ユヴァル・ハラリ「サピエンス全史(下)」河出書房新社、2016.9.30を読むと、イギリスは植民地政策により、1,945年には世界の四分の一を支配していたという(P205)。現在その栄光が薄れ、今はEUからの離脱にもがき苦しんでいる。
一方中国は、南シナ海南沙諸島のクアテロン礁、ジョンソン南礁、ヒューズ礁、ファイアリクロス礁を埋め立て、自国の領土と海域の拡大を強引に進めている。かつてのイギリスをはじめとするヨーロッパ各国が植民地としてきたやり方は、さすがに現代ではできないので、埋め立てという方法でもって植民地に代わるものとするものであろうことが、ハラリを読むと見えてくるのではないだろうか。
この背景には、中国は1,404年から28年間で7回、インドから東アフリカまで、3万人近くを乗せ300隻の舟に乗り込んで遠征しているが、その時は植民地にはしなかった(P108)。これは中華思想で行動していたからであり、ヨーロッパ各国の植民地主義によるような富の享受はなく、中国に莫大な利益をもたらすことはなかった。その後悔が、現在の南沙諸島の埋め立てであり、中国によるアジア・アフリカ諸国へのインフラ整備での多額の債務を負わせている姿である。さすがにマレーシアのマハチール首相は、スリランカなどとは路線を変更し、債務の罠から逃れている。しかし、中国は、東南アジアからアフリカまでを結ぶ広域経済圏構想“一帯一路”を推し進めており、今後世界がどのように変貌していくのか、目が話せない。
一方中国は、南シナ海南沙諸島のクアテロン礁、ジョンソン南礁、ヒューズ礁、ファイアリクロス礁を埋め立て、自国の領土と海域の拡大を強引に進めている。かつてのイギリスをはじめとするヨーロッパ各国が植民地としてきたやり方は、さすがに現代ではできないので、埋め立てという方法でもって植民地に代わるものとするものであろうことが、ハラリを読むと見えてくるのではないだろうか。
この背景には、中国は1,404年から28年間で7回、インドから東アフリカまで、3万人近くを乗せ300隻の舟に乗り込んで遠征しているが、その時は植民地にはしなかった(P108)。これは中華思想で行動していたからであり、ヨーロッパ各国の植民地主義によるような富の享受はなく、中国に莫大な利益をもたらすことはなかった。その後悔が、現在の南沙諸島の埋め立てであり、中国によるアジア・アフリカ諸国へのインフラ整備での多額の債務を負わせている姿である。さすがにマレーシアのマハチール首相は、スリランカなどとは路線を変更し、債務の罠から逃れている。しかし、中国は、東南アジアからアフリカまでを結ぶ広域経済圏構想“一帯一路”を推し進めており、今後世界がどのように変貌していくのか、目が話せない。