夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『FLY!/フライ!』

2024年04月02日 | 映画(は行)
『FLY!/フライ!』(原題:Migration)
監督:バンジャマン・レネール
声の出演:堺雅人,麻生久美子,ヒコロヒー,黒川想矢,池村碧彩,羽佐間道夫,
     野沢雅子,関智一,鈴村健一,芹澤優,谷山紀章,喜多村英梨,愛河里花子他
 
入院中の母に面会に行ったら、前回会ったときよりも顔色がよく、意識もしっかりしている。
「お母さん、大丈夫そうやから普通に映画を観に行くわ」と声をかけると、
「行ってらっしゃい」と手を振ってくれる母に手を振り返して塚口サンサン劇場へ。
 
病院からいつ電話があってもいいようにスマホを握りしめているのは弟のときと同じです。
マナーモードにしたスマホが震えたらすぐ退出できるよう、出入り口のいちばん近くに席を取るのも同じ。
 
アニメであっても洋画は字幕で観る派ですが、本作は字幕版を公開している劇場が見当たらない。
TOHOシネマズ梅田やなんばへ行けば字幕版を観られるけれど、どうしても観たい作品ならともかく、
本作の字幕版を観るためにそこまで行く余裕は今の私にはありません。
ということで、あっさりと吹替版で妥協。でもこれはそれでよかったかなと思います。
 
アメリカの北東部、ニューイングランドの池に暮らす鴨の一家。
父親のマック、母親のパム、長男のダックスと長女のグウェン。
一家は渡り鳥でありながら、この池から一度も出たことがない。
というのも、マックが大変な心配性で、池の外は危険に溢れていると思い込んでいるからだ。
 
そんなある日、渡り鳥の一団が池に立ち寄る。
物珍しさにダックスが近づいて話しかけると、一緒に行こうと誘われる。
それを聞いたパムとグウェンも池から出ようと大興奮するが、マックスが断固拒否。
渡り鳥たちはダックスたちに別れを告げて飛び立ってしまう。
 
断ったことを家族からなじられても気持ちを変えないマックスだったが、
おじのダンが毎日ただのんべんだらりと過ごしているのを見て、自分の行く末に不安をおぼえる。
この機会に池の外に出なければ、一生このままってことじゃあないか。
 
意を決したマックスは、家族とダンも引き連れて池から飛び立つ。
目指すはあの渡り鳥たちが言っていた南国の楽園ジャマイカ。
しかし外の世界にはやはり想像もしていなかったことが待ち受けていて……。
 
鷺に会って食われると思っていたら実は優しかったり、の群れとサンドイッチの取り合いをしたり。
鴨を食材としてしか見ていないシェフとの対決が可笑しい。
シェフはひと言も発さないのが何より怖い(笑)。
 
一家は真鴨なんですね。
グウェンが「美味しく生まれたせいでこんな目に」と叫ぶところは鴨の悲哀すら感じて、
笑うとともに切なくなりましたね。
 
字幕版に未練はありませんが、ダニー・デヴィートのダンおじさんだけは聴きたい。

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