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映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』

2014年12月03日 | 映画(ま行)
『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』
監督:犬童一心
出演:相葉雅紀,榮倉奈々,ハン・ヒョジュ,生田斗真,小市慢太郎,渡辺真起子,
   塚地武雅,岸井ゆきの,市川実和子,温水洋一,クリス・ペプラー他
声の出演:劇団ひとり

全国のTOHOシネマズおよび東宝系劇場で上映される14作品から
好きなものを選んで観られる「東宝14番組共通前売券」。
友人の会社では福利厚生の一環として配布されるらしく、
それを彼女は毎年2枚、私にくれます。
今年はさらに、その共通前売券を安価で入手できると声をかけてくださった方がいて、
片手で足りないほどの本券を所持していました。

ちなみに、今年の14作品に含まれていたのは、
『WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常』『青天の霹靂』
『万能鑑定士Q モナ・リザの瞳』『春を背負って』『思い出のマーニー』
『GODZILLA ゴジラ』『エイトレンジャー2』『STAND BY ME ドラえもん』
『舞妓はレディ』『蜩ノ記』『神さまの言うとおり』の11作品と、
こりゃさすがに要らんと外した『ポケモン・ザ・ムービー XY/破壊の繭とディアンシー』。
残る2作品のうちのひとつが『ルパン三世』で、これを観損ねてしまったがために、
手元にある本券を使い切るには本作を観るしかなく。

原作は、昨年の私的ワースト3に入る『100回泣くこと』(2013)と同じ、中村航。
絶対ムリにちがいないと思いつつ、まぁ観ずには文句も言えないし、
監督が犬童一心であることにわずかな期待をかけて、
ダンナが飲み会で遅くなる日に、TOHOシネマズ伊丹にて。
ムリでした、やっぱり。(T_T)

山本光(相葉雅紀)は向かいの家に住む高橋杏奈(榮倉奈々)と幼なじみ。
デカ女と呼ばれていた杏奈は、いつでもチビでいじめられっこの光の味方。
大人になった今も、光は何かと杏奈を頼っている。

そんな光の幼い頃からの夢は漫画家になること。
子どものころに創作した“デビクロ”は、サンタクロースの孤独と悲しみを露出させたキャラクター。
デビクロはたまに光の目の前に現れては、光に代わって心のうちを吐きだしてくれる。
それを形にした「デビクロ通信」をゲリラ的に町に配布している。
自分の正体を明かさずに描くデビクロ通信は巷で評判になっているのに、
漫画家になるべく応募する賞には落選してばかり。

一方の杏奈は、造形作家として大活躍。
クリスマスイブにおこなわれるイルミネーションイベントを手がけるメンバーで、
結果待ちの国際的なコンクールでの入賞も確実と目されている。

ある日、光は出会い頭にぶつかった女性に一目惚れする。
彼女は照明アーティストのテ・ソヨン(ハン・ヒョジュ)で、
杏奈が参加するイベントを仕切るセレブだった。
光から相談を受けた杏奈は、自分の光への想いを隠して恋の橋渡し役に徹するのだが……。

できるだけ純粋な気持ちで鑑賞に臨もうと、
ムリじゃないわよ、ダメじゃないわよと念仏のように唱えながらを観ましたが、
ムリムリムリ~っ!
「すみません」「ごめんなさい」を連呼する相葉くんにまずゲンナリ。
さらに、彼とソヨンのなりゆきはリアリティなさすぎで、滑稽でしかありません。
なんでこんなことに時間を割くのかと腹立たしい。
売れっ子漫画家でソヨンの元カレ役、生田斗真も同じく、さぶっ。

文句のオンパレードになりそうですが、楽しいところもちゃんとありました。
光が勤務する書店の店長役、小市慢太郎がなかなか笑わせてくれます。
いい役者さんですね。大阪出身、B型と知り、さらに親近感が湧きました。
彼にドン引きする妻役の渡辺真起子も毎度の幸薄そうな役と一変。
あとは杏奈が抱える本がル・コルビュジエだったのが気になったところ。

基本的に私は榮倉奈々ちゃんが好きなようです。
美人というわけでもないし、演技も上手いとは思えないのに、
ぶっきらぼうさがなんだか可愛い。
彼女の出演作ならば、駄作でも許せてしまう雰囲気があります。

いちばん良かったのは言うまでもなく山下達郎の『クリスマス・イブ』。
これが30年以上前の曲だなんて。まったく色あせず、素晴らしい。
だけど、本作の登場人物との年齢の釣り合いを考えると苦しいか。

「泣いてもいいよ、ぼくが笑うから。
 笑ってもいいよ、ぼくも笑うから」。
デビクロくんのこの言葉はいいですね。
結局アンタはどうなっても笑ってるやん、だとしても。

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