一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

住宅リフォームの現場で

2006年10月31日 10時48分24秒 | 住宅リフォーム・耐震
こんにちは、ミタス 一級建築士事務所の清水煬二です。

現在、新築以外にも耐震補強とリフォームの設計監理で現場が動いています。

このリフォームの物件は新築時は有名な大企業が注文住宅で造っていたのですが、解体してみると大きな筋交いが、水道屋さんの配管によってまっぷたつにされていました。その他もいろいろありましたが、そのまま蓋をされて、住んでいる人は知りようがありませんでした。マンションの耐震偽装問題は氷山の一角で、今さら何を騒いでいるのか…という実感は、こういうことを昔からたくさん見てきたからです。





▲壁を開けて見ると筋交いを水道配管のために切っていた例



ミタス一級建築士事務所が工事をせずに設計と監理だけしかしないのは、本当に施主の立場にたった設計や監理は、施主に直接から仕事をもらい、施主のために現場をチェックする立場でなければできないと感じているからです。素人が良い住宅を造るのは、こういう立場での建築士がいないと難しいと思います。

私が今年行ったカナダのバンクーバーでも、設計と工事を同じ会社が行うことは許されていませんでした。さらに、日本の第三者機関より、はるかに厳しく回数も多い検査を途中で受け合格しなければ、次の工事に進めないのです。これが法律として決まっていて、建築確認申請を出すときには、その検査を受けるための費用も日本の第三者検査費用よりもっと多くの金額を義務として支払うことになっているのです。

もし、工事を受けるとなると、材料はもちろん職人などの手間を掛ければ掛けるほど支払いが多くなり、利益は無くなるのです。割り安感を出すためにコストを抑えないと工事の注文が取れす、下請けにも安くやってもらているこの時代に、契約後に必要以上の工事をしようと思うでしょうか?

問題が起っても、誠実に対応するには、手間と費用が掛かるから、先ほどの例のように、筋交いを切ってしまって、そのまま蓋をする。といっても、切ったのは水道屋さんと思いますが、塞ぐのは大工さんが別の日に何日も後にするのですから、現場監督がそれを知らなかったということは考えられません。企業の利益や組織の中での保身を考えざるを得ない弊害でしょう。


問題が無くても工事を請け負ってしまい、組織が大きくなってくると他と同じ程度が少し上程度で良いと妥協もすることも増えるでしょう。そういった考え方は、企業の利益もそうですし、現場監督にも過剰な物件数を担当させているので、止むを得ない図式があります。


ミタス一級建築士事務所が誕生したのも、今の日本の住宅の考え方では、どこに所属しても納得できる仕事をさせてもらえそうになかったので、独立して自分の思うように仕事をできるようにしました。組織を維持するために、やりたくない仕事まで無理して受けるようになることを恐れて、必要以上に背伸びしないようにしています。通常以上の手間を掛ける場合でも、設計監理であれば、仕事の好きな私やスタッフが余分に動けば良いだけです。


ミタス一級建築士事務所の考え方がすべて正しいわけでもなく、最高でもありません。常に向上して求めていくことを私自身にもスタッフにも求め続けているのは、このためです。

広い日本にはもっと素晴らしい住宅企業や設計事務所が、たくさんあることは知っていますし、間違いなくあります。尊敬する設計事務所の先生方もたくさんいます。但し、ミタス一級建築士事務所が素晴らしいと実感できる工事業者や設計事務所は、少なくとも有名な大企業では無く、オーナーの誠実で強烈なポリシーを浸透させて、直接指示実行させることのできる比較的小さな企業ばかりではないかと感じています。







毎日の仕事である住宅設計や監理、相談を通して皆さんの参考になりそうな考え方や実例を独断と偏見で、気ままに情報発信しています。
他の建築家や業者では聞けない内容が多いはずです。この情報で、いつの間にか皆さんが、正しい住宅について考えるきっかけになり、日本の住宅を本物に変えていくお手伝いが少しでもできれば幸いです。


ミタス 一級建築士事務所のホームページ 
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中古住宅の購入トラブルと調査

2006年10月30日 07時06分21秒 | 住宅検査・トラブル相談
こんにちは、ミタス一級建築士事務所の清水です。

良いと勧められた「ルイス・カーンを探して」と予約していた「ガウディの世界」のいずれもDVD、そして「ベスト・オブ・サラ・ブライトマン」と デルタ・グッドレム 「Innocent Eyes」のCD、…アマゾンで簡単に注文できるので、続々届くのはいいのですが、忙しいからまだ封も切っていません…ミタス一級建築士事務所のホームページの追加と訂正が完成するまでは、未開封のままでしょう…












さて、本日は中古住宅のトラブル例についてお話しましょう。

中古住宅を購入する前にミタス一級建築士事務所にチェックを依頼された方と、購入後に依頼された方とは、随分差が出る場合があります。これは、中古住宅に瑕疵が多いことを示しています。築年数でいいますと17~18年くらいから怪しい内容が増えてくるというのを実感しています。

事前に調査された方では、私の調査での瑕疵の指摘でかなりの金額を値引きしてもらったり、将来、擁壁絡みで単独では建て替えが難しく、かなりの費用が掛かる物件という指摘で購入を見合わせた方、家の傾きに気付きレーザーレベルで測定してやはりかなりの値引きをしてもらった人…。もちろん、問題なしというコメントで安心して購入された方もいます。


購入後の調査では、「契約前に調査させていてくれれば、完全に救えたのに…」というケースでは、契約前と後では本当に天と地の差です。「床下が陥没していたケース」や建築確認申請では筋交いが入っているはずなのに、実際には壁さえも無い、しかもそれでは筋交いの量が足りないというケース」などなど…

瑕疵保証期間があるからと安心していた方も多いのですが、それはもう明らかな欠陥でも、契約して代金も支払い引渡しを受けていますと相手が認めなければ、裁判しかありません。


欠陥住宅の裁判は、テレビで皆さんも欠陥住宅をご覧になったことはあると思いますが、あんなにひどくても裁判に4年も5年も掛かり、弁護士さんの費用もかさみ、精神的にも参ってしまいます。やっと勝訴しても、日本の裁判では被害者に厳しいというか加害者に甘過ぎですから、裁判で決定された賠償金額ではとてもとても不足で割りに合いません。


というわけで、中古住宅を購入されるのであれば、不動産屋さんに支払う手数料の何十分の一の費用で済むのですから、第三者の専門家に契約前に確認してもらうべきです。契約前なら、問題の指摘で相手がそれで値引きしてくれれば、調査費用の何十倍も返ってくることもありますが、それは別として建替えせずにリフォームしてお住まいになるなら、建物の第三者の建築士のチェックは必需と考えていた方が良いでしょう。



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住宅の構造体が集成材の場合、気を付けることは…

2006年10月29日 09時50分42秒 | 住宅ノウハウ・実例
こんにちは、ミタス 一級建築士事務所の清水煬二です。

昨日に続き本日も、施主との打ち合わせがあります。土日は、大体打ち合わせが入り平日は現場が動いていますので、スタッフには交代で休んでもらっていますが、私は休む暇はありません。

また、自身の知識のインプットのために有料、無料関係なく講習会やセミナーなどにも参加しますし、ボランティアも定期的に行っているので、やはり時間が足りません。しかし、仕事自体は好きで楽しくてやっているので、私にはこれが全く苦にはならないのです。  (^^)v

本日は、構造材の件について私の考え方を述べてみましょう。
構造用集成材は、現在の木造ではハウスメーカーを中心としてあたりまえのように使われています。ですが、これには細心の注意が必要だと、私は経験上考えています。

もし、あなたが新築した家を欧米並みに長~く使いたいのならば、できるだけ構造用集成材を構造体に使うべきではありません。なぜなら、水に弱いからです。

それが証拠に、いくら集成材が水に強くなったとハウスメーカーが力説しても、外部の雨ざらし部分に、例えばポーチの柱やバルコニーの柱、デッキ、手摺には使わないでしょう。

神社やお寺の柱や土台、梁に集成材を使っていますか?雨ざらしになった状態でも外気に触れて乾燥する状態にある無垢材は、何十年、何百年?と腐らずにいますね。これが集成材ですと、数年で接着部分と木の部分が剥離してバラバラになってしまいます。ですから、集成材は水に弱く、短期ならともかく長期に濡れることは厳禁なのです。

20年程度経った住宅のリフォームをすると、必ずといって良いほど土台や柱の下部が腐っている箇所があります。このように内部に閉じ込められた木の部分は、湿気や雨の染み込みが原因で腐りやすいのです。

現在、梁や柱はもちろん土台まで集成材がよく使われていますが、無垢材が腐っている部分が、もし集成材ならバラバラになっているということです。現在の日本の戸建て住宅のように、25年や30年で建替えるつもりなら、問題はないのでしょうが、私は50年経って地震がきても平気な住宅にしたいですし、できれば100年くらいは木造でも大丈夫という家にしたいので、集成材を閉じ込められた内部の構造材に選ぶことは、顕しの化粧部分は別として、できるだけ避けます。

私が設計監理する場合、止むを得ない場合以外は無垢の乾燥材を使用します。また、無垢材や集成材にかかわらず、雨の染み込みを防ぐための実際の工事には、そこまで言うか…というくらい、細かくうるさく現場監督や職人さんにお願いをし、検査をし、最後は「やっぱりここまで丁寧にしてくれる職人さんはいないか…」と嘆きながらも、ミタス一級建築士事務所を信頼して設計監理を依頼してくれた施主のために、自分で手直しをしているのです。

こういった個人的なこだわりや手間の掛かり非効率的な仕事や指示は、組織の一員では許してもらうことはできません。それでなくても、住宅はクレーム産業で利益が飛んでいくのですから、造る側にとっては、効率的に利益優先の考え方をしなければ多くの社員を養えません。株主達の理解を得られない大企業などにも、非効率な経費を掛けて必要以上の耐久性を求める方が無理でしょう。

私のいうことが正しいことは、優秀なはずのメイドインジャパン製品が、少なくとも住宅に関しては非常に耐久性に劣っているということでわかるでしょう。先進国の海外の住宅をご存知の方なら、わかりますね。といっても、輸入住宅が日本で造られるとやはり、考え方が今までと同じですから、同じように問題があります…。

工務店でも同じです。工事をする側の工務店にとっては、面倒なことをして利益を減らさなくても、施主は見映えさえ問題なければ、耐久性など10年もてばクレームにならないのですから、今までの自分達の仕事は正しいと考えますし、いちいち考えることさえもしないのです。

現在の業界がこういった考え方に至ってしまった原因は、戦後の日本の住宅事情や政策によるもので、この意識を変えていくには、造る側からでは無理な話ですし、家を求める皆さんの考え方が間違っていることもあります。住まい手である施主の考え方から変えていかないと、日本の住宅は変わらないでしょう。


本日は、ちょっと、力説し過ぎました…。m(__)m






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住宅セミナーのお知らせ (2006年11月26日)

2006年10月27日 09時15分29秒 | 住宅セミナー・住宅勉強会
こんにちは、ミタス 一級建築士事務所の清水煬二です。


2006年11月26日に住宅のセミナーを行います。

 2006年11月26日(土) 13時分~14時30分
 場所 TBSハウジング湘南平塚の住宅展示場
 テーマ「永く住むために ~より良い住環境とは~」入場無料・予約不要

興味があって時間があれば参加してください。

私がセミナーや講演をするときには、時間か来たらピタリと終わります。ズルズルと時間が延びることはありません。時計と皆さんの反応を見ながらお話しますので、話をしながらレジメの内容を飛ばしたり、具体例を多くしたり、順番を入れ替えたりしながらお話しています。

パソコンのプロジェクターを利用して、写真をお見せするようにしておりますが、最初から最後までですと、会場の照明が暗くなるので、タイミングをみて使用してます。

今まで何度もセミナーや講演、企業研修を行っていますが、自分で言うのも何ですがいつも大変好評で、想像以上に内容が良くて驚いたと喜んで頂いているようです。。。。(^^;)ゞ



▲前回2006年7月のセミナーで  カラオケではありませんよ~♪





毎日の仕事である住宅設計や監理、相談を通して皆さんの参考になりそうな考え方や実例を気ままに情報発信しています。他の建築家や業者では聞けない内容も多いはずです。この情報で、いつの間にか皆さんが、正しい住宅の考え方を身に付けられ、日本の住宅を本物に変えていくお手伝いが少しでもできれば幸いです。

ミタス一級建築士事務所では、毎月第3土曜に住宅の勉強会をボランティアで行っています。ご希望の方は、気軽に参加してください。


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現場とホームページと…

2006年10月26日 13時33分08秒 | 建築家の日記
こんにちは、ミタス 一級建築士事務所の清水煬二です。

昨日2006年10月25日は、他の仕事をストップしてホームページの改定作業に集中しました。時間をまとめて取らないとできませんので、夜も徹夜で行いました。トップページだけですが、なかなか思うようにいかず苦労しました。そんな中でも、現場は、毎日動いているので、確認に行かなければなりません。昨日、新築中の木工事が終わり、大工さんが現場を離れました。




▲洗面台は、かなりの横長でサイズ指定で現場で造ってもらいました。


内容をチェックをして、現場監督に携帯で指示を出しました。本日、またこれから確認に行きますが、外壁の防水で大切な段階は、特に細かくチェックするのです。チェックだけでなく、本当に細かい部分は自分でプラスアルファーの手直ししています。こうしないと安心できません。


そうです、ホームページのトップは何とかアップしましたが、中身が変わっていないので、追加と訂正を引き続き行わないといけません。今月中には、一通り訂正を含めて完了したいものです。


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テレビ 劇的大改造!ビフォーアンドアフターの裏話(1)

2006年10月25日 09時38分32秒 | 建築家の日記
こんにちは、ミタス 一級建築士事務所の清水煬二です。

もう3年くらいになりますが、2003年の11月に朝日テレビの「劇的!大改造ビフォーアンドアフターに匠として出ました。この番組は、一時は毎週行っていましたが、現在は特番扱いで、たまに放送されているようですね。 

私が出演して初めてわかった、その話をときどきいたしましょう。

工事が始まってからは、番組のアシスタントディレクターが朝から晩まで、正確には職人さんの来る前から帰り終わるまで、ビデオカメラを持って毎日現場に居てくれたことには、驚きました。

何をしているかというと、ビデオで進行状況を撮影しているのは、もちろですが、朝の10時や午後の3時には、職人さんにお茶やお菓子を出してくれるのです。夏の暑いときには、冷たい飲み物以外にも、ハーゲンダッツのアイスクリームまで買って来てくれて職人さんみんなに出してくれまていました。他にも、ゴミ出しや清掃、材料の移動なども手伝ってくれていました。

これは、職人さんに少しでも気持ちよく仕事してもらうために、気を使ってくれてのことです。

よく、「あの値段でできるわけない」と聞きますが、私もそう思います。(笑)ですが、私の場合は、工事をしてくれた業者に損をさせるわけにはいかないので、コストダウンするために必死でした。

インターネットでアウトレット品やB級品を探したり、オークションで材料を落札したり、メーカーに掛け合って、通常よりかなり安く仕入れさせてもらったり、下請けの職人さんには、原価でやってねとお願いしました。

外部のデッキや竹の塀、ガーデニング部分の飾りなどは予算がなかったので、ホームセンターで材料を購入し、道具を無料で貸してもらい寸法カットなどを行って、トラックを借りて現場に運びました。その他もいろいろなショップを廻り、安くて良さそうなものを探し廻りました。取り付けは自分で行い、工事が必要な部分は手伝ってもらいながら、私も先頭に立ってかなりの作業をしています。

しかし、普段はここまでしませんので、こんなコストが下がることはありません。私の人件費はあくまで別ですから。

工事期間中は毎日のように時間を取られましたが、職人さんともスタッフの方とも、楽しく進めることができました。



▲この写真に見えているものは、ほとんど自身で購入し、ビス留め、紐結びから取り付けまで行いました。水中ポンプや水中ライト、外部スポットライト、壺や枕木、玉砂利、流木、水差しの青竹や塀の竹、ガラスブロックも。10軒くらいのショップから寄せ集めました。          100円ショップで購入したものさえあります。。。。(^^;)ゞ



毎日の仕事である住宅設計や監理、相談を通して皆さんの参考になりそうな考え方や実例を気ままに情報発信しています。
他の建築家や業者では聞けない内容が多いはずです。この情報で、いつの間にか皆さんが、正しい住宅の考え方を身に付けられ、日本の住宅を本物に変えていくお手伝いが少しでもできれば、幸いです。

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中越地震から2年経ちました

2006年10月24日 11時08分59秒 | 建築家の日記
こんにちは、ミタス 一級建築士事務所の清水煬二です。

昨日2006年10月23日のテレビでは、中越地震から2年ということで報道や特集がありました。私も震災のボランティアの訓練に行ってきましたが、2年前には、新潟の小千谷市に、地震後にやはり行っています。



▲長岡から小千谷市へ向かう途中の郊外で


越後湯沢まで新幹線が動くようになるのを待って、そこから高速バスで長岡へ。長岡からは事前にチャーター予約していたタクシーで小千谷に入りました。

そのときの写真は、

http://www.mitasu.com/html/ojiya-top.htm

被害を受けられた地域の皆さんは、もちろんお気の毒ですが、阪神大震災のように大きな被害にならずに済んだことが、せめてもの救いでした。

小千谷地区では、信濃川を挟んでの被害状況が大きく異なりました。おそらく地盤の関係でしょう。また、多雪地帯のため、基礎を大きく立ち上げ1階部分がコンクリートの倉庫のようになった建物は、小千谷地区では被害が少なかったようです。しかしながら、他の地域では逆の結果報告がされています。

阪神大震災の教訓から学び、「やはりこういう建物は被害を受けているのか…」と感じることが多かったのですが、小千谷駅前から信濃川にたどりつくまでの商店街は、壊滅しているに違いないと思ったのに、予想をはるかに超えて、被害を受けながらもしっかりと建っていたことには驚きました。

1階間口には商店のため一切壁がなく、2階が住居的な部分になっていて、うなぎの寝床のように細長いのです。しかも老朽化している木造です。

私なりの結論を出すために、歩き回っていろいろ調べてみて、あることに気づきました。仮説の段階で、賛否両論あると思いますので、公表は控えておきますが、私にとっては重要なことですした。

ですが、こういう地震に対しては、実際には未だに住宅業界は非常に遅れていて、素人を騙すようなまやかしが、まだまだ多い気がします。

もうひとつ、このブログでも提案していきたいことがあります。それは、耐震性だけでなく耐水害性、耐風性です。地球温暖化で、ますます集中豪雨が増え、水害が日本をどんどん襲い、地震以上に深刻な被害をもたらし続けることを確信しています。

そのためには、どうすればよいのでしょうか?
耐震性、耐水害性、耐久性、耐風性、温熱環境を含めた快適性、これらを最低限満たしていくと、どのような住宅が考えられるのか、私も日々追及していますので、提案していきたいと思います。


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大地震の際に集まるボランティアの建築士とは…

2006年10月23日 17時07分53秒 | 建築家の日記
こんにちは、ミタス 一級建築士事務所の清水煬二です。

本日、2006年10月23日は、応急危険度判定士の模擬訓練で秦野市まで、朝から参加のため行っていました。



▲事前説明を参加者は、真剣に聞いています


これは、地震の被害を受けたときに、全国から応急危険度判定士という資格をもった建築士が完全なボランティアで集まってくるのです。そして、建物ごとに危険か安全かを判断し、赤、黄、緑の紙とコメントを記入して貼り付けていきます。二人一組で行い、すべての建物について判断していきます。

本日は、週初めの忙しい日の朝に、車ではなく電車とバスを使って秦野の指定場所に駆けつけなければならず、交通費も自身で負担し、一切の報酬はないのですから、仕事をたくさん抱えた建築士にとっては大変で、もともと出席者も少ないうえ、当日の欠席も多かったようです。

毎年9月1日の防災の日にも、こういった作業を多くの皆さんの前で、ボランティアの建築士である応急危険度判定士が行っています。耐震偽装を行う建築士もいるのですが、こういう建築士もいますので、ご覧になる機会があれば、ぜひ応援してあげてください。



▲この建物などを模擬調査しました



毎日の仕事である住宅設計や監理、相談を通して皆さんの参考になる実例や考え方を情報発信しています。他の建築家や業者では聞けない内容になるでしょう。この情報で、正しい住宅の考え方を身に付け、日本の住宅を本物に変えていくことができれば、最高です。

ミタス一級建築士事務所では、毎月第3土曜に住宅の勉強会をボランティアで行っています。ご希望の方は、気軽に参加してください。




神奈川県横浜市
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住宅の地鎮祭について

2006年10月22日 12時30分38秒 | 建築家の日記
ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

昨日2006年10月21日は、川崎市中原区で地鎮祭がありました。

地鎮祭は、「初めてです…」という方がほとんどで、「どうしましょうか?」とよくご相談を受けますが、私の記憶ではすべて行っています。

神主さんまでお呼びするのはちょっと…という方の場合は、なんと私が祝詞をあげてしまします。(^^;) その場合、もちろん神棚も祭壇もありませんが、






▲地鎮祭のときの写真(横浜市青葉区)


地鎮祭で私が祝詞として口にする言葉は、

その建物が安全に完成することはもちろん、完成後のその家やそこにお住まいになる方が益々繁栄し幸せになっていただきますように、

その家を訪れる方すべての方が繁栄し幸せになっていただきますように、
とりわけ子供達にとっては特別に大きな幸せをもたらしていただきますように、

願わくばこの家を観た子供達が、将来建築家になって自身も素晴らしい家を設計してみたいと思えるような家となりますように、
またご近所の方々の繁栄や幸せ、この家の建築に携わったり関係したすべての業者や職人、担当者が、益々幸せとなっていただきますように…

というような内容を、普通の言葉にして祝詞をあげます。

私が祝詞をあげると、必ずといっていいほど皆さんは驚かれますが、私の心からの願いでもあり、言葉の内容が普通の言い方ですから意味もわかりますので、喜んで頂いているようです。

もちろん、神主さんを頼むことがほとんどですが、
その場合でも、私の心の中でさっきのような内容を地鎮祭が始まる前と、最中に心の中でお祈りしていますし、いつもそういうことを願いながら住宅の設計や監理をしています。

というわけで、建売などの場合は無理でしょうが、注文住宅の場合、仮に上棟はできなくても地鎮祭だけは、儀式であれ、形式であれ、私は心を込めてやっておいた方が良いと思っています。

次回、その(2)に続く

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住宅の仕上げ材料を考えてみると

2006年10月19日 12時22分01秒 | お勧め(建築編)
こんにちは、ミタス 一級建築士事務所の清水煬二です。

もし、あなたが住宅の設計を頼むならどこにいくでしょう。

多くのかたは、ハウスメーカーや工務店ですね。
ここでプランを考えてもらって、どういう仕上げ材料を使ってというようにどんどん決まっていきます。

ハウスメーカーのパンフレットや説明でも、地震に強いとか耐久性が良いとか断熱性能が良いとか、快適、50年保証とか60年継続保証とか、やはり頼んで良かったと思うでしょう。

お待ち下さい。みなさんがわかりやすい例でお話しますと、仕上げ材を見てください。

屋根は石綿スレート版、一般的にいうコロニアル葺き、床はフローリングと書いてあるけど合板ですね。床暖ならなおさら合板を薦められます。

さらに、壁はビニルクロス貼り、トイレや洗面の床はクッションフロア貼りとなっている例が圧倒的ですね。

構造材は、強いというのが売りの構造用集成材です。

しかし、住まい手の立場で住宅を考えた場合、いずれも私は、お薦めしませんし選択いたしません。

これが、はたして住まい手の立場に立って考えた家の仕上げ材と言えるでしょうか。断固としてノーです。こういう仕上げ材の例は皆さんにもわかりやすい例ですが、実はこの住まい手を完全に無視した、造る側の都合とメリットを優先した考え方の前提で、設計においても実際の工事においてもなされているケースが多いのです。

前記のわかりすい仕上げの例で、今後、時間のあるときに説明していきましょう。

最初は、屋根です。一般的にはコロニアル葺きといいますが、石綿スレート版ですね。これは、日本だけのものだと思ってください。デザイン的には、石葺きやアスファルトシングルに似ています。

これをお薦めしないのは、メンテナンスの費用が掛かることと、放置しておくと毛細管現象で、雨が染み込みます。雨漏れで気づくくらい漏ってくれればいいのですが、じわじわと漏って、野地板(屋根の下にあり、屋根材を支えている板)が最近の合板では腐ってブカブカになっていることがあります。特に乾きにくい北側はそうです。

やはり家の耐久性を考えると、最低限50年は地震が来ても大丈夫という考え方で造るべきだと私は考えています。できれば木造でも100年…そうすると、やはりこの材料は、どんなにコストを安くして欲しいと頼まれても、私は選択しないのです。

もちろん、このことをわかった上で初期の費用を安く抑えて、後でメンテナンス費用を掛けるという考え方をされていれば問題ありません。このようにメリットとデメリットをわかった上で選択するのであれば、その方の考え方ですから問題ありませんね。

この屋根材はアスベストの含有が問題となっています。メーカーによって年数は異なりますが、10年以上前のこの屋根材は、解体時も気を付けなければならないのです。最近のものはノンアスベストに、なっています。





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住宅勉強会のお知らせ

2006年10月18日 12時38分59秒 | 住宅セミナー・住宅勉強会
ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

明日は、住宅勉強会の日ですが、操作に慣れていなかったので18日に投稿したものを間違って消してしまいました。もう一度紹介しておきます。

ミタス一級建築士事務所では、毎月第3土曜に勉強会をしており、

2006年10月21日(土)住宅実例研究(地下室付きの都心の家)
2006年11月18日(土)誰も知らない契約書の内容と意味

のテーマで実施致します。




▲写真や資料を見ながらの勉強会




▲パソコンプロジェクターを見ながらの勉強会 




明日の21日の内容は、設計のコンセプトやポイント、工事中のチェックポイント、入居後の住まい手の感想などのエピソードを交え、提案書のパースやプラン図、詳細図面、600枚の写真をお見せしながら詳しく説明いたします。

建築条件付きの土地で、お医者様の家など高級な住宅に慣れている業者だったので安心して土地購入されたのですが、半年以上その業者と設計のやり取りをされていました。ご友人の紹介でしたが、依頼を受けミタス一級建築士事務所が提案したプランをご覧になりました。建築条件付きだったにもかかわらず、即決で設計監理をミタス一級建築士事務所に依頼された理由やポイントは何だったのか?施主が建築条件付きをはずしたご苦労などもお話いたします。

ミタス一級建築士事務所の事務所のミーティングテーブルで行いますので、興味のある一般の方は、気軽にご参加できます。8名が定員ですが、無料です。売込みなども一切ありません。名刺も出しませんし、あくまでボランティアです。お客様ではありませんので、お茶も出しません。ご了解下さい。m(__)m

そのため業者の方は、参加できません。
業者でご希望の方は、別途依頼して頂き、高額のセミナー料というか研修料をお支払い下さい…(^^;)


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横浜パシフィコで行った住宅セミナーの内容は…

2006年10月17日 13時26分31秒 | 住宅セミナー・住宅勉強会
みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水煬二です。

2006年10月8日(日)の午前中に横浜パシフィコで、講演の依頼を受けて行いました。

http://www.the-reform.co.jp/new_fair/2006/yokohama/yokohama.html/
リフォームフェアーのページ


講演のテーマは、「新築かリフォームか、判別ポイントの実例 ~TV出演の匠が教える秘訣~」という内容でした。




▲セミナー会場にて 2006/10/08


住宅メーカーや業者の方がいると、非常に言いにくい内容でした。というのも、批判的な内容も含んでいるからです。しかし、本当のことをお知らせしないと、皆さんも聞く意味がありません。住宅の工事をしない設計と監理だけという第三者の立場、というより素人の施主にアドバイスしていく立場だからこそ、お話できるのです。

工事業者に同じテーマの相談をすると、皆さんは益々迷うでしょうね。リフォームするにしても、建替えにしてもどちらが良いかということは、単に築年数で決まるものではありません。

例えば、NHKで放映されたもので、築40年の住宅では、ご要望をお聞きして調査した上でリフォームを薦めました。別の例で築18年の住宅では、増改築をご希望でしたが、建て替えをお薦めしました。

このセミナーは、ビデオに撮っているので、いずれダビングするかご希望される方には、見ていただけるようにしたいと思っています。

また、ミタス一級建築士事務所では、毎月第3土曜に住宅の勉強会をボランティアで行っています。ご希望の方は、気軽に参加してください。


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住宅設計やノウハウ、正しい考え方が身に付く

2006年10月16日 14時23分01秒 | 建築家の日記
皆さんこんにちは、ミタス 一級建築士事務所の清水煬二です。

これから、毎日の仕事である住宅設計や監理、相談を通して皆さんの参考になる実例や考え方を情報発信します。他の建築家や業者では聞けない内容になるでしょう。この情報で、正しい住宅の考え方を身に付け、日本の住宅を本物に変えていくことができれば、最高です。




▲バンクーバーにて




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ミタス 一級建築士事務所概要

2006年10月15日 15時13分02秒 | 会社概要



ミタス 一級建築士事務所 について




代表    清水煬二(しみずようじ)


登録    一級建築士事務所登録
      神奈川県知事登録 第11598号 
      建築物調査・鑑定業務登録事務所   
                                 
所属団体  社団法人 神奈川県建築士事務所協会 
      社団法人 横浜市建築事務所協会                
      ※日時連・建築士事務所賠償責任保険に加入済
       
スタッフ  5名  一級建築士・二級建築士・
          インテリアコーディネーター 他

                            
 
〒227-0062
横浜市青葉区青葉台1-15-22 綾匠ビル3階
TEL 045-989-2661
FAX 045-989-2665

メールでのお問い合わせは
ホームページ http://www.mitasu.com/
をご覧下さい。



代表の清水煬二について


1980年 神戸大学工学部建築学科卒業後
      株式会社青木建設
      株式会社東急アメニックスに勤務
2000年 一級建築士事務所 ミタス建築アドバイス を開設
2001年 ミタス 一級建築士事務所 に事業所名変更

所属団体   日本建築学会
       神奈川県建築士協会
       横浜市建築事務所協会技術部会委員

資格等

 一級建築士(大臣登録第192860号)・一級建築施工監理技士
 インテリアコーディネーター・福祉住環境コーディネーター
 住宅性能表示評価員・宅地建物取引主任者・住宅断熱施工技術者
 青山環境デザイン研究所 非常勤講師   NPO建築Gメンの会所属
 スーパーすまいるドクター 区役所の安心安全相談員

 最高裁判所が任命する横浜地方裁判所と横浜簡易裁判所の建築紛争の調停委員。

 災害時に公共団体のボランティアとして活躍する 応急危険度判定士・被災宅地 危険度判定士。
 同じくボランティアの「建築よろず相談」解説委員。

阪神大震災 ショックを受け、新築住宅の検査を始め現状の住宅工事方法や検査内容があまりに問題が多いことに気づき、契約前のアドバイスや工事中の業者への指導も行う。

住宅リフォームで施工の問題点や新築設計時の問題を嫌というほど見てきたため、一目で 問題点を指摘できるようになる。工事ミスや問題点は理由を丁寧に伝えるため、建て主・業者の両者から感謝されている。
 
設計依頼は、新築の方が多いが、本当の意味での高品質、耐震面、構造面、耐久性、健康面を追及しており、これを実現するには、設計はもちろん、工事中の設計監理も、施主の立場で行う建築士でなければ実現できないという確信のもとに設計と監理を行っている。

住宅設計、工務店やリフォーム会社へのコンサルティング、顧客への提案指導、
住宅の耐久性や断熱、防湿、構造に対する工事指導、セミナーや講演でも活躍中。

住環境研究会を主宰しているが、多忙のため、活動できない状態。

TV劇的!大改造 ビフォー&アフターにも匠として出演、
NHKテレビなどでもミタス一級建築士事務所の実例が紹介されました。

代表・清水煬二のコメント
「イタリアで数百年もの間、平気で建っている石の文化を見ました。レオナルドダヴィンチの生家は、500年経ったいまでも存在しています。、これからの地球の温暖化による災害を考えると地震だけでなく、台風や洪水にも強い300年住宅の必要性を感じています。そのため、木造以外の住宅も研究を続けます。

但し、断熱材の無いコンクリート打放し住宅は、住宅の温熱環境を考えるとポリシーに合わないため、ミタス一級建築士事務所では設計いたしません。

本当の意味で住宅の品質を求めて、ミタス一級建築士事務所の考え方に共感される方のためには、年中無休対応での設計監理を、喜んでさせて頂きます。」  





ミタス 一級建築士事務所のホームページ  




コメント
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