土木の工程と人材成長

土木建設の工程管理や組織運営、そして人材成長の話題や雑学を紹介します

すごい人の頭ん中2―すごい気づき-

2015-08-31 21:08:38 | 思考
「すごい起業家」編に続いて、「すごい気づき」編を読む。12人が登場するが、10人目の西田文郎が特にすごいと思った。彼の書いた本はなんどか本屋さんで見たが、表紙の色などに圧倒されて敬遠してきた。しかし、今回はすぐにアマゾンで注文した。「面白いほど成功するツキの大原則―ツイてツイてツキまくる頭の使い方教えます」現代書林 2001.11.1である。表紙は赤を基調にしてへんな顔のマンガ(失礼)、題字も不ぞろいで下手な字に見える(またまた失礼)。そして帯は青ときている。この手の題名の付け方や装丁は、どうも私は苦手なのである。

だが、中身はどうも自分が想定していたのとは違うらしいというのが、「すごい気づき」編を読んで気づいた(笑)。

それは2番目に登場する「成功するためにはイメージ力を高めよ」というのを読んでからだ。私はかねがねこれからの仕事に必要な能力は「感受性、洞察力、先見性」だと思っている。最後の先見性の基礎になるのがイメージ力だと思っている。

ほかにも、これまで仕入れてきたことがたくさん書かれている。なんのことはない、自分の思考の枠組みにピタリと入る内容だったのである。談話でさえこれだけ訴える力があるので、本はさぞかしと思った次第なのだ。ブックオフに行けばたぶんあるに違いないが、探すのが面倒だ。アマゾンの中古でも300円台からで、60冊ほど上がっている。10年以上前の本で中古の冊数も多く、値段も1円になっていないので、人気のある本なのだろう。届くのが今から楽しみである。

心をつかむ技術

2015-08-29 21:31:05 | 心理
 モーテンセン「心をつかむ技術」ディスカバー、2005.6.20 を読む。著者は世界を飛び回って講演を行っているアメリカの経営コンサルタント。豊富な事例を元に書かれており、説得力がある。行動経済学の本で紹介されている心理は少し強烈であるが、モーテンセンがこの本に書いている心理はそれよりも幾分ソフトである。

 「七つの習慣」のコヴィーが絶賛した本とあって、確かに読み応えのある内容だった。

 セミナー講師としても応用したり、直接使えることが沢山書かれてあった。そして工事成績を高めるためにも、主任技術者が監督職員に対して接する時の具体的な心理面の技術が書かれている。この内容はセミナーでお知らせすることができる。一緒にリーダーシップ2冊、交渉術2冊、問題解決1冊、哲学1冊を買ったが、さっと眺めてみて、この本を最初に読み終えた。各章の終わりには2~6つのまとめが書かれてあり、よく考えられた内容の本だと思う。

A問題とX問題

2015-08-26 09:28:52 | 思考
 私のセミナー講師評価の中で、10%程度は「話が分からん!お金と時間の無駄だった!もっと具体的で役立つ講習を!」という意見をいただく。これまでも同じパターンを何回もいただいているのであるが、やはり落ち込む。2,3日はブルーな日を過ごすことになる。年間多い年には60回ほどやっているので、半年はブルー状態の日になってしまう。
 
 反対に「面白かった!仕事の役に立つかどうか分からないが、楽しめた」というご意見も数%いただく。が、焼け石に水的な量で、ブルーが解消できないでいる。

 否定的意見対肯定的意見は、だいたい2:1の割合である。否定的意見をいただく方は、すぐに役立つ、具体の話を求めて来ておられるようである。私の話がいかに抽象的で答えのない話をしており、またストーリーがなく、脱線し、話があちこちに飛んでいることは自覚はしている。

 ところで、私の造語であるが「A問題とX問題」という分類がある。A問題は「シングルループ学習、具体的、個別的、形式的、答えがある、やさしく簡単、イージープロブレム、他律・受身的、客観的、古典力学の世界、アメとムチの世界、見える、定形・あてはめ的」であり、X問題は「ダブルループ学習、抽象的、総体的、普遍的、本質的、包括的、答えがない、難しく複雑、ハードプロブレム、自律・主体的、混沌(カオス)、量子力学の世界、モチベーション3.0、創造的」という分類である。私のセミナーでの話のほとんどは後者になる。

 ご意見の中には「面白い話をして欲しい」というのもあり、1日8時間も話を聞かされるのだから、ごもっともなことであるが、理解しつつも自分の頭の中から「落語会ではないのだから?」という、抵抗の声がしてくる。セミナー講師をしている限り、この状態からは抜けでることは恐らくないのだろう。全員に肯定的な反応をいただきたいと思いつつ、私の話の内容が極端であるがために、「おまえには無理だ!」という声が、どこからか聞こえてくるのである。

すごい人の頭ん中ーすごい起業家編ー

2015-08-22 12:52:27 | 思考
 ブックオフの100円棚で目にした、表題のゴマブックス、2007.2.10発行を読む。渡邉美樹を筆頭に11人の企業家のインタビューをまとめた本なのだが、とにかく凄いっ!いずれも上場しており、売上高も億の3桁以上ではないかと思われる人ばかり。

 以前、リーダーシップも様々であることを紹介(「リーダーシップの不思議」20150728)したが、この本に出てくる11人も様々である。しっかりとしたビジョンを最初から掲げるべきだという論者もいれば、ビジョンはそのうちにできてくるという論者もいる。中にアドラー心理学を読み込んで、それを実践しているのではないかと思われる方もいた。

 共通していると思われるのは、イメージする力と顧客の身になって考えるということ、そして好きなことを最後までやり切る、それも社員と楽しみながらということだろう。

 この中の何人かは一度どん底にまで落ちている。こんな人は本当に強いと思う。落ちるのは高みに上がっていたからで、最初から低いところで勝負?している私には経験できないことだ。

 友人の何人かにも紹介し読むことを勧めた。また、この本のシリーズが3まで出ているので、2を早速アマゾンで注文した。

目的と手段

2015-08-21 08:42:11 | 思考
目的志向がいいなどと言われるが、ある目的も上位目的から見ると手段になる。だから、それは手段ではないかと言っても、本人はそれなりに目的を設定しているのだから、豆鉄砲をくらったような困惑顔を浮かべるしかない。これはその人の「志」がどこにあるかによって、見ているところが違うから無理もない。

「CCPMの目的設定(2015.7.23)」でも、すごい小学生4人の目的設定を書いたが、彼らの目的はとにかくすごいし、成し遂げている実行力には脱帽する以上の尊敬の念がわき、崇めたくなる。

 さて、どこかで書いたかもしれないが、安西祐一郎は「問題解決の心理学」中公新書、1985.3.25 で、「短期はともかく、中・長期の目的設定の効果は異なる場合がある」というようなことを書いている。本日配信の日経ビジネスオンラインに「リーマンショック後ドラッカーブームが起きたのはなぜか?」があるが、トヨタの手段指向に対するドラッカーの目的志向を対比して書いてあるのが面白い。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/081700026/081800003/?n_cid=nbpnbo_mlp&rt=nocnt

 オンラインを読みながら安西を思い浮かべていると、前々からの愚論が思い浮かんできた。それは「目的と手段はセットだっ!」という持論である。どちらか一方だけあっても仕方がない。目的と手段は男と女の関係だとも言えよう。同姓婚許容論者の方には叱られそうだが、本質として片方だけでは意味をなさないと私は思うのである。