圏で母も私も立地、環境は気に入っています。

こういうマンション購入にあたってどういった視点でチェックしていけば良いのかわかりません。マンションではどういった事が重要になるのでしょうか?

もうひとつお聞きしたいことがあります。

いつか家を建てたら、母も一緒にという思いと高齢の母をこんな遠くに連れてきていいのかな、という不安もあります。今回のマンションも同じで、今の環境を捨ててマンション暮らしなど大丈夫だろうかと思ったりします。

先生はこういったケースはどう思われますか?」



ここでの質問のポイントは二つです。

マンションを購入するときのポイントと
高齢の親を遠方でも子供の近くに住ませる方が良いのか、それとも住み慣れた街にいる方が良いのかということです。

両方とも詳しく解説をすると、かなりの長文になりますので、明日2007年5月26日に私の意見をポイントを絞って述べてみます。

皆さんも、将来こういうケースで悩むことになる人は多いはずです。
ご自身のケースで当てはめて一緒に考えてみてください。

それでは、また明日に。



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コンクリートの打設方法

2007年05月24日 07時38分10秒 | 住宅検査・トラブル相談
▲コンクリートを流し込む太いパイプと、バイブレーターの細いパイプが見えますね。



みなさん、おはようございます。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。


コンクリートの打設方法が悪くて、後にトラブルになる場合がいくつかあります。

もっともわかりやすいひとつは、コンクリートに隙間がたくさんできてしまう場合です。

住宅の基礎のように高さの低いものですと、やや起こりにくいのですが、原因はいくつかありますので、それでも起こってしまうことがあります。

住宅の基礎でも深基礎、地下車庫、擁壁などは、マンションの壁と同様高さがありますから起こりやすいので、これを防ぐ方法のひとつとして、写真のようにバイブレーターによる振動を与えながらコンクリートを流し込む方法があります。

ですが、これもあまり長い時間振動させ過ぎますとコンクリートのペーストと砂利が分離してしまいますから、注意が必要です。


次回は、みなさんにもわかるコンクリートの伝票の読み方をお教えしましょう。



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印鑑を頼みました

2007年05月21日 10時53分25秒 | その他
みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

先日、印鑑を新しく造るときに、インターネットでいろいろ調べました。
すると彫り方に機械彫り、手仕上げ彫り、手彫りの三種類あることがわかりました。

値段は、その順に高くなっていきます。手彫りになると上限はないようです。

この仕上げの中で、手仕上げ彫りと手彫りの違いの意味を初めて知りました。
機械で彫って最後の仕上げは手で行うのと、最初から最後まで手で掘っていく違いです。

最初はその違いを見逃していましたが、手彫りの方法で依頼先を決めて依頼しました。

手彫りで価格も手頃なのですが、電話でもお話し、間違いなくしっかりとしたご本人が彫られていると思いました。

そして皆さんに参考までに紹介させて頂こうと思ったのは、人柄や仕事に対する姿勢も良かったからです。

値段も手彫りにしては、一番安い部類でしょう。彫られる方の腕や技能は一流です。こちらは何もクレームを付けていないのですが、気に入らないので彫り直したいとおっしゃって頂き、再度彫り直しされました。自分の仕事に誇りをもって納得する仕事をされているのでしょう。


京都のハンコ屋さんで、テレビチャンピオンにも出たり、全国の技能大会でも優勝されたりしています。私は、手彫りの会社印を3本セットで頼んで5万円でした。機械彫りより少し高い程度か同等の価格です。他の少し有名な方???のものですと、20万円~30万円は最低しますよね。

印鑑の材質は、材料の値段は安いのですが、本つげ、国産のつげ材が本当は一番良いんだと、以前聞いたことがあるのでそれにしました。

植物は吸収して成長していく材料であり、印鑑は永久に同じものを使う必要はなく、もし将来印鑑が痛んでダメになれば、また新しく彫り直す方が良いと聞きました。


遠方でもインターネットで注文できますので手軽です。

手彫りはんこの幸栄堂


皆さんも印鑑をお造りになる機会があれば、参考にホームページを覗いて他と比較してみてください。

なお、私は宣伝を頼まれたわけでも、一銭の宣伝料も頂いているわけでもありません。クリック料を頂くわけでもありません。純粋に良い印鑑造りの職人を偶然見つけることができたと思ったのでお知らせです。

さて、これから現場を何軒か廻ってきます。





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本日の住宅勉強会~ウインドトリートメント~

2007年05月19日 12時36分25秒 | 住宅セミナー・住宅勉強会
みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。

先ほど、本日のウインドートリートメント、窓の演出についての住宅勉強会が終わりました。

今回は、私が講師ではなく初めて外部の方にお願いしました。内容は非常にわかり易く、実物サンプルや写真もたくさん持参して頂きました。資料もビジュアルで大変良かったです。

私は、わかっていたつもりで参考程度の気持ちで最初は聞いていたのですが、その分野で第一線で活躍してるからこそわかる、最近の流行や人気のものの説明には「なるほど…」と関心しました。

新商品のブラインドにも使えそうなものやヒントをたくさんもらうことができ、選択幅が、かなり広がりました。現在設計中や工事中の方の住宅に使うものを具体的にイメージしながら見聞することができました。


お話も女性だけあって、プレーンシェードなどの取り外し方の実演や注意事項やコツ、洗濯の仕方など私には思いつかない視点や、全く知らない役立つ説明などもありました。

私自身も時間を掛けて参加した甲斐がありました。


私自身がセミナーへ行って、仕事をせずに時間とお金を掛けてわざわざ聞きに行く内容というのはは、建築全般や住宅全般の話ではなく、ある特定の事項に絞ったものだけです。しかも、講師の方がその特定の分野のプロ中のプロの場合だけ聞きにいくのです。


今回のカーテンやブラインドなどのウインドトリートメントの話は、一般の皆さんはもちろん、ミタス一級建築士事務所のスタッフ全員に聞かせておきたかった充実した内容でした。少人数で聞くのは、かなりもったいない濃い内容でした。録画でもしておくべきでした。


来月2007年6月16日(土)の勉強会のテーマは、スタッフのシステムキッチンの話にするか、私の間取りの話にするか、その他にするかまだ決めていません。6月の初めにテーマをホームページにアップしますので、ご希望の方はご覧下さい。


なお、来月の勉強会の翌日には、私が依頼を受けて外部セミナーの講師を行います。お近くで興味のある方は、こちらもご参加下さい。




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プラン・間取り相談/回答(1)

2007年05月18日 07時35分52秒 | 住宅ノウハウ・実例
みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水 煬二です。

さて、昨日の質問の答えです。昨日を読んでいない方は、昨日の平成19年5月17日をクリックしてくださいね。

私がメールした内容は、次の通りです。


「 ○○ さま

ミタス一級建築士事務所の清水です。

収納量とあなたが持ち込む量を比較して考えるべきです。

動線上は当然引き戸の方が良いで、一見お勧めですが、収納が溢れて使いにくいキッチンになるくらいであれば、今は、洗濯機も全自動、風呂も全自動になっているのでちょっと廻り込んでも大したことはないでしょう。

収納量が不足しているのに、無理に引き戸にしても多分食器棚かその類が引き戸の前に来ますね。既成の収納を使って半分かかってOKなら、

案外この方が使い易いのでしょうが、見栄えはよろしくありませんね。

万人にOKの間取りはありません。キッチンや流し部分の大きさ、収納量と
あなたの持ち込みの量、家電品も含めてですが、状況を冷静に想像して、どちらが自分に合っているか決めてくださいね。」


ここで大切な考え方を申し上げます。

様々な良い考え方や参考になるプランは、たくさんあります。
ですが、その全てを満たすにはスペースが不足しているケースが圧倒的に多いのです。また、両方同時に満たすことは、物理的にできないこともあります。

私は最初に皆さんの自由なご希望をお聞きします。
いままでの経験上、そのご希望を満たすには、予定の1.5倍くらいの広さが必要なのです。

例えば、40坪の家をお考えの場合、みなさんの夢は60坪くらいのスペースに拡がっているのです。もちろん、全ての要望をお聞きするので最初はこれで良いのです。

問題はそこからです。

プランを拝見して、気分が悪くなるような平面図をお持ちになる方があります。
他で考えてもらった設計なのですが、「本当にプロが考えたのだろうか…」というプランです。4~5人にひとりは、そういパターンをお持ちになります。
皆さんのご希望をとにかく詰め込んだだけのものだからです。

メリハリや空間の楽しさはもちろんなく、基本的な動線、押さえなければ寸法関係をわかっていないためメチャメチャになっています。


「せっかく、高いお金を出してこんなひどい新築をわざわざ創らないといけないのだろう…」と思いますし、それを考えたプロらしき人は、住宅の重みを感じて
もっと反省して勉強して欲しいと思います。

1.5倍に膨れ上がったものを、本当に必要なのかどうかをお話しながら整理していくと実際には不要だったり、代替案やアイデアが出てきたりします。
この過程が家創りの楽しさでもあります。

次回は、この相談に当てはめて、もう少し詳しく解説しましょう。





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プラン・間取りのメール相談より

2007年05月17日 16時18分36秒 | 住宅ノウハウ・実例
みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

昨日きたメール相談を紹介しますので、一緒に考えましょう。この考え方は、みなさんにもヒントになると思うからです。

私は、その場ですぐにメールで返事をいたしました。その方からお礼のメールも既に頂いています。名前は伏せます。遠い地域の方です。マンションですが、戸建も含めてプランや考え方のヒントが隠されていますので、要点を紹介させてくださいね。



ご相談の内容は、

「 HPの施工例が素敵だったのでメールさせていただきました。新築マンションを購入し、一部間取りのオーダーメイドができる様式です。

現在のプランでは、台所と洗面・脱衣所が引戸を挟んで繋がっています。この引戸を壁にするか残すかで迷っています。

壁にする場合は食器棚を置くスペースが増える(1M→2M)という利点あり。
引戸があると台所から洗濯機が置いてあるところに通り抜けができて便利であるという利点あり。

台所はカウンターとその上の吊収納棚をなくして大理石のフラットのオープンキッチンにした。収納や見栄えは、幅の広い食器棚を置いた方が台所が良くなると思ってはいるが、引き戸の便利さも捨てがたく迷っています。

何かアドバイスをいただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。」

という質問です。

みなさんなら、どう返事をしますか? 私の答えは、明日5月18日の午前中の早めの時間帯にアップしておきますので、みなさんも一度考えてから、私の回答と解説を読んでください。この答えの中には、とても重要な考え方があるのです。





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5月の住宅勉強会~窓の演出~

2007年05月16日 14時40分35秒 | 住宅セミナー・住宅勉強会
みなさんこんにちは、ミタス一級建築士事務所の清水 煬二です。

5月19日(土)は、住宅の勉強会の日です。

この勉強会は、おととしのセミナー、そして昨年からは毎月、私が講師となって、さまざまなテーマで行ってきました。

今年は少し趣向を変えて、テーマだけでなく方法なども違ったものを行うようにしています。

5月19日(土)に関しては、カーテンを含めたウインドトリートメントのお話です。

サンプルや写真なども用意して頂き、お話を聴きます。

講師は今回は私ではありません。毎日カーテンやウインドトリートメントを仕事として行って頂いてるプロの方に来て頂きます。以前コーディネートを依頼してみて、ポイントを抑えていて良かったからです。私も皆さんと一緒になって聴き、質門する予定です。

内容は、最近の流行についての話はもちろん、カーテンやブラインドなど様々な種類と考え方、注意点もサンプルを見せてもらってお話を聞くことができます。

私がスタッフにカーテンを考えさえたあと、いつも話していることは、「カーテンをいつ閉めるのか、開けているときはいつなのか?そのシチュエーションを考えて、そこでの演出を考えなさい」と言っています。

閉めても閉めなくても変わらないというのであれば、コーディネートや提案は必要ありません。どういうタイミングで使うからこうだという演出を含めた提案や方向性が無いと、私に却下され、あるいはOKをもらえないのです。

カーテンに限らず、ブラインド、バーティカルブラインドなど様々なウインドトリートメントの種類と方法がありますが、

プロならではのお話が聞けると私も楽しみにしています。

費用は無料です。アンケートや何かの売り込みもなく、終わったらそのまま解散です。余計な話はありません。


ご希望の方は、ミタス一級建築士事務所のホームページから、2日前までにお申し込みください。但し人数に限りがありますので、定員になるとお断りすることがあります。





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23年以内に実現して欲しいこと

2007年05月15日 18時35分05秒 | 建築家の日記
みなさんこんにちは、ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

本日は、現場着工の朝の確認のあと、建築紛争に関しての調停委員の仕事で関内へ急いで移動し、戻ってきてスポーツクラブの申し込み!に行ったら、月に一度の休館日でした…。


今、インテリアスタッフにしてもらっているのが、様々なメーカーのショールーム廻りです。私自身は、日曜にも僅かな時間を見つけ、研修先からタクシーを飛ばしてビックサイトのスタイルショーを観に行ったり、セミナーや講習会の受講を含めて、インプットは意識しておこなっていますが、すべてをインプットすることは不可能です。

そこで、インテリアスタッフに、まず1ヶ月間掛、出社せずに直接、都内や横浜のいくつものメーカーショールーム廻りをしてもらっています。その前にも1ヶ月、社外でテーマを決めて、インプットしてもらっていました。

各メーカーとも、どんどん新製品を出していて、10年以上前には「こういう商品があれば、わざわざ現場で高い費用を掛けて造らなくても良いのになあ…」と思っていたものでも、いくつか商品化されています。

常にベターなものを求めていかないといけませんし、既製品で安くできるものと、そうでないものを知りながら提案していかないといけません。

私の仕事の半分の時間は、実は、知識を含めてインプットのためにだけ使っています。私と同じ人間を造るには、何億円という費用を掛けて、何十年という年月を掛けてようやく完成するのです。

そう思うと、「私の設計監理料は…何て…安いんだ…」と自分では思うのです。(笑)

スタッフに、ときどき言います。

「ブランド品は、原価の何十倍もの価格で売れているのに、なぜ日本の建築家の設計監理料は、こんなに安くしてしまうのか?」「事務所の経費も出ないような費用で受けている建築士も多い。これをもっと引き上げないと、建築家を目指す優秀な人もいなくなるし、姉歯さんのような人も無くならない」


いつか、日本の住宅を先進国並に本当の意味で高品質にして、建築士が医者や弁護士以上の社会的地位になることを夢見ています。

私が引退するあと23年以内に実現して欲しいものです。





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住宅トラブル相談から

2007年05月14日 15時47分32秒 | 住宅検査・トラブル相談
こんにちは、ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

建築トラブル相談について、参考までに具体的に知りたいというメールを頂きました。

最近のものは、詳しくお知らせすると問題になると困りますから、かなり以前のもので最近の例と共通する点があるものを、みなさんに教訓としてお知らせしましょう。


ご相談にいらっしゃったのは、既に契約して基礎工事までは進んでいた注文住宅でした。北欧の家の輸入住宅が売りで、信頼できる展示場に出展していたので、まさかこういうことになるとは思わなかったのでしょう。

せかされて契約したはずが、なかなか工事に入らず、お金の要求ばかりが続きました。このパターンは要注意です。

まず契約を急がすもっともらしい理由はあれこれありますが、納得できる理由であっても消費税アップ以外など同意しない方が良いでしょう。


お金の要求が多いというのは、それだけその会社の資金繰りが忙しいということです。私が設計監理する場合は、契約金として100万円は認めていますが、それ以上は着工してからと業者に事前にお願いしています。

この例では、基礎工事に着手する段階で脅されて、半分は払ってしまっていました。単なる要求ではなく脅してきたのです。しかも、この次に進むためにさらにお金の要求をしてきたので、ミタス一級建築士事務所に相談に来られました。

第三者として話を聞いていると、まともではありませんでした。
その展示場は、横浜市と民間の第三セクターで運営されていました。トップに就任した人は、以前の私の上司だったので、その業者のことを問いあわせてみました。


「良く知っているけど、そういう人を脅すような社長ではないよ、清水。」という返事で信じてくれませんでした。

結局、弁護士の先生を紹介し、契約解除の内容証明と工事代金の訴訟を起こしましたが、その裁判途中にその会社は潰れてしまったのです。

やはりお金に、非常に困っていたわけです。

私が申し上げたい教訓ですが、万一のことを考えて、契約前に工事代金をたくさん払わない。工事中も何度かに分けて後追いで支払っていくことを条件にすべきです。私の場合は、4回から5回に分けてもらっています。

早く早くとせかす業者の場合は、必ず慎重に対応いたしましょう。





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リビング空間について考える(9)

2007年05月12日 21時15分21秒 | 2階リビング空間を考える
みなさん、こんばんは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

本日は、事務所へお越し頂いての予約相談が多かったのですが、トラブル相談もありました。内容については控えますが、早めに手を打つことが大切だということだけ申し上げておきましょう。もっと早く相談頂ければ何とかなったのにというケースが多いのが、残念です。

さて、久しぶりに「リビング空間について考える」の続きをお話いたします。

今まで2階にリビングを持ってくるメリットを述べてきましたが、皆さんがマイナス面と思われていることも本当にそうなのかを考えてみましょう。

まず、お年寄りのある家は1階リビングをご希望されます。階段の昇り降りを心配されるからです。これは、これで良いのですが、1階の日当たりが悪い立地条件の場合、お年寄りは2階の日当たりの良い部屋に行きたがります。

脚や膝が悪いかたでも、ゆっくり歩けるかたなら、まして2階に和室でもあれば昼はそこに移動したがります。

頭の中で考えているのと、実際とでは異なることがあります。

例えば、北欧での報告事例として聞いた話をお知らせしましょう。いたせりつくせりの老人ホームがあって、部屋に窓が2箇所あります。一方は庭に面していて、一方はハイウエイ、高速道路に面しています。この場合、お年寄りはどちらの窓際にいる時間が長いか…。

意外にも毎日何もすることが無い孤独なお年寄りは、車が動いているハイウエイの方をいつも眺めているそうです。



足腰が悪くてもゆっくり歩けるのなら、階段の巾や一段の高さ、手摺りに注意してゆっくりでも2階に昇って、少しだけでも動いた方が健康には良いという考え方もあります。

定年退職後は、一生懸命働いてきたから、何もしないでのんびり過ごして欲しいという子供たちの考え方は、最近は痴呆症を考えると必ずしも親のためにはならないという考え方に変わってきていますね。


我々が正しいと直感的に思っていても、実際にはそうではないことも多いのです。

2階リビングについてデメリットと思っていることが、考え方によってはデメリットではなかったということもありますので、次回もこういう面を一緒に考えてみましょう。





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