一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

ご質問と指摘事項について

2008年10月30日 21時15分59秒 | 住宅の材料を考える
みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。

朝から講習会に出掛けていました。このあとも急ぎでやることがあるのですが、

本日、重大な内容のご質問と指摘を頂いていました。

この紹介は急いで、みなさんにお知らせしておかなければなりません。



頂いたコメントは、2008年2月27日のブログに対してのもので、
先ほど公開しておきましたが、大切なことなのでここでも載せておきましょう。


「集成材の接着剤の耐久性が200年持たないという根拠は何でしょうか?

森林組合研究所では集成材に使われているレゾルシノールの寿命は
2000年以上であるという所見を出しています。

何か根拠があってのお話ならご教授願えますでしょうか。」


というご質問です。

私の回答も、簡単に述べさせて頂きます。

現在、住宅で使われている集成材は、シックハウスの関係でホルムアルデヒドを
使うレゾルシノール系ではなく、イソシアネート系が主流です。
イソシアネート系の集成材では、というコメントを入れるべきだったかもしれません。

ご指摘の昔からあるレゾルシノール系の方が強いことは知っていましたが、
寿命が2000年以上もあるという所見が出ていることは、
私は全く知りませんでした。

2000年という数字がどうして出てきたのかも知りたいので
私自身もよく調べてみますが、有益なご指摘どうもありがとうございました。
私の考え方に間違いがあれば、お詫びして正さないといけません。


私が何かデーターを持っているわけでも、試験をしたわけでもありませんが、
20年ほど前、住宅のリフォームの際に、集成材の柱が接着面でバラバラなって
いたのを解体中に見たことがあります。玄関部分の外壁の柱でした。

そのとき既に築20年程度経っていた家です。
当時は接着剤の種類まで興味はありませんでしたし、
調べることもしませんでしたが。


専門雑誌の日経ホームページビルダーでも、過去2度ほど集成材について実験を
含めた特集を行っています。

それらの記事を読んでも、2000年はおろか200年も持たないと
今の私は思っていますが、もう一度よく調べて再コメントしたいと思います。

コメント頂きました方、どうもありがとうございました。



横浜市 一級建築士事務所  

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スイス漆喰の壁、その後

2008年10月24日 19時48分59秒 | 住宅の材料を考える
▲この白い外壁部分は、スイス漆喰です 



みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。

気付いてみれば、このブログも丸2年経ち、3年目に入っていました。

皆さんから、時々励ましを受けながら、休みが長引くとご心配のメールを
頂き、何とか時間を割いて続いています。どうもありがとうございます。


さて、本日のご入居後の現場での話を紹介します。

今年の2月に新築が完成したお宅に、現場監督とお邪魔していたのです。

細かい追加のご希望などがあったからです。

その家では、外壁も内壁の多くも「スイス漆喰」を仕上げ材料に使っていました。

「このスイス漆喰は良いですね。」と現場監督。


「良いでしょ。オーストリアへ行ったときも、
 スイス漆喰の仕上げは多かったよ。」と私。

何が良いかというと、

他の似たような商品をその現場監督が他の現場で
使ったらしいのですが、「薄くてペラペラです」ということでした。

あまり薄いと質感が伴いません。




▲室内の白い壁もすべて、スイス漆喰です。




漆喰の良さは、アルカリ性が強いのでカビが生えないということです。

私は、色を付けずに真っ白を使っていますが、
同じ白さでも、合成塗料とは違う品のある落ち着いた質感なのです。

「えっ?真っ白! 汚れが…!?」という皆さんの声が聞こえてきそうですが、

「有機物に関しては、アルカリが分解していくので、外壁の汚れはいずれ
 雨に流される。汚れ防止のチタンコートを塗る必要はありません。」

というメーカーの言葉を、半値八掛け二割引で信じて、観察中です。


まあ、昔からの日本の土蔵は漆喰仕上げですが
合成塗料のような嫌な汚れ方をしているのは、あまり見たことはありませんよね。


ただ、若干のヒビや隙間などは、少しは出ますから、
工場製品のような家が良い方は、使わない方が良いでしょう。

住宅リフォームでも、私は使って行きたいのですが、
それを塗り切れる職人さんが近くに居なかったのです。

でも、左官屋さんを口説いて、ついに講習会にも行ってもらい、
マスターしてもらいました。


まもなく、住宅リフォームで外壁だけでなく、
「室内の壁もこれで塗り替えましょう!」

と宣伝していく予定です。





横浜市 住宅リフォームも…  

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オーストリアのホテルから屋根材のヒント

2008年10月21日 19時02分39秒 | 住宅の材料を考える
▲最初に泊まった、ウィーン郊外のホテル。
屋根材は、「アスファルトシングル葺」です。



みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。

本日は、建築紛争の調停委員の仕事でした。
3回目の話し合いで、時間を延長して、
最後には何とか合意してもらうできました。

明日は朝早くから御宿へ現場打ち合わせ。
戻ってきてからの夜は、業者との着工前の事前打ち合わせです。


さて、本日は屋根材の話をいたしましょう。


ミタス一級建築士事務所では、
一般によく使われている通称「コロニアル葺」は、設計指定しません。
耐久年数やメンテナンスに問題があるからです。

ガルバニュウムなどの金属屋根やセメント瓦、陶器瓦などを使っています。

バンクーバーなどの北米などでは、写真のホテルの屋根のように
アスファルトシングルは、価格が安くメンテナンスがしやすいので、
安価に仕上げる方法としては良く使われていました。


メンテナンスがしやすいというのは、DIYの日曜大工で、既存の上から
同じものを張ってしまうということです。


もちろん、プロに頼んでも良いのですが、

バンクーバーでは、

新築から20年程度で上から張る、
さらに20年建ったら、もう上に一枚張る

それがさらに20年経って劣化したら、
3枚まとめて剥がして、新しいものを張る


という考え方でいるとのことでした。

これで、剥がすまでに60年間はOKです。


このアスファルトシングルは、現在、ファイバーグラスシングルという
素材に進化したものがあり、メーカーの30年保証が付くようになりました。

コロニアル葺きを選択するよりは、価格を考えてもこちらの方が良いと思います。



横浜市 住宅 設計監理  

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スイス漆喰のセミナーで

2007年03月31日 16時35分10秒 | 住宅の材料を考える
こんにちは、ミタス一級建築士事務所の清水です。

先日のスイス漆喰のセミナーのお話をいたしましょう。

塗り壁に関して、これだというものを探し続けていますが、一番の問題はクラック(割れやヒビ)です。本当は、北米のようにドライウォール工法に塗装仕上げをしたいのですが、日本での高い工事価格やこのクラックを考えると迷うところです。北米では、石膏ボードの質が日本と異なるようですし、ジョイント部分の処理も日本より丁寧です。それでいて、道具が揃っていてシステム化しているので工事費も安いのです。

珪藻土では、サメジマコーポレーションが粘土をつなぎに使い壁に引っ付くようになっています。先日紹介したワンウイルという会社の珪藻土は、漆喰を使ってつなぎとし、壁に引っ付けています。少なくともこの2社は、本物の珪藻土ということは言えそうです。もちろん、これだけでなく他にもあるでしょうが、私の狭い知識の範囲でのことです。

では、その漆喰そのものはどうかということです。
「スイス漆喰?日本の漆喰とどう違うの?」ということですが、基本的には石灰ですから同じです。ただ、日本で漆喰というと、左官屋さんがつるつるに仕上げたキメ細かい仕上げのものを想像しますね。

このスイス漆喰は、もう少しザラザラして仕上げ感はキメの細かい珪藻土に似たような感じの仕上がりです。つるつる仕上げは難しいので、そういう骨材をあえて入れてありますが、かなり塗り易いです。

漆喰の良さは、アルカリ性なのでカビが生えないとか殺菌作用があるなど、いくつかあります。また、二酸化炭素を吸収しながら硬化していくので、年月が経てば経つほど硬くなるということです。これは、100年間続くと言われています。

これまでの見聞で、私はある結論に達しました。塗り壁はどうしてもクラック(ヒビ)の問題は避けられませんが、最小限にするための5つの工夫です。

北米の方法と日本の方法との比較、構造的な問題点、良いと言われているいくつもの方法をこれまで見聞しての仮説です。工事手間や材料を含めた費用は余分に掛かりますが、次回の現場で試すことにいたします。ここまでの方法はたぶん誰もしていません。うまくいけば、ドライウォール工法の塗装仕上げにも応用できそうです。



横浜市 住宅設計 ミタス一級建築士事務所



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珪藻土壁紙の情報

2007年02月28日 11時36分21秒 | 住宅の材料を考える
こんにちは、清水です。

珪藻土壁紙についての情報です。

今までも珪藻土や漆喰を貼ったクロスはありました。メリットは、簡単に貼れることですが、現実にはクロス屋さんは、かなり嫌がります。

「張りにくい、難しい」
極めつけは「クレームが来ても責任もてない…。」
さらには、左官屋さんに本物を塗ってもらった方が安いという高すぎる見積り。
とどめは、「できません。」

ということで私は結局実現したことは無いのですが、「ケイソウくんクロス」という商品は、柔らかくて張り易そうです。必要な方はインターネットで調べてみてください。工事を行う職人さんも紹介してくれると営業担当の方は言っていました。

でも、実際の珪藻土の方が機能としては良いことは間違いありません。

ここのメーカーは通常の塗り壁材も販売していて、珪藻土もあります。事務所で実験して見せたことは、火を使って自社の珪藻土と他社の珪藻土を燃やしました。

樹脂が入っているか多い他社は燃え方が違います。樹脂が入っていないというこのメーカー、㈱ワンウイルの方は、確かに焦げ方が違います。全く入っていないかどうかは、この実験だけではわかりません。ちなみに、サメジマの珪藻土との違いは、サメジマは粘土をつなぎに使い、この会社は漆喰をつなぎに使っているとのことで、どちらも本物だとは言っていました。

健康のために珪藻土をお使いになる方は参考にしてください。ですが、あまり過信し過ぎないでビニルクロスよりは、マシだという程度の期待でお使い頂ければ、価格が高いことは別にして、逆に満足度があがるでしょう。


ミタス 一級建築士事務所 清水煬二




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建築士って信頼できる?

2007年02月26日 18時30分26秒 | 住宅の材料を考える
こんにちは、清水です。

2007年2月23日のブログに対して、

「姉歯さんの耐震偽装問題の場合を含めて、個人の建築士や設計事務所の方が信用できないのでは?」とのメールを頂きました。

おっしゃる通り企業が潰れるという点では、個人や零細の方が規模的に信用でせきません。
ただ、大企業で長く存在しているからといって、必ずしもすべて誠実に対応してくれていないことは、皆さんも最近のニュースからでもだんだん気づいてきたでしょう。

ここで勘違いされているのは、姉歯さんも含めて建築士が偽装するケースは、そこに住まれる方から直接工事の依頼を受けているのではなく、あくまで企業の下請けで仕事をもらって生活をしているケースです。これは、その企業の社員よりさらに弱い立場になりますから、逆らったり嫌われたりすると仕事が廻って来なくなるのです。その建築士が誰の顔色をみて設計や監理をしているかは、明らかでしょう。

私が、第三者の設計や監理の大切さを説いているのはそのためです。例えば、皆さんが設計事務所を選んで設計を依頼して、直接費用を払い、工事業者に対して設計監理の立場で依頼し契約したら、その建築士は構造計算を偽装する必要はありませんね。その建築士は皆さんのために仕事をするのです。工事業者から依頼を受け仕事をもらう建築士とは、立場が180度違うのです。

このことを勘違いしてはいけません。大切なことなのです。私が以前行ったカナダのバンクーバーでは、工事業者と設計は兼務できません。どちらも専業でなければなりません。日本のように、設計して工事も監理も同じところがする、または外部の建築士に委託して書類上の形だけ建築士の監理を置くケースとは、根本的に異なります。

建築を知らない素人が、なまじの勉強で知識を詰めても、プロの業者には勝てません。欠陥住宅までとは言わなくても、ひどい住宅をこれが当たり前だと思ってお住まいになっているわけです。住宅の品質を本当に求めるのであれば、専門家が専属で皆さんの味方にならない限り、今の日本のシステムでは無理だと思います。例えご心配の設計に問題が無くても、実際になされている工事にはもっと問題があります。

現在、姉歯さんの問題以降、様々な規制や対処方法を論じていますが、私の本音の感想はどれも実質的には子供騙しだと思っています。工事を行う大手建築企業の顔色を伺った範囲での思考でしかなく、本質的な解決にはなりません。シックハウス法や住宅性能表示制度も同じレベルです。

耐震偽装問題などを本当に解決するには、設計や監理と工事業者の兼務は無くし、建て主や住まい手が直接設計監理を依頼するシステムにして、建築士に設計や監理の責任を負わせるべきです。そうでなければ決して問題は解決しませんし、皆さんがお住まいになる日本の住宅が世界に誇れるものになることはありません。

現在の日本にいる建築士の資格をもったほとんどの人が、工事を行う企業に雇われて従業員として働いているか、独立していても工事業者の下請けで生活している設計事務所です。この状態のままで建築士に責任を負わせるシステムにしても、企業は利益優先の中で考えて手を打っているのですから、意味が無いでしょう。

建築士でなくても実質的な雇い主の方を向いて仕事をすることは、その立場を考えれば止むを得ません。子供の教育を預かる先生も、命を預かる病院のお医者さんでも同じです。皆さんだって、お仕事されていれば、そうなるのではないでしょうか?

私もそうです。だからこそ大赤字で苦しくても下請けや代願など一切せず、皆さんから直接仕事を頂き、自分のポリシーを貫き続けることができるだけのお金を溜めてから8年前に独立したのです。私には上司も雇い主もいません。基本的な考え方を理解して頂けない方の場合には、仕事も頂かないようにしています。スタッフを育てているとはいえ、ほとんどが私の力量で決まるので、私がこなすことができる仕事の量に限りがあり、お受けした以上は、誠心誠意尽くしたいからです。


個人の建築士だから信頼できるかできないかと断定的に論じられないことはおわかりになっているとは思いますが、

同じ一級建築士でも、そのポリシーや技量、考え方が異なる様々な人がいることは当然です。建築士に限らずどの仕事の分野でも様々な人はいます。建築士に直接依頼する場合、事前に相手の考え方などを知って依頼した方が良いことは間違いありません。

ミタス 一級建築士事務所 清水煬二
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注文住宅の室内壁仕上げは、何が良い?(4)

2007年01月24日 12時05分10秒 | 住宅の材料を考える
こんにちは、清水です。

内壁の仕上げについてですが、ドライウォール、珪藻土については以前に簡単にお話しました。

ドライウォールにしたいのですが、石膏ボードの質が北米と日本では異なることと、住宅の造り方の違い、職人さんが普及していないこともあって値段も高くなり、ヒビも入りやすいのです。

珪藻土は、メーカーによって混ぜ物が多いので、あまり健康に良いと信じきらない方が良いということもお話しました。

室内の塗り壁を何にするかですが、様々なものを今まで使っています。
これに決めたというものは、なかなか無いのですが、次回試してみたいと思っているのが、スイスの漆喰というものです。
天然素材を扱っている、イケダコーポレーションという会社のものですが、同じくここでも扱っている天然塗料のリボスは、オスモ同様よく使っています。

工事費を入れた価格がどうなるか心配ですが、設計で指定して、事前にメーカーの話や実物を拝見してやってみたいと思っています。

塗り壁以外にも場所によっていくつかお勧めがあります。桐材、エコカラット、さらりあ、などです。次回はそれらについてお話しましょう。


ミタス一級建築士事務所 清水煬二


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住宅の室内壁仕上げは、何が良い?(3)

2007年01月20日 17時26分32秒 | 住宅の材料を考える
こんばんは、清水です。

朝から打ち合わせが続いたので遅くなりました


室内の壁について、クロス関係の仕上げについては、以前述べました。
本日は、木製の仕上げ材について述べましょう。

30~40年位前ですと、天然木化粧合板仕上げの壁が主流だったのですが、インテリアが暗いイメージになることもあって、工事も容易で明るく感じるビニルクロスへと変わっていきました。

この天然木合板のメリットとしては汚れが目立ちにくいので、クロスのように張替の必要もなく、そのまま何十年とお使いになっているケースを拝見します。

この天然木合板ではなく、天然無垢材を張ることもあります。値段がかなり高いのですが、小さいブロック調になったものが出回っています。

同じ使うなら、カタログを出しているメーカーが造っている合板や天然木ブロックより、材木屋さんから仕入れた無垢材の羽目板の方が良いのではないかと思います。値段的にもそれほど高くはなりません。材質は、杉、ヒノキ、サワラ、などが使われやすいですが、節の有無や色、仕上げ状態によって値段がかなり異なるので、選ぶことができれば、そのこと自体が面白いかもしれません。

壁全体が天然木の場合、木の目が多くて山小屋風でちょっとうるさく感じることがあります。そのため、床と天井だけに使うとか、壁に使うなら腰壁や、室内のある一面の壁だけに限定して使うと良いでしょう。

壁に天然木を使うとインテリアのイメージをかなり限定してくることもあるので、使い方には注意です。

ビフォーアンドアフターに出たときに、コストを抑えるため浴室の壁に杉の天然木を使いました。防水や防湿をしっかりしないといけませんが、壁の下部と床、浴槽にハーフユニットを使えば割安にはできます。余談ですが、この場合のハーフユニットに関しては、TOTOよりもイナックスの方が見映えが良いです。



ミタス一級建築士事務所 清水煬二


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防水処理と住宅の耐久性

2007年01月19日 11時55分27秒 | 住宅の材料を考える
こんにちは、清水です。


外壁の防水処理は、どの現場でも完全になされていて素晴らしいという現場を見たことはありません。一流のハウスメーカーでも、忘れや雑な部分があって、私がチェックすると必ず手直しをしてもらうことになります。

このことは、住宅の耐久性を増すための私のこだわりですが、キッチリと正しくできている住宅を、見たことがないのです。

では、なぜそんないい加減で許されるのかというと、ハウスメーカーを含めて造り手は雨漏れのクレームが無ければ構わないのです。雨漏れとはわからず、染み込んだだけが続いて20年後にリフォームで壁を壊したら、柱や土台が腐っていた…。という住宅がほとんどですが、これはクレームになりませんから、この工事でいいんだと、いい加減な気持ちで許されてしまうからです。


そのため、この部分は必ず私が自ら手直しをすることになってしまうのです。現場監督や大工に教えても、バルコニーなどの細かくて最新の注意で行うべきところは、何度言っても、何度教えても完全にはできていません。

ただやった、というだけで心がない。これをすることによって、耐久性が増すんだ、今までの日本の住宅ではなく欧米並みの住宅にするんだというような志や心がないまま仕事をしているから不完全なのです。


今朝は、朝の6時着で外壁の防水の現場確認、簡単な手直しだけなら私が行って、職人さんが朝8時に来たときには、昨日からの仕事をスムーズに引き続き行うという段取りだったのです。

現場を確認すると、忘れていて未処理の部分がいくつもあったのと、朝早過ぎて若い現場監督の立会いが無かったので、予定を変更しました。

時間をファミレスで潰し、再度現場へ8時過ぎに向かい、職人に手直し指示、職人がやっても再度手直しさせることになるだろう細かい部分を自分で手直しして、今事務所にもどって来ました。


日本の住宅は造り手の立場で設計も工事もチェックも行うから、良い住宅が生まれない。工事を分離した第三者の設計と設計監理がいて、初めて良い住宅になり得ると思って、それを訴えてきました。


ですが、私が求めるような完全な工事にするには、結局私の手が必要ですから、私が工事をする…、専門の職人を直接抱えて教える、いやせめて現場監督にでもなった方が早いのではないか…と最近は思い悩むようになりました。


新築は、工事をストップさせ私がOKを出して初めて次の工程に行かせれば良いのですが、お住まいながらのリフォームで増築などの場合は、これができなくて困ります。

既存部分の取り合いの雨仕舞い(防水処理)の確認ができないのが通常です。屋根や外壁などを剥がしたら、すぐにその部分の処理をして塞がないといけませんから、その処理を確認するために、私が一日中現場に付いていることができないからです。

ですから、残念なことに私が検査できなかったリフォームの増築部分での取り合いから雨漏れが起こることがあります。

口頭で、あるいは図で事前に現場監督に説明しても、いい加減に考えているので、職人に伝わりません。仕方が無いので、工事前に職人にも説明するようにしても、実行されなかったり、ただやっただけで不完全なため手直しが必要になったりするのです。

リフォームでは確認できずに塞がれるこことになりますが、雨漏れをした場合というのは、剥がしてみると、必ず私のいうようにやっていない場合なのです。
雨漏れをして初めてどうすれば良いのかと教えを請う姿勢になるのですが、喉元過ぎればで、こりないのです。

なぜこうなるのでしょう?日本の住宅産業がこれまでいい加減でも充分通用してきたからです。戦後の質よりも数を増やす政策に官民一体で取り組んできましたから、質を求められる現在になっても、意匠やデザイン、素人にわかりやすいキッチンやバスルームなどの過剰なサービスが質の向上だと考えているようです。皆さんの目や嗜好がそちらを向いていると考えているからでしょう。

現在の日本では25年や30年で住宅は建替えられていますが、それを皆さんも仕方がないと思っているのですから、皆さんにも責任はあります。

私はそういう住宅を設計され建てられていくことが耐えられなくて、年中無休で現場を走り回り、意匠中心で耐震性を無視した設計を平気で行う建築家には警笛を鳴らして呼びかけながら毎日過ごしています。


皆さんももっと早く目覚めて、本当の住宅の質を要求すべきなのです。皆さんの要求する内容が変わってくれば、日本の住宅産業も変わっていくでしょう。一日でも早く他の先進国並みの耐久性のある住宅になる、その日が来ることを願って仕事をしています。


ミタス一級建築士事務所 清水煬二


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注文住宅の室内壁仕上げは、何が良い?(2)

2007年01月12日 11時07分09秒 | 住宅の材料を考える
こんにちは、清水です。

昨日2007年1月11日の土佐和紙について、もう少し詳しく教えて欲しいとの質問を受けましたのでお答えします。

土佐和紙と言ってもいろいろあるでしょうから、壁紙として使いやすいものは、香川県の高松市にある「ハウスシステム」というところが販売している「土佐和紙壁紙」というものを使っています。

襖紙にも使えますが、壁紙用として製造されているので、壁に貼りやすい和紙なのです。といっても、ビニルクロスしか貼ったことのない職人さんではちょっと問題があるかもしれません。

和紙は、障子紙や襖紙と同じように、糊が乾燥すると縮みます。
壁紙に使用すると、ビニルクロスの要領で貼ってしまうとつなぎ目が、必ず空いてしまいます。

それを防ぐために、通常の和紙でもそうですが、重ねて貼っておくのです。

こういったことをご存知でないと「だから和紙は、嫌と言ったのに…」とあとで職人さんから文句がでてきます。

とはいっても、通常の和紙とことなり大変貼りやすいのと、材料も1Mで1,050円程度の価格ですから、クロスとあまり差は無く充分選択可能な価格です。



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注文住宅の室内壁仕上げは、何が良い?(1)

2007年01月11日 14時59分14秒 | 住宅の材料を考える
こんにちは。清水です。

床の仕上げに関しては、無垢のフローリングや大理石などについて以前にお話しましたが、今度は室内壁の仕上げ材について、時々コメントしていきましょう。

黙っていると合板フローリングと同じようにスグに使われていまうビニルクロスは、できるだけ避けたいところです。

塩ビは、環境ホルモンの関係でほとんど使われなくなってきていますが、壁や天井のビニルクロス、床のクッションフロアーは依然、日本の住宅では仕上げ材の主流のままです。

環境ホルモンは、DNAに食い込んで遺伝子に悪さをするらしいので、これを聞いてからはできるだけ避けてきました。大げさに言えば将来の子供達や子孫に取り返しの付かないことをしてしまっては、いけませんからね。


では、何を使うのか…?

まず、価格も安くて、工事業者も嫌がりにくい比較的現実的なものから紹介しましょう。

最初の紹介は、紙クロスです。各メーカーが出していますが、ミタス一級建築士事務所では、東リのケナフクロス(紙は通常木から造りますが、ケナフはすぐに生えてくる草から造るのでエコクロスでもあります)をよく使います。

もちろん、印刷インクも使っていますが、ビニルクロスのように塩ビも発泡剤も使っていません。工事業者もビニルクロスと同じ感覚で貼れるので、材料と工事費の価格もあまり差がありませんし、業者の抵抗が少ないです。色柄もかなり選択肢があります。

さらに、健康面にこだわると同じ紙クロスでも西ドイツから生まれて日本でも昔からよく使われているルナファーザーという商品名もあります。これは、貼ってから塗装するのですが、無塗装もままでも白いクロスと同じように見えますし、汚れた場合は、何度でも色を塗ることができます。

予算を抑える意味でも、子供室の壁と天井には、無塗装のままでの仕上げとしてコストダウンしたこともあります。職人さんに塗装してもらうと価格は高いのですが、無塗装のままですと、実は普通のクロスより安いのです。

もうひとつ、壁用に造られた土佐和紙もあります。これは、塗装もいりませんし和紙といっても貼りやすのと価格もそれほど高くなく気軽に使えます。但し、色は限られてやや和風の感じにはなります。



次回は、その他の壁仕上げ材も紹介いたしましょう。

ミタス一級建築士事務所 清水煬二




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住宅の床材提案・タイル・大理石(2)

2006年11月22日 09時39分02秒 | 住宅の材料を考える
おはようございます、清水です。

このブログは、皆さんに学んで頂くことと、ミタス一級建築士事務所の考え方の紹介、ホームページより簡単にアップしていけるので、情報発信していくクセを付けるためにも、できるだけ毎日書くようにしています。

本日は、あるタイルについても紹介しましょう。
浴室用の床タイルですが、イナックスからあまり冷たくないタイルが出ています。
「あまり冷たくないタイル?」というとわかりにくいですが、多分気泡や熱伝導率の低い材質を混ぜているのでしょう。

今年の初めに、このタイルを床に使った浴室の新築を完成させました。
通常はお手入れや使い勝手を考えてコストパフォーマンスの高いユニットバスが多いのですが、こだわった場合は、現場で造ったり、完全オーダーでユニットバスにしてしまうこともあります。

残念ながらこの床タイルは、浴室だけにしか使えません。他にも可能なら、トイレの床や洗面の床にも使いたいのですが、メーカーが × としているので、使えません。私や現場監督は、確かに洗面所のタイルと「冷たさが全然違う」とその上に乗ってみて驚きあっていましたが、ミタス一級建築士事務所の女性スタッフは「…違いがわからない…」でした。(笑)冷え性とのことでしたので…。


この家には、玄関ホールに大理石、洗面所にはウエットスーツのお手入れをされるので水がよくこぼれることを想定し、お手入れを考えて大理石調のタイル、トイレの床には御影石、その他の1階、2階の床には特注色の無垢フローリングを採用しました。

地下室の床は鉄筋コンクリート造で、シアタールームや仕事などに使うためかなりの機器類とその配線が増えてくるので、フリーフロアーという簡単に床が剥がせて配線が通る空間があり、仕上げ材にはタイルカーペットを使いました。

空間ごとに使う材料を変えましたが、最後にひとつ大理石の床について話を追加しますと、玄関をあがったホールの床が大理石の床ですから冷たいと思いますね?

真冬の夜ににお伺いしたときには、私とスタッフ全員がお伺いしたときには、エアコンも止まっていました。でも、玄関ホールの足元の大理石も室内も暖かいのです。

その理由は、家全体の断熱性能を高めて(もちろん正しく工事しないと、材料だけ良くしても無理です)しまえば、昼の太陽の熱と地下室の暖房だけで家全体が温まり、さらに大理石もその熱を蓄熱したので、暖房を止めていても家も大理石も暖かかったのです。お伺いしたときには暖房は止まっていましたが、地下室の暖房を数時間前までは入れていたとのことでした。


高校生2年生のときに、「快適な住宅を設計する建築家になろう」と私は決めました。快適な住宅ってどうすれば良いのか、未だに良くわかっていないのですが、大学のゼミで「快適な室内空間を数値化する」というテーマに惹かれて、熱環境のゼミを選択して松本衛先生に師事しました。温熱環境は最も大切な要素のひとつだと考えています。




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住宅の床材提案と注意点・無垢材(4)

2006年11月17日 11時37分56秒 | 住宅の材料を考える
おはようございます。清水です。


4日連続の内容ですが、今日で無垢材を一度終わらせましょう。

工事の方法についての注意を致しましょう。

最近の大工さんは、意外に無垢の床材を張っていなくて、または張っていても私が思う正しい張りかた、無垢材が当たり前の北米などのテクニックを知らないというか、できない方が多いようです。


そのため、無垢材のクレームを多くしてしまっています。正しく張れれば、材質によっても異なりますし、感じ方の個人差はありますが、気になるほどではありません。

私が現場監督に伝えても、現場監督経由ですと正しく伝わらないので、いつも大工さんに直接お願いするようになりました。それでも、最初の大工さんは、「そんな簡単でいいの?それなら楽だ!」と言いながら、結局、不安からか慣れている合板フローリングの張りかたをしたがるのです。(^^;)

大工さんがいつものようにしたがる理由はいくつかあるのですが、ともかく要点を述べましょう。


1番大切なのは、周囲の壁から離して張ることです。1センチくらいといつも私はいいますが、これがなかなかできない。2度目の大工さんでも、つい突けてしまうのです。大工さんが2人いて、手元の大工さんがそうしてしまうのかもしれません。これさえ行って頂ければ、問題が発生するのは、床下収納庫の蓋が、梅雨時から夏にかけて開かなくなる程度の問題で済みます。これは、あとで蓋を削れば解消します。


2つ目は、それぞれを1枚づつ、ハガキ1枚分くらい離して張るのです。季節によっても床材の含水率によっても少し異なることもあるのですが、これは、何度言っても、初めての大工さんはなかなかできません。合板フローリングのように、ピタッと金槌とあて木を使って、押し込みたがります。


3つ目、これもできないのです。接着剤は最後の周囲だけで内部には使用しないということです。現在の大工さんは、接着材で床鳴りを防ぐ方法で工事を行っているので、床鳴りが恐いのでつい使ってしまいます。メーカーもクレームを防ぐため、床材用の弾力性をもった専用接着剤を薦めています。

ですが、健康面を考えても、無垢材が呼吸をすることを考えても、できるだけ避けたいものです。まして床暖を使用するなら健康面ではなおさらです。


そのほか、木を馴染ませるために、開梱して現場に数日置いておくとか、防湿フィルムや防湿シートを使用するなど北米で使われているテクニックなどもありますが、現場の状況によって異なることもありますので、あまり細かいことまでは言わないでおきましょう。


覚えておいて欲しいのは、「壁から離して張り、石膏ボードや幅木でその隙間を隠す」ということと「ハガキの厚み程度、少し隙間を空けて張るということ」です。もし、これを知らずにいつもの合板フローリングのように冬に無垢材を張ったら、多分梅雨時に床下収納庫以外でも苦労することになるでしょう。そして、無垢材は反るから、床鳴りがするから、トラブルから嫌だ、やはり合板フローリングにして接着剤でベッタリ付けよう、と業者は思うでしょう…。



明日は、ホームページで紹介している勉強会を行います。



神奈川県横浜市  ミタス 一級建築士事務所のホームページ 
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住宅の床材提案と注意点・無垢材(3)

2006年11月16日 09時15分54秒 | 住宅の材料を考える
おはようございます。清水です。

3日連続の内容です。

床の無垢材を選択するときに、注意することは含水率です。床暖房の場合、木の種類にもよりますが、同じ材質でも含水率によって、反りや隙間などが変わってきます。

床暖房を作動させますと、乾燥して縮みますので床材と床材の間に隙間ができます。凹凸の実(サネ)になっているので、下は見えませんしそれでも問題はありませんが、隙間は2ミリ程度までは我慢してください。

含水率では、どこまで木を乾燥させてから加工してかがポイントです。床材の場合は、10%以下が望ましいのですが、床暖房用のものは、5%以下まで乾燥させたということをウリにしているメーカーもあります。


ここで、使用する側の皆さんへのお願いです。床材が無垢材で多少反ったり、隙間が開いたり、多少床鳴りしてもそれは無垢材ゆえのことです。それを少しでも良しとしない方は、合板フロアーをお選び下さい。このことに神経質な方のクレームを嫌がり、結果としてハウスメーカーが合板フローリングを選択したがる理由のひとつになっています。

「どの程度の反りでしょうか?」という質問を受けますが、隙間で言えば、先程の2ミリがマックスです。そこまでいかないケースが多いですが、床暖などを使用したり木によってはその程度は覚悟しておいてください。これが生活に支障をきたすとは思えませんし、ゴミが入っても、途中のサネの部分で止まっていますから掃除機で充分吸えます。

さらに、工事中の注意点があります。無垢材を避けたがる大きな理由の一つに、現在の多くの大工さんが、合板フローリングの張りかたしか知らないということです。そのため、反りが大きくなったり、床鳴りが大きかったりして、造る側はクレームを恐れ避けたがるのです。

ハスウメーカーでは、どういう腕の大工さんが行ってもクレームが来ないことを前提としているので、腕や経験に頼る難しいことはしたくないのです。しかし、基本的なことを押さえれば、難しいことではないのですが、私が現場で直接お願いしても、ついいつのも合板フローリングのクセが出てしまうようです。



次回は、この工事の注意点をお知らせいたしましょう。





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住宅の床材提案と注意点・無垢材(2)

2006年11月15日 09時57分13秒 | 住宅の材料を考える
おはようございます。清水です。

昨日の続きです。

無垢材で良く使う節無し15ミリ厚の方は、ケンパスという無垢材です。カリンと呼んでいるメーカーもありますが、カリンの仲間でも、カリンとは異なって価格が安く、板目も柾目で大人しいのでもっとシンプルで使いやすいです。カリンのように赤みがかった木の色で、使うほどに色が落ち着き、汚れも目立ちにくく評判も良いのです。

ですが、これも最近は、人気が出すぎて質が悪くなったようです。しかも、インドネシアからの輸入制限で入らなくなってきたのでしょう。

以前は、自然塗装をしてもらったソリッド(つなぎ目がない1本の無垢材)で1坪、すなわち畳2帖分で僅か13,000円程度でした。へたな合板より安かったのです。ですが、今は面倒な自然塗装済品を探すのは困難で、無塗装品で仕入れ現場で自然塗装をかけるので、その手間分コストアップになってしまいました。

さらに、質が悪くなったので、3回返品したことがあります。メーカーとも最後は半分ケンカ状態になり、他のところから我慢できるものを工務店に仕入れてもらいました。


インドネシアのことを書きましたが、最近価格をあれこれ調べてみると、いずれも価格がアップしています。感覚的には材料代で5割くらいのアップです。

インドネシア産の床材の価格上昇で、安いもので坪18,000円程度はするようです。合板フローリングですと、その半値以下でOKでしょうから、材料代としては、この状態ですと合板の中でも一番安いものとの比較なら坪1万円以上の差は出そうです。しかし、皆さんの家の床材の面積を考えてください。

わかりやすく説明すると20帖のリビングというのは、10坪ですから、10万円の材料代の差額となりますが、耐久性だけを考えても充分ペイします。さらに大きいのは健康面です。見映え、肌触り、断熱性…という複合的なメリットまで考えると、住まい手の側から考えれば、合板フローリングは絶対にお薦めできません。そのため、どんなに予算が無くても、ミタス一級建築士事務所では合板フローリングを選択しません。


合板フローリングは、F☆☆☆☆といっても、たくさん有害物質は出ていますし、床暖などに使うと、さらに規定以上にたくさん出てきます。将来表面が痛んで張り替えようとすると大変な費用が掛かりますので、安易に上にリフォーム用の薄い板を貼る選択肢になるでしょうが、接着剤で付けるのですから、身体にもよろしくありません。また、現時点で古い家はこれで問題ないのですが、最近の家は、昔と違いバリアフリーですから、上に薄い板を貼るにも建具や床の段差など、いろいろ問題が出てきて簡単にはいきません。


見映えだけでいうと、TVで一般の豪華な家や芸能人の家を見ても合板フローリングが多いのがわかります。TVを通しての映像でも質感で合板かどうかわかるのですから、本物を知っている方にとっては、どんなに豪華にしていても床が合板フリーリングでは、その人のポリシーまで安っぽく感じてしまいがっかりするのは、わたしだけでしょうか。もっとも、関心や知識がなく、ただ業者に薦められた中から選択しているのでしょうが。


北米で住宅の価格の差は、床の仕上げのカーペットに現れると言われています。高級住宅は白いふさふさのカーペット、安い住宅は汚れの目立たない色のカーペット。

足元である床は、日本では直接触れる部分ですし、足裏健康法という言葉もあるくらいですから、大切にしたいものです。業者がオプションで薦める高い無垢材だけでなく、まだお薦めできる割安な無垢材はあります。ケンパスは、無塗装品で質はすこし落ちましたが、まだ探せば坪13,000円くらいからあるようです。




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