マキペディア(発行人・牧野紀之)

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浜松セントラルパーク構想とその論争

2012年07月13日 | ハ行
 浜松市が浜松城公園に新美術館を建てる構想に、「税金の使い方」で議論が起きている。商工会議所が「市中心部のにぎわいをつくり、観光にもプラスになる」と推進を主張すれば、市民団体は「行財政改革の理念に反する」と建設に反対する。製造業が多く、景気後退の影が色濃く残るこの街で、「ムダ遣い」をめぐって論争が続く。

 市の財政をチェックする市民団体「浜松市民オンブズマン」(代表・森下文雄弁護士)は「財源の裏付けもなく市財政を圧迫」「行財政改革の理念に反している」と批判。市はフルーツパーク、フラワーパークなどで赤字を抱えているのに、巨費が必要な美術館建設は「暴挙だ」という。

 森下代表は「市は地域の文化施設をなくして中心部に大きなものを設けようとしている。いまの美術館を改修すれば十分ではないか」と話す。15日には、美術館建設の予算規模や財源を明確にするよう鈴木康友市長に申し入れた。

 これに対して、浜松商工会議所は3月、市の政令指定都市移行10周年の2017年4月に合わせて開館するよう提言している。「都心部ににぎわいを創出し、観光面でも集客の核となり得る美術館とするためには、相応の規模と風格を持つ美術館を建設する必要がある」とする。

 同会議所の御室健一郎会頭(浜松信用金庫理事長)は、市行財政改革推進者議会の会長でもある。オンブズマンはこの点も突く。

 御室会頭は「賛否両論あって当然なので十分議論されるべきだ。ただ行革審の理念は単に財政支出の削減だけを求めるのでなく、行財政のムダを見直して将来への必要な投資の財源を捻出していくことにある」などとする談話を出した。

 新美術館基本構想は、浜松城跡を中心に、文化センター、新美術館、公園、小中一貫校を設けるセントラルパーク構想の一環。2010年3月に策定した。

 浜松城公園にある現在の市美術館は、建設費の3分の1を市民の寄付で賄い1971年に開館した。だが40年以上たち、施設の狭さや老朽化が目立ってきた。

 市は昨年9月の補正予算で、セントラルパーク構想全体の基本構想策定に向け、安藤忠雄建築研究所に提言を求めるなど1500万円の予算を計上。新美術館関連では2007年度から毎年予算をつけてきている。

 市は、新美術館について「浜松の新しい魅力を創出し、文化の拠点として『明日への希望』を見いだす場にしたい」という。
  (朝日、2012年06月23日。高田誠)

 感想

 金沢21世紀美術館が成功しているので、市長は同じような効果を狙っているのでしょう。しかし、浜松市では無理でしょう。前提が違いますから。

 浜松市政の根本欠陥は「グランドデザインの無い事」です。

 美術館について言うなら、合併前の各市町村の文化センターのようなものを「衛星」として、中心館(と言っても「衛星」の2倍くらいのもの)は浜北地区のきらりタウン内に建てるといいでしょう。そして、1つの展覧会を全市の複数の会場で一体として開くようにする。

 インターネットを利用して展覧会や所蔵品の絵とそれの解説をいつでも聞けるようにする(今でも市立美術館のガラス絵や浮世絵ならネットで見る事が出来ますが、解説がない)、1つの作品について複数の解説があっても好い、解説は美術教師やその他の専門家、愛好家に委ねる等、余所でやっていない事をする。

 今の浜松城公園は狭い過ぎるから、美術館跡地と元城小学校跡地と体育館跡地(今は駐車場になっているのでそれを廃止する)は森林と草地にして緑を増やすと好い。なお、小中一貫校となる東部中学は校庭を芝生にする事。

             関連項目

セントラルパーク構想


コメント
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