土木の工程と人材成長

土木建設の工程管理や組織運営、そして人材成長の話題や雑学を紹介します

肯定的と否定的な感情

2018-10-21 12:23:21 | 人生経営
 デイビッド・カルーソンとピーター・サロベイの「EQマネージャー」東洋経済新報社、2004.12.30,PP46-49には、肯定的な感情と否定的な感情について書いてあった。

肯定的な感情は、
・思考を広げる
・新しいアイデアを生みだすのに役立つ
・われわれを促してさまざまな可能性を検討させる
働きをする。

 肯定的な感情は、外の世界を探検させたり、何か発見したりする気持ちにさせる傾向がある。つまり、思考を広げ、行動の幅を広げようとする意欲がわく。勇気を持ち、物事の新しい繋がりを理解したり、斬新な問題解決の方法を見つけ出せる。社会的な結びつきや、より強い社会的なネットワークを促進する。

否定的な感情は、
・より明確な集中力を与える
・内容をより効果的に検討できる
・より効率的に誤りを調べる意欲を起こさせる

 否定的な感情は、自分がしていることや考えていることを変えるよう指示を出す。注意を向ける範囲や知覚領域を狭め、非常に独特なやり方でわれわれを行動へと駆り立てる。否定的な感情は、危険を回避して生存の可能性を高める働きをする。

 つまり、肯定と否定とは時と場合によって使いわけるのがよいということだろうし、バランスが大事なのだろう。

 ここに肯定的でなく、否定的なというか消極的な「二人の人」がいる。

 一人は、ある予定を話すと、新しい行動の理由を聞いたり、自分の行動予定を確認したりした後、やおら返事をする。確実性や責任性の面で、確認するということは大変いいことだ。が、その確認が単なる時間外当番の予定だったりなのである。正確性や確実性は担保されるのだろうが、聞いた者への反応時間が確認するだけ長くかかってしまっている。時間外の当番などは他の人に代わってもらえる可能性が高いだろう。つまり、物事の重要性の認識が薄いのではないだろうか?どうも、否定的感情が先行するこの人は、消極的で保身的というか、行動のエネルギーを最小に持っていこうとしているように見えて、こちらとしては、なんともハガイイ気分にさせられる。自己中心的で保守主義、少しでもシンドイことはやりたくないようにも見えてしまうのは、イラレの私の性格からくるものなのだろうか?

 もう一人消極的で否定的な者がいて、この人は勝手解釈してしまい、相手の思惑を聞かないまま、自分の意見を通してしまう。なかなかにやっかいである。状況がどうであれ、自分の世界で決めてしまい、その道しか歩いてくれないのだから手に余ってしまう。2、3度転職してきたようだが、なるほどと思ってしまった。部下として誠に使い勝手が悪いのである。しかも、自分が悪いのではなく相手が悪いのだと決めつけているようなので、軌道修正のしようがない。

 二人とも、もう40歳に近い。さて、良い面を伸ばすにはどうしたらいいのだろうか?ここが思案のしどころなのだっ!!!

脳の認識と鍛え方(i-Constructionの進展に思う)

2018-10-04 10:49:50 | 人生経営
 頭が良いと言われる人の中には、先天的に頭が良い人と、後天的に鍛えたために良くなった人がいるようだ。

 例えば、図形を認識する脳は、部位によって役割が異なっているらしい。脳の機能として、後ろの方が輪切りになっていて、最後部のV1と呼ばれる部位で簡単な形を認識し、前に向かってV2、V3と段々に難しい認識をしていくとのこと。つまり、たぶん脳をどう使うかによっても、認識力が異なってくるということだろう。この図の詳しい説明は先日Eテレで「人間って何だ」でもやっていたし、脳科学者の池谷裕二の本にも描かれている。

 ところで、天才と言われたアインシュタインの脳の重さは1,250gで、平均の1,400gよりも軽かったとのこと。ただ、記憶や学習に関する脳の働きに深く関係し、酸素や栄養素などを運ぶグリア細胞が多かったと言われている。白色筋肉を桃色筋肉にするために、ゆっくりした運動をすると、ミトコンドリアが増えるらしい。アインシュタインのグリア細胞も努力の賜物、つまり後天的なものなのかも知れない。また、道が複雑になっているロンドンのタクシー運転手は、海馬が大きくなることがわかっている。こちらはまさに後天的なもので、脳の鍛え方で能力が増すことを示している。

 建設分野ではi-Construction が叫ばれているが、技術者の食いつきはイマイチらしい。

 ロジャーズに「イノベーター理論」があるが、それによると、革新的採用者は2.5%だと言う。つまり、新規に取り組む人は少ないということだ。工程管理手法であるCCPM(クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント)の講習会での当初のアンケートで、使ってみたいとする人は1%程度であったし、名前が少し浸透してきた7,8年たったころに、やっと5%程度までにあがっていった。経験工学と言われてきた土木建設の世界では、一般とは少し異なる数値である。置かれている環境による違いなのであろう。

 何はともあれ、トレンドとしてi-Construction は避けて通れない。私自身は習得できる可能性としては極めて低いものの、AI(人工知能)と親和性が高いと言われているプログラミング言語の一つであるPython の本を読みはじめた。プログラムを組むところまでは、とても到達できないかも知れないが、プログラムするとはどういうことか、だけでも掴めればよいと思っている。よく40の手習いと言われるが、私の場合は70歳の手習いなのである。