土木の工程と人材成長

土木建設の工程管理や組織運営、そして人材成長の話題や雑学を紹介します

平時の人有事の人―2県知事の新型コロナ対策の相違―

2021-05-29 09:13:53 | 工程表
20代のころ仕えた上司は有事の人であった。平時には毎晩大酒を飲み、然程仕事をこなしているようには見えなかった。ところが災害が起こると、ほとんど寝ずに図面を描き国からの査定日に備えていた。ただ、主筋と配筋の位置を反対に描いており、経歴を調べてみると専門の学校は出ていないことがわかった。

さて、パンデミックの今は有事である。平井伸治鳥取県知事は、この有事に対応している。鳥取大学と連携し新型コロナウイルスのCT値を調べて対策をたてている。CT 値とは、その数値が高いとウイルス遺伝子保有数が少なく、低いと多く感染させる確率が高くなるというもの。平井知事は10年前に、新型インフルエンザ等対策有識者会議構成員に就任している。この経験が今回の新型コロナウイルス感染症対策に活きているのだろう。

ところで、高知県の浜田省司知事は平時の人であろう。新型コロナウイスルの対策は、ほとんどが結果を受けて過去の事実を述べているだけのように見え、戦略的に先手を打っているような気配がない。高知大学には医学部もあるのだが、感染症の専門家はいないのであろうか。まったく、高知大学の名前がこれまでほとんど出てきた覚えがない。亀のように頭を甲羅の中に引っ込めたままのように見える。大学に専門家がいないにしても、今は有事である。県のリーダーである知事が、大学に働きかけて協力を得、有効な対策を連携して取るべきである。

先に高知県は人口10万人当り感染者数が全国最低であると書いたが、あれよあれよと言う間にそうではなくなった。今や四国四県で最大数の感染者を出している。かつて高知県の感染者数が少なかった祝日などには、県外車が来ていた。5月の連休前に知事は、高知県にはワクチン接種が終わってから来て欲しい、都市圏にいる人達は帰省を控えてもらって欲しいと在県の家族にアナウンスすべきだった。これは連休前に私が女房に、知事がすべきことだと言ったものだが、知事からは発信がなく、東京便の飛行機は、前年の50%増しになったし、連休中は四国、近畿、中国、九州からの自家用車が高知県内を走っていた。連休後には感染者が増えることは目に見えていたのだった。しかも、未だに高知県からは、会食は4人以下でして欲しいと、変異株が発生する前の注意喚起をしている。

変異株は誰でも知っているようにスパイクが3箇所変わり、以前より5倍もくっつきやすく、さらに鳥取県知事からは、CT値が14とか15のスーパースプレッダーと言われるような、沢山のウイルスを持つ患者が増加し、それだけ感染させやすいのだと注意喚起が呼びかけられている。浜田高知県知事からは、当初の3密回避レベルしか発信されていないのは残念だとしか言いようがない。平時の人だと言わざるを得ない。

採用面接で気がついたこと

2021-05-21 11:26:17 | 建設経営
採用面接では、まず親近感の湧くような言葉を投げかけてから、履歴書に書いていただいている志望動機を簡単にお話しいただきます。志望動機は、ほぼ書かれているとおり一字一句違いがなくお話しされる方のほうが多いように思います。

次に、コンピテンシー(能力要素・能力要件)の高さを見極めるために、「チームをリードしてうまく行ったこと、あるいは反対にうまくいかなかったことを思い出してお話しいただけますか」と、問いかけるのですが、この時具体の話しをしていただける方と、そうでない方がおられます。

コンピテンシー能力の高い人は、次から次へと自分が具体的に考え行動したこと、そしてうまく行かなかった場合には、相手を観察してから考え方を修正して行動に移したということが、すらすらと出てきます。話しながら気持ちよくなってくるとも言われ、自分のことを聞いてくれるので入社率が高くなるとも言われます。聞いているほうも絵を見ているようにイメージが浮かんできます。

抽象的なことしか出てこない人には、「それはどんな場面でしたか?」とか「どんな言葉を投げかけましたか?」と、お聞きしても具体の場面や言葉がほとんどでてきません。コンピテンシー能力の低い人は、具体のエピソードが浮かんでこないし、具体的な場面を話すことができないと言われています。考えて行動していないし、何が起こっているのかが理解できていないからだと思われます。

さて、これまで面接させていただいた方は様々で、いろんな角度から質問しても抽象的な言葉しか出てこない人がいました。そこで、どうして具体のエピソードが出てこないのかを愚考してみました。

・質問の意味が理解できていない
・自己開示はしたくない
・具体的な場面を話すことは恥ずかしい
・自慢話しなどをするのは下品なことと思っている
・細かなことは記憶していない
・忘却力が強く思いだすのが難しい
・過去の出来事をエピソードとして記憶していない
・抽象的な言葉で話すことこそ価値あることと考えている
・質問は自分の粗探しをしようとしているかも知れないので乗らないようにしよう
・コンピテンシーが低いから話せる内容がない

 コンピテンシーレベルを1~5でつけて、追跡調査を行えば面接精度があがってくるだろう。

新型コロナワクチン接種ー1回目を終えてー

2021-05-18 20:48:15 | 工程表
本日第1回目の接種を受けた。65歳以上枠でだ。年寄りよりも先に若い人達に接種する方がいいと思うのだが、個人的な思惑は混乱させるので順番に従って受けた。接種はというと、アルコール消毒されたことはわかったが、針がいつ刺されたのか、ワクチンがいつ入ったのかは、まったくわからなかった。本当に接種してくれたのだろうかと疑ったくらいだ。15分は待合で様子を見るように言われたが、待つ間に読む本を階下の駐車場の車に取りに行ってもいかと聞くと、いいと言うので歩いて下まで行った。外に出たついでにすぐに戻るのもなんだなと思った。待合では何人かが待機しているし、次から次へと接種者が入ってきている。密になるとまではいかないが、人がいないところにこしたことはない。すぐに引き返すことができる範囲を、ゆっくりと散歩してみた。

そういえば、接種前に医師から、お風呂にも入っていいし、お酒も飲んでいい、・・・と説明を受けたが、途中からは聞いていなかった。そんな説明があったので、待合を抜け出したのでもあった。

15分の数分前に待合に戻り本を読んでいると何事もなく過ぎた。受付に帰宅する旨の声掛けしてから車を運転して帰る。注射は痛くもかゆくもなかったのだが、3時間が過ぎたころ、インフルエンザの注射と同じように筋肉が少し痛みだした。現在7時間が経過したが、痛みは取れていない。この調子なら恐らく朝の目覚めまでは取れていないだろう。

隣人は第1回に接種した病院で、2回目が予約できたと言っていたが、私が接種した病院はそうではなかった。改めて明後日以降に自身で予約するようにと言われた。なんとも不便な仕組みだ。1回目は50回以上電話し、ネットで50以上の病院に予約を試みて、やっと取れたのだった。2回目もそうなら諦める人も出てくるに違いない。私自身、きちんと取るところまでこぎ着けることができるかどうか自信はない。

マスクなし感染と思われる人が85%

2021-05-17 17:08:01 | 工程表
台湾では新型コロナウイルス感染者数が1日200名を超え、市中を消毒している映像がニュースで流れていた。市中消毒は中国でも欧米の国でも実施されていた。ただ、感染のほとんどが飛沫感染だと言われる中、市中の消毒は多少の効果はあるのかも知れないが、感染防止の観点からは疑問で、有効だと言えないのではなかろうか。

さて、CBCテレビ「ゴゴスマ」2021年5月17日、14時33分代で、福井県知事が286人への聞き取りにおいてマスク無しで感染したと考えられる人が85%の242人だったと話していた。菅総理は「こういう話しを初めて聞いた」と言ったらしい。また、福井県では感染経路不明者は1.3%に過ぎないとも言っていた。福井県は聞き取りにおいて、時期や効き方について数々の工夫も行っていると言う。

直近1週間の人口10万人当り感染者数は、高知県が一番少なく4.30人で、次に福井県の4.56人、鳥取県の6.27人と続く。高い方は、北海道70.88人、福岡県66.81人、岡山県60.79人で、低い3県は高い県の10分の一以下だ。高知県は濃厚接触者の追跡と検査を徹底して行っており、功を奏していると言える。人口や密度など要因もあるが、一概にはそうとも言えない面もあり、感染防止の取組みの差があるとすれば、有効と思われるものを、全国でおおいに共有し実施してもらいたいものだ。

20:06追記(鳥取県の取組み)
BSの報道1930では平井伸治鳥取県知事が出演して取組み報告を行っていた。鳥取県は鳥取大学の協力を得て、ウイルス量が多いか少ないかを示すCT値(感染させやすいかどうかが分る)を調べているとのこと。CT値が危険なレベルを超えている場合は、接触者としてその日のうちに家族、学校、職場、その他の接触者を徹底して追跡し検査を行っている。さらに、CT値を基に地域ごとに警戒レベルを公表。さらに変異型になるとウイルス量が多いCT値を持つ人が複数人出てきたので、一段高い「厳重警戒レベル地域」をも設定したと言う。CT値が25未満(数値が小さいほどウイルス量が多い)は、第1波では2人、第2波では9人、第3波では26人、第4波は72人(陽性者の32%)だと言う。変異ウイルスは感染力が強いことが分かる。このCT値の変化に対応して対策を打ち出しているようだ。客商売のお店には職員が測定に行き、お店の風速を調べたりして認証制度と補助制度など(認証されたら20万円、その他の補助金20万円)と、お店が自らチェックを行う協賛店制度などを創設している。単に人口が少なく、人口密度が低いから感染者が少ないということではないことが分かる。

おしゃれな朝

2021-05-16 09:23:39 | 人生経営
5月の日曜日、さわやかな朝があけた。目が覚めるとすぐに布団の中で、村上春樹の「もし僕のことばがウィスキーであったなら」新潮文庫、1998.11.1を読む。そこにはアイラ島の旅が書かれている。『夜はパブでアイリッシュ・ウイスキーを飲み、朝は食べきれないくらいたっぷりと出てくる温かいボリッジとアブリコット、トースト、焼きたてのスコーン、自家製のソーセージ、そしてコーヒー』などと書かれている。なんともぜいたくな、うらやましい旅なのだろうか。

あとがきにかえて、では旅の思い出が書かれている。『アイルランドにあった親密な空気を、その人の心の中にしか残らない、だからこそ何よりも貴重な旅の情景。そのときには気づかなくても、あとで知ることになるものを』と、読む者の感傷を誘い、命のはかなくいとおしいい営みを沸き上がらせ、魂をゆり動かせられるようなここちがしてくる。

さて、気持ちよい目覚めと読書の次は、楽しいリアルな自分の朝食の番だ。いつもオリーブオイルで炒めた野菜たっぷりの朝食にするのだが、今朝は気分をかえてガラスの容器にブルガリアヨーグルトを盛り、粒あずき餡とオメガ3のアマニ油を入れる。そして、まっ白なお皿に小夏をむいて少しだけ塩をふったものをそえる。ほんの少しの塩が甘さをきわだたせてくれる。ヨーグルトは時々に色々種類を変えて買うことにしている。また、ヨーグルトにはたいてい自分で造った金柑のママレードを入れることが多いのだが、今朝は小夏を添えるので粒あずき餡にする。

最後はコーヒーだ。コーヒーにはパウンドケーキを切ってそえる。パウンドケーキにはアーモンドのスライスがトッピングされた20cmくらい長さのもので、その時の気分によって切りとる長さを調節する。私の場合はコーヒーを楽しんでいるのか、パウンドケーキを食すためにコーヒーを飲むのか、彼我の区別がつかない。たぶん双方が主人公であり、両方ともが従者と言ってもいい。どちらが欠けても成立せず味気ないのである。

テレビで日曜美術館「ルーブル美術館―すべてはレオナルド・ダ・ヴィンチから始まった―」を見てから散歩しょう。たぶん錯覚なのだろうが、私なりの「おしゃれな朝」だと思っている。