土木の工程と人材成長

土木建設の工程管理や組織運営、そして人材成長の話題や雑学を紹介します

現今の地球世界問題

2022-09-30 09:03:05 | 思考
今、世界には、さまざまな問題が存在している。要素が複雑にからみ、簡単に示すのが難しい。
そこで、以下にキーワードとして提示してみたい。

環境問題(温暖化)
資源問題
経済問題(格差)
人口問題
核問題(核爆弾、原発)
宗教問題(イスラム、正教、カソリック、ヒンドゥー)
南北問題
人権問題

根本問題は、人々の思考の問題(各人は思考の天井を持つ)(事実、実証、倫理)
論理と言葉の使用(概念と論理)、(原理(=キーワード)を示す)

プラトン・ソクラテス(=対話)
カント=理性の特徴(=思考の限界点を提示)
ヘーゲル=自由の相互承認(=健全な社会の実現)
ホッブス=普遍闘争原理(=平和の維持)
ニーチェ=神々は死んだ(=宗教問題の解決)
フッサール=現象学(=世界平和の原理)
ハイデガー=死の存在分析(=宗教問題の解決策)

歴史と文化(利権、倫理)
清く・正しく・美しく(いさぎよく、爽やかに生きる(徳を積む(大谷翔平)))
だが、人間には欲望がある(権力欲、金銭欲、色欲)どう折り合いをつけるか

なぜ戦争が起こるのか?それを抑止する原理はなにか?

2022-09-29 10:26:41 | 思考
竹田青嗣は、「人間の未来」ちくま新書、2009.2.10,PP42~のなかでホッブスをひきあいに出し、「普遍闘争原理」を提示している。また、普遍闘争が起こるのは「相互不信」からだとも。

以下に、一部を省略しながら引用したい。

『戦争は、神の摂理とも自然の摂理とも無関係である。はっきりとその原因があり、それを「原理」としてつかむことができる。そして重要なのは、その「原理」を見いだすことは、同時にそこに戦争を抑制する原理を見いだすことでもあるということだ。ホッブスははっきりそういう自覚をもっていた』同書P43。

『人間社会は、秩序を保証するものがないかぎり、生命維持の不安と不信によって、絶えざる潜在的闘争状態にある。(中略)つまり、人間社会は、定住と蓄財の発生以来、「普遍闘争状態」を脱することができず、「覇権の原理」だけがこれを抑制し秩序を打ち立てる唯一の原理だったのだ』同書P48

『戦争は・・・権力者の支配欲望による、・・・、あるいはまた、戦争は好戦的な文化や宗教に固有のものである、といったものも戦争の理論である』同書P49

『戦争の根本原因は、人間社会の本質的な「不信の構造」であって「悪」ではない。戦争を根本的に制御するするにはこの「構造」を変化させるほかない』同書P50

ところでこれまでは、自由民主国家の宗主国的な役割として、米国が一方の覇権の役割を担ってきた。その経済的力の源泉は、ドルの基軸通貨としてのメリットを活用してであった。ところが、EUができ、中国が台頭してきて、ドルにも陰りがでており、トランプが大統領になってからは自国第一主義を唱えて、覇権国家としての役割からほぼ手を引くような形跡が見られることとなった。

現在、米・欧・日本などの自由民主国家と、中国・ロシアなどの専制国家にわかれて覇権が争われており、核と経済がからんで混沌としている。とはいえ、それぞれの陣営も一枚岩ではなく、極右やポピュリズムなどの政治体制が力をつけてきており、世界の政体はカオスである。その結果、地球人にとって喫緊の課題である環境問題は片隅に追いやられそうになっている。

解決の順番としては、眼前のロシアによるウクライナへの侵攻を終わらせるのが先決だが、その「制御の構造」は、やはり経済制裁なのだろう。だが、相当の返り血を受けることは覚悟しなければならない。もっとも有効なのは、ロシア国民によるプーチン降ろしが一番であるが、これは他者だのみとなり、じれったい。他に有効な打つ手はないものだろうか。

ロシアの思考とトランプの思考の共通点

2022-09-28 09:28:28 | 工程表
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は2022年9月24日、国連総会で一般討論演説を行ったが、自らの演説後すぐに退席した。言いたいことだけいい、他の国の人たちの意見を聞く耳はもたないことを示した。これは態度で示されたものだが、これまでのプーチンをはじめ、ロシア政権は、独我論をふりまわしている。

米国のトランプ前大統領も同じだ。自らの発言内容が正義であり、民主党など他者の発言はフェイクだとする。トランプ支持者たちも同じで、一方的な主張だけを信じこみ、反対意見を聞く耳はもたない。

ところで、オーストリアの哲学者フッサール(1,859~1938年)は、現象学を提示した。竹田青嗣によると、『フッサール現象学は、原理をもちいた本質的な「話し合い」の中で一致したものが客観であるとする』という。つまり、「主観と主観の摺り合わせ」によるものが客観であるとする。

フッサール現象学の哲学原理を使うことによって、地球資源が有限であること、環境を保全しなければ人類が地球に住めなくなること、核をどうするかなどなど、人類の問題を地球人が解決していく唯一の道を原理的に示してくれているといえる。

ところが、パブロフもトランプも、彼らの主観を主張するが、他者の主観は無視する。これでは、なんらの解決策を見いだすことは不可能になるの。現象学とは真逆の手法である。

竹田論を付け足すと、『現象学はものごとを「生活世界」の中で、「きれい、きたない。よい、悪い。ほんとう、うそ」を原理として考える』のだという。ここで「生活世界」とは、『単に日常生活の世界ということではなく、個々の人間の「心」(=主観性)の原理によってみられた世界の現われ方』ということである(注)。

ロシアもトランプも、主観を自分だけのものに留めており、他者の主観を完全に無視している。これでは問題解決をしようとしても一歩も進まない。他者の主観をも大切にしてこそ、地球の生き延びることができる道残がされる。彼らはその道を遮断している近視眼者たちである。

(注)引用不十分で言葉足らずだが、竹田青嗣「自分を知るための哲学入門」ちくま学芸文庫、1993.12.7,PP137-191を読んで欲しい。小説よりも面白いことをうけおう。

哲学不在のプーチンの悲劇

2022-09-13 11:13:09 | 思考
竹田青嗣は、「自分を知るための哲学入門」ちくまライブラリー1990.10.30,P176で、フッサールの「現象学」の説明として、『人間はさまざまな環境、文化、歴史の背景の中で生き、それぞれ自分の固有の価値判断、意見、主張を持つ。そんなことはあたりまえのことだ。しかし、この多様な価値判断や意見をあたかも世界の客観的実在に関するもののように考えると、そこに「一致」が生じないのはなぜかという問題が現われるのである。つまり、主(観)―客(観)の難問は、「世界がわれわれにとって共通したものとしてある」ようなレベルと、「世界がわたしにとって独自の(固有の)ものとしてある」レベルとのズレが、論理の形式として同じレベルで語られるときに、つまり混同されるときにやってくるのである』と、まとめている。さらに続けて、『だからこそ、話し合いで共通了解としての一致を求めることが必要なのだ』とする(はしょりすぎのきらいはあるが)。

さて、プーチンは自分の主観だけを世界に押しつけてしまった。行き着く先には、自分の破滅か、核を使うことによる世界の破滅の道が待ち構えている。人間は幻想の中で生きているが、国のリーダーの間違った幻想は、世界を滅ぼす時代になっている。

ITも必要だ。DXもよかろう。アバターも面白いだろう。しかし、それらを使う前に哲学が必要だと言いたい。国のリーダーだけでなく、地球人ひとり一人の考え方によって、地球の存続が左右される時代に生きていることの自覚なしに、技術だけを使う恐ろしさが待ち構えているからだ。小学生にIT教育をするのも反対しない。しかし、基本の考え方なしに道具を使うことの恐ろしさは、歴史が教えている。まずは、政界、経済界、教育界の人たちから哲学を学んでいく必要がある。プーチンが反面教師として、そのことを教えてくれているのだから。

ゴルバチョフとオバマ

2022-09-12 19:54:29 | 心理
ソ連で言論・報道の自由を認めるグラスノチス(開放)政策、経済の意思決定を分散して効率化を図るペレストロイカ(再構築)政策を推進し、ノーベル平和賞を授賞したゴルバチョフが、2022年8月30日91歳で亡くなった。

西側諸国では評価が高いようだが、ロシア国内では評価が割れているらしい。期待も大きかったがゆえに、失望もあったと言われている。ロシア正教を信じる人達は、上がなにかをしてくれると考えているようなので、一人ひとりが頑張らなければならない民主主義は、価値観にそぐわないのかも知れない。

このような反動は、社会主義国独特のものではない。米国でもオバマへの期待が高かったがゆえの失望からトランプをホワイトハウス内に招いてしまった。ロシア人とアメリカ人の共通点(両国だけではないが)は、思い通りにいかなかったがゆえの感情の発露だろう。人間が理性を保持し続けるのは難しい。自分自身のことを考えてもそうなのだから、他人のことは言えない。

しかし、ゴルバチョフとオバマは、同時代に生きた人間として高く評価したい。一方、プーチンとトランプが、それなりに支持されているのを理解することは、私には難しすぎる。

ところで、2022が6月15日、ロシア政府などが主催する国際経済フォーラムが北西部サンクトペテルブルクで開幕された。運営団体によると、2021年の前回会合に比べロシアのウクライナ侵攻などで約1割減ったものの、参加国は127カ国だったという。世界には197カ国があるから64%が参加したことになる。脳科学者の中野信子は「人は、儲けられれば少々のことはガマンできる」と言う。が、目先の欲に目がくらむことは避けたいものだ。

ゴルバチョフとオバマがすべて正しかったということはないだろう。だが、彼らが向かおうとした方向は支持し続けたい。