ハマスー世界平和実現のためにー

佐藤優「世界史の極意」NHK出版新書、2015.1.10,PP218-219他によれば、『ガザ地区を実効支配しているスンニ派原理主義過激派のハマスだ。ハマスの思想は、イスラム国やタリバンと同様、世界はアッラーの神によって支配されるただ一つの帝国でなければいけない、というもの。そのためにはイスラム革命が必要であり、まず最初に、イスラエルをパレスチナから抹消しなければならないと考えている。そうなると、イスラエル政府とハマスの間に、交渉の可能性は開かれない。ハマスにとって、パレスチナの民族自立は目標ではなく、革命のための単なる道具に過ぎない。』と、書かれている。

だとすれば、日本や世界のメディア等で報道されている、即時停戦の叫びはむなしく響く。ただし、絶望的かというと、佐藤優は同書PP223-225で、イスラム原理主義の暴走を食い止める方策についても書いている。この方策は、世界各国が取り組む価値以上のものがあると考えられる。いいかげん、皮相的、短絡的な戦争反対と、単に声をあげるだけでなく、真剣に佐藤優の知恵を、ぜひ是非、育てていく必要性があると思う。

まずは、イスラム教の本質（生活、法律、倫理までもがコーランに書かれていることなど）、そしてシーア派とスンニ（スンナ）派の主な四つの派の考え方を理解しなければならない。今後の世界平和のためには、イスラムを知ることは避けて通れないことだと考える。これについては、佐藤優「大国の掟」ＮＨＫ出版新書、2016.11.10,P146他を読んでいただければ幸いである。