土木の工程と人材成長

土木建設の工程管理や組織運営、そして人材成長の話題や雑学を紹介します

AI(人工知能)時代の人間

2019-01-06 10:26:42 | 人生経営
 バナナが1本百円、百万円で豪邸が建ち、中村市不破の八幡宮のお祭りでセスナ機の遊覧飛行が3千円の時代に育ち、貧乏百姓の次男だった私は、一生飛行機に乗ることはないだろうと思っていたし、大学のことなど頭の隅のどこにもなかった。ところが、飛行機には数百回は乗り、大学を4つも出てしまった。つくづく、大きな変化の時代を生きてきたと思うのだが、人類は常に変化の時代を生き抜いてきたのだろう。

 今後の変化は、これまで以上に、益々激しくなると言われているが、人の知性、理性、能力が追いついていない。単純労働がロボットに取って代わられるのだが、人にしかできない仕事に対応した教育がなされていないのだ。相変わらず知能指数に囚われた教育がなされているように思う。

 政治はニュートン力学の「時間と空間は均質である」という考え方で、一人一票(ひとり一人の力は均質である)が実行されている。ところが今や、核のボタンを持つ、世界の指導者の幾人かの手に人類の命が握られているというのに。つまり、ニュートン力学に代わるアインシュタインの相対性理論(質量があると時間と空間が曲がる)や量子力学の考えによる政治制度がまだ確立されておらず、捩じれた構造を呈している。

 ところで、AIの登場という時代の流れを反映して、ハラリの「サピエンス全史」や、レナードの「この世界を知るための人類と科学40万年史」が書かれたのも時代に対応した出来事なのだろう。
 
 さて、時代の大きな転換を迎えるにあたっては、これまでの価値観を変える必要があるだろう。哲学や宗教がその役割を担っていかなければならない。新しい時代の哲学を確立していくのはマルクス・ガブリエルかも知れないし、日本では竹田青嗣ではないだろうか。過去の哲学者で言えば、スピノザの考え方や、世界認識の基本原理を提示しているフッサールだと思われる。

 前に述べたように、少数の人が人類の生命を左右する力を持ち、また、少数の情報技術など先端のテクノロジーを牛耳る人達が富みを独占している今の世界。「戦争反対」「核廃絶」は、理想世界だとしても、まだその手前でやるべきことが多々あると思う。竹田青嗣の言う「羊の民主主義」ではなく「狼の民主主義」も、まだその役割を担っていかなければならないだろう。

 政治哲学ではホッブスの「リバイアサン」の「覇権」について、もう一度吟味する必要があると思う。そこから、核の時代における世界の安定の道が見出されてくるのかも知れない。いずれにしても、トランプやポピュリズムは間違っている。これまで人類は愚かなことをしでかしながら賢くなってきたし、今後もそうなのだろう。読めない時代、見えない時代を賢く生きる知恵が、ひとり一人に求められている。