土木の工程と人材成長

土木建設の工程管理や組織運営、そして人材成長の話題や雑学を紹介します

より高い次元で考える

2016-07-24 19:51:28 | 思考
猪子寿之は、99%の人の思考は二次元だと言う(http://diamond.jp/articles/-/72814)。だが、三次元で考えることは極めて重要だと説く。確かにそうだろう。

マズローの5段階欲求説で言うと、欲求段階次元が違えば話が通じないという経験を何度もしてきた。感情次元でものを言う人には、論理次元の話が通じない。事実次元と主観次元でも同じだ。思い込んでいる人には、他の次元があることが分からないようだ。

考えるためには、一旦は事実次元で物事を把握する手順を踏み、次に抽象次元でまとめる必要がある。しかし、具体事実次元に下ろさないで、抽象次元のまま結論を導き、それを主張する者の話のほとんどは思い込みの場合が多い。

佐藤優は、論理的な思考は、仕事に不可欠だと言う(http://toyokeizai.net/articles/-/14298)。

元日本創造学会会長高橋誠は、「問題解決手法の知識」日本経済新聞社、1984.9.18,P24-25で、「問題の解決手順は、「問題把握」と「問題解決」を明確に分けること、扱うデータが、前者は事実、後者はアイデアと異なるから」だとしている。「客観と主観」、「論理と想像」とも言えよう。

先日、「○○だったから△△された」との主張を聞いた。そして「だらか、あなたはこうすべきだ」と、指示された。しかし、○○は事実なのだが、△△は言う者の意見であり、事実に裏づけされたものとは、とても言えない代物であった。これでは指示どおりに動くわけにはいかない。△△が事実かどうか、もし、事実把握が難しければ、蓋然性があるだろうというところまで、できうる限りの事実を積み上げ、論理で突き詰めておく必要がある。しかし、先の主張をしている者には、事実と主張の区別がついておらず感情的な主張ばかりしており、こちらがいくら論理的に説明しても理解されなかった。感情が先走った思い込みの前には、論理が通じないのである。これへの対応としては、主張する者の論理性を高めておく必要があるのだろう。時間のかかる課題なのだが取り組んでいくしかない。このまま放置すれば、いつまでたっても問題が解決しないのだから。佐藤の言うように、論理の限界も見極めながら・・・

新しい工程管理ソフトDandori8

2016-07-16 20:42:51 | 経営
昨年、Dandori8という工程管理ソフトを、2件の工事で使ってもらった。恐らく建設工事での適用は、この2つが最初だと思われる。

私は、2つの会社に、こんなものがありますよ、という案内しかしなかったのだが、Dandori8の画面で「使い方」をクリックすれば、簡単に操作方法が書かれてあり、すぐに使えるようになる。内容はほとんどCCPMと変わらないと思っている。

ただ、Dandori8の方は、余裕日をそれぞれのタスクで取れるようになっており、例えば、養生には余裕日が必要ないので「0」と入れることができる。他のCCPMソフトは、タスク日数の50%が自動的に工期の前に取られようなのだが、Dandiro8では、強制的でなく、自分で納得できる余裕日を取ることができる。ここが従来のCCPMソフトより、大げさな言い方をすれば進化していると言えよう。

さて、この2件の工事だが、一つは砂防工事、もう一つは道路改良工事だった。これらの工事成績が2つとも82.7点だった。各項目の点数は異なるのだが、点数は同じ82.7点だったのだ。

Dandori8は、CCPMソフトよりも機能は各段に少ない。そのかわり、お値段が年間PC1台で6千円と格安であるとともに、最低限の機能は備えており、それだけ簡単に使えるのである。

ところで、CCPMとDandori8が、従来の工程管理手法と異なるのは、進捗グラフという自動車で言えば「ナビ」を搭載したものだと言える。進捗グラフというのは、横軸に工期を、縦軸に余裕日を配置したもので、緑、黄色、赤の色分けがしてある。緑や黄色の中にある時には、なにもしなくてよく、赤に入ればなんらかのアクションを起こすことを知らせてくれるものである。

さて、Dandori8の1万2千円のには「サマリータスク機能」が付いていて、その中にタスクを収めることができる。タスクが多くなると、見やすくなるのである。1億程度の工事では6千円のもので十分に使えるものと思っている。タスク数が多くなれば、1万2千円のサマリータスク機能を持つものがいいかと思う。なによりも他のソフトと比べて値段が安いので、是非是非おためしあれっ!工程管理が楽になることは請け合だっ!!!

なによりも、工期が短縮でき、工事成績が上がり、利益のアップが期待できる。